トルコ料理の有名メニュー42品の特徴やレシピを、現地からご紹介します。
トルコは、肉料理がとても美味しい国。
特に、羊肉(ラム肉)の味は、時に感動するほど素晴らしいです。
この2種類の肉料理は、絶対に外せません。
ケバブとキョフテだったら、どのお店に入っても美味しくいただける。
そう断言できるほど、これらの肉料理はハイレベルです。
とは言え、トルコ人は肉ばかりを食べているわけではありません。
むしろ、日本人よりも野菜をたくさん食べている印象があります。
実はトルコは、野菜もすごく美味しいんです。
味がしっかりしていて濃厚。
肉なしでも十分満足できます。
また、トルコ料理は、日本人からするとスパイシーなイメージがあるかもしれません。
でも実際は、東南アジアやインドほど香辛料を使いません。
ですから、トルコ料理は、日本人にも親しみやすいと思います。
ちなみに、使用するスパイスの種類も、そんなに多くはありません。
比較的よく使われるのは、唐辛子・クミン・ミント・タイム・オレガノなど。
ごく一般的なトルコの家庭では、こうしたスパイスを中心に、4〜5種類くらいを使い分けている程度です。
もしかしたら、ストックしてある香辛料の種類は、日本の家庭の方が多いかもしれません。
サルチャは、日本人にとっての味噌のような、トルコ人に親しまれている定番の調味料。
煮込みやスープなどによく使われるほか、肉料理の下味に使われることも多いです。
さて、この記事では、現地トルコでの経験をもとに、トルコの名物とも言える人気料理42品の味や作り方などを詳しく紹介します。
記事の最後では、日本のおすすめトルコ料理店(東京や横浜)も紹介しています。
合わせて参考にしてください。
ケバブ
トルコ料理で一番有名なものは、やっぱりケバブ。
ケバブと言えば、まず真っ先に「ドネル・ケバブ」を思い出す方が多いかもしれません。
大きな肉のかたまりを回転させて焼く「ドネル・ケバブ」。
もちろん、トルコにも「ドネル・ケバブ」はあり、日本と同様にファーストフード的な食べ物として人気を博しています。
ただ、トルコでは、「ケバブ(kebab)」という言葉にはより広い意味があって、単純に、「焼き肉」のことを指しています。
ですから、現地で食べるケバブは、ここではお伝えしきれないくらい多様です。
まずは、トルコの代表的なケバブのバリエーションをご紹介します。
シシケバブ(シシカバブ)
トルコで最もポピュラーなケバブ(焼き肉料理)は、シシケバブ(シシカバブ:shish kebab)です。
シシケバブとは、主に羊肉を使った串焼きのこと。
鉄串を使って焼いた場合は、上の写真のように、串を外して皿に盛られて出てきます。
ケバブというと、肉がどっさりと出てくるイメージがあるかもしれませんが、トルコでは、たっぷりの野菜やピラウ(ピラフ)と一緒に供されるのが普通です。
肉の旨みがギュッと詰まっていて、とっても美味。
付け合わせのトマトやピーマンも、お肉と一緒に直火で調理していて、これもまた美味しいです。
「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のシシケバブ
@トルコ イスタンブール
肉を調味料に漬け込み、グリルで焼くだけの簡単レシピを紹介しています。
ドネルケバブ
こちらは、日本でもお馴染みの「ドネル・ケバブ(Döner Kebabı)」。
写真は、イスタンブールにある、1974年創業の老舗専門店のドネルケバブです。
ドネルケバブは、トマトや玉ねぎやポテトなどの野菜と一緒に、ピタパンなどに挟んで食べるのが一般的。
お肉は、ラムなどの羊肉の他に、牛肉やチキンなどが使われることもあります。
ドネルケバブは、お肉の調理法がとてもユニークです。
薄切りにした肉をヨーグルトや調味料でマリネ。
それを垂直に積み上げるように串に刺し、回転させながらじっくりと焼き上げます。
注文が入ると、表面のこんがりと焼けた部分だけをそぎ切りにして、お客さんに供されます。
トルコの銀座通りとも言える一番の目抜き通り「イスティクラル通り」には、アイスクリーム屋さんとともに、ドネルケバブ屋さんがたくさん軒を連ねています。
