タラモサラダ(タラモサラタ)のレシピをご紹介します。
食材にたらこを使った、日本でも簡単に作れるタラモサラダ2品です。
日本で「タラモサラダ」と言えば、一般的にはたらことジャガイモを使ったサラダという意味で使われていますが、実はたらこは日本独自の代用品。
タラモサラタの本場・ギリシャやトルコでは、「タラモ」というコイやボラなどの卵の塩漬けを使います。
タラモ(taramo)を使うサラダ(salata)なので、「タラモサラタ(taramosalata)」。
使う食材が違うので、当然、味も見た目も、日本のものとは少し異なります。
こちらは、本場ギリシャの伝統的なタラモサラタです。
色はピンクではなく薄茶色。
また、じゃがいも以外に、ペースト状にしたパンをつなぎにすることの方が多く、なめらかな食感です。
お味の方は、アンチョビペーストを混ぜたようなほのかな風味があり、基本的にはパンや野菜を付けるディップなので、日本のものよりも塩気がずっと効いています。
このような違いがあるものの、「タラモ」自体が日本では入手しづらいので、代わりにたらこを使うのは十分ありです。
「タラモ」を使うよりもマイルドに仕上がるので、日本人にはむしろこちらの方が食べやすいかもしれません。
さて、今回ご紹介するタラモサラダのレシピは次の2品です。
1品めは、ギリシャ風の本格タラモサラダ。
タラモを使わないので、あくまでギリシャ「風」ですが、本場のレシピにかなり近づけています。

また、パンなどのディップソースとして使いやすいように、塩気が比較的しっかりめ。
少量の玉ねぎとレモンとオリーブオイルで、フレッシュな風味をプラスします。
2品めは、味付けにマヨネーズを使う、日本風のタラモサラダです。

ポテトサラダのようにそのままでも食べやすい塩気になっています。
このレシピの考案者は、料理家の栗原心平さんです。
テレビ東京の「男子ごはん」で話題になりました。

なお、この記事は、ギリシャ・クレタ島の古都、ハニヤのベネチアンポートからお届けします。
(一部情報元:テレビ東京「男子ごはん」2014年9月14日放映)
ギリシャ風タラモサラダ
まずご紹介するのは、たらこを使ったギリシャ風の「タラモサラタ」の作り方です。
たらこの代わりに辛子明太子を使ってアレンジしてもOKです。
茹でたじゃがいも※ | 100g |
たらこ | 100g |
玉ねぎ | 30g(1/8個) |
オリーブオイル | 大さじ2 |
レモン汁 | 大さじ1/2 |
※パンの白い部分を水に浸して絞ったもの100gでもOK。パンを使う場合は、下の文中参照。
- 茹でたじゃがいもを潰し、しっかり冷ます。
- たらこ・玉ねぎ・オリーブオイル・レモン汁をフードプロセッサーに入れ、ペースト状にする。1を加え、軽く撹拌したらできあがり。
【工程1】
まず、茹でたじゃがいも(100g:約1個分)をフォークなどで軽く潰し、しっかり冷まします。
【工程2】
次に、たらこ(100g)・玉ねぎ(30g:1/8個)・オリーブオイル(大さじ2)・レモン汁(大さじ1/2)をフードプロセッサーに入れ、ペースト状にします。
このタラモサラダは、マヨネーズなしでも作れます。
たらこを少し多めに使い、フードプロセッサーでなめらかな食感にして、本場ギリシャ風に仕上げます。
最後に、じゃがいもを加え、軽く撹拌したら完成です。
仕上がりは、日本のごく一般的な「タラモサラダ」とくらべると、ややゆるめになります。
ディップとしてパンなどに塗りやすい固さで、味もややしっかりめ。
少量加え玉ねぎとレモン&オリーブの風味がとてもよく合いますよ。
じゃがいもの代わりにパンで作る方法
じゃがいもの代わりにパンを使う場合は、まず、パンの内側の部分だけを切り取って、水に軽く浸します。
そして、手で水気をしっかり絞ってから使います。

