ギリシャ料理41品を、写真とともに現地から詳しくご紹介します。
ギリシャ料理は、オリーブオイルやレモンやハーブで風味付けされているものが多く、口当たりが優しいので、日本人にも合う食べものばかりです。
この記事では、現地ギリシャで出会ったお料理をはじめ、日本の東京・横浜などにある人気ギリシャ料理レストランのメニューも合わせてご紹介します。
また、特に有名なギリシャ料理については、日本の食材を使ったレシピもあわせて紹介していますので、そちらも是非ご覧ください。
ギリシャの超有名料理
まず最初にお伝えするのは、ギリシャの超有名料理17品です。
ムサカ
ギリシャ料理といえば、まず真っ先に「ムサカ」を思い出す方が多いと思います。
薄切りにしたじゃがいもとなすの上に、ミートソースとホワイトソースとチーズをのせてオーブンで焼き上げた、ギリシャの家庭料理です。
手間のかかるお料理ですが、ご馳走感があります。
ただ、ひとくちに「ムサカ」と言っても、いろいろあります。
たとえば、こちらは、ギリシャで最もポピュラーなかたちのムサカ。
四角く切り分けられ、断面からは層状になった野菜とソースがきれいに見えるのが特徴です。
クミンとシナモンの風味をほんのりと感じる味付けです。
ハニアのレストランのムサカ
@ギリシャ クレタ島 ハニア
先に紹介したムサカと同じく、四角く切り分けられています。
ポピュラーなかたちのムサカです。
日本には、横浜を中心にギリシャ料理店が何軒かありますが、殆どのお店で、こうした王道の四角いムサカが出てきます。
ほんのりスパイシーなミートソースが、マイルドなホワイトソースと絶妙にマッチします。
レストラン「スパルタ」のムサカ
こうしたスタイルの「ムサカ」は、層状になった断面は見えませんが、全体的に柔らかい食感で、とろとろのホワイトソースが楽しめる場合が多いです。
ギリシャの飲食店では、1皿分ずつ小分けにして、オーダーが入ったら焼いているようです。
レストラン「Diodos Agoras」のムサカ
ムサカに使われる野菜は、じゃがいもとなすが最もポピュラーですが、ズッキーニ・カボチャ・インゲンなどが使われることもあります。
シナモンを少し効かせた味付けで、パルメザンチーズをたっぷりかけていただきます。
ミコノス島のレストランのムサカ
ところで、ムサカというお料理をもっと知りたいという方には、実際に作ってみることをおすすめします。
ムサカは少し手間のかかるお料理ですが、日本の食材をもとに比較的簡単に作れます。
ザジキ
「ザジキ(ジャジキ:tzatziki)」もギリシャ料理で超有名なメニューです。
ザジキとは、きゅうりをすりおろして水気をしっかり絞り、ギリシャヨーグルト・おろしにんにく・オリーブオイル・塩などで味付けしたソースのこと。
グリルした肉や揚げ物、パンなどに付けて食べます。
上の写真は、ギリシャのミコノス島の人気レストランで食べた「ザジキ」。
ザジキを単品で注文すると、すりおろしたきゅうりに加え、千切りにしたきゅうりを混ぜたザジキが出てくる場合が多いです。
このザジキは、こんがりと揚げたチップスに付けていただきます。
これも、ミコノス島の同じレストランでいただいたお料理。
ズッキーニのフライの付け合わせとして、ザジキが敷かれています。
このように、お料理の付け合わせのディップとしてザジキが添えられている場合は、千切りのきゅうりが混ざっていない、すりおろしたきゅうりだけを使ったものが一般的です。
ちなみに、このズッキーニのフライの作り方は簡単です。
細かく刻んだズッキーニにフェタチーズなどを混ぜ、小麦粉をまぶし、油でカリッと揚げたら完成。
食感はとろっとしていて、さっぱりとした中に優しいコクがあり、とても美味しいです。
ヨーグルトをたっぷり使った爽やかなザジキが、良く合います。
中身の具材は、グリルしたお肉とザジキ。
他には、トマト・紫玉ねぎ・フレンチフライ・パセリなども入っています。
ギロピタのソースとして使われるザジキも、すりおろしたきゅうりだけ作られていることが多いです。
写真のトマトの隣にある白いソースが、ザジキです。
ザジキは、肉料理のお供としても欠かせません。
きゅうりとヨーグルトの爽やかな風味が、お肉の味を引き立ててくれます。