「Sedef Döner」のドネルケバブ
@トルコ イスタンブール
イスケンデル・ケバブ
こちらは、「イスケンデル・ケバブ(Iskender Kebabı)」。
トルコでも、とりわけ人気があるケバブです。
日本人にはあまり馴染みがありませんが、トルコ人に好きなケバブを聞くと、かなりの確率で「イスケンデル・ケバブ」という答えが返ってきます。
一口大に切った薄焼きパン(ピデ)の上に、ドネルケバブの薄切り肉をのせ、トマトソースとヨーグルトをかけたお料理です。
このケバブを考案したのはイスケンデルさんという方で、上の写真は、イスケンデルさんの子孫が経営する、まさに発祥とも言えるお店の一皿。
仕上げに溶かしバターをたっぷりかけるのが特徴です。
「Kebapçı Iskender」のイスケンデルケバブ
@トルコ イスタンブール
アダナ・ケバブ
ケバブのバリエーションをあともう1つご紹介します。
アダナというトルコ南部の街の名物料理、「アダナ・ケバブ(Adana Kebabi)」です。
このケバブは、塊肉ではなく、叩いた肉を使うのが特徴。
弾力のある食感で、他のケバブとくらべるとややスパイシーな味付けになることが多いです。
先に紹介した「シシケバブ」の、肉々しいしっかりとした食感が食べにくいという方は、是非このケバブを食べてみてください。
「Three Partners Cafe & Restautant」のアダナケバブ
@トルコ イスタンブール
キョフテ
トルコの肉料理だったら、キョフテ(köfte)もとても人気があります。
キョフテは、簡単に説明すると、トルコ風ハンバーグ。
羊肉が使われることがほとんどで、弾力のある食感で、ほんのりスパイシーです。
ただ、トルコの超人気専門店のキョフテを食べると、日本のハンバーグとは似て非なるものであることがよく分かります。
ウズガラ・キョフテ
こちらは、キョフテの中でも最もポピュラーな、「ウズガラ・キョフテ(Izgara köfte)」。
写真は、イスタンブールの超人気店、「Tarihi Sultanahmet Koftecisi Selim」の一品です。
このお店の「ウズガラ・キョフテ」は、初めて食べたときに、美味しすぎて衝撃が走りました。
どうすればこんな弾力が出るのかと思うほど、インパクトのある食感。
そして、ものすごく深い、肉の旨み。
肉の魅力をぎゅっと凝縮したようなお料理で、私にとって、生涯忘れられない味です。
現地に旅行したら、ぜひ「Tarihi Sultanahmet Koftecisi Selim」に寄ってみてください。
「Tarihi Sultanahmet Koftecisi Selim」のウズガラキョフテ
@トルコ イスタンブール
本場の超人気店には及びませんが、キョフテの感じが、何となく掴めると思います。
イリチ・キョフテ
こちらも、キョフテの一種。
「イリチ・キョフテ(Içli köfte)」と言って、こちらも食べ出したら止まらない美味しさです。
現地のトルコ人にも人気がある定番メニューです。
ブルグルの粒々が少し残ったカリッとした皮と、コクのある肉だねが絶妙にマッチします。
「Can Can Cafe Restaurant」のイリチキョフテ
@トルコ カッパドキア
ドルマ
ドルマ(Dolma)は、野菜の中に、米や肉などの詰め物をしたお料理の総称です。
詰め物をする野菜(器代わりにする野菜)は、ピーマン・ズッキーニ・トマトなど。
他にも、キャベツや葡萄の葉でくるっと巻いたドルマもあります。
中に詰めるものは、ハーブや野菜を米に混ぜたものが一般的です。
それ以外にも、肉を混ぜて豪華に仕上げるレシピもあります。
傾向としては、肉なしのドルマは、前菜(メゼ)として供されることが多いです。
一方で、肉を使ったドルマは、メイン料理になることもあります。
写真は、米とハーブが詰まった、ポピュラーな肉なしのドルマ。
さっぱりとした味で、トルコのお酒「ラク」と相性がとてもいいです。
ブドウの若葉をさっと湯がいたものか、塩漬けにしたものが使われます。
中身はこちらも基本的に、米やハーブとシンプル。
