
バクラヴァ(バクラバ:Baklava)の超簡単レシピをご紹介します。
バクラヴァとは、トルコやギリシャなどの地中海の国々をはじめ、中東地域や中央アジアやロシアでも食べられている、甘いお菓子のこと。
幾重にも重ねた薄いパイ生地の間に、ピスタチオやクルミなどのナッツを挟んで焼き、シロップを染み込ませた焼き菓子です。

市販の生地を使えば簡単ですが、生地から自作しようとするとかなりハードルが高め。
ですから、トルコでは、バクラヴァはスイーツの中で最も手がかかると言われているそうです。
実際、オスマン・トルコ時代のスルタン(皇帝)が、料理人にバクラヴァ作りの腕を競わせていたという逸話も残っています。
また、激甘な味も特徴の1つ。
本場では、甘い蜜を滴るほどたっぷりかけて、刺激的な甘さに仕上げます。
そうしたスイーツを食べ慣れていない日本人にとっては、もしかしたら、親しみにくい味かもしれません。

あえて、甘さをかなり控えめにしています。
本物はむちゃくちゃ甘いですけど、これだったら食べやすいと思います。

料理初心者にもおすすめのお手軽レシピ。
手順通りに作業すれば、失敗せずに作れますよ。
なお、記事の最後では、本場トルコやギリシャのバクラヴァを現地からご紹介します。
トルコの人気店のバクラヴァの味も合わせてお伝えします。
バクラヴァのレシピ

「バクラヴァ(バクラバ)」の作り方です。
全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
冷凍パイシート | 100g×2枚 |
ピスタチオ | 30g※ |
クルミ | 30g |
バター | 10g |
砂糖 | 20g |
はちみつ | 小さじ2 |
水 | 50ml |
レモン汁 | 小さじ1/2 |
シナモン | 少々 |
ピスタチオ | 適量※ |
※殻をむいたピスタチオを使用する。
- ピスタチオとクルミを保存袋に入れ、袋の上から叩いて細かく砕く。(フードプロセッサーを使ってもOK。)
- パイ生地1枚を半分に切り、それぞれを残りの1枚と同じくらいの大きさに伸ばす。
- 耐熱容器にクッキングシートを敷き、のばしたパイ生地(1枚)をのせる。その上に1の半量をまぶし、のばしたパイ生地(1枚)をかぶせる。さらにその上に、残りの1をすべてまぶし、残りのパイ生地(1枚)をかぶせる。
上面に溶かしたバターを塗り、ナイフで切れ目を入れる。 - 200度に予熱したオーブンで20分焼き、180度に落として10分焼く。
- 【シロップを作る】砂糖・はちみつ・水を小鍋に入れ、弱めの中火で3分煮詰める。レモン汁とシナモンを混ぜる。
- 焼き上がった4に5を回しかけ、砕いたピスタチオ(適量)をトッピングしたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1】
まず、ピスタチオの殻をむき、30g分用意します。

次に、ピスタチオ(30g)とクルミ(30g)を保存袋に入れ、袋の上から叩いて細かく砕きます。
あまり粉々にならないように、小さな塊が残っているくらいがちょうどいいです。


【工程2】
次に、冷凍パイシート(解凍したもの:2枚)のうちの1枚を、写真のように半分に切ります。
パイシートは、1枚が100gのものだったら、どのメーカーの商品でもOKです。

続いて、切ったパイ生地を、写真のように、もとのパイ生地と同じように縦長に置きます。

そして、切ったパイ生地を、麺棒などを使って、残りの1枚と同じくらいの大きさに伸ばします。

切ったパイ生地2切れをのばすと、同じくらいの大きさのパイ生地が3枚できます。

【工程3・4】
次に、オーブンに入れられる耐熱容器にクッキングシートを敷き、その上に、のばしたパイ生地(1枚)を置きます。
容器は、パイ皿でもいいですし、普通の皿でもOK。
写真は、金属製のバットを使っています。

続いて、パイ生地の上に、ピスタチオとクルミを砕いたもの(半量)を均一にまぶします。
ナッツはたっぷり使います。

そして、さらにその上に、のばしたパイ生地(1枚)をかぶせ、残りのナッツ(半量)をまぶします。

続いて、残りののばしていないパイ生地(1枚)をかぶせ、上面に溶かしたバター(10g)を塗ります。
溶かしバターの作り方
溶かしバターは、バター(10g)を耐熱容器に入れ、ラップなしで電子レンジ(600w)で30秒くらいチンすればできます。

バターを塗ったら、ナイフで切れ目を入れます。
切れ目は、パイ生地のフチの部分を少し残せば、あとは底までしっかり入れてしまってOKです。
切れ目を入れると、あとで回しかけるシロップが中まで染みやすく、火が入りやすくなります。
また、最後に切り分けやすいというメリットもあります。
そして、これをオーブンで焼きます。

バクラバは、少ししっかりめに焼いた方が香ばしくて美味しいです。
ただ、使用するオーブンによって焼き上がりは若干変わると思いますので、焦げそうになったら、温度を少し下げるなどして調整してください。

【工程5】
バクラバを焼いている間に、シロップを作ります。
まず、砂糖(20g)・はちみつ(小さじ2)・水(50ml)を小鍋に入れ、火にかけます。
沸騰したら、弱めの中火で3分ほど煮詰めます。