別記事「ザジキのレシピ」では、ギリシャ風の基本のザジキの作り方を詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。
タラモサラタ
「タラモサラタ(taramosalata)」も、日本でよく知られたギリシャ料理です。
ただ、日本での呼び名はちょっと違い、最後の「タ」の字に濁点がつき「タラモサラダ」というメニュー名で親しまれています。
また、使用する食材も見た目も味も、少し違います。
日本のタラモサラダとの違い
日本で「タラモサラダ」と言われているお料理は、タラコとジャガイモを使った、ポテトサラダのようなお料理を指します。
でも、本場ギリシャでは、タラコは使いません。
タラコはあくまでも、日本独自の代用品です。
それは、コイやボラなどの魚卵の塩漬け(taramo:タラモ)です。
タラモ(taramo)を使ったサラダ(salata)、それがギリシャの「タラモサラタ(taramosalata)」です。
ちなみに、写真中央の肌色のペーストが、そのタラモ。
こちらは、タラコとくらべて色合いがずっと地味です。
また、日本では、つなぎとしてマッシュしたジャガイモを使いますが、ギリシャでは、ジャガイモの代わりにパンを使うのが一般的。
パンを水に浸し、水気をしっかり絞って、フードプロセッサーなどでペースト状にして使います。
色は日本の「タラモサラダ」とくらべてずっと地味で、薄茶色をしています。
また、黒オリーブの実を1粒添えるのがギリシャ流です。
お味の方は、アンチョビを混ぜたような風味があり、塩気がしっかり効いています。
タラモサラタは、基本的には、パンなどに付けていただくディップなので、日本のものよりも味が濃いのも特徴です。
塩気に加えて酸味もややしっかり効いた味付けで、パンと一緒に出てきました。
こちらのタラモサラタも、つなぎはパンを使っています。
日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、じゃがいもの代わりにパンを使うのもけっこうイケます。
パンの発酵の風味が加わって美味しいです。
ちなみに、見た目が同じような薄茶色のペースト状のお料理として、ひよこ豆を使った「フムス」もギリシャ料理として比較的よく知られています。
茹でて潰したひよこ豆を、おろしにんにく・ねりごま・オリーブオイル・レモンで風味付けしたら完成。
こちらもパンに付けて食べるのが一般的です。
日本の食材を使って手作りする方法を解説しています。
ギリシャサラダ
「ギリシャサラダ(GREEK SALAD)」は、ギリシャのレストランだったらどこにでもあるメニューの1つです。
ギリシャで最もポピュラーなサラダで、使われる食材もだいたい決まっています。
ギリシャ産の代表的なチーズで、ホロホロっとした食感と、ややしっかりめの塩気が特徴。
羊や山羊のミルクが原材料ですが、クセが少なく、さっぱりとした味わいです。
また、ギリシャサラダに使われる野菜としては、トマト・きゅうり・紫玉ねぎ・ピーマンが最もポピュラー。
これに、オリーブの実とケッパーも加わることが多いです。
さて、上の写真は、ギリシャの首都アテネのレストランで食べた「ギリシャサラダ」です。
具材は王道。
まず、一番上にフェタチーズがどっさりのっていて、その下は、トマト・きゅうり・紫玉ねぎ・ピーマン・オリーブの実・ケッパー。
味付けはシンプルで、オリーブオイル・オレガノ・塩こしょう・酢を使っています。
特徴は、ピーマンがたっぷり入っていることです。
オリーブオイル・オレガノ・酢を使った、オーソドックスな味付け。
こちらも、素材の持ち味を存分にいかしていて、とても美味しかったです。
日本で入手できる食材を使って、手軽に美味しく作れます。
ギロピタ
次にご紹介するのは、ギリシャのファストフード。
ギリシャ版のハンバーガーと言っても良いかもしれません。
その名は「ギロピタ(Gyro Pitta)」。
「ギロス」と呼ばれる薄切り肉を、「ピタ(ピタパン)」で挟んで食べるので「ギロピタ」です。
豚肉か鶏肉を使うのが一般的で、まれに牛肉やラム肉が使われることもあります。
さて、上の写真は、ギリシャのミコノス島で人気ナンバーワンのギロピタ屋で食べたもの。
ハンバーガー屋ならぬギロピタ屋は、ギリシャにはたくさんあり、幅広い年齢層でいつも賑わっています。