塩気がしっかり効いていて、ほのかな酸味もあり、爽やかです。
このドルマは、朝食に供されることもあります。
イスタンブールやイズミルなど、海に近い地域でよく食べられるドルマで、ムール貝の中にお米などを詰めたお料理です。
ムール貝の旨味がご飯に染みていて、とても美味しいです。
「armada restaurant」のピーマン&ズッキーニドルマ
@トルコ イスタンブール
日本食のおかずにもなる、お肉をたっぷり使ったドルマを紹介しています。
本場でポピュラーな、鍋を使ってドルマを煮込む方法を解説していますので、参考にしてください。
ピルゾラ
トルコの肉料理だったら、シンプルなラムチョップ「ピルゾラ(Pirzola)」もおすすめです。
トルコは、とにかく羊肉がとっても美味。
クセがなくて旨味がしっかりした、日本ではなかなか食べられそうにないハイクオリティーな羊料理が、街なかの大衆レストランで食べられます。
「Galata Sembol Balik Restaurant」のピルゾラ
@トルコ イスタンブール
メゼ(前菜)の定番料理
ここからは、トルコ料理のメゼ(Mezeler)として供される定番メニューをいくつかご紹介します。
メゼとは、メイン料理が来る前につまむ前菜のことです。
1品づつ小皿料理として出されることもありますし、数品が盛られた大皿料理として出されることもあります。
メゼ向けの定番メニューとしては、先に紹介した「ドルマ」の他に、フムス・ジャジュク・ハイダリ・アジルエズメなどが挙げられます。
下の写真は、メゼの写真です。
各番号は、次のメニューと対応しています。
① ブドウの葉のドルマ
② フムス
③ ジャジュク
④ アジルエズメ
こちらのメゼは、中央に、トマトの皮で作ったバラの花があしらわれていて、とても豪華です。
先に紹介した定番メニューの他に、インゲン豆の煮込みやナスの冷菜も添えられています。
「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のメゼ
@トルコ イスタンブール
こちらも豪華なメゼ。
棒状に切ったきゅうりの仕切りは、日本でも使えそうなナイスアイデアです。
「Istanbul Anatolian Cuisne」のメゼ
@トルコ イスタンブール
フムス
メゼ(前菜)を注文すると、必ずと言って良いほど出てくるのが、この「フムス(Humus)」。
ひよこ豆を使ったペーストのことで、パンなどに付けて食べるのが一般的です。
トルコ料理というよりは、中東や地中海沿岸など広域で食べられています。
写真のフムスは、茹でてペースト状にしたひよこ豆に、タヒニ(練ごま)の風味と塩気をほど良く効かせたシンプルな味付け。
材料は本当にこれだけ?と思ってしまうくらい深いコクがあって、とても美味しいです。
ちなみに、味付けには、オリーブオイルやレモンやハーブなどもよく使われます。
「Cancan Cafe Restaurant」のフムス
@トルコ カッパドキア
ベーシックなフムスの作り方のコツなども解説しています。
ジャジュク
「ジャジュク(Cacik)」も、トルコのメゼに欠かせないメニューです。
作り方はとても簡単。
千切りもしくはすりおろしたきゅうりに、ヨーグルト・おろしにんにく・ディルやミントなどのハーブ・塩を混ぜるだけ。
しっかり水切りしたヨーグルトを使ったジャジュクは、トルコの地酒「ラク」のおつまみとしても人気があります。
また、水気を補ってスープのように仕上げたジャジュク(写真)は、食事の付け合わせにされることも多いです。
爽やかな後味で、ケバブなどの肉料理との相性もバッチリです。
「Three Partners Cafe&Restautant」のジャジュク
@トルコ イスタンブール
「ジャジュク(ザジキ)のレシピ」は、リンク先を参考にしてください。
ハイダリ
こちらもメゼの定番「ハイダリ(Haydari)」です。
先に紹介した「ジャジュク」と同じくヨーグルトベースのお料理ですが、こちらは、おろしにんにくとハーブ(ディルやミントなど)を使ったシンプルなディップ。
トルコで人気の白チーズ「ベヤズ・ペイニール(Beyaz Peynir)」を風味付けに加わえることもあります。
