スルタン・アフメット・ジャミィ。6本の尖塔を持つ格式高いブルーモスク!

スルタン・アフメット・ジャミィ


スルタン・アフメット・ジャミィ(Sultanahmet Camii)は、トルコのイスタンブールにある巨大なモスク。
同じくイスタンブール旧市街にあるスレイマニエ・ジャミィとともに、旅行者必見の、現役の宗教施設です。

スルタン・アフメット・ジャミィのタイル
モスクの内壁の一部が青を基調としたイズニックタイルで装飾されていることから、ブルーモスクとも呼ばれます。

ちなみに、ジャミィ(ジャーミィ)とは、トルコ語で「モスク」を意味しています。

ピラミッドのような優美な外観

このモスクは、内部の装飾も素晴らしいのですが、外観も優美です。

中央には大ドームが構え、その周りを囲むのは少し背の低い中小のドーム。
ピラミッドのように配置されたドームの外側には、6本の鋭利な石塔(ミナレット)がそびえています。

現役の宗教施設

1616年に建てられたこのモスクには、400年経った今でも、多くのイスラム教徒が集っています。

スルタン・アフメット・ジャミィに祈りの場
観光客が入れるスペースは明確に区切られていて、イスラム教徒のみが入れるスペースからは、イスラム教独特の、身が引き締まるような空気感を感じます。

スルタン・アフメット・ジャミィは、イスタンブールの超おすすめスポット。
この記事では、スルタン・アフメット・ジャミィの見どころと、これから観光するうえで役立つ情報をお伝えします。


スルタン・アフメト・ジャーミィの基本情報

スルタン・アフメット・ジャミィの中庭

スルタン・アフメット・ジャミィは、一般の観光客にも開放されています。
ただし、礼拝時間には入場できません。

観光できる時間 8:30〜11:30
13:00〜14:30
15:30〜16:45
ただし金曜日は13:30から。
定休日 なし
入場料 なし(寄付歓迎)
公式サイト http://www.sultanahmetcamii.org
行き方 トルコ・イスタンブールの旧市街内

ちなみに、モスク内は土足厳禁です。

スルタン・アフメット・ジャミィの靴を脱ぐ場所
入り口で配布されているビニール袋に靴を入れて入場します。

また、女性は布で頭を覆いますが、そのためのスカーフも入り口で借りられます。


ビニール袋とスカーフ、どちらも無料です。

スルタン・アフメト・ジャーミィの歴史

スルタン・アフメット・ジャミィの公園と噴水

スルタン・アフメット・ジャミィは、オスマン帝国の第14代スルタン(皇帝)、アフメット1世の命で建てられたモスクです。

アフメット1世は、弱冠13歳で王位に就いた、早咲きのスルタン。
モスクの建築が始まった1609年の時点で、彼はまだ19歳でした。

オスマン帝国の威信を取り戻すために建設

当時のオスマン帝国は、諸外国との戦争や内政面の混乱などがあり、かなり疲弊していたようです。
そうした時代背景もあり、アフメット1世は、オスマン帝国の威信を再び取り戻すために、自身の名を冠したモスクの建設に取りかかりました。

聖地メッカの神殿に並ぶ尖塔の数

スルタン・アフメット・ジャミィの周囲に立つ尖塔(ミナレット)の数は6本。

スルタン・アフメット・ジャミィのミナレット
ミナレットの数はモスクの格式を表すとも言われており、スルタン・アフメット・ジャミィの正面にあるアヤソフィアですら4本です。
当時、6本のミナレットを有していたのは、聖地メッカのハラム神殿だけでした。

アフメット1世はaltınminareler(金のミナレット)を造れと指示したにも関わらず、建築家が勘違いをしてaltıminare(6本のミナレット)を造ってしまったのだとか。
結局、アフメット1世は、ハラム神殿にミナレットをもう1本増築して、聖地の権威を守ったそうです。

