トルコヨーグルトの作り方や活用レシピなどを、現地トルコから詳しくお伝えします。
トルコでは、ヨーグルトは日々の生活に欠かせない定番の食材です。
ほとんど毎日と言っていいほど料理に使われている、消費量がとても多い食品の1つです。
一般的なトルコヨーグルトは、日本のヨーグルトよりも水気が少なく、味わいはこってり濃厚なのが特徴です。
トルコでのヨーグルトの使われ方は幅広く、調理段階で加えたり、できあがった料理にかけたりなど様々です。
アイランは、トルコの国民的飲み物とも言えるほど、多くの人に親しまれています。
トルコ人は、このアイランを冷蔵庫に大量ストックしておいて、水の代わりにガブガブ飲むそうです。
他には、サラダやスープにもよく使われます。
トルコヨーグルトの特徴
トルコでは、スーパーに並んでいるヨーグルトも大容量です。
日本では400グラムくらいの商品が売れ筋ですが、トルコではキロ単位で売られています。
日本では、ほとんどのヨーグルトが牛乳をもとに作られますが、トルコでは、原料からして様々です。
牛・羊・山羊・水牛の4種類。
中でも、水牛のミルクから作られるヨーグルトは希少で、最もコクがあって美味しいと言われているそうです。
ただ、イスタンブールなどの都市部で出回っているヨーグルトはほとんどが牛乳から作られており、地方に出向かないと食べられないマイナーなヨーグルトも多いとのこと。
地域によるヨーグルトの違いが今でもかなり残っているようです。
日本のヨーグルトとトルコのヨーグルトは、原乳にもかなり違いがありますが、それだけでなく、水分量も異なります。
トルコヨーグルトは水切りされているのが一般的
ごく普通のトルコのヨーグルトは、日本のヨーグルトほど水っぽくありません。
日本のヨーグルトに似た水気の多いヨーグルトも売られていますが、上の写真のように、しっかり水切りされているものの方が一般的です。
乳脂肪分がたっぷりと含まれていて、味わいはこってり濃厚。
舌触りは、まるでクリームのようになめらかです。
日本のヨーグルトをプレーンのままで食べる方は少数派だと思いますが、トルコヨーグルトだったら、何も加えずプレーンのまま食べてもすごく美味しいです。
水気をあまり含まないこの一般的なヨーグルトは、トルコでは「スズメヨーグルト(SÜZME YOĞURT)」と呼ばれています。
スズメヨーグルトの作り方は、後ほどご紹介します。
日本のトルコ料理店は自家製ヨーグルトを使用
ところで、私が知りうる限りでは、日本のトルコ料理店では、多くのお店でヨーグルトを手作りしています。
お店の方に聞くと、日本のヨーグルトの味が物足りないからだそうです。
もしかしたら、トルコのヨーグルトを種菌にして作っているのかもしれません。
自家製ヨーグルトにこだわるお店のトルコ料理は、やはり本格的で美味しいです。
また、日本のトルコ大使館でも、自家製ヨーグルトを使っているとのこと。
こちらは、トルコのヨーグルト菌をもとに、手作りしているそうです。
トルコヨーグルトはギリシャヨーグルトに似ている
トルコヨーグルトは、ギリシャヨーグルトとよく似ています。
ギリシャでも、しっかり水切りしたヨーグルトが一般的です。
ギリシャヨーグルトだったら、日本のスーパーでも販売されています。
リンク先では、メーカーごとのギリシャヨーグルトの味の違いも解説していますので、合わせて参考にしてください。
トルコヨーグルトの作り方
トルコのヨーグルトを日本で見かけることはあまりありませんが、日本のヨーグルトを水切りすると、トルコ風のヨーグルトが簡単に作れます。
作り方は、冒頭の動画も参考にしてください。
材料
プレーンヨーグルト | 1パック(適量) |
作り方
- ボールの上にザルをのせ、その上にキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを広げます。
- ラップをかぶせ、冷蔵庫に入れます。
ヨーグルトが好みの固さになるまで、30分〜1晩ほど置きます。 - ヨーグルトをキッチンペーパーで包み、キッチンペーパーの表面を手で軽くおさえるようにして、水気を取り除きます。
- キッチンペーパーをまな板の上に広げ、ヘラを使って軽くこそげ取るようにして、ヨーグルトをボールに移します。
その際には、キッチンペーパーをヨーグルトが乗っているぎりぎりのところで下に折りたたみ、キッチンペーパーの角をまな板の角に合わせると、ヨーグルトを簡単にボールに移すことができます。(動画参照)
冷蔵庫で置く時間はお好みです。
30分ほど置くだけでも、普通のヨーグルトとは違ったなめらかな食感が楽しめます。
