タナロット寺院は、バリ島の南西部にある、観光客に大人気のスポットです。
海に浮かぶ大岩に建てられており、潮が引いたときにだけ渡れる神秘的な場所。
大岩にあいた洞穴の中では、バリ・ヒンドゥーのお清めもしてもらえます。
また、タナロット寺院は、バリ島随一の夕日スポットでもあります。
インド洋にゆっくりと沈んでゆく太陽。
実際に生で見るとホントに綺麗ですよ。
この記事では、私が実際に旅行した体験をもとに、タナロット寺院観光に役立つ情報を余すところなくご紹介します。
タナロット寺院の基礎知識
タナロット寺院が建てられたのは16世紀。
ジャワ島から渡ってきた高僧、ダンヤン・ニラルタ(Danghyang Nirarth)によって建立されたと考えられています。
祀られているのは海の神様。
また、ニラルタ自身もこの場所で崇拝されているそうです。
それでは、まずは、タナロット寺院の基本情報からお伝えします。
タナロット寺院への行き方
❶タナロット寺院
❷クタ
❸ウブド
出発地 | 時間 |
---|---|
クタから | 1時間弱 |
ウブドから | 1時間強 |
タナロット寺院へは、車のチャーターかツアーで行くのがおすすめです。
特におすすめなのは車のチャーター。
観光が終わるまでドライバーさんが待っていてくれますし、すぐに次の目的に移動できるので時間の節約になります。
私が利用したときは、ウブド→タマンアユン寺院→タナロット寺院→ウブドというルートで50万ルピアでした。
ゆっくり観光して、所要時間は7時間です。
ツアーも悪くないとは思いますが、自分のペースで動けないので、じっくりと観光したい人には向きません。
逆に、あまりおすすめできないのがタクシーです。
というのも、タナロット寺院でサンセットを観てから帰ろうとすると辺りはもう真っ暗。
その状況でタクシーを探して値段交渉するのはなかなかしんどいです。
タナロット寺院の入場料・開園時間
タナロット寺院の入場料は下の表のとおりです。
日本円で数百円程度です。
チケットは駐車場の入口で購入します。
そのチケットを持って、ゲートをくぐります。
上の写真が、タナロット寺院のゲート。
ケチャダンスも観る場合は、このゲートで購入します。
別途10万ルピアかかります。
ちなみに、ゲートの上に書かれている「OM SWASTIASTU(オム スワスティアストゥ)」というのはバリ島の挨拶。
「おはよう」から「こんばんは」まで使えます。
覚えておくと便利ですよ。
入場料 | 大人 | 6万ルピア |
---|---|---|
子供 | 3万ルピア | |
開園時間 | 7時から19時 | |
住所 | Tanah Lot, Beraban, Kediri, Tabanan Regency, Bali 82121 |
タナロット寺院の服装
服装については、常識の範囲内であれば問題ないようです。
短パンで入場している人も多くいました。
タナロット寺院は浅瀬を渡った先にあるので、そうした服装でも大目に見てくれているのかもしれません。
ちなみに、バリ島の他の寺院、例えばウルワツ寺院やタマンアユン寺院では、そうはいきません。
短パンやミニスカートでそれらの寺院に訪れる場合は、チケットオフィスで腰巻きを貸りて、足を覆い隠します。
あっ、それと、素足で海を渡るのはちょっと危ないので、サンダルを持っていくといいですよ。
タナロット寺院の夕日
タナロット寺院と言えば、なんと言っても夕日。
赤く染まる空と、それに照らされてほのかに光る海の色がとても綺麗です。
タナロット寺院周辺の日没の時間と天気は、グーグルで簡単に調べれます。
タナロット寺院があるのはバリ島のタバナン県。
下のリンクをクリックすると、タバナン県の日没時間と天気を確認できます。
タバナン県の日没時間
タバナン県の天気
タナロット寺院周辺の夕日が見られる場所
タナロット寺院周辺には特に決まった夕日スポットはありません。
海岸線が続いているので、どこからでも夕日を見ることができます。
ただ、「ディナーを食べながら夕日を見たい!」という場合には、ある程度対象が絞られます。
❶入り口
❷タナロット寺院
❸数軒のレストラン
❹レストラン
上の地図の③にレストランが数軒、④にレストランが1軒あります。
タナロット寺院越しに夕日を見たい場合
タナロット寺院越しにサンセットを見たい場合は、③のレストランがおすすめです。
ここには数軒のレストランが並んでいます。
③に行くには、まず、①の入り口から海に向かいます。
そして、海岸沿いに出たら、左の小道に入り、坂を登った先がレストランです。
高台にあるので、視界はかなり開けています。
しかもすぐ下には②のタナロット寺院です。