「venus hotel」のハイダリ
@トルコ パムッカレ
アジル・エズメ
「アジル・エズメ(Acili Ezme)」は、唐辛子を使ったピリッと辛いペースト。
にんにく・玉ねぎ・パプリカ・きゅうりなどの野菜を細かく刻んで使います。
パンと好相性です。
「Three Partners Cafe&Restautant」のアジルエズメ
@トルコ イスタンブール
ターゼ・ファスリエ
トルコは、日本とくらべて、野菜の味がとても濃いです。
味がしっかりしたトルコの野菜を少し気長にコトコト煮ると、さらに美味しさがアップ。
飽きずにいくらでも食べられます。
「ターゼ・ファスリエ(Zeytinyağlı taze fasulye)」は、そうした野菜の煮物の中でも、とりわけ食べていただきたいメニューの一つ。
人気店のターゼ・ファスリエは、さやいんげんの煮物の概念が覆されるほど美味しいです。
味付けには、深い旨味のあるトルコのトマトペースト「サルチャ(Salça)」を使います。
レストラン「Kayas」のターゼファスリエ
@トルコ パムッカレ
クル・ファスリエ
こちらは、「クル・ファスリエ(Kuru Fasulye)」。
白いんげん豆の煮込みです。
ちなみに、「ファスリエ」とは、煮込み料理を指します。
サルチャは、日本で言う醤油や味噌のような大事な調味料です。
ケバブやキョフテの味付けにも使われますし、スープや煮物にも加えられます。
このお料理にも、サルチャの奥行きのある風味が活かされています。
日本では外食として豆の煮物を食べる機会はあまり多くないと思いますが、トルコの大衆レストランでは、けっこうな確率でこの豆の煮物に出会います。
「armada restaurant」のクルファスリエ
@トルコ イスタンブール
ムサカ
こちらは「ムサカ(Musakka)」。
ムサカと言えば、日本ではギリシャ料理として知られていますが、実はトルコが本家だと言う人もいます。
でも、トルコのムサカはホワイトソースを使わないのが特徴です。
そしてその上に、羊肉・ピーマン・トマトなどで作った煮込みをかけ、オーブンで焼き上げます。
なすの美味しさが引き立つ、こってりとした食べ応えのあるムサカで、ギリシャとはまた違った魅力があります。
「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のムサカ
@トルコ イスタンブール
カルヌヤルク
この「カルヌヤルク(KarniYarik)も、先に紹介したムサカと同じく、オーブンを使った煮込み料理の定番メニューです。
カルヌヤルクとは、「お腹を割く」という意味で、柔らかく揚げた茄子のお腹をさいて、そこにひき肉を詰めて煮込んで作ります。
茄子が油をしっかり吸うので、こちらもこってりとした味わい。
少量でも満足できるお料理です。
「kayas」のカルヌヤルク
@パムッカレ トルコ
ファラフェル
「ファラフェル(Falafel)」は、トルコ料理と言うよりは、中東及び地中海沿岸の広域で伝統的に食べられているメニュー。
主にひよこ豆で作られるコロッケです。
国や地域によって形や食感や味付けがかなり異なりますが、日本のコロッケよりもややしっかりめの食感で、ほんのりスパイシーなところが特徴です。
ビールなどのお酒のおつまみにぴったりです。
「Mozaki Cafe Restaurant」のファラフェル
@トルコ イスタンブール
リンク先では、トルコの料理のプロに教わったアイデアをいかした簡単レシピを紹介しています。
カラマル・タワ
こちらは、イカのリング揚げ。
トルコでは、「カラマル・タワ(Kalamar Tava)」と呼ばれています。
味付けは、ほぼ塩だけとシンプルなので、日本のイカフライととても良く似ています。
たっぷりのタルタルソースを添えていただくのがトルコ流です。
「Semazen Restaurant」のカラマルタワ
@トルコ イスタンブール
チョバンサラタス
こちらは、トルコで一番人気のサラダ「チョバンサラタス(Coban Salatasi)」。