現地ギリシャのパン(写真)は、どれも歯応えがしっかりしています。
ギリシャの「タラモサラタ」は、じゃがいもではなく、パンをつなぎに使う方が多いようです。
ギリシャでは、タラモサラタに限らず、パンを水に浸して柔らかくしてから料理に使うということがよくあります。
パンをつなぎに使う方法は、日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、食べてみるとけっこうイケます。
じゃがいもと同じような感覚で食べられます。
パンの発酵による風味が加わるので、むしろじゃがいもを使うよりも美味しいかもしれません。
では次に、日本風の「タラモサラダ」のレシピをご紹介します。
日本風タラモサラダ
栗原心平さんが考案した、日本人に親しみやすい、手軽に作れる「タラモサラダ」のレシピです。
じゃがいも | 2個(360g) |
タラコ | 1~2本(50g) |
マヨネーズ | 大さじ2 |
塩 | 適量 |
黒こしょう | 適量 |
サラダ菜 | 適量 |
- じゃがいもの皮をむいて芽を取り除き、6等分に切る。
鍋に入れてかぶるくらいの水を加えて強火で15分くらい茹でる。
竹串がスーッと通ったら茹で汁を捨て、再び強火にかけて水分をしっかり飛ばす。 - 1をボールに移し、マッシャーなどでつぶし、しっかり冷ます。
- 粗熱が取れたら、ほぐしたタラコ、マヨネーズを加えて和える。
味をみながら塩、黒こしょうでととのえる。 - 3とサラダ菜を器に盛ったらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
【工程1】
まず、じゃがいも(2個:360g)の皮をむいて芽を取り除き、6等分に切ります。
そして、じゃがいもを鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、強火で15分くらい茹でます。(上の写真)
じゃがいもに竹串がスーッと通るまで茹でたら、ザルに上げ、茹で汁を捨てます。
そして、じゃがいもを鍋に戻し入れ、再び強火にかけて、ヘラで混ぜながら水分をしっかり飛ばします。(上の写真)
【工程2】
次に、じゃがいもをボールに移し、マッシャーやフォークなどでつぶし、しっかり冷まします。
【工程3】
じゃがいもの粗熱が取れたら、ほぐしたタラコ(1~2本:50g)、マヨネーズ(大さじ2)を加えて和えます。
そして、味をみながら、塩・黒こしょう(各適量)で整えます。
マヨネーズを味付けに使います。
【工程4】
最後に、タラモサラダとサラダ菜(適量)を盛ったら完成です。
この「タラモサラダ」は、作り置きすることもできます。
ただ、あまり日持ちせず、冷蔵で2〜3日くらいに食べ切ることをおすすめします。
お弁当のおかずにする場合は、涼しい季節限定で、できれば当日の朝に作ってください。
ギリシャのタラモサラタ
最後に、本場ギリシャのタラモサラタをご紹介します。
これは、ギリシャの首都アテネの人気レストラン「Diodos Agoras」で食べたタラモサラタ。
すでにお伝えした通り、本場ギリシャのタラモサラタは、タラコではなくコイやボラの卵の塩漬け(タラモ)を使うので、淡い茶色をしています。

本場のタラモサラタは、この魚卵の塩漬けをたっぷり使っているので、塩気がしっかり効いています。
基本的には、パンや野菜に付けていただくお料理です。
このタラモサラタは、アンチョビを混ぜたような風味があり、黒オリーブの実が添えられています。
オレガノとオリーブオイルで風味付けした、平焼きのカリッとしたパンと一緒にいただきます。
こちらは、ギリシャのサントリーニ島の人気レストラン「The Greeks」で食べた「タラモサラタ」。
先にお伝えしたアテネのタラモサラタよりも、さらに塩気と酸味が効いていて、発酵させたような魚の風味がはっきりと感じられます。
このお店では、パンと合わせていただくようになっていました。
以上、タラモサラタの作り方を現地ギリシャの情報とともにお伝えしました。
ところで当サイトでは、現地ギリシャでの経験をもとに、ギリシャ料理やギリシャの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。