中身は、グリルしたお肉の他に、トマト・紫玉ねぎ・フレンチフライ・パセリ・ザジキ。
ザジキというのは、すでにお伝えした、キュウリとヨーグルトを使ったギリシャ特有のソースのことです。
ギロピタは、とにかく超具だくさん。
ギリシャ人はペロッと食べてしまいますが、日本人とってはかなりのボリュームがあります。
「ジミーズ(Jimmy’s)」のギロピタ
@ギリシャ ミコノス島
スブラキ
ギリシャのファストフードをもう1品。
こちらは、肉の串焼き「スブラキ(Souvlaki)」です。
スブラキも、先に紹介したギロピタと同じく、豚肉か鶏肉が使われることが多いです。
レストランで注文すると、たいていは、フレンチフライ・ピタパン・ザジキ(きゅうりとヨーグルトのソース)が添えられて出てきます。
「George & Maria Art of Falafel」のスブラキ
@ギリシャ ロドス島
ギリシャには、スブラキの専門店もたくさんあります。
スブラキ屋でも、たいていは、野菜などがたっぷり盛られたセットメニューになっています。
お肉はしっかりとした歯応えがあり、オレガノ・オリーブオイル・塩などでシンプルに味付けされています。
レモンを絞っていただきます。
サガナキ
「サガナキ(Saganaki)」は、私が大好きなギリシャ料理。
チーズのフライです。
ケファログラヴィエラチーズという食感のしっかりしたチーズを使うのが特徴で、ワインとすごくよく合います。
このチーズの食感は、例えると、日本の「さけるチーズ」みたい。
シャキシャキしています。
さて、サガナキの作り方はとても簡単です。
チーズに小麦粉をまぶし、オリーブオイルで揚げ焼きにするだけ。
お好みでレモンを絞っていただきます。
ちなみに上の写真は、ギリシャのサントリーニ島の人気レストラン「Remvi Restaurant」で食べました。
このエビを使ったお料理も、実は「サガナキ(Saganaki)」と言います。
サガナキとは、両手付きの小さなフライパンのことを指したり、その小さなフライパンや同じくらいの大きさの耐熱皿で作ったお料理のことを指すこともあるそうです。
ちょっとややこしいですね。
ですから、こうした調理道具を使った、エビのサガナキやムール貝のサガナキなどもあります。
上の写真は、エビのサガナキ。
こちらは、ギリシャの首都アテネの人気レストラン「Diodos Agoras」で食べました。
大きなエビ4尾の他に、パプリカと玉ねぎ、そしてフェタチーズが具材です。
エビの旨味と優しい味わいのトマトソースが溶け合ったご馳走感のあるお料理です。
ゲミスタ
これは「ゲミスタ(Gemistes)」。
トマトやピーマンの中身をくり抜き、そこに米と野菜とハーブを詰め、オーブンでじっくり焼き上げたお料理です。
米の代わりにひき肉を使ったものもあります。
さっぱりとした味わいで、日本人が親しみやすいギリシャ料理だと思います。
「Red Restaurant」のゲミスタ
@ギリシャ ロドス島
ケフテデス
続いてご紹介するのは「ケフテデス(Keftedes)」というお料理。
ギリシャ風ミートボールです。
こちらは、日本の横浜関内にあるギリシャ料理店「ギリシャ 料理&バー olympia」の一皿。
ほのかなクミンの風味で、肉々しいしっかりとした食感。
レモンの酸味が良く合います。
トマトソースがたっぷりかかっているのが特徴です。
このミートボールは、牛肉・玉ねぎ・卵・パン粉などで作られていて、フェタチーズとパセリがトッピングされています。
クミンシード(ホール)と少量のミントで風味付けされていて、しっかりスパイシー。
トマトソースとよく馴染んでいて美味しいです。
食感はこちらも肉々しい感じで、ボリューム満点です。
スズカキャ
ミートボールのお料理をもう1品。
こちらは、クレタ島のレストランで食べた「スズカキャ(Souzoukakia)」というギリシャ料理です。
クミンとにんにくの風味はかなり控えめで、全体的に優しい味わい。
生のトマトをたっぷり使ったソースでじっくり時間をかけて煮込んでおり、お肉がとても柔らかいです。
ダコス
これは、ギリシャのクレタ島の伝統料理「ダコス(Dakos)」です。
メゼ(おつまみ)として人気のお料理で、先に紹介したタラモサラタと同じく、パンを使います。
