ガラタ塔(Galata Kulesi)は、トルコのイスタンブールにある、超おすすめのビュースポットです。
塔の高さは約67メートル。
塔自体はそこまで高さがあるわけではありませんが、小高い丘の上に建っているので、最上階からの眺めは最高です。
目の前に広がるのは、360度のパノラマ。
また、展望台と同じフロアにはカフェが併設されていて、その下のフロアにはレストランもあるので、ひとやすみしたい場合は、それらを利用するのもいいですよ。
ガラタ塔が建てられたのは、ビザンツ帝国の末期の14世紀です。
ガラタ塔が建てられた背景を知ると、この塔をさらに楽しめます。
ビザンツ帝国とジェノバ人との関係や、オスマン帝国の侵攻。
そして、ガラタ塔が位置するイスタンブール新市街エリアの当時の状況など。
ガラタ塔の観光情報とあわせて、ガラタ塔の歴史についても解説します。
ガラタ塔の入場料など
まずは、入場料や営業時間など、ガラタ塔の基本情報をお伝えします。
別途、入場料の支払いが必要です。
また、ガラタ塔では、以前はベリーダンスなどのナイトショーが楽しめたそうですが、現在はやっていないようです。
営業時間 | 9:00〜20:30 レストランは23:00まで営業 |
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定休日 | なし |
入場料 | 35トルコリラ |
行き方 | トルコ・イスタンブールの新市街内 |
ガラタ塔には多くの観光客が訪れるうえに、小さめのエレベーターが2台あるだけなので、結構な時間待たされます。
当サイトが昼の15時に訪れた時には、40分待ち。
さくっと並ばずに見学したい場合は、比較的空いている朝に訪れるのがおすすめです。
- 行列の一部
- 2台のエレベーター
近くまで行って下から見上げるのも良し、旧市街などの離れた場所から眺めるのも良しです。
夜にイスタンブールの街を歩くときには、新市街の方向に、ぜひガラタ塔を探してみてください。
暗闇の中に浮かび上がるその姿は、とても綺麗ですよ。
ガラタ塔の歴史
ガラタ塔の歴史は古く、建造されたのは14世紀半ば(1348年)。
イタリアの海洋国家・ジェノバの人々によって建造されました。
当時のイスタンブールは、「コンスタンティノープル」という名前で呼ばれており、ビザンツ帝国の首都でした。
にもかかわらず、ガラタ塔を再建したのは、ビザンツ人ではなくジェノバ人。
とても興味深いですね。
ジェノバ人がガラタ塔を建てた背景には、この塔が立つイスタンブール新市街という土地の特殊性があります。
ビザンツ帝国の時代、現在のイスタンブール周辺は、たしかに帝国の首都でした。
ただ、すべての土地がコンスタンティノープルと呼ばれていたわけではありません。
コンスタンティノープルとして位置づけられていたのは、現在のイスタンブール旧市街だけ。
金角湾を挟んで北側の新市街には異教徒や異邦人が多く住んでおり、その土地は「ペラ」という名前で呼ばれていました。
そして、ガラタ塔が建造された当時、ペラで勢力を誇っていたのがジェノバ人です。
❶コンスタンティノープル
❷ペラ
ジェノバ人が、ガラタ塔を建てた目的は、ボスポラス海峡の制海権を握るためです。
黒海とマルマラ海を結ぶ貿易の要衝。
この場所を抑えた者が、黒海貿易を制します。
ジェノバ人は、ボスポラス海峡沿岸のペラに城塞都市を築き、また、海峡を見渡す塔としてガラタ塔を建造しました。
塔には、堅固な城塞都市の象徴としての意味合いがあったとも言われています。
これらの一連のジェノバ人の行動は、帝都の目と鼻の先で行われましたが、ビザンツ帝国には、もはやそれを抑える力はなかったようです。
こうした軍事的な背景を知ると、ガラタ塔観光がさらに楽しくなります。
❶コンスタンティノープル
❷ボスポラス海峡
❸黒海
❹マルマラ海
1世紀ほど時が流れ、ビザンツ帝国は、15世紀半ば(1453年)にオスマン帝国に滅ぼされます。
ペラもオスマン帝国の支配下におかれ、ガラタ塔もオスマン帝国の所有物になりました。
それ以降は、捕虜収容所や天文台などとして利用されることもあったそうですよ。
ガラタ塔を写真で紹介
続いて、ガラタ塔からの眺めを写真とともにご紹介します。
イスタンブール旧市街の眺め
ガラタ塔の展望スペースからは、旧市街の街並みを一望できます。
それぞれの見どころを間近で観光するのも勿論楽しいですけど、こうして俯瞰するのもいいものです。
アヤソフィア・トプカプ宮殿・ブルーモスクは、離れた場所から見ても存在感が抜群。
また、車と船と人が行き交うガラタ橋からは、力強い活気を感じます。
- アヤソフィア
- トプカプ宮殿
- ブルーモスク
- ガラタ橋