ビザンツ帝国の宮殿跡地に建設

スルタン・アフメット・ジャミィがもう一つ斬新だったのは、ビザンツ帝国時代のコンスタンティノープル大宮殿の跡地に建てられている点です。

ビザンツ帝国は、かつて千年近くにもわたってこの街を中心として栄えた帝国。
オスマン帝国はそれまで、大宮殿の跡地の大部分をそのまま残してきました。

そうした土地に、巨大なモスクを建設することは、当時としては、なかなか新しい試みだったようです。



スルタン・アフメット・ジャミィは、7年の時を経て1616年に完成。

スルタン・アフメット1世の霊廟
翌年、アフメット1世が腸チフスのために亡くなってしまいます。
享年27歳でした。
彼の亡骸は、モスクの北側の霊廟に今も眠っています。

モスクは、それから400年経った現在でも、イスタンブールの象徴的存在として、その美しさを保っています。

スルタン・アフメト・ジャーミィの見どころ

続いて、スルタン・アフメト・ジャミィの見どころをご紹介します。

大小のドーム

スルタン・アフメット・ジャミィのドーム

モスクと言えば、やはりドーム状の屋根が特徴的です。
中央に大ドームが1つ、その周囲に中ドームが4つ、そしてその隙間に小ドームが8つ配置されています。

大ドームの高さは43メートル。
ビル10階分以上の高さがあります。



6本のミナレット

先ほどもお伝えしたように、スルタン・アフメト・ジャミィには6本のミナレットが立っています。
ミナレットとドームのおおよその位置関係は、下の図をご覧ください。

オレンジ色の丸印が、ミナレットの位置を表しています。

ちなみに、ミナレットは、一番高いもので64メートルあるそうです。


壁面のタイル

スルタン・アフメット・ジャミィの装飾

スルタン・アフメト・ジャミィの内側は、数多くのタイルで装飾されています。
タイルの数は、実に2万枚以上。
非常に凝った内装になっています。

当サイトが訪れた時はちょうどモスクの改修中だったため、その全てを見られたわけではありませんが、一部であってもその迫力は伝わってきました。

スルタン・アフメット・ジャミィの天井と壁面
天井&壁面
スルタン・アフメット・ジャミィの天井
天井
スルタン・アフメット・ジャミィの壁面
アーチ部分
スルタン・アフメット・ジャミィの壁面
壁面

ちなみに、工事前のモスク内の様子については、Twitterにアップされている次の画像も参考になります。
緻密な装飾が施された天井の様子が映し出されています。



また、ステンドグラスも見どころの一つです。
モスクの外周には何枚ものステンドグラスがあしらわれていて、日の光を浴びて、綺麗な輝きを放っています。

スルタン・アフメット・ジャミィのステンドグラス



巨大な円柱

モスクの天井を支えるのは、巨大な4本の柱です。

スルタン・アフメット・ジャミィの円柱
通称、「象の足」。

名前に恥じない、いえ名前に勝る存在感です。


アフメット1世の霊廟

スルタン・アフメット1世の霊廟

先ほどもお伝えした通り、モスクの北側にはアフメット1世の霊廟があります。
この霊廟も装飾がとても美しいので、合わせて観光することをおすすめします。

スルタン・アフメット1世の霊廟
外観
スルタン・アフメット1世の霊廟
天井
スルタン・アフメット1世の霊廟
アフメット1世の棺

公園と噴水

スルタン・アフメット・ジャミィの公園と噴水

スルタン・アフメット・ジャミィの外側は、公園になっています。

こうした開放感のある立地も、このモスクの魅力の一つ。
公園には噴水もあり、観光客や地元民が思い思いに寛いでいます。



以上、スルタン・アフメット・ジャミィの見どころについてお伝えしました。

このモスクは、イスタンブール旧市街のランドマーク的な建築物の一つです。
小高い丘の上に建っているため、海の上や、海を挟んで対岸にある新市街からも、その姿を眺めることができます。
海上から眺めたい場合は、ボスポラス海峡クルーズに参加するのが定番です。
新市街から眺めたい場合は、ガラタ塔に登るといいですよ。

ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコの観光スポットやトルコ料理について、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。

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