ベースの茶色い部分は、風味の良い茶色いパン・トマト・少量の玉ねぎ・オリーブオイルなどを合わせ、ペースト状にして固めたもの。
その上にはフェタチーズ。
さらにその上には、甘みと酸味がしっかり効いた濃厚な味のミニトマトがのっています。
サラダ感覚でさっぱりと食べられるお料理です。
先に紹介したダコスは、ちょっと凝った感じのお料理になっています。
ポピュラーなのは、むしろこちらの方。
フレッシュなトマトと少量の玉ねぎで作ったソースを乾パンの上にかけ、フェタチーズをのせ、お好みでオリーブオイル・塩こしょう・乾燥オレガノなど散らしていただきます。
乾パンは、そのままでは食べられないくらい硬いのですが、トマトソースをかけて柔らかくふやかしてから、いただくようになっています。
ドルマデス
ぶどうの葉を使った「ドルマデス(Dolmades)」もギリシャの定番料理の1つ。
ドルマダキアとも呼ばれています。
これは、ギリシャのミコノス島のレストランで食べた一品。
塩漬けしたブドウの葉でご飯とハーブを包み、調理したもの。
ソースがギリシャらしく、チーズ・オリーブオイル・レモン・唐辛子パウダーを使っていて、さっぱりとした後味です。
ブドウの葉のクセはなく、酸味と塩気が効いた味付けで、お酒のおつまみにぴったりです。
ちなみに、ブドウの葉は、4〜5月だったら生を使用し、それ以外の季節は、塩漬けにしたものが使われます。
また中身も、いろいろ。
肉や魚を詰めることもあります。
ラハノドルマデス
こちらは、ブドウの葉の代わりにきゃべつを使ったドルマデス。
「ラハノドルマデス(Lahano Dolmades)」と言います。
ラハノ(Lahano)は、きゃべつのことです。
このお料理を食べたのは、先に紹介した、日本の横浜関内にあるギリシャ料理店「オリンピア」。
クリームソースは、レモンのほんのりとした酸味をいかした優しい味わい。
柔らかく煮たきゃべつの中には、お肉とお米とハーブが詰まっています。
その上にかかっているのは、ギリシャでポピュラーなアブゴレモノソース。
卵とレモンを使っていて、ほんのりとした酸味のある優しい味わいのソースです。
ギリシャの街を歩いていると、レモンの木があるお家がとても多いです。
この写真は、家の前にたわわに実ったレモンを収穫している様子です。
スティファド
ギリシャ風シチューは「スティファド(Stifado)」と呼ばれて親しまれています。
お肉は、牛かうさぎを使うのが一般的です。
これは、クレタ島の人気レストランで食べたスティファド。
長時間煮込んでいるので、玉ねぎはとろっとした食感。牛肉はほろほろっと崩れるくらい柔らかいのが印象的。
トマトのほのかな酸味がとてもよく合います。
スパナコピタ(パイ)
これは「スパナコピタ(Spanakopita)」というギリシャのパイ。
具材は、ギリシャの定番チーズ「フェタ」とほうれん草です。
ギリシャのパイ生地は、ごく薄いものから、厚みのあるものまで様々。
このパイ生地は、やや厚みがあるタイプです。
パイの具材は他にもいろいろありますが、フェタチーズとほうれん草というこの組み合わせは、ギリシャ人に特に人気があります。
さっぱりとした味わいのフィリングです。
「The Foundry Hotel」のスパナコピタ
@ギリシャ アテネ
ピキリア(メゼの盛り合わせ)
ギリシャ語でおつまみのことを「メゼ」と言いますが、これは、そのメゼの盛り合わせ。
「ピキリア」と言うそうです。
これは、クレタ島の古都ハニアで美しい港を眺めながら食べた「ピキリア」。
1番から順番に説明すると次のようになります。
- 小魚のグリル2種
イワシにオリーブオイルやハーブをかけ、オーブンで焼き、レモンを絞っていただくお料理 - ディルとフェタチーズの揚げ餃子
- サガナキ
すでにお伝えした、シャキシャキした食感のチーズのフライ - ブルーチーズの揚げ餃子
- 小海老の素揚げ
- カラマリ
すでにお伝えしたイカの唐揚げ - フレンチフライ
- タコのグリル
塩こしょう&オリーブオイルのシンプルな味付け - トマト
ギリシャのトマトは味が濃くて美味しい - ザジキ
すでにお伝えしたキュウリとヨーグルトのサラダ - 蒸しムール貝
すでにお伝えしたムール貝の白ワイン蒸し
2人分のおつまみの盛り合わせなのですが、これだけでお腹いっぱいになるくらいボリューム満点です。
カラマリ
