釧路湿原を観光するうえで、おすすめのスポット&アクティビティは3つあります。
最もおすすめで、ぜひ体験してもらいたいのがカヌーです。
初心者でも気軽に楽しめますし、なんと言っても自然との距離が近い。
湿原の動植物を間近で観察できるので、すごく楽しいですよ。
次におすすめなのは、展望台です。
広大な湿原と、それを縫うように蛇行する釧路川。
釧路湿原の全体像を知るうえでピッタリのスポットです。
3番めは、ノロッコ号。
ノロッコ号は湿原のすぐ脇を走ります。
見どころでは10キロくらいに減速して、湿原の景色をゆっくりと見させてくれます。
カヌー、展望台、ノロッコ号。
3つとも、まったく異なる視点から釧路湿原の自然を楽しめます。
カヌーは近距離、展望台は俯瞰、ノロッコ号は外周。
この記事では、それぞれについて豊富な写真で詳しく紹介します。
記事は3つに分けてお伝えします。
1つめは、いまご覧いただいているこのページ。
このページでは、「釧路湿原のカヌーツアー」を紹介します。
2ページめは、「釧路湿原の展望台」です。
最後のページでは、「ノロッコ号」、そして旅行者におすすめの「釧路のグルメ」を取り上げます。
釧路湿原のカヌーツアー
それでは、まずは釧路湿原観光のいちばんのおすすめ、カヌーツアーをご紹介します。
私が今回の旅で感じたカヌーの素晴らしさは、その目線の低さにあります。
水面にほど近い場所から周囲を眺めると、すべての景色が新鮮です。
川岸を覆い尽くすように茂る草木と、時折現れるエゾシカなどの動物。
そして、手を伸ばせば届く距離にある川面。
そうした景色の中をゆったりとカヌーを漕いでいくのは、とても心地の良いものです。
カヌーツアーのコース
釧路湿原でカヌーの乗降が許されている地点は、全部で5〜6ヶ所くらいあるそうです。
それらの地点をどう組み合わせるかで、コースにはいくつかバリエーションがあります。
ツアーに必要な時間は、短くて1時間半。長いと3時間とかそれ以上のプランもあります。
私が参加したのは1時間半のコース。
1時間半でも十分楽しめましたよ。
塘路ネイチャーセンター
私は「塘路ネイチャーセンター」のカヌーツアーに参加しました。
旅行の予定が決まったら、あらかじめ予約しておくといいですよ。
かく言う私は、ラッキーなことに、当日予約で参加することができました。
同社のオフィスは、塘路湖の近くにあります。
釧路市街からクルマで50分くらいの距離です。
ここで受付を済ませたら、カヌーを積んだバンに乗って出発です。
カヌーに乗る際の注意点
カヌーを川に下ろせるポイントに着いたら、ガイドさんがカヌーに乗る際の注意点を教えてくれます。
カヌーでは、絶対してはいけないことが3つあります。
- 立ち上がらない
- カヌーのフチから身を乗り出さない
- 木の枝などを掴んだりしない
カヌーの船体はとても軽いです。
ですから、1人が立ち上がったり、フチから体を大きくはみ出したり、まわりの木の枝などにつかまるだけでも、転覆する可能性が十分あるそうです。
気をつけてください。
ただ、だからと言ってあまり緊張しなくても大丈夫です。
これら3点を守ってさえいれば、安心ですしラクちんです。
釧路川の流れはとても穏やかで、オールで漕がなくても、カヌーは自然に前に進みます。
ちなみにこれは、釧路湿原のすぐ脇を走るJR「ノロッコ号」からの眺め。
5人乗りのカヌーが釧路川を下っている様子です。
カヌーで釧路湿原を探検
カヌーに乗ると、川の水面すれすれ近くで辺りを眺められるので、とても新鮮です。
まるで川に棲む小動物にでもなってしまったような気がします。
同じ船でも、公園の池に浮かんだボートとはまったく違います。
大自然の中を探検している感じ。
臨場感がハンパないです。
エゾシカと遭遇
岸を離れて5分ほどすると、エゾシカに出会うことができました。
私がこのツアーに参加したのは夕方。
すでにお伝えした通り、動物をたくさん見たかったら早朝が一番良いそうですが、他の日は都合がつかなかったので、仕方なく夕方を選びました。