どこのレストランにもある定番メニューの1つです。
チョバンは、羊飼いの意味。
もともとは、遊牧民が家畜を放牧している時に食事として食べていたサラダですが、今では一年中食べられています。
忙しい時でも簡単に作れるサラダ。
トマト・きゅうり・ピーマン・玉ねぎなどを角切りにして、お皿に盛ったら完成です。
お好みでハーブやオリーブオイル・レモン・塩などで味付けしていただきます。
「La Vida A la Carte」のチョバンサラタス
@トルコ カッパドキア
メルジメッキ・チョルバス
こちらは、トルコの定番スープ「メルジメッキ・チョルバス(Mercimek Çorbasi)」です。
レンズ豆をたっぷり使ったスープで、とろっとした食感。
優しい味わいが魅力です。
「akdamar lokantasi」のメルジメッキチョルバス
@トルコ イスタンブール
ギュベチ
「ギュベチ(Güveç)」は、トルコの土鍋料理。
お肉に数種類の野菜を合わせた煮込み料理で、トマトの旨味がじんわり馴染んでいて美味しいです。
羊肉の他に、牛肉や鶏肉などが使われることもあります。
写真のギュベチは、仕上げにピラウ(トルコのピラフ)がトッピングされています。
「Venus Suite Hotel」のギュベチ
@トルコ パムッカレ
ピラウ(ピラフ)
「ピラウ(Pilav)」は、ピラフの語源とされているトルコ語。
トルコのピラフには何パターンかあって、米にパスタ混ぜたもの、「ブルグル」と呼ばれるひき割り小麦で作られもの、「クスクス」という粒状のパスタが使われたものなどが有名です。
写真右上に盛られているのがピラウ。
米に混ぜられた茶色いものはパスタです。
上の大きな写真は、イスタンブールの人気店で食べた一皿。
トラブゾンという黒海沿岸の街で人気の老舗ピラウ屋の、イスタンブール支店です。
ブイヨンで炊いたさっぱりとしたライスに、いんげんの煮込み(クル・ファスリエ)と羊肉の煮込みを添えていただきます。
「Tarihi Kalkanoğlu Pilavcısı」のピラウ
@トルコ イスタンブール
メネメン
「メネメン(menemen)」は、朝食によく食べられる卵料理。
トルコ風スクランブルエッグです。
トマトや玉ねぎやピーマンなどの野菜をバターで炒め、溶いた卵を回し入れ、ハーブや塩で味付けします。
お好みでチーズを加えると、よりとろっとして美味しいです。
「Ehli Keyf Cafe」のメネメン
@トルコ イスタンブール
サバサンド
こちらは、イスタンブールの観光スポット「ガラタ橋」で人気の名物料理「サバサンド」です。
トルコ語では、「バルック エキメッキ(Balik Ekmek)」と呼ばれています。
バルックは魚のこと、エキメッキはトルコ風フランスパンを指します。
シンプルに塩焼きにしたサバは、ふんわりとした軽い食感で、トルコの柔らかいフランスパンとよく馴染みます。
サバの他に使う具材は、玉ねぎとレタスだけ。
レモン汁をかけていただきます。
ガラタ橋のサバサンド
@トルコ イスタンブール
どこのスーパーにもある塩サバを使って簡単に作る方法を紹介しています。
シガラ・ボレイ
「シガラ・ボレイ(Sigara Böreği)」は、チーズ入り春巻きのようなお料理。
たばこ(Sigara)のように細長い形をしていることから、この名前があります。
ユフカは、手作りする家庭もありますが、春巻きの皮のように市販品も売られています。
春巻きの皮よりも少し厚みがあり、ややふんわりとした食感です。
「kayas」のシガラボレイ
@パムッカレ トルコ
マントウ
マントウ(Manti)は、トルコ風ラビオリのこと。
水餃子と言っても良いかもしれません。
羊肉や野菜で作ったあんを、薄く伸ばした小麦粉生地で包んでさっと茹でたお料理。
お好みでヨーグルトソースやトマトソースをかけていただきます。
ツルンとした食感で、さっぱりしています。
ちなみにこれは、スーパーで売られている市販品のマントウ。
手間がかかるお料理なので、最近は出来合いで済ませる家庭も多いようです。
「Turkish Ravioli Restaurant」のマントウ
@トルコ カッパドキア