これは、サントリーニ島のレストランで食べた、いかの唐揚げ。
ギリシャでは、「カラマリ(Fried Squid)」と呼ばれています。
衣は薄付きで、ほんのりスパイシー。
唐辛子が少し入っています。
レモンを絞っていただきます。
ギリシャの超有名お菓子
次に、ギリシャの超有名スイーツ5品をご紹介します。
ギリシャヨーグルト
ギリシャのスイーツと言えば、日本では、ギリシャヨーグルトが最も有名かもしれません。
ギリシャヨーグルトとは、ギリシャで伝統的に食べられているヨーグルトのこと。
日本で言う水切りヨーグルトがこれに当たります。
上の写真に写っているのは、ギリシャヨーグルトに、砕いたクッキー生地(クッキークラム)と自家製ブラックベリーのソースがかかった一品。
ヨーグルトは、ギリシャ人にとって、毎日の食生活に欠かせない食材であり、また食後の定番デザートでもあります。
レストラン「Casa di Te」の食後のデザート
@ギリシャ サントリーニ島
さすがヨーグルトの国、品数が豊富です。
好みの固さのヨーグルトに、自家製フルーツソースやドライフルーツ&ナッツをトッピングするのがギリシャ流。
ギリシャでは、フルーツの果肉がゴロゴロ入ったジャムやドライフルーツやナッツもとても美味しいです。
ギリシャのタベルナ(カジュアルレストラン)では、ヨーグルトは、定番のデザートでもあります。
なお、ギリシャヨーグルトは、日本では市販品(下の写真)もいくつか出ていますが、日本のヨーグルトをもとに、自宅で手作りすることもできます。
バクラバ(バクラヴァ)
こちらは、ギリシャの伝統菓子「バクラバ(バクラバ:Baklavas)」です。
ギリシャだけでなく、隣国のトルコや中東地域でもよく食べられています。
何層も重ねた薄いパイ生地の中には、クルミやピスタチオなどのナッツが入っていて、そしてその上には、はちみつを使ったシロップがたっぷりとかかっています。
甘みがかなり強いので、少量でもしっかりとした満足感があるのが特徴。
バクラバも、ギリシャのタベルナ(カジュアルレストラン)の定番スイーツです。
ギリシャのお土産におすすめ。
職場用のばらまきお菓子にぴったりです。
「バクラバ」のレシピはリンク先でご紹介しています。
ハルヴァ
このスイーツは「ハルヴァ(Halva)」と言って、ギリシャだけでなく、隣国トルコでも食べられている伝統的なお菓子です。
セモリナ粉を練って固めたお菓子で、セモリナ粉を使う量に応じて、食感は大きく2種類に分かれます。
「ういろう」のようなぷるんとした柔らかい食感のハルヴァと、「らくがん」のようなホロホロっと砕ける硬めの食感のハルヴァ。
家庭やレストランで手作りされるハルヴァは柔らかい食感のものが多く、お土産用として箱入りで売られているハルヴァは硬い食感のものが多いです。
- ホームメイド
- お土産用
ちなみに、ハルヴァ自体はギリシャでとても有名なのですが、もともと冠婚葬祭に供されるスイーツだということもあり、レストランでお目にかかるチャンスは少ないです。
上の大きな写真に写っているのは、アテネの人気レストラン「Diodos Agoras」で食べた自家製のハルヴァ。
こういうお店はなかなか貴重です。
これは、クレタ島のホテルの朝食で食べたタルトですけど、タルト生地の上にハルヴァがのっていて、その上にチョコレートソースがかかっています。
このタルトに使われているハルヴァは、ぷるんとした柔らかい食感ではなく、箱入りのハルヴァと同じ。
ほろほろっと砕けるような歯応えがあります。
ハルヴァを使ったデザートは、すごくバリエーションが豊富です。
ガラクトブレコ
こちらは、サントリーニ島のレストランで食べた「Souffle “Galaktoboureko”(ガラクトブレコ)。
簡単に説明すると、ギリシャ風クレイムブリュレです。
ギリシャや中東地域で使われるパイ生地(フィロペイストリー)の上に、セモリナ粉・卵・牛乳で作ったカスタードクリームをのせ、オーブンで軽く焼き上げた一品。
さっぱりとした味わいです。
ちなみに、フィロペイストリーというパイ生地は、先に紹介したバクラヴァ(バクラバ)にも使われています。
ルクマデス
これは、ひとくち大のギリシャのドーナツ。
「ルクマデス(Loukoumades)」と言います。