旧市街の見どころについては、別記事で詳しくご紹介しているので、あわせてご覧ください。
イスタンブールのアジア側の眺め
イスタンブールは、一つの街でありながら、アジア側とヨーロッパ側に分かれています。
イスタンブールの街を東西に分断しているのがボスポラス海峡。
ボスポラス海峡の東に広がるのが、イスタンブールのアジア部分です。
高層ビル群も建っていて、イスタンブール旧市街では見られない光景です。
なお、イスタンブールは交通網が発達しているので、アジア側へは、船での移動はもちろん、地下鉄やバスに乗っても行くことができます。
イスタンブールの新市街側の眺め
こちらは、イスタンブールの新市街の街並みです。
遠くには、アジア側と同様に、オフィスビルも見えます。
イスタンブールの街は、歴史的に価値の高い中心部分はそのままの形で守られていて、その外側部分が近代的な街として開発されているようです。
イスタンブールを分断する海
先ほどもお伝えしたように、イスタンブールは、ボスポラス海峡によってヨーロッパ側とアジア側に分かれています。
西がヨーロッパ側で東がアジア側です。
そして、ヨーロッパ側は、金角湾によって、さらに南北に分断されています。
北は新市街側。
ガラタ塔が建っているエリアです。
南は旧市街となっています。
ガラタ塔からは、ボスポラス海峡と金角湾、それぞれの海を見渡すことが出来ます。
- ボスポラス海峡
- 金角湾
ガラタ塔のレストランとカフェ
ガラタ塔は9階建て。
最上階が展望スペースとカフェになっていて、その下の8階はレストランになっています。
ガラタ塔のカフェ
上の写真がカフェ。
円形のお店で、店の周囲をぐるっと展望スペースが囲んでいます。
目の前には展望スペースのお客さんがひっきりなしに通るので、景色を独り占めというわけにはいきません。
- トルココーヒー
- ケーキ
ガラタ塔のレストラン
当サイトでは入店していないので詳しいことは分かりませんが、8階には展望スペースがないため、上階のカフェよりも窓からの眺めをゆっくりと楽しめるのではないかと思います。
また、レストランは夜遅くまで営業しているので、ガラタ塔からの夜景を楽しみたい場合にもぴったりです。
ガラタ塔を題材とした映画
ところで、ガラタ塔は映画にも登場します。
ガラタ塔を題材としている映画は、当サイトが把握しているものだけで、2本あります。
猫が教えてくれたこと(映画)
2016年公開のトルコ映画。
イスタンブールに住む7匹の野良猫を主人公にしたドキュメンタリー映画です。
2017年には米国でも公開され、雑誌タイムが選ぶその年の映画ベスト10に選出されました。
日本のアマゾンプライムでもレンタルすることができます。
7匹のうちの1匹が、ガラタ塔界隈を根城にしているサリという名前の野良猫で、ガラタ塔もほんのちょっとだけ登場します。
ドキュメンタリーなので、何か筋書きがあるわけではないのですが、とてもいい映画だと思います。
イスタンブールの人々と猫たちの温かい関係にほっこりする感じ。
また、イスタンブールの街の雰囲気を知るうえでも、ぴったりの映画です。
イスタンブール旅行を検討中の方にもおすすめですよ。
Istanbul Beneath My Wings(映画)
もう一つは、「Istanbul Beneath My Wings」という映画です。
こちらもトルコで制作された作品で、1996年に公開されました。
この映画は、オスマン帝国時代の逸話をもとにしています。
西暦1632年、一人の男性が、グライダーのような翼に乗って、ガラタ塔からボスポラス海峡を越えてアジア側までの飛行に成功したのだとか。
映画自体はロマンス要素も含む仕上がりになっているそうですが、観ていないので詳しいことは分かりません。
また、残念ですが、日本語版はないようです。
ちなみに、この逸話をモチーフにしたイラストや人形はガラタ塔の内部にも飾られています。
- 翼を付けた男性のイラスト
- 翼を付けて飛び立つ人形
以上、ガラタ塔について、お伝えしました。
イスタンブールの街全体を俯瞰できるビュースポットは、この場所以外にありません。
旧市街、新市街、アジア側、そして海。
これらの地理的な関係性を知るのにぴったりな場所です。
イスタンブールの超おすすめスポットですよ。
ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコの観光スポットやトルコ料理について、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。
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