フェタチーズはギリシャの国民的チーズ。食べ方や保存など徹底解説!

フェタチーズ

ギリシャの伝統的なチーズ、フェタチーズについて、現地での経験を踏まえて分かりやすく解説します。
フェタチーズの保存や塩抜き、フェタチーズを使ったレシピなど盛りだくさんです。

フェタチーズとは

フェタチーズ(feta)とは、ギリシャ原産のフレッシュチーズの一種で、羊や山羊の乳から作られています。
現存する世界最古のチーズと言われていて、古代ギリシャの時代から食べられてきました。

フェタチーズの見た目はお豆腐のように真っ白。
味は、さっぱりとしており、しっかりした塩気とほのかな酸味があるのが特徴です。

フェタチーズ
また、フェタチーズは、身がギュッと引き締まっていて、噛むとホロホロっと砕けるような食感があります。

フェタチーズの味と食感は独特なので、日本の身近な食材で代用することは難しいです。
強いて言えば、砕いたフェタチーズは、塩を補ったカッテージチーズにやや近いです。

フェタチーズはギリシャ産限定

ところで、フェタチーズに似たホワイトチーズはギリシャの周辺国にもありますが、「フェタチーズ」を名乗れるのはギリシャ産のチーズだけです。

フェタチーズと言えば、以前はデンマーク産などもよく知られていました。
でも、現在は、欧州連合(EU)の法律により、ギリシャで伝統的な製法によって生産されたチーズに限って、フェタチーズとして販売することができます。

フェタチーズを使ったギリシャサラダ
フェタチーズは、本場ギリシャでは、そのまま食べるよりも、料理の食材として使われるのが主流です。
サラダや肉料理など、バリエーションは豊富。

フェタチーズを使った料理については、後ほど詳しくお伝えします。

それでは、フェタチーズの徹底解説記事をご覧ください。

フェタチーズの賞味期限と保存方法

まずは、フェタチーズの保存についてお伝えします。

フェタチーズの日持ち

日本で売られているフェタチーズ

日本で売られているフェタチーズのほとんどは、上の写真のように、真空パックに入っています。
パッケージに賞味期限が記載されていますので、開封前であれば、それを目安に食べ切ってください。
ちなみに、賞味期限は、6ヶ月くらいに設定されているようです。

開封後の日持ちは、冷蔵で1週間

一方で、開封後の日持ちは、冷蔵保存で5日から1週間くらいです。
冷蔵保存の際には、ぴったりとラップをします。

フェタチーズは塩気をやや多めに含んでいますが、カッテージチーズやモッツアレラチーズなどと同じフレッシュチーズの仲間なので、あまり長くは日持ちしません。
1週間くらいのうちに食べ切るのが無難です。


もし、開封後に長めに保存したいなら、次の2つの方法があります。

塩水に浸す方法とオリーブオイルに浸す方法です。
どちらも、フェタチーズを空気から遮断します。

フェタチーズの保存(塩水)

フェタチーズを塩水に浸けて保存

こちらは、塩水に浸す方法。
少し濃い目の塩水に漬け込むと、冷蔵で1ヶ月ほど日持ちさせることができます。

塩水の濃度は、チーズと同じくらいの塩気にするのがおすすめです。
分かりにくい場合は、8%くらいの濃度で試してください。

手順
  1. フェタチーズを密閉容器に入れ、8%くらいの濃度の塩水に完全に浸す。
    冷蔵庫に入れると、1ヶ月ほど日持ちする。

塩をしっかり溶かし、チーズと同じくらいかそれ以上の濃度にするのがポイントです。
塩気を弱くすると、逆にチーズの塩気が抜けて保存性が落ちてしまいますので注意してください。

また、日本ではほぼ見かけませんが、塩水に浸かった状態で売られているフェタチーズは、そのままで1ヶ月くらい日持ちするものが多いです。

アテネの市場のフェタチーズ
これは、ギリシャの首都アテネの市場で売られていたフェタチーズ。

ギリシャのフェタチーズは、むき出しで売られていたり、塩水に浸かった状態で売られていたりと色々です。


フェタチーズの保存(オリーブオイル)