ドーナツは、日本ではおやつとして食べることが多いですが、ギリシャでは朝食にもルクマデスをよく食べます。
外側がカリッとしていて、中はモッチリ。
はちみつを使ったシロップがかかっていて、強い甘みがあるものが多いです。
「Mitsis La Vita Beach Hotel」のルクマデス
@ギリシャ ロドス島
その他のギリシャの料理&お菓子
続いて、超有名とまでは言えないけど、ギリシャでよく食べられているお料理など12品をご紹介します。
ギリシャのケーキのバリエーションや、朝食の定番メニューなども合わせてお伝えします。
ラム肉のブドウの葉包み
ギリシャでは、ブドウの葉で巻いたお料理がいろいろあります。
これは、塩漬けしたブドウの葉で、ラム肉を巻いた一品。
「Lamb stuffed in vine leaves(ラム肉のブドウの葉包み)」です。
ブドウの葉の中には、ラム肉とフェタチーズ。
赤ワインで煮込んであります。
深いコクがあり、塩気がしっかり効いているので、こちらもおつまみにぴったりです。
ブドウの葉はクセはありませんが、筋が少ししっかりめに残っているので、食感があります。
ズッキーニのフライ
こちらは、ズッキーニのちょっと変わったお料理。
「ズッキーニのフライ(Fried Courgettes)」です。
ギリシャのレストランでよく見かけるメニューの1つです。
細かく刻んだズッキーニにフェタチーズなどを混ぜ込んだタネを平たく整形し、オリーブオイルででカリッと揚げ焼きにしたお料理です。
食感はとろっとしていて、さっぱりとした中に優しいコクがあり、いくらでも食べられそう。
ザジキ(きゅうりとヨーグルトで作ったソース)を付けてさっぱりといただきます。
ムール貝の白ワイン蒸し
これは、ギリシャ特有のお料理ではありませんが、海のある街のレストランには必ずといってあるメニューの1つ。
「ムール貝の白ワイン蒸し(Mussels in White wine)」です。
サントリーニ島のイアのサンセットスポットになっている超人気レストラン「カストロ・レストラン(Kastro Restaurant)」でいただきました。
地元で採れたムール貝をワインで蒸して、パセリ振ったシンプルなお料理。
ムール貝の旨味たっぷりで、ガーリックトーストがよく合います。
ギリシャ風リゾット
こちらも、ムール貝の白ワイン蒸しと同じレストランでいただきました。
「KRITHAROTO with scampi(大海老のギリシャ風リゾット)」です。
リゾットとは言え、このお料理には、お米は使われていません。
米の代わりに「クリサラキ」という米粒大のパスタが使われているので、ツルンとした食感です。
フェタチーズの優しいコクとトマトの酸味をいかした味付が、エビと絶妙にマッチします。
これは、ギリシャのクレタ島で食べたランチの「シーフードリゾット」。
このリゾットにも、同じパスタが使われていました。
シーバス(スズキ)のグリル
こちらは、ギリシャの魚料理。
ギリシャでは、シーバス(スズキ)のお料理もバリエーションが豊富です。
これは、シーバスを使った、ギリシャのスペツェス島の伝統料理「Spetsiota」。
メニュー名はちょっと長いのですが、「Seabass “a-la-Spetsiota”(Greek Traditional recipe with vegetables in red sauce)伝統的なギリシャのすずきの料理 野菜のトマトソース添え」です。
オリーブオイルを使って皮目をカリッと焼き上げたシーバスに、野菜のトマト煮を添えた一品。
野菜は、ズッキーニ・にんじん・じゃがいも・トマト・ピーマンなどたっぷり使っており、皿のふちには、バラの花びらがあしらわれていてとてもおしゃれ。
このお料理は、サントリーニ島フィラ地区で人気ナンバーワンのレストラン「Casa di Te(現在閉店)」でいただきました。
新鮮なシーバスをちょうど入荷したということで、シンプルな塩焼きにしてもらいました。
これに、レモン汁・オリーブオイル・チーズなどを混ぜたソースをかけていただきました。
こちらも、さっぱりとしたレモン風味のソースが添えられていました。
とてもよく合います。
ラムのグリル
ギリシャのレストランでは、ラムの塊肉を使ったボリューミーな「ラムのグリル(Grilled Lamb)」もよく見かけます。