ピデ
ピデ(Pide)は、トルコで伝統的に食べられているピザのこと。
イタリアのピザの原型とも言われています。
円形ではなく、先の尖った舟型をしているのが特徴です。
写真は、イスタンブールにある老舗ピデ屋の人気メニュー。
皮はややしっかりめの食感で、超具だくさんです。
「Hocapasa Pidecisi」のピデ
@トルコ イスタンブール
ラフマジュン
これは「ラフマジュン(Lahmacun)」というトルコ料理。
生地はふんわり軽い食感です。
ピリッとした辛さのあるトマト風味で、ビールのおつまみにぴったりです。
「Bihari Ocakbasi Restaurant」のラフマージュン
@トルコ イスタンブール
ギョズレメ
「ギョズレメ(Gozieme)」も、薄く伸ばした小麦粉生地を使ったトルコ料理。
先に紹介したラフマジュンとは対照的で、あらかじめ生地をたたんでから焼きます。
こちらの中身は、炒めたほうれん草とチーズがポピュラーで、マイルドな味わいが魅力。
朝食でもよく食べられるメニューです。
「Ehli Keyf Cafe」のギョズレメ
@イスタンブール トルコ
トルコのお菓子
次に、トルコ料理の定番スイーツをご紹介します。
中でもとりわけ人気があるのは、英語で「ターキッシュ・ディライト(トルコの悦び)」と呼ばれて親しまれている、ゆべしのような食感の「ロクム」。
そして、トルコのとっても甘いお菓子の代表格「バクラヴァ」です。
ロクム
まずご紹介するトルコのお菓子は「ロクム(Lokum)」です。
ロクムは、砂糖とでんぷんを混ぜて作るトルコの伝統的なスイーツで、隣国のギリシャや中東地域でも、似たようなお菓子が食べられています。
すでにお伝えした通り、ゆべしや求肥のような柔らかい食感で、ものによってはたっぷりのナッツやドライフルーツを練り込んだ豪華なロクムもあります。
また、フルーツやチョコレートなどのフレーバーが付いているものもあり、バリエーションが豊富で食べ飽きません。
ロクムは、トルコのスイーツの中では比較的甘さが控えめですし、見た目もきれいなので、お土産としてもおすすめです。
「Hafiz MuStafa」のロクム
@トルコ イスタンブール
「ロクムのレシピ」では、トルコの老舗菓子店風のシンプルな作り方を紹介しています。
主な材料は、グラニュー糖・コーンスターチ・クルミ。
調理時間は、たったの10分です。
バクラヴァ
「バクラヴァ(Baklava)」は、トルコの甘いお菓子の代表格です。
お店によっては、日本人には馴染めない、甘過ぎるバクラヴァもたまにあります。
なぜ、トルコのお菓子はこんなに甘いのか。
それは、お酒を一切飲まないイスラム教徒が多くいらっしゃるからかもしれません。
お酒の代わりにスイーツを楽しんでいるようにも思えます。
さて、バクラヴァは、透けるくらい薄く伸ばした小麦粉生地を何層にも重ね、その中にピスタチオやクルミなどのナッツを散りばめて、オーブンで焼いたもの。
焼き上がりに、こってりと甘いシロップをしたたるくらいたっぷりとかけたら完成です。
ちなみに、日本人にも合う甘さ控えめのバクラヴァが食べたいという方には、イスタンブールにあるバクラヴァの超人気店「karakoy gulluoglu」がおすすめです。
上の写真は、同店のバクラヴァ。
ナッツをたっぷり使ったリッチなバクラヴァで、地元のトルコ人や観光客にも定評があります。
「Karakoy Gulluoglu」のバクラヴァ
@トルコ イスタンブール
料理の片手間でも作れる、冷凍パイシートを使った超簡単レシピを紹介しています。
ドンドゥルマ(のびるアイス)
トルコのスイーツと言えば、日本では、もしかしたら、のびるアイスが一番よく知られているかもしれません。
なかなかインパクトがありますが、トルコではごく普通のアイスなんです。
粘りが強い理由は、ランの根を原料にしたサーレップの粉を使っているから。
トルコでこのアイスは、「ドンドゥルマ(Dondurma)」と呼ばれています。
ねっとりと舌に絡みつくような食感で、濃厚な味に感じられます。
トゥルンバ
「トゥルンバ(Tulumba)」は、先に紹介したバクラヴァと同じく、激甘なスイーツです。
