甘夏(夏みかん)を使ったピールの作り方をご紹介します。
甘夏に限らず、甘夏以外の夏みかんを使っても美味しく作れます。
皮を丸ごと活用するレシピになっていて、風味がとてもよいのが特徴です。
甘夏や夏みかんの皮にはやや苦味がありますが、ゆでこぼしたり水にさらしたりすることで、食べやすさが大幅にアップします。
苦味を抑えつつも、香りは十分に残るので、旬の味をしっかりと堪能できます。
甘夏(夏みかん)の皮の簡単で美味しい食べ方としておすすめです。
材料
甘夏(夏みかん)の皮 | 2個分 |
砂糖 | 皮と同量 |
水 | 200ml |
グラニュー糖 | 好みで大さじ2 |
ビターチョコレート | 好みで適量 |
作り方
- ① 甘夏(夏みかん)を流水に当ててタワシなどでこすってきれいに洗い、水気を拭き取ります。
- ② 表面に十字の浅い切り込みを入れ、手で皮をむきます。
- ③ 皮(2個分)を用意して、皮に付いた「ヘタ」と「ヘタのまわりに付いたふわふわしたワタ」を取り除き、7〜8ミリの細切りにします。
- ④ 皮の重さをはかり、皮の重量と同量の砂糖を用意します。
皮を切る際には、手でむいて4等分になった皮を、包丁で縦に3〜4等分に切り分けてから、それをさらに7〜8ミリの細切りにすると良いです。(左上の写真)
- ⑤ 鍋にたっぷりの湯を沸かし、皮を1分ほど茹でて、ザルに上げます。
- ⑥ 工程⑤の「茹でてザルに上げる作業」をあと2回(合計3回)繰り返します。
- ⑦ ザルに上げたまま、軽く水洗いします。
- ⑧ 皮をたっぷりの水に浸し、ラップをかぶせて冷蔵庫に一晩(8時間)ほど入れます。
- ⑨ 一晩経ったら、ザルに上げて水気を切ります。
なお、「茹でこぼす」というのは、材料を水に入れて沸騰させ、ザルなどに上げて茹で汁を捨てる作業のことを指します。
- ⑩ 皮を鍋に入れ、砂糖と水(200ml)を加えてよく混ぜて、火にかけます。
- ⑪ 汁気が少なくなるまで15分ほど煮ます。
- ⑫ 汁気が少なくなり、細かい泡が出始めたあたりで火を止めます。
煮上がりは、水分を少しだけ残します。 - ⑬ そのまましばらく置いて冷まし、味を馴染ませます。
水分を少し残す
鍋の中の水分を完全に飛ばしてしまうと固くなってしまうので、水気を少し残した状態で火を止めてください。
残った煮汁の活用法
鍋に残った煮汁は甘夏ピールには使いませんが、甘夏の風味が染み出していてとても美味しいです。
ヨーグルトにかけるなど、シロップとして利用するのがおすすめです。
- ⑭ 皿などの上にクッキングシートを敷き、その上に皮を重ならないように並べます。
ラップなどをかぶせずに剥き出しのまま、冷蔵庫に一晩(8時間)ほど入れて軽く乾燥させます。
乾燥させている間は、1〜2回ひっくり返します。
まずは軽く乾燥させる
ピールを手でつまんで食べやすくするために、この次の工程で、表面にグラニュー糖をまぶします。
その際にグラニュー糖が多く付くと甘夏の皮の味が弱くなってしまいますが、ここで軽く乾かしておくことで、表面がベタベタしにくくなり、グラニュー糖の量を抑えることができます。
なお、ピールを乾燥させる方法としては、今回のように冷蔵庫に入れる方法が一番簡単で失敗しにくいです。
ラップなどをかけずに、剥き出しのまま冷蔵してください。
一晩経ってもかなりベトベトして扱いにくい場合は、もう少し時間を長くすると良いです。
- ⑮ 乾燥した皮に、お好みでグラニュー糖(大さじ2程度)をまぶします。
- ⑯ 再び、クッキングシートの上に重ならないように並べ、ラップなどをかぶせずに剥き出しのまま冷蔵庫に入れます。
好みの固さになるまで、数時間〜2日ほど乾燥させたら完成です。
グラニュー糖なしでもOK
甘さを控えめにしたい場合は、グラニュー糖をまぶさずに作ることもできます。
その場合は、そのままもう少し長めに冷蔵庫に入れて皮を乾かしてください。
オランジェットもおすすめ
このピールは、チョコレートでコーティングして「オランジェット」にしても美味しいです。
チョコの風味が加わることで味にコントラストがついて、また違った魅力を楽しめます。
作り方は、湯煎して溶かしたビターチョコレート(適量)をピールの端に付けて、クッキングシートの上にのせて乾燥させます。
甘夏(夏みかん)は、甘みと酸味と苦みがいい感じに混ざり合った、野生的な風味が魅力のフルーツです。
とりわけ、皮の部分にはそうした魅力がギュッと凝縮されているため、果肉だけを食べて捨ててしまうのは、かなりもったいないと思います。
今回のようなピールに加工すれば、食べやすさが格段にアップするうえに、風味もしっかりと残ります。
一口食べれば、濃厚な味と香りが広がって、幸せな気分に。
冷蔵庫にストックしておくと、楽しみが一つ増えますよ。
甘夏(夏みかん)ピールの日持ち
なお、このピールは、長期間保存することが可能です。
グラニュー糖をまぶしてチョココーティングなしの状態で、タッパーや保存袋などで密閉したうえで冷蔵保存すると、半年ほど日持ちします。
- 柑橘類でピールを作る場合は、今回のように茹でたり水にさらしたりして皮の苦味抜き(アク抜き)をするのが基本です。
伊予柑ピールや柚子ピールも、この記事の作り方とほぼ同じ方法で作れます。
ただ、みかんピールは例外で、皮の苦味が少ないので、茹でたり水にさらしたりすることなく、砂糖煮にして乾燥させるだけで簡単に作れます。 - 「茹でる」「水にさらす」という2段階でしっかりアク抜きする食材としては、夏みかんの他に山椒の実や梅があります。
山椒の実も梅も、夏みかんと同じくらいの時期に出回る初夏の代表的な食材ですが、こちらも、しっかりアク抜きすることで食べやすくなります。
「山椒の実の下処理(アク抜き)」や「梅ジャムの作り方」も合わせて参考にしてください。
甘夏2個の皮を細切りにして皮の重さを計らずに茹でてしまいました。
砂糖と水を入れて煮るのですが砂糖の量を決めかねています。良い方法がありますでしょうか?
私のレシピノートに残っていたメモによると、甘夏丸ごとの重量と外皮のみの重量は、次のとおりです。
① 甘夏(1個):総重量272g、外皮のみの重量75g
② 甘夏(1個):総重量316g、外皮のみの重量92g
ちなみに、ごく一般的な甘夏1個の総重量は、300〜400gと言われています。
noripi様が使用した甘夏の大きさを思い出していただいて、だいたいの重量を推測すると良いと思います。