フェタチーズをオリーブオイルに浸けて保存

こちらは、オリーブオイルに浸す方法。
塩分濃度を調整する必要がないので、こちらの方が簡単です。

手順
  1. フェタチーズを密閉容器に入れ、オリーブオイルに完全に浸す。
    冷蔵庫に入れると、1ヶ月ほど日持ちする。

保存期間は、こちらも冷蔵で1ヶ月くらいです。

フェタチーズのオリーブオイル漬け
ちなみにフェタチーズは、現在は塩漬けにされているのが一般的ですが、時代を遡ると、オイル漬けにされていたこともあるそうです。

フェタはもともと塩が採れない内陸で食べられていたチーズ。
塩が無かった時代は、塩の代わりにオリーブオイルを使って保存性を高めていたということです。

フェタチーズの塩抜き

フェタチーズ

ところで、フェタチーズは塩抜きしないと食べられないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

塩抜きは基本的に不要

フェタチーズは、もともとは、しっかり塩をきかせることで保存性を高めていたチーズ。
ですから、かつては塩抜きが必須でした。

でも現在では、保存技術の発達により塩の量が控えめでも保存がきくため、そのままでも食べられます。

ギリシャのスーパーで売られているフェタチーズ
右の写真は、ギリシャのスーパーで売られていた真空パック入りのフェタチーズです。

このフェタチーズの塩気は、日本で販売されているフェタチーズと同じくらい。
また、ギリシャのレストランで出てくるフェタチーズの塩気も同程度です。

ギリシャでも、塩抜きせずにそのまま使う人が多いですよ。


フェタチーズの塩抜き

好みで塩抜きしてもOK

とは言え、フェタチーズは、日本の一般的なチーズとくらべると、塩気はややしっかりめです。

その塩気をいかしてサラダなどの料理に使うのが王道ですが、塩気を和らげたいという方は、塩抜きしてから使うのもアリです。
フェタチーズの塩抜きの仕方はとても簡単です。

材料

調理時間10〜15分
フェタチーズ 適量
水か牛乳 適量

手順

  1. フェタチーズをボールに入れ、完全に浸るくらいの水(もしくは牛乳)を注ぎ、10〜15分置く。

フェタチーズを浸す時間は、チーズの塩気などによっても変わりますので、途中で少し味見してみるといいです。
人によっては、数時間浸す方もいるので、お好みで調整してみてください。

フェタチーズの食べ方とレシピ

最後に、フェタチーズの美味しい食べ方をご紹介します。

フェタチーズのレシピ

フェタチーズを使ったギリシャサラダ

当サイトが一番におすすめする、フェタチーズの簡単で美味しい料理。
それは「ギリシャサラダ」です。

ギリシャサラダは、ギリシャのレストランだったら必ずある超ポピュラーなメニューの1つで、作り方はとても簡単です。

まず、トマト・きゅうり・玉ねぎなどを食べやすい大きさに切ります。
そして、ブラックオリーブなどと一緒に皿に盛り、その上にフェタチーズをかたまりのままドン!とのせ、乾燥オレガノを振り、オリーブオイル・酢・塩をかけたら完成。

フェタチーズの塩気をいかすので、味付けの塩はほんの少しでOK。
フェタチーズを崩しながら、野菜と和えていただきます。
フェタの優しい酸味とコク、そして塩気で、たっぷりの野菜が美味しく食べられます。

4分
トマトきゅうり紫玉ねぎフェタチーズブラックオリーブケッパーオレガノオリーブオイル

作り方を見る

フェタチーズのオイル漬け

こちらもフェタの人気レシピ。
本場ギリシャはもとより、欧米諸国でもよく作られている保存食、「フェタチーズのオイル漬け」です。

すでにお伝えした通り、ギリシャではもともと、フェタチーズをオリーブオイル漬けにして保存性を高めていました。

オリーブオイルと一緒に、ハーブやにんにくなども漬け込むと、そのままでもワインなどのおつまみになります。
パンともよく合いますし、パスタやサラダの具材にしても美味しいです。

10分
フェタチーズにんにくハーブのみじん切り赤唐辛子黒こしょうレモン汁オリーブオイル

作り方を見る

フェタチーズを使ったパスタ

フェタチーズは、ブロック状の身を細かく砕いて、そのままパスタの具材にしても美味しいです。

こちらは、フェタにトマトや黒オリーブなどを合わせた、さっぱりとしたパスタ。

作り方は、まず、みじん切りにしたにんにくを、少し多めのオリーブオイルでこんがりと炒め、茹でたパスタを絡めます。
そこに、食べやすい大きさに切った、フェタチーズ・トマト・黒オリーブ・パセリを合わせます。
フェタとオリーブに塩気があるので、少量の塩とこしょうで味を整えたら完成です。