一口大に揚げたドーナツをたっぷりのシロップに浸したもので、甘過ぎて食べ切れないこともしばしば。
そんな刺激的なドーナツを、写真のように皿にたくさん盛って食べるのがトルコ流です。
「karakoy gulluoglu」のトゥルンバ
@トルコ イスタンブール
キュネフェ
「キュネフェ(Künefe)」は、チーズを使ったトルコのスイーツです。
のびる白チーズが生地の中に挟まっていて、コクのある甘い蜜が全体にかかっています。
トッピングの緑の粉は、ピスタチオパウダーです。
キュネフェ作りには、カダイフという極細の麺状の生地を使います。
金属製の皿の上にカダイフを広げ、その上にチーズをのせ、さらにその上にカダイフをかぶせて焼き上げます。
焼き上がったら、はちみつなどを使った甘い蜜をたっぷりかけます。
これで完成です。
表面はパリッとした食感。
お味の方は、濃厚な甘みとのびる白チーズのさっぱりとした味がよく合います。
「Lezzet-i Sark」のキュネフェ
@トルコ イスタンブール
カザンディビ
「カザンディビ(Kazandibi)」は、牛乳を使った焼き菓子。
もっちりとした食感が特徴で、表面のカラメル味がよく合います。
レストランの他に、お菓子屋さんでも置いているところが多いです。
「Hafiz MuStafa」のカザンディビ
@トルコ イスタンブール
トルコのパン
続いて、トルコの代表的なパンをご紹介します。
エキメッキ
トルコ人が最もよく食べるパンと言えば、このフランスパン風「エキメッキ(Ekmek)」です。
トルコ人の主食とも言えるパンで、街のいたるところで売られています。
先に紹介した「サバサンド」に使われるのもこのパン。
ごく普通のフランスパンとくらべると、全体的に柔らかいのが特徴です。
ピデ・エキメッキ
こちらは、中東風の平焼きパン「ピデ・エキメッキ(Pide Ekmek)」。
レストランで出てくるパンは、このような平たいタイプがポピュラーです。
しっかりとした弾力があり、かなり食べ応えがあります。
こちらも名前は「エキメッキ」。
表面がカリッとしていて、中はしっとり。
トッピングされているのはゴマではなく、ブラッククミンシードです。
ちなみに、日本のトルコ料理店では、これを小さくしたようなパンが供されることが多いです。
シミット
こちらは「シミット(スィミット:Simit)」というリング状のパン。
もっちりとした食感で、ほのかな甘みがあり、表面にごまがたっぷりかかっているのが特徴。
風味豊かでとても美味しいです。
トルコの飲み物・アルコール
ここからは、トルコでよく飲まれているお茶・コーヒー・ソフトドリンク・アルコールなどをご紹介します。
トルコにはイスラム教徒が多いので、レストランに入ってもアルコールが無いこともよくあります。
アルコールを一切飲まない人々が親しんでいるのは、トルコの国民的飲み物「アイラン」、そして甘い「トルココーヒー」や「チャイ」です。
アイラン
こちらは、「アイラン(Ayran)」。
トルコ人がよく飲むヨーグルトドリンクです。
インドのラッシーと違うのは、甘みを一切加えないこと。
アイランは、ヨーグルトに塩を混ぜるだけで作れます。
日本人には飲み慣れない味かもしれませんが、さっぱりとしていて意外な美味しさです。
作り方はとても簡単。
「アイランのレシピ」を参考にしてください。
トルココーヒー
トルコの有名な飲み物と言えば、トルココーヒーも外せません。
トルコの伝統的なコーヒーは、無形文化遺産にも登録されており、トルコ語で「テュルク・カフヴェスィ(Türk Kahvesi)」と言います。
トルココーヒーは、コーヒーの粉を煮出して作るのが特徴で、苦味が強くて濃い味がしますが、砂糖を多めに加えると、味に丸みが出て飲みやすくなります。
また、小さめのカップに注いで、甘いお菓子と一緒にいただくのがトルコ流。
少量でも満足できる濃厚な美味しさです。
トルココーヒーの魅力を徹底的に解説しています。
トルコ紅茶 チャイ
トルコ人が一番よく飲むものと言えば、もしかしたら、先に紹介したコーヒーやアイランではなく、「チャイ(Çay)」かもしれません。
