人気のてんぷら専門店「てんぷら小野」の店主・志村幸一郎さんがすすめるエビ天のつくり方をご紹介します。
サクサクとした食感があり、見た目はすっと真っ直ぐな美しいエビ天です。
少量の油を使ってフライパンで揚げるので、家庭でも気軽につくれますよ。
(一部情報元:「いっぷく!」2014年12月25日放映)
極上エビ天のつくり方
まずは志村さんのご指導から、サクサクとした食感の美味しいエビ天をつくるポイントをまとめました。
- 冷水と薄力粉で衣をつくる。
- 衣をつくる際、冷水と薄力粉を混ぜすぎない。
- 衣は薄めにつける。
- ひっくり返しながら揚げる。
サクサクの食感を出すために冷水と薄力粉で衣をつくる理由は、小麦粉に含まれるグルテンをなるべく抑えるため。
グルテンとは、パンづくりには欠かせない弾力性のあるタンパク質で、モチモチとした食感がありますが、サクサクとした天ぷらには不向き。お湯や強力粉ではなく冷水&薄力粉という組み合わせにすると、グルテンが生成しにくいようです。
また家庭でエビ天をつくる場合、衣が厚くなりがちですが、余分な衣は極力落として揚げる方がサクサクに仕上がるとのこと。
さらに頻繁にひっくり返しながら揚げることでも、サクサク感が出るようです。こうすると衣の水分を均等に飛ばすことができるからだそうです。
今日ご紹介するエビ天は、以上の4点を踏まえつつ、さらに見た目を美しくするために下処理でエビの尾を真っ直ぐ伸ばします。
具体的な方法は、次の手順をご覧ください。
ブラックタイガー (好みのエビでもOK) |
2尾 |
冷水 | 400cc |
卵 | 2個 |
薄力粉 | 250g |
サラダ油 | 600cc |
- (エビの下処理)油ではねることがあるので、尻尾の先と剣先(小さいしっぽの先)を3ミリほど切り落とす。皮をむく。爪楊枝で背ワタをしっかりと取り除く。
- (エビの身を真っ直ぐにする)エビの腹を上に向けて、浅めの隠し包丁を腹に数か所入れる。
エビの身を指で軽く潰して、曲がったエビの身を真っ直ぐにする。さらに尾と身の境目を背の方に曲げ、尾と身が垂直になるようにする。 - (衣づくり)冷水に卵を加えてよく混ぜあわせる。これをふるった薄力粉に加え、手早くさっくりと混ぜる。混ぜ具合は、小麦粉が少し残る程度で十分。むしろあまり混ぜすぎないようにする。
- 揚げ油を180度に温める。衣を少量垂らしてみて、すぐにさっと浮いてくるようだったらOK。
- エビに軽く小麦粉をまぶす。さらにエビの尾先を持ちながら、エビ全体に衣をまとわせる。
余分な衣をよく切ってから、油に投入。こまめにエビを返しながら1分半ほど揚げる。油に浮いた揚げカスは、エビにくっついて見栄えを悪くするので取り除く。
衣を薄づけすると、サクサクとした食感が出るだけでなく、エビの味がより濃厚に感じられるようです。
ところで、お店でいただくエビ天はなぜ真っ直ぐなのか、私はずっと不思議に思っていました。でも今日やっとその理由が分かりました。下処理でエビのかたちをしっかりと矯正していたんですね。
クルッと曲がったエビ天よりも真っ直ぐのエビ天の方が、やはり豪華な感じがあっていいですね。