遮るものがない場所で夕日を見たい場合
海と空と太陽。
遮るもののないシンプルで美しい風景を楽しみたいのなら、④の「De Jukung Resto&Bar Tanah-Lot」がおすすめです。
こちらは、④のレストランからの風景。
目の前に広がるのは一面の海と空。
夕日に照らされ赤く輝く風景が、とても綺麗です。
④のレストランに行くには、①から入って、海に向かいます。海に出たら、右に曲がってひたすら直進。
どんつきにあるのがこのレストランです。
ちなみに、このレストランの敷地には、ケチャダンスのステージが併設されています。
タナロット寺院のケチャダンス
上の写真は、サンセットを背景に繰り広げられるケチャダンス。
登場人物たちが、沈みゆく太陽の鮮やかな光を浴びています。
公演時間 | 毎日18時から19時 |
---|---|
料金 | 10万ルピア |
会場 | Googleマップ |
サイト | 公式HP |
ケチャダンスは、古代インドの物語「ラーマーヤナ」をベースにした舞踊。
オリジナルの「ラーマーヤナ」を、起承転結がはっきりとしたハッピーエンドのストリーにアレンジしています。
ストーリーが簡略化されているとは言うものの、バリ島版「ラーマーヤナ」について全く知識がない状態で鑑賞しても、なんのことだかさっぱり分からないと思います。
ところどころでナレーションも入りますが、すべてインドネシア語。
ですから、鑑賞する前に大まかなストーリーと登場人物を把握しておくといいですよ。
おすすめなのは、当サイトの「ウルワツ寺院でケチャダンスとサンセット。バリ観光のクライマックス!」という記事です。
タナロット寺院ではなく、ウルワツ寺院のケチャダンスについての解説記事ですが、ストーリーの基本的な流れは同じです。
同記事では、登場人物とストーリーを写真入りで分かりやすく説明しているので、予習に最適です。
下の写真は、同記事から抜粋したものです。
ラーマ
(王子)
シータ
(ラーマの妻)
ハヌマーン
(猿の将軍)
ラクシュマナ
(ラーマの弟)
ラヴァナ
(魔王)
トゥリジャタ
(魔王の姪)
ケチャダンスといえば、ウルワツ寺院が有名です。
私はウルワツ寺院とタナロット寺院の両方でケチャダンスを観ましたが、出演者の迫力や会場の一体感で言えば、残念ながらウルワツ寺院の方が上です。
タナロット寺院のケチャダンスはステージも小さく、また観客もまばらなので、どうしても盛り上がりに欠けます。
決して悪くはないんですけどね。
晴れた日には夕日も綺麗ですし。
でも、どちらか一つに絞るならウルワツ寺院のケチャダンスをおすすめします。
タナロット寺院を写真で疑似体験
それでは、ここからは、タナロット寺院の見どころを順を追ってご説明します。
入り口から続くマーケット
敷地内に入ると、まず目に飛び込んでくるのはマーケット。
民族衣装や土産物などがずらっと並んでいます。
こんなに活気のある寺院は、バリでもそうそうお目にかかれません。
コンビニ&両替所もあります
その脇には、コンビニ。
しかも両替所まで併設されています。
賑わう参道
マーケットを抜けると、タナロット寺院のある海岸まで一直線にのびる参道です。
この参道もかなり賑わっていて、レストランやみやげ物屋はもちろん、なんとホテルまであります。
これだけ多くの人やモノが集まるのも、タナロット寺院の魅力があってこそです。
1つめの割れ門
参道を進んだ先には、左右対称の割れ門。
この門をくぐることで、邪悪なものが浄化されるそうです。
門の先に見えるのはインド洋。
海が見えてくると、自然とテンションが上がります。
愛嬌のある門番「ラクササ」
怖いけれど、どこか愛嬌のある門番。
バリ島にいる彼ら門番は、「ラクササ」と呼ばれています。
石碑の前で記念撮影
石碑の前で記念撮影してる人もたくさんいました。
ちなみに、石碑の横に黄色い傘と白い傘が立っています。
バリのヒンドゥー教では、黄色と白の組み合わせは、シバ神を象徴しています。
お供え物の花の色も同じです。
黄色と白の花を供えることは、シバ神への祈りを意味しています。
2つめの割れ門
割れ門をくぐると、もう一つの割れ門があります。
この割れ門に巻かれている布も、黄色と白です。
海を睨む2体の大蛇
後ろを振り返ると、1つめの割れ門から降りる階段に2体の大蛇が横たわっています。
視線の先は海。
まるで、海からの侵入を防ぐべく、睨みを利かせているようにも見えます。
階段の脇で睨みを利かせる2体の大蛇という構図は、メキシコのピラミッドでも見たことがあります。
インドネシアとメキシコ、遠く離れたこの2つの土地で、似通った文化が息づいていることは、とても興味深いです。
ついにタナロット寺院が目の前に!