ギリシャのラムはまったくクセがなく、牛肉と同じくらい食べやすいです。
これは、すでに紹介した、サントリーニ島のフィラで一番人気レストラン「Casa di Te(現在閉店)」で食べたラム。
メニュー名は「Lamb Wrapped in baking paper cooked for 6 hours with potatoes,honey,mustard & rosemary(子羊のグリル ポテト添え)」です。
子羊をクッキングシートで包み、はちみつ・マスタード・ローズマリーなどで味付けして、6時間ほどかけて焼いたもの。
付け合わせはポテト。
ラム肉には、たいていジャガイモの料理が添えられています。
ほんのりとした酸味とコクがあるソースでいただく子羊のグリル。
しっとり柔らかく、とても美味しいです。
オレガノ・塩こしょう・オリーブオイルのみという、ポピュラーな味付けです。
付け合わせのポテトは、オリーブオイルでソテーしたもので、レモンのソースでいただきます。
クレタ島のパスタ
これはちょっと変わったパスタ。
サントリーニ島のレストランで食べたお料理で、ほんのりカレー味で食感がしっかりしています。
「Skioufichta(伝統的なクレタ島のパスタ)」です。
具材は、鶏むね肉・トマト・ズッキーニ・パルメザンチーズ。
白ワインで風味付けしています。
クレタ島のオムレツ
これは、クレタ島のホテルで食べた「Omelette(クレタ風オムレツ)」です。
じゃがいも・トマト・ズッキーニなどの野菜がたっぷり入った、どっしりとしたオムレツ。
スパニッシュオムレツに似ています。
味付けは、塩こしょうととてもシンプルです。
ギリシャの食後のデザート
この写真は、ギリシャのクレタ島のレストランで食べたデザート。
ギリシャでは、食事の締めに、デザートや甘いお酒を無料で提供してくれるレストランがたくさんあります。
これは、私が旅でいただいたそうした無料の締めの中で、最も豪華だったものです。
飲み物2種類は、どちらもお酒。
ピンクの方はほんのりハーブの風味がして女性でも飲みやすいです。
透明の方は、40度くらいアルコール度数がありそう。お酒が強い方向け。
スイーツは3種類あります。
オレンジケーキ・チョコケーキ、それと、炒ったひよこ豆とレーズンを合わせたおつまみです。
ギリシャでは、レストランで出てくる1人分の食事の量も半端なく多いですけど、デザートもゴッツイ。
ギリシャのレストランでは、こうした食後のデザートを楽しむためにも、食事は腹八分目で切り上げるのがおすすめです。
ギリシャのケーキ
次に、ギリシャで出会ったケーキを写真でご紹介します。
ギリシャ特有のケーキというわけではありませんが、日本人と同じく、ギリシャ人も甘いケーキがとても大好きです。
フルーツや野菜を使ったパイは、ギリシャでは特に人気があります。
すでにお伝えした通り、ギリシャ人は、朝から甘いケーキやクッキーをよく食べます。
この日に出たケーキは全部で6種類。
クッキーは数え切れないくらいの種類があります。
下の6種類のケーキは、すべてこのホテルで出てきたもの。
一度にこれだけの豪華なケーキが出てきて、食べ放題の朝食でした。
- アップルパイ
- バニラとチョコのケーキ
- いちごとココナッツのタルト
- ヘーゼルナッツプラリネのタルト
- アプリコットのタルト
- チョコレートケーキ
ギリシャのパン
ギリシャは、パンの種類もとても豊富です。
中でも人気があるのは、ナッツやひまわりやかぼちゃのタネがぎっしりトッピングされた、田舎風のどっしりとした目の詰まったパン。
こうした食べ応えのある茶色いパンの他に、日本でもよくお目にかかるようなクロワッサンやフランスパンもあります。
グリッシーニのような棒状のパンもよく食べられています。
朝食のパンは、チーズやハムや野菜サラダなどと一緒にいただくのが定番です。
ピタパンも、ギリシャでは比較的頻繁に食べられています。
写真は、先に紹介した「ダコス」。
このお料理の一番下の茶色い層は、水に浸して柔らかくしたパンが使われています。
ギリシャの朝食
ギリシャの朝食では、パンを食べることが多いです。
上の写真は、ギリシャのアテネのホテル「The Foundry Hotel」で食べた朝食。
ハムやチーズを挟んだボリューミーなサンドイッチと卵、そしてギリシャヨーグルトと季節の果物、それに甘いケーキが付いています。