本場ギリシャのフェタチーズの食べ方

フェタチーズを使ったギリシャのスパナコピタ

ここからは、本場ギリシャで食べたフェタチーズの人気料理をいくつかご紹介します。

これは、「スパナコピタ(Spanakopita)」というパイの一種。
ギリシャ人はパイをよく食べるのですが、このフェタチーズとほうれん草を具材にしたパイは一番人気があります。

ちなみに上の写真は、アテネで泊まったホテルの朝食でいただいたスパナコピタ。
ものすごくボリューミー。
ギリシャ人は、朝からよく食べます。

フェタチーズは、日本でよく見かけるチーズと違って、火を入れても完全には溶けないので、固まり状に残ります。
ですから、パイの断面を見れば、すぐにフェタを使っていることが分かります。

生地は食感がしっかりしているのが特徴で、フェタのコクがよく合う優しい味わいのパイです。


フェタチーズを使ったギリシャのリゾット

こちらは、フェタを使ったリゾット。
ギリシャ屈指の観光地、サントリーニ島の超人気レストラン「カストロ・レストラン(Kastro Restaurant)」でいただいた、おしゃれな一皿です。

きれいに潰して使っているので、フェタの塊は見えませんが、爽やかな風味がエビの旨味とよく合います。

ちなみにこのリゾットは、米の代わりに「クリサラキ」という米粒大のパスタが使われているので、ツルンとした食感です。


フェタチーズを使ったギリシャのミートボール

続いてご紹介するのは、サントリーニ島で食べた「ケフテダキア(Keftedakia)」というお料理。
ギリシャ風ミートボールです。

フェタチーズはトッピングに使われています。

このミートボールは、牛肉・玉ねぎ・卵・パン粉などで作られています。
クミンシード(ホール)と少量のミントで風味付けされていて、けっこうスパイシー。
食感は肉々しい感じで、トマトソースとよく馴染んでいます。


フェタチーズを使ったギリシャのラム肉料理

これは、塩漬けしたブドウの葉で、ラム肉を巻いた一品。
「Lamb stuffed in vine leaves(ラム肉のブドウの葉包み)」です。

ギリシャでは、ブドウの若葉をお料理によく使います。

ブドウの葉の中には、ラム肉とフェタチーズ。
赤ワインで煮込んであります。
深いコクがあり、塩気がしっかり効いているので、こちらもおつまみにぴったりです。

ブドウの葉はクセはありませんが、筋が少ししっかりめに残っているので、食感があります。


フェタチーズを使ったギリシャのパン料理

続いてご紹介するのは、フェタチーズとトマトとパンを使ったお料理。

ギリシャのクレタ島の伝統料理「ダコス(Dakos)」です。

ベースの茶色い部分は、風味の良い茶色いパン・トマト・少量の玉ねぎ・オリーブオイルなどを合わせ、ペースト状にして固めたもの。
その上にはフェタチーズ。
さらにその上には、甘みと酸味がしっかり効いた濃厚な味のミニトマトがのっています。

サラダ感覚でさっぱりと食べられるお料理です。


フェタチーズのカロリーと糖質

フェタチーズ

ところで、フェタチーズを含めたチーズ全般は、糖質が低いうえにタンパク質などの栄養が豊富なので、ダイエットのために食べているという方も多いと思います。

フェタチーズは、日本でポピュラーなチーズと比べると、カロリーも低めなのでとてもヘルシー。
カロリーは、100gあたり263kcalです。

チーズのカロリーの比較
チーズの種類 カロリー
フェタチーズ 263kcal
カマンベールチーズ 310kcal
クリームチーズ 346kcal
パルメザンチーズ 475kcal
プロセスチーズ 339kcal

フェタチーズの販売店

スーパーで売られているフェタチーズ

フェタチーズは、日本のごく普通のスーパーにはまずありません。
ではどこにあるのか?

販売店の中で比較的よく知られているのは、成城石井やコストコです。
また、一部のチーズ専門店や業務スーパー、そしてアマゾンなどのネット通販にも取扱いがあります。
カルディーにはありません。(2019年5月現在)

ちなみに、上の写真は、成城石井で販売されているフェタチーズ。
1パック200g入りで、お値段は899円。
決して安くはありませんが、これ1つでギリシャの気分にどっぷり浸れますので、是非使ってみてください。


ところで当サイトでは、現地ギリシャでの経験をもとに、ギリシャ料理のレシピやギリシャの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。

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