山椒の実のアクを抜く方法と、実に付いた枝の簡単な取り方をご紹介します。
山椒の実は枝つきで売られていることが殆どですが、この枝は、茹でたあとに取るのがおすすめです。
茹でてしばらく水にさらすと、山椒の実のエグミや辛みが和らぐので、先にアク抜きをしてから枝を外すといいですよ。
実山椒のアク抜き&枝取り
【工程1】
まず鍋に湯を沸かし、塩(少々)と山椒の実を加え、弱火で6分茹でます。
山椒の実が、指で潰れるくらい柔らかくなったらOK。ザルに上げて水気を切ります。
【工程2】
次にたっぷりの水に1〜4時間さらします。
水は時々入れ替え、その都度食べてみて、好みの辛さになったらザルに上げて水気を切ります。
ちなみに水にさらす時間は、本当に人それぞれです。
例えば料理研究家の飛田和緒さんは、わずか30分で引き上げてしまうそうです。
私は山椒の刺激的な辛さが好きなので、だいたい2時間ほどで引き上げますが、2時間でもけっこう辛いです。
また辛いのが苦手な私の知人は、半日以上漬けておくそうです。
【工程3】
最後に枝を実から外します。
茹でて柔らかくなった分、枝は生よりもすんなり取れます。
ちなみに枝は、見た目が気にならなければ、それほど神経質に取り除かなくても大丈夫です。実の先に軸が少しくらい残っても食べられますよ。
以上の方法でアク抜きした山椒の実は、冷凍すると1年ほど日持ちします。
小分けにしてラップでぴったり包み、保存袋に入れて冷凍します。
またひたひたくらいの醤油を注いで「醤油漬け」にしたり、実の重量の10%程度の塩をして「塩漬け」にしておくと、そのままご飯のお供にしたり、料理にも幅広く使えます。
どちらも常温で2週間くらいから食べられ、冷蔵庫に入れると1年くらい日持ちします。
最後に、山椒の実のおすすめレシピを2品ご紹介します。
どちらもこれまでご紹介してきた下処理を済ませた山椒の実で作ります。
味噌ちりめん山椒
「味噌ちりめん山椒」
まずご紹介するのは、ミシュランガイドで3つ星を獲得した和食の名店「菊乃井」の村田吉弘シェフが考案した、ちりめん山椒のレシピです。
詳しい作り方は、リンク先をご覧ください。
このちりめん山椒は、味付けに味噌を使い、砕いたピーナッツを加えるのが特徴で、香ばしさとコク味があります。とても美味しいですよ。
調理時間は10分です。
山椒の実の佃煮
「実山椒の佃煮」
この佃煮のレシピは、私がよく行く八百屋さんが教えてくれました。
山椒の実の風味を最大限にいかしたシンプルな味付けが特徴で、5分程度で作れます。
実山椒が大好きな方におすすめです。
山椒の実のはちみつ漬け
最後にちょっと変わった山椒の実のレシピをご紹介します。
料理研究家の季映林さんが考案した山椒茶です。
詳しい作り方は、メニュー名のリンク先をご覧ください。
韓国では、季節ごとの果物を砂糖やはちみつに漬け込んでお茶にして楽しむ文化がありますが、「山椒茶」はそうした伝統的なお茶の1つだそうです。
作り方はとても簡単です。
実山椒とはちみつを保存ビンに入れたら仕込みはお終い。あとは常温で1ヶ月ほど漬け込むだけです。
山椒の実は生のまま使います。
5月の半ばから6月の終わりごろまでが旬の緑色の実山椒を使うと、優しい刺激が楽しめる飲みやすいお茶ができるそうです。
山椒の爽やかな風味をいかしたお茶ができます。
シロップの中に浸かった実山椒をかじると、少しピリッとした辛さがありますが、シロップ自体は辛さはまったく無く、すっきりとした甘さでとても美味しいです。
実山椒のちょっと変わった楽しみ方としておすすめです。