でも夕方のツアーにもメリットがありました。
ガイドさんによると、エゾシカは、気温が落ち着いた夕刻時によく見られるそうです。
釧路湿原はバードウォッチングのメッカ
カヌーの上では、ガイドさんに興味深い話をたくさん聞きました。
釧路や根室には、バードウォッチングをするために冬になると欧米人がたくさん訪れること。
お世話になったガイドさんは、珍しい野鳥が湿原のどのあたりに棲んでいるかということにも精通しているので、彼らを案内することも多いそうです。
日本人の感覚で北海道観光と言えば、ハイシーズンは夏ですが、冬の釧路湿原は格別に素晴らしいそうです。
冬の時期に訪れるのなら、1月中旬〜2月中旬がおすすめだそうです。
夏でもタンチョウに会える
釧路湿原で見られる野鳥と言えば、タンチョウ(丹頂鶴)がとても有名です。
ガイドさんによると、タンチョウは、冬によく見られる野鳥。
冬の給餌場に行けば、100%見られるそうです。
上の写真は、今回のカヌーツアーではなく、「細岡展望台」からの帰り道に撮影したものですが、夏でも見ることができました。
夏は湿原の下草の中でひっそりと暮らすことが多いようなので、冬にくらべると遭遇率はぐっと減りますが、湿原のどこかにはいるそうです。
ちなみに今回の釧路湿原の旅では、キタキツネやアオサギに出会うこともできました。
釧路湿原に生息する生き物
他にも釧路湿原に生息する動物で有名なのは、哺乳類ではエゾリスやエゾシマリスがいます。
また鳥類ではオオワシやオジロワシといった体長2mにもなる大型のワシがよく知られており、魚類では、日本最大の淡水魚であるイトウや、背びれに3本の大きなトゲがあるイトヨが棲んでいるそうです。
エゾシカの親子
カヌーツアーの終盤に、今度はエゾシカの親子に遭遇しました。
シカの方も珍しいのか、こちらをじっと見つめています。
人間と目が合っても、シカはすぐに逃げたりしません。
けっこう近くまで寄ることができます。
オオカミを駆逐したことでエゾシカが大繁殖
ちなみにガイドさんによると、野生のシカは、天敵のオオカミを駆逐してしまったことで、大繁殖しているそうです。
エゾシカは、地元の方でも殆ど食べる習慣はないそうですが、美味しい食肉として加工する動きもあるようです。
エゾシカを殺さずに捕獲してきて、美味しい草を食べさせ、食肉用の屠殺をすると、臭みが無くて柔らかいとのこと。
ただ、手間がかかる分、牛肉よりも値が張るとのことです。
とは言っても、釧路湿原に暮らすエゾシカは、捕獲することが禁止されています。
さて野生動物の話をいろいろと伺い、興味は尽きませんでしたが、ツアーもそろそろお終いです。
カヌーの終点には、ドライバーさんが待機してくれてます。
カヌーを車に積んで、オフィスに戻ります。
あっという間の1時間半でした。
釧路湿原を旅するなら、カヌーに乗らないのはもったいないです。
超おすすめです。
続いて、カヌーに乗りたい方が抱くであろう疑問とその答えをまとめました。
参考にしてください。
釧路湿原のカヌーに関するQ&A
カヌーに乗る時の服装は?
釧路はかなり気温が低い
釧路で出会った方が、「釧路は日本でもっとも寒い」と仰っていました。
その言葉のとおり、夏でもかなり涼しいです。
真夏でも気温は20度くらいまでしか上がらず、真冬にはマイナス20度まで下がることもあります。
ですからそれなりの防寒対策が必要です。
しかも、カヌーは船底が薄いので、足元から冷えます。
私が参加したのは真夏ですが、薄手の長袖を着たうえで、上着を羽織って、やっとちょうど良いと思いました。
冬はこれ以上ないというくらいに着込まないとヤバイと思います。
雨対策があると安心
カヌーの上では決して立ち上がらず、またカヌーのフチから身を乗り出さなければ、川の水で濡れることはまずありません。
ただ不意に降る雨対策として、防水の上着があると便利です。
カヌーのおすすめの季節と時間帯は?