食べ切れないくらいの豪華な朝食です。
繁華街の裏通りにあるホテルですが、部屋の作りがおしゃれで、とても清潔。
しかもけっこう安いです。
屋上からはアクロポリスが目の前に見えます。
この朝食は、同ホテルの屋上から、アクロポリスとアテネの街を眺めながらいただきました。
ギリシャでは、コーヒーや紅茶などと合わせて、果物のジュースを飲むのが一般的で、バゲットやクロワッサンなどのパンと合わせて、ケーキもいただくのが定番です。
それに、卵料理、ハム&チーズと季節の野菜。
そして忘れてはならないのがフルーツサラダとヨーグルト。
ギリシャ人は、フルーツとヨーグルトを朝食によく食べるようです。
パンと合わせてケーキ。
そして、たっぷりのフルーツサラダとヨーグルト。
定番の朝食です。
ギリシャのお酒
次に、ギリシャのお酒を4品ご紹介します。
ギリシャワイン
ギリシャ料理には、やっぱりギリシャのお酒がよく合います。
ギリシャワインと言えば、日本では、ちょっと変わった「レツィーナ(Retsina)」という種類がよく知られています。
松ヤニの香りがするややクセのあるワインですが、甘みもあるので割と飲みやすく、お土産にしても喜ばれます。
上の写真は、先にも紹介した横浜にある人気ギリシャ料理レストラン「スパルタ」でいただいたレツィーナ。
日本のギリシャ料理レストランでは、必ずと言って良いほどこのワインがあるので、日本では、ギリシャワインの代名詞的な存在になっているのかもしれません。
メタクサ
ワイン以外のお酒だったら、メタクサ(Metaxa)というブランデーがとても有名。
メタクサは、ハーブエキスや甘味料を少量加えているので、ブランデーとは言え少し飲みやすくなっています。
ただし、アルコール度数は40度くらいあるので、要注意です。
ウゾ
ワインを作ったあとのブドウの絞りかすから作られる「ウゾ(Ouzo)」も、ギリシャ特有のお酒です。
こちらは、アニスというハーブの強い香りが特徴で、ややクセがあります。
アルコール度数はメタクサと同じく40度くらい。
ギリシャでは、煮込み料理などにもよく使われます。
ギリシャビール
ギリシャの代表的なラガービール「ミソス(Myhtos)」もギリシャ料理のお供にぴったり。
ドイツビールのようで後味が良く、とても飲みやすいです。
ギリシャの復活祭の料理
ここからは、ギリシャの復活祭(イースター)によく食べられるお料理をご紹介します。
ちなみに復活祭は、日にちが毎年変わります。
私が取材した2019年は4月28日でした。
上の写真は、ギリシャのミコノス島の復活祭の朝の街の様子。
復活祭までのおよそ40日間は、ギリシャ正教では断食期間とされていますが、断食明けの深夜0時からは、いよいよ復活祭に突入します。
復活祭は、羊の丸焼きをひたすら食べる日。
街のいたるところで、朝から子羊の丸焼きを調理する光景が見られます。
子羊の丸焼きをするのは、復活祭の朝に限ったことなので、この現場を目撃したい人は、寝坊は厳禁です。
ギリシャ正教では、復活祭に突入した深夜0時から真夜中にかけて「マギリッツア」という羊の臓物スープで断食を破る習慣があります。
このスープは、復活祭初日の真夜中でないと食べられません。
おそらくこのスープは、もともとは、日中に食べる子羊の内臓を有効活用するためのお料理だと思われます。
具材は、羊の内臓と野菜だけ。
少しクセのあるスープなので、ギリシャ人の中にも「これはまずい」と言う人もいます。
でも、年に一度のお料理なので、復活祭と旅行がかぶったら、記念に是非食べてみてください。
これは、ギリシャのミコノス島で食べた「復活祭の子羊の丸焼き」。
ただこちらは、屋外で丸焼きにしたものではなく、オーブンで手軽に焼き上げたものです。
ローズマリー・塩こしょう・赤ワインなどのシンプルな味付けで、羊のクセがまったくありません。
復活祭という特別な日にふさわしいご馳走です。
復活祭には、ゆで卵を赤く染めたり、クッキーを焼いたりする習慣もあるそうです。
これは、宿泊していたホテルのオーナーさんが作ってくれました。
以上、ギリシャ料理について、旅行先のギリシャからお伝えしました。
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