ゆっくり1晩ほど置くと、本場トルコで食べられているごく一般的なヨーグルト「スズメヨーグルト」に近い固めの食感と濃厚な味に仕上がります。
トルコヨーグルトの冷凍保存
ところで、このように手作りしたトルコ風ヨーグルト(本物のトルコヨーグルトも同じ)は、ごく普通の日本のヨーグルトと同じく、冷蔵したうえで、なるべく早め(2〜3日中)に食べ切ってください。
たくさん残って食べ切れない場合は、塩を少量加えると、少し日持ちしやすくなります。
また、保存袋に入れ、冷凍するのもおすすめです。(上の写真)
冷凍した場合の日持ちは1ヶ月ほどです。
ただし、冷凍する際には、トルコヨーグルト100gにつき、砂糖小さじ2を混ぜてください。
砂糖の代わりに、少し多めのジャムを混ぜても良いです。
砂糖などを混ぜて冷凍すると、解凍した時に水分が分離しにくくなります。
詳しくは「ヨーグルトの冷凍保存」をご覧ください。
もし解凍せずに凍ったままで食べるのなら、砂糖を加えなくてもOKです。
お好みで甘みを少し補うと、美味しいフローズンヨーグルトができますよ。
トルコヨーグルトの料理レシピ
最後に、トルコヨーグルトを使ったおすすめ料理をご紹介します。
ヨーグルトソース
こちらは、トルコの食卓に欠かせないヨーグルトソースのレシピです。
肉・魚・野菜などどんな食材とも合わせやすいですけど、特に、スパイシーで脂っこい肉料理との相性がいいです。
お肉がさっぱりと美味しく食べられます。
アイラン
こちらは、トルコヨーグルトを使った国民的飲み物、「アイラン」です。
作り方はとても簡単で、トルコヨーグルトに塩を加えて混ぜるだけです。
ちなみにトルコでは、日本と同じかそれ以上に、ヨーグルトが健康的な食材だと考えられています。
風邪を引いた時や食欲が無い時にも、こうしたドリンクなどにして積極的に摂られています。
ジャジュク(ザジキ)
こちらは、ヨーグルトときゅうりを使ったディップソースのレシピです。
トルコでは、パンや肉やフライに付けて食べるのが定番ですが、ラクという甘口の伝統酒のおつまみとしても人気があります。
また、水を少し加えて、スープとして飲むこともあります。
シシカバブ
トルコの人気料理「シシカバブ」の味付けにも、ヨーグルトが使われることがあります。
ヨーグルトを使うと、肉の食感が柔らかく仕上がります。
作り方はとても簡単です。
調味料入りのヨーグルトに羊肉(もしくは牛肉)を一晩漬け込み、グリルで焼くだけ。
スパイスの量は控えめなので、とても食べやすいです。
イスケンデルケバブ
同じケバブの仲間でも、「イスケンデル・ケバブ」は、水切りしたヨーグルトをソースとして使います。
イスケンデル・ケバブとは、焼いた肉にパンをのせ、ヨーグルトソースとトマトソースをかけていただくお料理のこと。
ヨーグルトの爽やかな酸味で、お肉の旨味がぐっと引き立ちます。
ファラフェル
ファラフェルは、トルコだけでなく、中東地域全般で食べられている、主にひよこ豆で作られるコロッケです。
日本のじゃがいものコロッケとくらべると、ややしっかりとした歯応えがあり、ほんのりスパイシー。
このコロッケにも、ヨーグルトのソースが添えられることがよくあります。
マントウ
トルコ風のラビオリ、「マントウ」にも、ヨーグルトソースが添えられることが多いです。
他にも、野菜のトマト煮や野菜の揚げ物など、ヨーグルトソースと合わせるお料理はたくさんあります。
バリエーションが多すぎて、ここでは紹介しきれないほど。
一度トルコを旅すると、トルコの食生活にヨーグルトが欠かせないものであることを実感できます。
ちなみに、トルコでも、日本と同じように、ジャムやはちみつやナッツなどをヨーグルトにトッピングして食べることもあります。
ただ、この食べ方は、トルコではあまりポピュラーではありません。
ホテルの朝食のバイキングなどで時折目にする程度です。
以上、トルコヨーグルトの作り方と食べ方についてお伝えしました。
ヨーグルトはトルコ料理に必要不可欠な食材です。
旨みたっぷりの肉料理からトロッとした野菜の煮込み料理まで、様々な料理と好相性。
日本では馴染みのない食べ方も中にはありますが、試してみると意外なほどよく合いますよ。
ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコ料理やトルコの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてぜひご覧ください。
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