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水島弘史シェフの、科学的にも理にかなったハンバーグの作り方。

投稿日:2015年2月25日 更新日:

ハンバーグ

フレンチの水島弘史シェフが考案した、科学的にも理にかなった美味しいハンバーグの作り方をご紹介します。

水島さんは、科学的な側面からも美味しい料理をつくる方法を研究している方で、その斬新な調理法は、テレビなどでもよく話題になります。
水島さんはレシピ本もたくさん執筆しています。
私はそのうちの何冊かを読んだことがありますが、どれも料理の常識を覆す目からウロコの内容になっています。

さて、これからご紹介する美味しいハンバーグの作り方も、水島さん流に表現すると「脱常識的」です。

たとえば、ハンバーグは手でこねるのではなく、すりこ木を使って肉の粘りを出します。
また加熱する際には、冷たいフライパンにハンバーグをのせて、最後まで弱火でじっくり火を通します。

(一部情報元:テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」2015年2月24日放映、TBSテレビ「教えてもらう前と後」2018年5月22日放映)

本当に美味しいハンバーグとは

「美味しいハンバーグ」というと、切った時に肉汁が溢れ出すシーンを想像する方は多いと思います。「肉汁が溢れる」は、美味しいハンバーグを表現するための常套句ですよね。

でも水島さんによると、肉汁が溢れだすハンバーグはNG。
水島さんがつくるハンバーグは、肉汁が出ません。なぜなら、肉の中に肉汁を徹底的に閉じ込めているから。
肉の細胞に旨みが閉じ込められているハンバーグは、「肉汁が溢れだすハンバーグ」よりもダンゼン美味しいそうですよ。

水島さんが考える美味しいハンバーグとは、このように素材の旨みがたっぷり詰まったハンバーグのことです。
また肉だけでなく他の具材も、素材の味を存分に引き出すことを念頭に置いて、最も科学的に理にかなった調理法を採用しているそうです。

まずは「水島流ハンバーグ」の材料と簡単な作り方をご紹介します。
なお、詳しいつくり方は後述します。

材料
あいびき肉 120g
1g
(肉の0.8%)
玉ネギ 40g
パン粉 5g
溶き卵 10g
牛乳 10g
(ナツメグ・コショウ) 好みで少々
0.5g
(ひき肉以外の材料の0.8%)
適量
ハンバーグソース
バルサミコ酢 25g
0.1g
無塩バター 5g
作り方
  1. 【ハンバーグソースをつくる】詳しい作り方は別記事で説明しましたので、コチラをご覧ください。
  2. 玉ネギをみじん切りにし、冷たいフライパンに入れる。その上から少量の油を回しかけ、弱火で5分ほど、玉ネギがあまり色づかないように加熱する。冷ます。(※注記あり)
  3. ひき肉と塩(1g)をボールに入れ、すりこ木を使ってしっかりこねる。
  4. 3に2・パン粉・塩(0.5g)・溶き卵・牛乳・(ナツメグ)・(コショウ)を加え、木べらなどでよく混ぜる。最後に手を使って5回くらいさっと混ぜる。成形する。
  5. 冷たいフライパンに油を入れ、2をのせる。点火して弱火で焼く。ハンバーグの下半分が白くなったら、ひっくり返す。ハンバーグの表面がふっくらと盛り上がり、汗をかいたような状態になったら焼き上がり。
  6. ハンバーグに1のソースをかけたらできあがり。

※情報元のテレビ番組では、2の玉ネギを炒める工程の説明はありませんでした。
でも水島さんが実演されている映像で確認したところ、ハンバーグのタネには炒めた玉ネギを加えていましたので、私が水島さんの本を読んだ記憶を頼りに、工程2を追加しました。

なお水島さんのハンバーグのレシピは、水島さんの著書「水島シェフのロジカルクッキング――1ヵ月でプロ級の腕になる31の成功法則」で紹介されています。
上のレシピとは若干異なりますので、ご興味がある方は、こちらの本も合わせてご覧ください。

科学的に理にかなった美味しいハンバーグを作る方法

ここからは科学的に理にかなった美味しいハンバーグをつくる具体的な方法をご紹介します。

水島さんのご指導をまとめると、ポイントは次の5点です。詳しくは後述します。

ポイント
  1. 【切る】玉ネギは細胞を潰さないように切る。
  2. 【味つけ】塩分量は全体の0.8%にする。
  3. 【こねる】肉はすりこ木を使ってこねる。
  4. 【焼く】冷たいフライパンにハンバーグをのせて点火。最後まで弱火で加熱する。
  5. 【ハンバーグソース】バルサミコ酢の酸味をしっかり飛ばす。

それぞれの項目を詳しく説明します。

玉ネギの切り方

水島さんによると、玉ネギを切る時のポイントは、玉ネギの細胞を潰さないようにすることです。

玉ネギの細胞を潰してしまうと、硫化アリルという玉ネギの旨み成分が流出してしまいます。玉ネギを切ると涙が出ますよね。それは、硫化アリルが流出してしまっている証拠。
でも切り方を変えると、涙が出ない上に玉ネギの旨みをしっかり閉じ込めることができるようです。