トルコでは、ほっと一息つきたい時に、必ずと言って良いほどチャイを飲みます。
人によっては、1日に十杯ものチャイを飲むそうです。
トルコの紅茶は、茶葉を煮出して作るので、かなり味が濃く、また渋みが強いです。
この濃い紅茶に、砂糖をたっぷり加えるのがトルコ流。
でも最近では、ダイエットのために、砂糖なしで飲むトルコ人も増えています。
甘いチャイに甘いお菓子の組合わせ。
しかも、どちらもかなり甘みが強いですけど、チャイの苦味や渋味がけっこういいんです。
試してみると意外としっくり来ます。
ぜひ合わせてご覧ください。
ラク
お酒が飲めるトルコ人に「好きなお酒は何?」と聞くと、決まって「ラク」という答えが返ってきます。
ラク(Raki)は、トルコ人が愛する地酒です。
アルコール度数は45度くらいとかなり高いですけど、ほんのりとした甘みがあるので、女性でも割と飲みやすいと思います。
アニスというハーブの香りが付いているのが特徴で、爽やかな味わい。
水割りにするのが最もポピュラーです。
ビール・ワイン
トルコのビールだったら「エフェス・ピルゼン(Efes Pilsen)」が最もポピュラーです。
エフェスは、日本のビールに似たようなライトな味で飲みやすいです。
そして、ワインだったら、「ヤクーツ(Yakut:赤)」や「チャンカラ(Cankaya:白)」が代表的。
トルコ屈指の観光地、カッパドキア産のワインも定評があります。
屋台料理
トルコの街を賑わす屋台にも、美味しい食べ物が多いです。
たとえば、焼きとうもろこしの屋台はよく見かけます。
美味しそうに焼かれたとうもろこしの脇には、必ずと言って良いほど焼き栗も並んでいます。
ザクロジュース屋さんも比較的よく見かけます。
こちらは、ムール貝を売る屋台というわけではありません。
私もはじめはそう思いましたが、これは「ミディエ・ドルマス」を売っているところです。
ムール貝の脇にレモンがあったら、それは「ミディエ・ドルマス」の屋台です。
この屋台は、イスタンブールやイズミルなど海沿いの街でしか見られません。
ミディエ・ドルマは、お酒のおつまみにもぴったりですよ。
以上、トルコ料理の定番メニューを中心にお伝えしました。
トルコ料理は、日本では馴染みのないものが多いですけど、食べてみると、どれもとても美味しいです。
さすが世界三大料理のうちの1つ。
優しい味付けのものがほとんどなので、日本人の口にも合いやすいですよ。
日本のトルコ料理店を紹介
ところで、当サイトでは、日本のおすすめトルコ料理店も紹介しています。
東京と横浜にある、8軒のレストラン。
リンク先では、それぞれのお店の特徴と、そのお店でいただけるメニューを、豊富な写真とともにお伝えしています。
紹介しているお店は下の通りです。
合わせてぜひ参考にしてください。
- ブルガズ・アダ(東京・麻布十番)
日本で唯一のオスマン帝国料理専門のレストラン。高級店。 - イズミル(東京・阿佐ヶ谷)
都内の人気店。口コミサイトでも高評価。 - スターケバブ(東京・秋葉原)
ケバブ専門店。ファーストフード店だが味は本格的。 - カルタゴ(東京・中野)
トルコ料理を含めた地中海沿岸の国々の料理をいただけるお店。 - ジェイハン(神奈川・横浜)
横浜エリアの人気店。家庭的な雰囲気の中で本格トルコ料理をいただける。 - イスタンブール(東京・銀座)
日本で最初にオープンしたトルコ料理店。銀座のコリドー街の一等地。ベリーダンスショーあり。 - ヒサル(東京・大久保)
カジュアルなレストラン。手頃な値段でトルコ料理を楽しめる。 - アンカラ(東京・渋谷)
隠れ家的なレストラン。地下だが店内は明るく広々。ベリーダンスショーあり。
また、当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコ料理やトルコの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
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