熊本随一の観光スポット、阿蘇の魅力を豊富な写真とともにご紹介します。
熊本県には、阿蘇のほかにも天草や人吉や五木村などの観光地もありますが、それら全てをまわった経験を踏まえると、やはり一番のおすすめは阿蘇です。
南阿蘇ののどかな田園風景と豊かな水源、そして、その奥にそびえる雄大な阿蘇五岳。
中岳の火口からは今も噴煙が立ちこめていて、自然の力強さをありありと感じることができます。
どこを歩いても絵になる風景ばかりで、観光するのにぴったりのエリアです。
阿蘇の地理
まずは、阿蘇の地理的な説明を簡単に。
阿蘇は巨大なカルデラの中にあります。
カルデラとは、火山によってできた大きな凹地のことで、阿蘇カルデラは、東西18km南北25kmに及びます。
阿蘇カルデラの外側を囲む山が「外輪山」、内側にある東西に連なる山が「阿蘇五岳」です。
この阿蘇五岳を境にして、阿蘇は北側エリアと南側エリアに分かれます。
北側には集落が比較的多く、南側(南阿蘇)には水田などの田園風景が広がっています。
阿蘇観光をざっくり紹介
阿蘇のそれぞれの観光スポットを詳しく解説する前に、阿蘇観光の概要を簡単にご紹介します。
阿蘇を観光するにあたって、特におすすめなのが、南阿蘇です。
一面に水田が広がっていて、その光景をのんびりと眺めているだけでも癒やされます。
阿蘇に来たからには、火口の観光もやはり外せません。
阿蘇五岳の一つである「中岳」の火口には車で簡単にアクセスすることができ、火山のダイナミックなパワーを間近で感じることができます。
また、中岳に向かう途中には、ビュースポットがいくつもあるので、阿蘇の全体像を把握するのにぴったりです。
阿蘇から北方向に車を走らせると、「黒川温泉」という有名な温泉街があります。
温泉宿の数が30軒ほどの小さな集落ですが、ノスタルジックな雰囲気に包まれていて、とても癒やされる空間です。
また、黒川温泉の先には、「鍋ヶ滝」という滝もあります。
こちらの滝は、滝の裏側に回りこむことができるので、撮影スポットとして高い人気を誇ります。
南阿蘇の観光名所
ここからは、個別の観光スポットを詳しく解説します。
まずは、南阿蘇エリアからです。
田園風景と阿蘇の山並み
南阿蘇の素晴らしい点は、やはりその風景です。
上の写真は、私が宿泊した「ホテルグリーンピア南阿蘇」から撮影したものですが、南阿蘇の至るところで、このような光景を眺めることができます。
南阿蘇の楽しみ方としては、素晴らしい景観をのんびりと楽しむことに尽きると思います。
南阿蘇の水源めぐり
南阿蘇を観光する際には、電気自転車を活用するのもおすすめです。
南阿蘇には複数の水源があり、それらの水源は、自転車を使えば、だいたい3〜4時間ほどでグルッと見て回れます。
阿蘇の田園風景を眺めつつ、各所の湧き水で喉を潤すのもなかなか楽しいものです。
電動自転車は「道の駅 あそ望の郷くぎの」でレンタルできるので、活用してください。
南阿蘇の水源のなかで、観光客でもっとも賑わっているのは、この「白川水源」です。
水源となっている池では、水を汲んでその場で飲むことができますし、そこから流れる小川では、水遊びをすることもできます
また、周囲には土産物屋や飲食店もあり、公園のようなスペースになっています。
この白川水源から湧き出ている水は、毎分60トン。
実際に飲んでみたところ、他の水源とくらべて、この場所の水が一番柔らかくて甘い感じがしました。
環境省の「日本の名水100選」にも選ばれている場所なので、南阿蘇の水源を巡る際には、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
また、南阿蘇には、他にも次のような湧き水スポットがあります。
- 妙見神社の池
- 竹崎水源
- 明神池名水公園
- 池の川水源
- 塩井社水源
妖怪伝説の残る神社
南阿蘇の高森町にある「上色見熊野座神社(かみしきくまのいますじんじゃ)」も人気の観光スポットです。
山を貫通するようにぽっかりと空いた、縦横10m以上の大きな穴。
かつてこの地に逃げ込んだ妖怪が空けたと言われていて、力強い存在感を誇ります。
上色見熊野座神社については、別記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
郷土料理の田楽
上色見熊野座神社のある高森町には、この地方の郷土料理である「田楽」を食べられるお店が数軒あります。
田楽とは、野菜や魚や豆腐などの食材に味噌を塗って囲炉裏であぶるお料理のこと。
濃厚な味噌だれにいい感じに焼き目がついて、ハフハフと美味しくいただけます。
だご汁は、「だご」と呼ばれる手作り団子の入った味噌汁です。
私は、田楽&だご汁の組み合わせを「高森田楽の里」と「高森田楽保存会」という2つのお店で食べましたが、どちらのお店も古民家を利用していて雰囲気が良く、また、味の面でも満足できました。
火口&絶景ビュースポット
続いて、南阿蘇から北上したところにある、阿蘇山の火口とその周辺の絶景ビュースポットをご紹介します。
中岳火口
阿蘇に来たからには、やはり火口の観光は外せません。