2つめの割れ門をくぐり、先に進むと、そこはもう海岸。
そして目の前にはタナロット寺院です。
少し離れた場所から遠景で撮るとこうなります。
海に浮かぶ大岩にタナロット寺院が建っている様子が、お分かりいただけると思います。
間近で見ると、ワイルドかつ神秘的でカッコイイです。
荒波に削られ、今もその姿は少しずつ変化しています。
タナロット観光は干潮時がお薦め
干潮時には、タナロット寺院まで歩いて渡れます。
でも満潮時は不可。
せっかくタナロット寺院を観光するのなら、干潮時刻に合わせて訪れるのがおすすめです。
干潮時刻・満潮時刻を調べるには「Tides Chart」というサイトが便利です。
こちらのリンクをクリックすると、タナロット寺院があるタバナン県の情報が見られます。
海を渡った先には洞穴が
海を渡った大岩の下部には、窪みがあいています。
洞穴のような大きな窪みです。
聖水でお清め
洞穴の中では、お清めをしてもらえます。
聖水を頭にふりかけてもらい、額には聖水で清められた数粒のお米、耳にはプルメリアの花びらをつけてもらってお祈り。
終わったらお布施も忘れずに。
私は相場が分からなかったので、とりあえず1万ルピアを置いてきました。
洞穴から出てくる人たちは、老若男女みんなが耳に花びらをつけているので、とても可愛らしいです。
タナロット寺院の本堂は立入禁止
タナロット寺院の本堂への階段は立入禁止になっています。
残念ですが仕方ありません。
でも、洞穴で清めてもらうだけでも十分に新鮮な体験ができますよ。
タナロット寺院の周辺
サンセットテラス
タナロット寺院から陸に戻り、崖の上を見上げると、沢山のテラス席があります。
その名もサンセットテラス。
寺院の観光が終わったら、この席から夕日を眺めるのもありです。
晴れた日には、タナロット寺院越しに沈む夕日が見られます。
タナロットの周辺は整備された公園
海を背にして左に進むと、公園になっています。
屋根付きのベンチもあるので、日陰でゆっくり休むのもいいですよ。
タナロットの他にも4つの寺院
❶タナロット寺院(Tanah Lot)
❷ジェロ・カンダン寺院(Pura Jero Kandang)
❸エンジャン・ガル寺院(Pura Enjung Galuh)
❹バトゥ・ボロン寺院(Pura Batu Bolong)
❺バトゥ・メジャン寺院(Pura Batu Mejan)
周辺の寺院を観光するのもおすすめ。
タナロット寺院の近くの海岸線には、あと4つ寺院が建っています。
中でも特徴的なのは、バトゥ・ボロン寺院。
この寺院は、海に突き出た崖の上に建っていて、寺院の下の崖にはぽっかりと大きな穴が空いているんです。
バトゥ・ボロン寺院の大穴
こちらがバトゥ・ボロン寺院の大穴。
波に浸食されて大きくえぐられています。
バトゥ(Batu)は岩、ボロン(Bolong)は穴を意味するそうです。
この場所も絶好の撮影スポットです。
バトゥ・ボロン寺院の近景です。
自分の足元に大きな空洞があることを想像すると、ちょっと怖くなります。
ジェロ・カンダン寺院
残りの3つの寺院もご紹介します。
まずは、ジェロ・カンダン寺院(Pura Jero Kandang)。
この寺院は家畜や農作物を疫病から守るために建てられました。
エンジャン・ガル寺院
続いて、エンジャン・ガル寺院(Pura Enjung Galuh)。
エンジャン・ガル寺院には、繁栄の女神・デヴィスリ(Dewi Sri)が祀られています。
デヴィスリは、ジャワ島の土着の神様。
ヒンドゥー教やイスラム教が伝わる前から崇められていました。
その後バリ島にも伝わり、ヒンドゥー教が広く信仰されている現在でも、多くの場所で祀られています。
バトゥ・メジャン寺院
バトゥ・メジャン寺院(Pura Batu Mejan)は、「聖水の湧き出る聖地」なんだそうです。
寺院の脇の坂道を降りてビーチに出ると、聖水が湧き出る場所があるのだとか。
私も下まで行きたかったのですが、坂道は通行禁止でした。
最後に、タナロット寺院観光のおすすめポイントを整理します。
当サイトのおすすめは次の3つです。
- 干潮時に訪れて、タナロット寺院まで渡る。
- サンセットを見る。
- バトゥ・ボロン寺院の大穴を見る。
バリ島に初めて訪れるなら、タナロット寺院は外せない観光スポットです。
ぜひバリ島旅行の参考にしてください。
ところで当サイトでは、インドネシア旅行の経験をもとに、バリ島やジャワ島の観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。
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