ちなみに、ごく普通にトントンと音を鳴らしながら切るのはNG。これでは玉ネギの細胞が潰れてしまいます。

正しい切り方は、まず柄の方を上にして30度くらい角度をつけて持ちます。そしてスイングしながら前後にスライドさせるようにして玉ネギをゆっくり切ります。こうするとムダな力が加わらないので、玉ネギの汁もほとんど出ないということです。

また包丁の刃は、真ん中よりちょっと手前あたりを使います。水島さんによると、この辺りが包丁のスイートスポット(切るために最適な場所)だそうです。

ちなみにこの切り方をすると、どんな野菜でも旨みを閉じ込めることができるようですよ。

味つけ

ハンバーグの塩分量は、全体の重量の0.8%にします。

水島さんによると、人間は塩分がないと素材を美味しいと感じることができません。そして人間が科学的に最高に美味しいと感じる塩の量は0.8%。

ちなみに0.8%は、人間の脳が本能的に美味しいと感じる塩分濃度で、人間の体内の塩分濃度(0.8~0.9%)と同じだそうです。

この塩分量は、ハンバーグだけでなくどんな料理にも応用が効くそうです。

こねる

肉をこねる時のポイントは、肉同士をしっかりくっつけること。肉のタンパク質を複雑に絡み合わせて、肉と肉を結着させます。
そうすると肉汁をしっかりと肉に閉じ込めることができるそうです。
バラバラのひき肉を、肉の塊に戻すようなイメージでこねると良いようです。

ところでハンバーグというと、「手ごねハンバーグ」というメニュー名が存在するほど、手でしっかりこねたものが美味しいイメージがあります。
でも水島さんによると、肉を手でこねるのはNG。手でこねてしまうと、肉がくっつきにくくなり、旨みを十分に閉じ込めることができなくなってしまいます。
手を使うと体温がハンバーグのタネに伝わり、肉のタンパク質が変化し出してしまうからだとか。肉は意外とデリケートで、30度くらいで早くも熱が入ってしまうようですよ。

さて、肉を手でこねてはいけないとすると、どうすれば良いのでしょうか。
すりこ木を使います。

ボールの中に肉だけを入れ、すりこ木で突くようにしてこねます。ちなみにすりこ木を、通常使うように回してはいけません。あくまでも上からトントンと突きます。
ボールがくっついて軽く持ち上がるようになったら、こねる作業は完了です。

肉をこねたら、そこではじめて塩を含めた他の具材を加えます。そして最後にほんの少し手を使ってこねると、しっかりまとまるようですよ。

焼く

焼く時のポイントは、肉を急激な温度変化にさらさないこと。急に温度を上げると、それだけで肉が激しく縮み、旨みが出てしまうようです。

水島流のハンバーグの焼き方は、冷たいフライパンにハンバーグをのせて、フタをせずに最後まで弱火で加熱します。
ちなみに成形する際に、ハンバーグの真ん中にくぼみをつくる必要はありません。美味しいハンバーグをつくる上では、くぼみはまったく重要ではないそうです。

ハンバーグをひっくり返すタイミングは、下半分が白くなった時。表面がふっくらと盛り上がり、汗をかいたような状態になったら焼き上がりです。

ソース作り

ハンバーグソースは、バルサミコ酢・塩・バターでつくります。

美味しいソースをつくるポイントは2つあります。
1つは、ハンバーグを焼いたフライパンをそのまま使わないこと。ハンバーグを焼いた後に残った油には、肉のアクも含まれており臭みがあるので、同じフライパンを使う場合は、油を丁寧に除いてから使います。
ちなみにハンバーグを焼く時に引いた油には、肉の脂を吸着してにおいを取る働きもあるそうですよ。

さらにもう1つのポイントは、バルサミコ酢の酸味をしっかり飛ばすこと。そうするとバルサミコ酢の旨みがグッと引き出さられるようです。
ソースの作り方は別記事に詳しく記しましたので、下のリンク先をご覧ください。

水島弘史シェフが考案した、ハンバーグソースのレシピ。バルサミコ酢の酸味をしっかり飛ばすのがポイント。

以上のポイントをおさえてハンバーグをつくると、肉の旨みが存分に楽しめる美味しいハンバーグが完成するそうです。
肉の風味が濃厚に感じられ、とてもジューシーなハンバーグ。肉の結着が強いため、弾力性はごく普通のハンバーグの2倍ほどあり、歯ごたえがしっかりしているようです。

料理は本当に奥深いですね。
ちなみに私は、主に肉を料理する際に、水島さんがすすめる弱火調理を実践しています。ふっくらジューシーに仕上がる上に、強い火力で焼くよりも意外と気を使わなくて済むので、気に入っています。

ところで当サイトでは、水島さんのレシピをたくさん紹介しています。
その中でも特におすすめなのは「鶏の唐揚げ」と「親子丼」と「冷製パスタ」と「だし巻き卵」と「オムライス」と「鶏のクリームシチュー」と「ぶり大根」ですよ。

画像引用元:Day 020 / mini hamburg steak with mushroom source by [puamelia]

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