火口のある中岳は、阿蘇五岳を構成する山の1つ。
周囲4キロ、深さ130キロに及ぶ巨大な火口からは、今でももうもうと噴煙が上がっています。
火口の周囲には噴石などから身を守る退避壕が点在していて、阿蘇山の脅威をありありと感じます。
また、辺りは一面が荒野で、背の低い植物がところどころに生えている程度です。
なお、中岳の標高は1,506メートルありますが、火口まで車で登ることができるので、スムーズに観光することが可能です。
ただし、天候や風向きなどによって火山ガス(二酸化硫黄)の濃度が変化するため、日によっては入山規制が行われることもあるようです。
中岳火口の情報は、その手前にある阿蘇火山博物館で知ることができます。
阿蘇火山博物館
阿蘇山の歴史が詳しく知りたいのなら、火口に向かう途中にある、「阿蘇火山博物館」に立ち寄るのがおすすめです。
こぢんまりとした博物館で、阿蘇山とその周辺がどのような過程を経て現在のような地形になったのか、展示物や映画で分かりやすく紹介しています。
特におすすめなのは、館内で上映される阿蘇火山の解説動画。
旅の疲れでぼーっとしていても、内容がわかります。
また、運が良ければ、博物館の学芸員さんが展示内容を詳しく解説してくださいます。
阿蘇では、およそ30万年前〜9万年前までに4回ほどの大規模な火山の噴火が起こり、その過程で地形が大きく変化して、現在の阿蘇カルデラが形成されたそうです。
草千里ヶ浜
阿蘇火山博物館の向かいには、「草千里ヶ浜」が広がっています。
この草千里ヶ浜では、カルデラらしい地形が見られます。
広大な窪地が草原になっていて、ところどころに、雨水が溜まってできた小さな池があります。
ここでは、散歩を楽しむことができますし、乗馬も可能。
また、草千里ヶ浜に隣接する駐車場を起点として、「杵島岳(きしまだけ)」と「烏帽子岳(えぼしだけ)」に登山することもできます。
可愛い火山!米塚
一口に火山と言っても、その形状は千差万別です。
中岳のようにワイルドな火山もあれば、この「米塚(こめづか)」のように、かわいらしい丸っこい形をした小ぶりな火山もあります。
米塚の高さは80メートルほど。
一見すると小さな古墳か丘のようにしか見えませんが、れっきとした火山です。
噴出されたマグマが空気中で急速に冷やされて岩石の塊になり、それが火口の周りに積もって、円錐形の火山を形成したのだとか。
現在は、このあたりの草原を修復するために、残念ながら立ち入り禁止になっていますが、近くで眺めるだけでも面白いですよ。
大観峰
阿蘇のビュースポットを語るうえで外せないスポットが、「大観峰(だいかんぼう)」です。
大観峰は、阿蘇の外輪山の北部にあり、阿蘇カルデラの光景を北側から一望できます。
❶大観峰
❷阿蘇五岳
高い位置から俯瞰できるので、それぞれの位置関係や高低差など、阿蘇カルデラ独特の地形を容易に把握することができます。
それと同時に、ダイナミックな自然の中に人間の暮らしがしっかりと根付いている様子も見て取れます。
45号線は、阿蘇の外輪山の北西部分を走る道路で、沿道に牧場が点在していることから「ミルクロード」とも呼ばれています。
ミルクロードの周辺には展望スポットがいくつもありますが、その中で最も素晴らしいのが大観峰です。
阿蘇近郊の観光スポット
最後に、阿蘇近郊のおすすめスポットをご紹介します。
黒川温泉
阿蘇を訪れた際には、少し足を伸ばして、「黒川温泉」にもぜひ立ち寄ってみてください。
阿蘇の大観峰からだったら車で30分程度。
江戸中期から続く人気の温泉街で、山々に囲まれた傾斜地に30軒ほどの宿が軒を連ねています。
肥後細川藩の御用宿として創業して、300年間この地で宿を営んでいるそうです。
この温泉街は、建物の色使いやデザインが統一されていて、街全体がノスタルジックな雰囲気に包まれています。
歩いているだけでも楽しいですよ。
鍋ヶ滝
こちらは、撮影スポットとしても人気の、ちょっと変わった滝。
黒川温泉から少し車を走らせた場所にある「鍋ヶ滝」です。
どこが変わっているかというと、まずなんと言っても、阿蘇山の噴火によってできたということ。
そして、滝の背面に人が入り込めるスペースがあるので、滝を裏側からも見られる点です。
ここには昔から川がありましたが、噴火によって吹き出したマグマが川を覆うようにして固まり、さらに、そのマグマの下面が川の水によってえぐり削られることで、滝の裏側に大きなスペースが生まれたそうです。
以上、阿蘇を観光するうえで特におすすめの場所を、厳選してお伝えしました。
私は、熊本の有名な観光地の中でも、阿蘇の素晴らしさは飛び抜けています。
初めて熊本を観光する方は、阿蘇の滞在日数を長めに確保するといいですよ。
ところで当サイトでは、熊本の観光スポットや熊本の郷土料理について、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせて参考にしてください。
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