おすすめの季節は冬
北海道旅行のハイシーズンは夏です。
でもガイドさんによると、実は釧路湿原は冬の景色が素晴らしく、また下草が枯れてしまう冬の方が、動物もよく見られるそうです。
私が利用したツアー会社は、欧米人の利用も多いようで、彼らは野鳥の観察に適した冬に湿原を訪れるとのこと。
マイナス20度という過酷な寒さが気になるところですが、ご興味と根性がある方は体験してみてはいかがでしょうか。
おすすめの時間帯は早朝
カヌーツアーは、1日に何回かに分けて出発しますが、最もおすすめの時間帯は早朝だそうです。
早朝は静かで、波が立ちにくく、日の光が水面に反射しにくいとのこと。
また野生動物にも、比較的遭遇しやすいそうです。
早朝にカヌーに乗ると、良い写真が撮れそうですよ。
カヌーは1人でも乗れるの?
家族全員でも乗れるの?
私が利用した塘路ネイチャーセンターのカヌーは、3人乗りでした。
ガイドさん1人に乗客2人。
ガイドさんと乗客との距離、自然への影響などを考慮して、サイズの大きすぎない、3人乗りのカヌーにしているそうです。
ツアー会社によっては5人乗りや7人乗りなども扱っているようですが、ここでは塘路ネイチャーセンターを例に説明します。
乗客が1人の場合
乗客が1人でもカヌーに乗れます。
ただ、乗客が1人の場合と2人の場合では、一人当たりの料金が異なります。
1人のときは、料金が1.5倍になります。
乗客が3人の場合
たとえば家族3人で全員が大人の場合は、カヌーを2艇借りることになります。
ガイドさんはそれぞれに1名ずつ。
家族3人は2名と1名に分かれて乗り込みます。
ただ、3人のうち1人が子どもの場合は、カヌー1艇で済むこともあるようです。
体格などにもよると思うので、塘路ネイチャーセンターに直接問い合わせた方がいいと思います。
ちなみに、子供の料金は大人の半額です。
また大人数の場合は、カヌーよりも安定性が高くてサイズも大きい、ドリフトボートに乗るという選択肢もあります。
カヌーには子どもも乗れるの?
子供の参加は、ツアー会社によって条件が少し変わってくるかもしれませんが、基本的には、注意したことをしっかり守れる年齢でないと難しいようです。
カヌーは、特別一生懸命漕がなくても川の流れにのって自然に前に進みますが、途中で立ったり、カヌーのフチから身を乗り出したりすると、転覆する可能性があります。
逆に言うと「立たない」「身を乗り出さない」という2つのルール守れれば、安心して乗れるのですが、小さな子供はダメと言ってもやってしまうことってありますよね。
私が参加した塘路ネイチャーセンターでは、小学生以上で言うことが聞ける子だったらOKとのことでした。
カヌーではなくドリフトボートであれば、小さいお子さんでも乗れるようです。
詳細については問い合わせてみてください。
カヌーから釣りはできるの?
ガイドさんによると、釧路湿原での釣りは、特に制限されていないようです。
カヌーからの釣りもできますが、カヌー自体が不安定なので、釣り目的の場合はドリフトボートを利用する方が多いそうです。
釧路湿原の魚といえば、イトウがとても有名です。
上の写真がそのイトウ。
「釧路市湿原展望台」で本物を間近で見ることができます。
イトウは、我が国では北海道だけに生息する日本最大の淡水魚で、生息地は、流れが穏やかで原始の様相をとどめる一部地域に限られています。
釧路湿原では、このイトウを釣ることもできます。
ちなみに釧路湿原には、最大で2メートルもの巨大なイトウが釣れたという伝説が残っているそうですよ。
釧路湿原のカヌーツアーのまとめ
釧路湿原のカヌーツアー、参加してよかったです。
ゆったりとした、とてもいい時間でした。
カヌーツアーについて、もう一度整理します。
- 初心者でもまったく問題なし。
漕がずに乗っているだけでもOK。 - 動植物との距離が近いので、釧路湿原の自然を間近で観察できる。
- 何よりも、乗っているだけで楽しい。
探検しているみたい。
私が参加したのは塘路ネイチャーセンターのカヌーツアーです。
おすすめです。
ぜひご覧ください。
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