ほっこり身体が温まる、熊本の人気郷土料理、「だご汁(だんご汁)」のレシピをご紹介します。
だご汁は、小麦粉と水を練ってのばした団子を、たっぷりの野菜とともに煮込んでつくる汁物で、すいとんの一種です。
九州地方で広く作られてきたお料理で、一般的には「だんご汁」と呼ばれています。
ただ、熊本県では団子のことを「だご」と呼ぶため、だご汁と言う名前で親しまれています。
熊本のだご汁
熊本県のだご汁といっても様々で、汁に加える団子ひとつとっても、手でちぎったり、包丁で切ったり、あるいは伸ばしてうどんのような麺状に切ったりと、色々なバリエーションがあります。
また、昔ながらのだご汁は、地方によって加える具材も異なっていて、山間部では野菜や油揚げがよく使われ、海沿いの地域では魚介が加えられることもありました。
味付けについては、味噌仕立ての他に、醤油ベースで仕上げることもあったようです。
阿蘇風のだご汁
さて、今回ご紹介するレシピは、熊本屈指の観光地・阿蘇でポピュラーなだご汁のレシピです。
人気のある具材は、里芋・大根・ごぼう・長ネギ・椎茸・油揚げ・豚肉など。
また、だごは指でのばしてから加え、野菜たっぷりの味噌仕立てに仕上げるのが主流です。
味噌の豊かな風味が具材に染み込んで、もちもちとした「だご」の食感とともに、とても美味しくいただけますよ。
材料
豚こま切れ肉 | 80g |
人参 | 40g(1/5本) |
大根 | 50g(1.5センチ) |
長ねぎ | 50g(1/2本) |
しいたけ | 30g(2個) |
里芋 | 100g(2個) |
ごぼう | 30g(1/5本) |
小麦粉 | 50g |
水 | 大さじ1と1/2 |
だし汁※ | 700ml |
味噌 | 大さじ2と1/2程度 |
小ねぎ | 好みで少々 |
※水(700ml)に顆粒だしの素(小さじ2)を溶かしてもOK。
作り方
【工程1】
まず、小麦粉(50g)をボールに入れ、水(大さじ1と1/2程度)を少しずつ加えて、手で混ぜます。
水をあまり多く入れすぎると、ベタベタしてあとで成形しづらいので、分量を目安に少しずつ、生地が1つにまとまるまで加えてください。
そして、耳たぶくらいの柔らかさになるまで軽くこね、使うまで置きます。
【工程2】
次に、人参(40g:1/5本)を皮ごと5ミリ幅の半月切りにして、大根(50g:1.5センチ)の皮をむいて8ミリ幅のいちょう切りにします。
さらに、長ねぎ(50g:1/2本)は斜め切りにして、しいたけ(30g:2個)は石づきを取って5ミリ幅に切ります。
里芋(100g:2個)は皮をむいて小さめの一口大に切り、ごぼう(30g:1/5本)は皮付きのまま斜め薄切りにします。
人参とごぼうは、皮ごと使って、無駄なく風味良く仕上げます。
ごぼうは、アク抜きのために、たっぷりの水にさらして5分ほど置きます。
【工程3】
野菜の下準備が済んだら、切った野菜をすべて鍋に入れ、だし汁(700ml)を注いで火にかけます。
ちなみに、だし汁は、伝統的には、いりこや揚げを使うのが一般的だったようです。
また、海沿いの地域では、昆布や素焼きにした穴子なども使われていたそうです。
お好みのだしを使ってみてください。
写真は、だしパックから取ったかつおだしを使っています。
だしを取るのが面倒なら、水(700ml)に顆粒だしの素(小さじ2)を溶かして使ってもいいです。
沸騰したらアクを取ります。
そして、フタをして火を少し弱め、具材すべてに火が通るまで10分ほど煮ます。
【工程4】
続いて、小麦粉生地を8等分し、それぞれを指でのばして細長くて平たい形に整えます。
そして、鍋に入れます。
再び沸騰してきたら、豚こま切れ肉(80g)を広げて入れます。
豚肉の色が変わってきたら、味噌(大さじ2と1/2程度)を溶かし入れ、軽く温めます。
豚肉は、味噌を溶かしいれる直前に加え、さっと火を通すと、柔らかい食感に仕上がります。
あまり加熱しすぎるとかたくなるので、豚肉の色が変わってきたらすぐに味噌を溶かし、温めたらすぐに火を止めるといいです。
これで完成です。
小麦粉だけで作ったシンプルな「だご」ですが、味噌のコクと風味に包まれて、味わい深く仕上がります。
また、野菜や肉などの具材についても、コクのあるおつゆが染み込んで、とても美味しくいただけます。
ボリューミーで食べ応えのあるお料理なので、おかずとしてだけでなく、ご飯や麺などの主食の代わりとして食べるのもおすすめです。
熊本のだご汁
最後に、熊本で出会った「だご汁」を、写真とともにご紹介します。
こちらは、黒川温泉のほど近くにある郷土料理店でいただいた、だご汁です。
具材は、かぼちゃ・人参・里芋・ごぼう・油揚げ・ねぎ・なす・大根・椎茸。
超具沢山です。
こちらのだごは、小麦粉にほうとう粉を混ぜて使っているのが特徴で、食感がとても良いです。
また、だごの見た目は、先に紹介したレシピのような、手でざっくりのばしたような形状です。
「郷土料理 八菜家」のだご汁
@熊本 南小国町
こちらは、阿蘇にある味噌田楽専門店の「だご汁」です。
具材は、油揚げ・人参・椎茸・ねぎ・じゃがいも。
さっぱりとした白味噌仕立てになっていて、唐辛子を加えて味のアクセントにするのが特徴です。
「高森田楽保存会」のだご汁
@熊本 南阿蘇
こちらも、阿蘇にある味噌田楽専門店の「だご汁」です。
囲炉裏をかこんでいただく、昔ながらの「だご汁」。
だごは、小麦粉生地を指で短冊状にのばして加えています。
材料は、人参・ごぼう・ねぎ・椎茸・大根・油揚げ・豚肉です。
「高森田楽の里」のだご汁
@熊本 南阿蘇
最後にご紹介するのは、熊本市内の郷土料理の人気店でいただいた「だご汁」です。
具材は、油揚げ・大根・小松菜・人参・里芋・鶏肉・椎茸。
醤油ベースのすまし仕立てになっていて、ハレの日に食べるような、上品な味の一品です。
だごは、丸い平たい形をしています。
「熊本郷土料理 青柳」のだご汁
@熊本 熊本市
以上、熊本のだご汁についてお伝えしました。
冒頭のレシピでは、だご汁に使われる定番の具材をご紹介しましたが、味噌汁の具にするようなものだったら、大体何を入れてもよく合います。
冷蔵庫の中身と相談して、自分好みにアレンジするのも楽しいですよ。
ところで当サイトでは、熊本の郷土料理や熊本の観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせて参考にしてください。
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