3分経ったら火を止め、レモン汁(小さじ1/2)とシナモン(少々)を加えます。
これでシロップができました。

【工程6】
パイ生地が焼き上がったら、アツアツのうちに、温かいシロップを回しかけます。
シロップの量は少なめなので、なるべく全体に万遍なくかけてください。

最後に、砕いたピスタチオ(適量)をトッピングしたらで完成です。
切り分ける際には、クッキングシートごと取り出して、包丁を入れると簡単です。

パイ生地のサクサク感をいかした、甘さ控えめの食べやすいバクラバです。
このレシピだったら、いつもの食事の準備の合間にチャチャッと作れます。
手軽に作れるおやつですよ。
次に、本場トルコやギリシャのバクラヴァを写真をもとにご紹介します。
本場トルコとギリシャのバクラヴァ
ここからは、本場トルコとギリシャの「バクラヴァ」を現地からご紹介します。

こちらは、トルコのイスタンブールにある、バクラヴァの超人気店「Karakoy Gulluoglu」の一皿。
イスタンブールを訪れたなら、是非、このお店に足を運んでみてください。
本場のバクラヴァと言えば、完食が難しいくらいに激甘なものが多いですけど、こちらのお店のは、日本人でも食べやすい甘さ控えめです。
バリエーションが豊富ですし、ナッツなどもたっぷり使っているので風味や食感が良くとても美味しいです。
私は、このお店がきっかけでバクラヴァにはまりました。
「Karakoy Gulluoglu」のバクラヴァ
@トルコ イスタンブール

こちらは、最もスタンダートなタイプのバクラヴァ。
本場のバクラヴァは、鮮やかなグリーンのピスタチオパウダーのトッピングが印象的。
フォークで持ち上げると甘いシロップが滴るくらいたっぷりとかかっていて、とても甘いです。
トルコには、お酒を飲まないイスラム教徒も大勢いらっしゃるので、バクラヴァをはじめとしたスイーツが、お酒代わりの刺激になっているのかもしれません。
ちなみにトルコでは、バクラヴァだけでなく、それと一緒にいただくコーヒーや紅茶もかなり甘くして飲む人が多いです。
「Star Restaurant」のバクラヴァ
@トルコ カッパドキア

こちらは、バクラヴァがトルコの市場で売られている様子です。
トルコでは、バクラヴァはロクムとともに最もポピュラーなお菓子なので、たくさんの専門店があります。
また、その種類もとても豊富です。
トルコ旅行をした際にいろいろなバクラヴァが食べたくなったら、イスタンブールにあるエジプシャン・バザールを覗いてみるのもいいですよ。
形や素材が少しずつ違ういろいろなバクラヴァに出会えて楽しいです。
「エジプシャン・バザール」のバクラヴァ
@トルコ イスタンブール

写真中央にあるのは、極細の麺状の生地を使ったバクラヴァの一種で「カダイフ(Kadayif)」と言います。
普通の生地のバクラヴァよりも、繊細な食感。
お味の方は、バクラヴァととても良く似ていて、すごく甘いです。
このお菓子は、最近、手土産として大変人気があるそうです。
「エジプシャン・バザール」のバクラヴァ
@トルコ イスタンブール

一方、こちらは、ギリシャの「バクラヴァ(バクラバ:Μπακλαβάς)」です。
ギリシャで食べられているバクラヴァは、トルコとほぼ変わりありません。
現地の人に聞いても、まったく同じだという答えが返ってきます。
ただし、トルコ人の中には、バクラヴァのルーツはトルコだと仰る方もいます。
たしかにその主張にも納得できる部分があって、トルコやギリシャなどの東地中海地域を旅していると、トルコを中心に大きな食文化圏が形成されていることを実感できます。
オスマン・トルコがかつて、ヨーロッパから中央アジア、中東に至るまでの広大な土地を治めていたことが影響しているのではないかと思います。
ちなみに、トルコ料理は、フランス料理や中華料理とともに、世界三大料理の一つに数えられています。
「To Briki」のバクラヴァ
@ギリシャ サントリーニ島

これは、ギリシャ版カダイフ「カダイフィ(Kataifi)」。
ギリシャにも、このようなちょっと変わったバクラヴァがありますが、トルコの方がよりバリエーションが豊富です。
「Palazzo Restaurant Cafe」のカダイフィ
@ギリシャ ロドス島

ところで、トルコやギリシャの国民的お菓子バクラヴァは、このように箱入りでも販売されています。
こちらは、本物のように蜜がたっぷりかかってしっとりどっしりしているわけではありませんが、お土産にぴったりです。
ちなみに、本場トルコやギリシャでは、バクラヴァを自宅で手作りする人がどんどん減っているそうです。
クッキー・ビスケット・ケーキなどは今でも家庭で作る人が多いようですが、これも時代の流れかもしれません。
もしかしたら、トルコ人やギリシャ人も、このバクラヴァもよく買うのかもしれませんね。
箱入りのバクラヴァだったら、日本でも通販などで手軽に入手できます。
たとえば、アマゾンだったら「バクラヴァ」で検索すると、いろいろなバクラヴァがヒットします。

最後にご紹介するのは、日本の老舗トルコ料理店のバクラヴァです。
日本には、東京や大阪を中心としてトルコ料理店がたくさんありますが、私の経験では、日本で食べられるバクラヴァは、本場よりもやや甘さが控えめになっていることが多いです。
日本の一般的なスイーツより甘いけれど、現地のバクラヴァよりも食べやすい。
このお店のバクラヴァもまさにそういう感じです。
本場のバクラヴァを彷彿とさせながらも、食べやすさも追求していて、とても美味しいです。
トルコ料理店「イスタンブール」のバクラヴァ
@東京 銀座
以上、トルコやギリシャの国民的お菓子、バクラヴァについてお伝えしました。
ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコ料理やトルコの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてぜひご覧ください。