熊本県阿蘇地方の名物料理、高菜めし(高菜ご飯)のレシピをご紹介します。
高菜めしとは、高菜漬けを使った、昔ながらの混ぜご飯のこと。
細かく刻んだ高菜漬けを油で炒め、ご飯と混ぜ合わせて作ります。
高菜漬け自体の味がしっかりとしているので、醤油などで少し味を補うだけで、とても美味しく仕上がります。
高菜めしの本場といえば、やはり阿蘇です。
阿蘇は高菜の名産地として有名で、地元産の「阿蘇高菜」は、ブランド野菜にもなっています。
茎が細くて柔らかく、辛味が少し強めなのが特徴で、阿蘇高菜が美味しいのは、火山灰が積もった水はけの良い土と、冬場の厳しい寒さによるものと言われています。
阿蘇には、高菜めしを食べられる飲食店がいくつもありますが、中でも人気なのが「あそ路」というお店です。
同店は、阿蘇ではじめて高菜めしを商品化したお店で、連日多くのお客さんで賑わっています。
これからご紹介するレシピも、同店の高菜めしを参考にして作りました。
味付けをシンプルにすることで、高菜漬けの豊かな風味を活かすレシピになっています。
また、記事の後半では、同店の味についても詳しくお伝えしますので、そちらもぜひご覧ください。
材料
きざみ高菜 ※1 | 100g |
温かいご飯 | 360g |
ごま油 | 大さじ1 |
醤油 | 小さじ1 |
いりごま | 大さじ1 |
錦糸卵 ※2 | 好みで適量 |
きざみ海苔 | 好みで適量 |
がり | 好みで適量 |
- きざんでいない高菜漬けでもOK。
- 作り方は下の文中参照。
作り方
このレシピでは、全国のスーパーでよく見かける市販のきざみ高菜漬けを100g使いますが、代わりに、きざんでいない高菜漬けを同量使うこともできます。
その場合は、あらかじめ刻んでから使います。
きざんだ状態の高菜漬けを用意したら、高菜の水気を手でしっかりと絞ります。
熊本の伝統的な高菜めしのレシピでは、高菜漬けを塩抜きしてから使う場合が多いです。
昔ながらの高菜漬けは、長期保存に向くように、塩気をしっかり効かせているためです。
このレシピでは、市販の高菜漬けを使うので、塩抜きは必要ありません。
市販品は塩気が控えめなので、水で洗ったり晒したりせずにそのまま使うことができます。
なお、私の経験では、市販の高菜漬けに関しては、あらかじめ刻んであるものも、刻んでいないものも、塩気はだいたい同じくらいです。
次に、フライパンにごま油(大さじ1)を熱し、高菜を中火で30秒ほど炒めます。
高菜漬けは、炒めている間にパチパチと少し跳ねることがあるので、やや大きめのフライパンを使うといいです。
30秒経ったら火を弱め、醤油(小さじ1)といりごま(大さじ1)を加え、炒め合わせて火を止めます。
続いて、温かいご飯(360g)をフライパンに加えます。
そして、さっくりと混ぜます。
高菜めしは、チャーハンではなく混ぜご飯なので、火を止めてからご飯を加えます。
ボールの代わりにフライパンを使ってご飯を混ぜると、ご飯が冷めにくいうえに、洗い物を一つ減らせるので後片付けがラクです。
高菜めしに錦糸卵を添えるかどうかはお好みです。
もし、自家製の錦糸卵を添えるのであれば、少し甘めに作ると、高菜めしとよく合います。
錦糸卵のおすすめの作り方は、次のとおりです。
まず、卵(1個)・砂糖(小さじ1)・みりん(大さじ1/2)・塩(少々)を混ぜて、卵液を作ります。
そして、卵液を目の細かいザルでこします。
次に、小さめのフライパン(直径22センチ以下)を温めて、サラダ油を薄く塗ります。
フライパンを持ち上げて30秒ほど火から離し、卵液を流し入れ、フライパンを回して卵液を広げます。
すぐにフタをして弱火にかけ、30秒ほど加熱して、薄焼き卵を作ります。
薄焼き卵ができたら、卵のフチをめくって少しだけ剥がし、フライパンごとひっくり返して取り出します。
あとは、くるっと丸めて、端から細く切れば、錦糸卵の完成です。
詳しくは「錦糸卵と薄焼き卵の作り方」をご覧ください。
材料の分量は、先に紹介したものと少し違いますが、工程はまったく同じです。
高菜めしを器に盛り、お好みで、錦糸卵・きざみ海苔・がり(各適量)を添えたら完成です。
これらのトッピングは、どれも高菜めしと絶妙にマッチするので、すべて揃えるのがおすすめです。
完成した高菜めしは、風味が抜群です。
高菜漬けをたっぷりと使い、なおかつそれをごま油で炒めることで、食欲を誘う味と香りに仕上がります。
高菜漬けのしっかりとしたコクとほのかな酸味が口の中に広がって、とても美味しくいただけますよ。
熊本阿蘇の人気店の味
さて、ここからは、熊本・阿蘇で実際に食べられている高菜めし及び高菜漬けについて、少し紹介します。
上の写真は、阿蘇の老舗郷土料理店、「あそ路」の高菜めしです。
こちらのお店は、観光客はもとより、地元の方からも高い人気を得ていて、多くのお客さんが「元祖たかなめし」の味を楽しんでいます。
あそ路の高菜めしの特徴は、高菜漬けそのものの味にあります。
少し茶色っぽくなった古漬けを使っていて、酸味と旨味がしっかりしているのが特徴です。
同店で出されているような昔ながらの阿蘇の高菜めしは、古漬けを使って作るのが一般的です。
高菜めしは、保存食としての高菜漬けと深い繋がりがあり、春に仕込んだ高菜漬けを、1年ほどかけて美味しくいただくためのお料理だったからです。
漬けて間もない青みのある高菜漬けは、ピリッとした辛みが印象的ですが、3ヶ月ほど経ってアメ色の古漬けになると、発酵が進み、辛味が抜けて独特の酸味や風味が増してきます。
冒頭では、市販のきざみ高菜を使ったレシピを紹介しましたが、古漬けを使って高菜めしを作ると、さらに深みのある味に仕上がります。
「あそ路」のたかなめし
@熊本 阿蘇
こちらは、阿蘇の老舗たかな漬専門店「志賀食品」です。
先ほどのあそ路は、阿蘇の高菜めしの元祖ですが、志賀食品は、阿蘇の高菜漬けの元祖です。
阿蘇高菜を使った高菜漬けをはじめて商品化したのが、こちらの志賀食品です。
店内には、原材料や味付けが異なる様々な高菜漬けが、ところ狭しと並んでいて、阿蘇高菜を使った高菜漬けだけでなく、九州全般で栽培される熊本高菜を使ったものも売られています。
「たかな漬専門店 志賀食品」の高菜漬け
@熊本 阿蘇
最後の写真は、阿蘇にある道の駅の中の様子。
高菜めしがおにぎりにして売られていました。
写真にあるように、高菜めしは、阿蘇のおにぎりの定番でもあり、今でも広く親しまれている、まさに阿蘇のソウルフードです。
「阿蘇の道の駅」の高菜めしおにぎり
@熊本 阿蘇
以上、高菜めしについてお伝えしました。
高菜めしは、高菜漬けを炒めてご飯に混ぜるだけなので、とても簡単に作れます。
おウチで手軽に阿蘇の味を楽しめますよ。
ところで当サイトでは、熊本の郷土料理や熊本の観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせて参考にしてください。
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