山椒の実の下処理・下ごしらえ!アク抜きのやり方などを解説。

山椒の実の下処理・下ごしらえ

レシピ動画

山椒の実の茹で方とアク抜きのやり方

山椒の実(実山椒)の下処理・下ごしらえの方法をご紹介します。
山椒のアクを抜く方法と、実に付いた枝の簡単な取り方についてです。

生の山椒の実にはエグミや辛みがありますが、茹でてからしばらく水にさらすことで、食べやすさが大幅にアップします。

また、茹でて柔らかくなることで、枝も取り除きやすくなります。
そのため、枝は、アク抜きした後に外すのがおすすめです。

アクを抜いた実山椒は、すぐに食べることもできますし、冷凍保存したり保存食にすれば、1年ほど日持ちさせることも可能です。
記事の後半では、実山椒の保存方法や人気レシピなどもお伝えします。

材料

枝付きの山椒の実 好みの量
湯1リットルにつき小さじ1

下処理(下ごしらえ)の手順

山椒の実を洗う
手ですくってザルに上げる

まず、山椒の実をボールに溜めた水に浸しながらきれいに洗い、手ですくってザルに上げます。

山椒の実には、葉っぱや枯れた枝などが混ざっている場合が多いので、水に浸けながらゆすり洗いしして、こうした異物を取り除きます。


山椒の実を茹でる
茹でた山椒の実を指でつぶす

次に、鍋に湯を沸かし、塩(湯1リットルにつき小さじ1)を加えます。
山椒の実を枝付きのまま入れて、たまに混ぜながら5〜6分茹でます。

指で潰れるくらい柔らかくなったら、ザルに上げて水気を切ります。

山椒を入れて再沸騰したら、火を少し弱めて、穏やかに湯がフツフツとしている状態を保ちながら茹でてください。

指でつぶせるまで茹でる

この次の工程で山椒の実を水にさらしますが、ここで指でつぶせるくらい十分に柔らかくなるまで茹でておくことで、水にさらしたときにアク(辛味)が抜けやすくなります。


山椒の実を水にさらす
水にさらした山椒の実をザルに上げる

続いて、たっぷりの水に山椒の実を1〜4時間ほどさらします。

水は1時間に1回くらい入れ替え、その都度食べてみて、好みの辛さになったらザルに上げて水気を切ります。

味見がとにかく大事

山椒の実を茹でて水にさらすと、アクが抜けて、辛味やエグミが和らぎます。

とは言え、山椒の実の辛さにはかなり個体差がありますし、そのうえ、辛さの感じ方には個人差もあります。
ですから、ちょうど良く辛味が抜けているか、ご自身の舌で確認することがとても大切です。

一応の目安としては、1時間くらい。
1時間を区切りにして様子を見る方は、比較的多いようです。
私も、山椒の刺激的な辛さをほどほどに活かしたいので、だいたい1時間くらいで引き上げることが多いです。

ただ、辛いのがとても好きな方は30分で引き上げますし、反対に、辛みを抑えるために半日以上漬けておく方もいます。

収穫時期が遅れた山椒の実はかたい

ちなみに、スーパーやデパートなどに出回っている山椒の実の中には、ごくまれに、とても硬いものがあります。

収穫時期が遅かった硬い山椒の実と柔らかい山椒の実
山椒の実は、実がなりはじめてから2週間ほどの短期間で収穫されますが、収穫時期が遅れたものは、育ちすぎて、中心の種の部分や表皮が硬くなってしまいます。

硬い山椒の実は、10分以上茹でても柔らかくなりませんし、丸一日水に浸けても辛味があまり抜けません。

このような山椒の実は、外見ではあまり見分けが付かないため、運悪く入手してしまうこともありえます。
そういう場合は、長めに茹でたり水にさらしたりしたうえで、長時間煮ることで少しは食べやすくなります。

また、硬い山椒の実が生のまま手元に残っている場合は、「山椒の実のはちみつ漬け」にして、実を食べずに風味だけを楽しむという手もあります。


枝を外した山椒の実
茹でた山椒の実の水気を取って枝を外す

最後に、山椒の実の水気を布巾などで取り除き、実から枝を外します。
茹でて柔らかくなった分、枝は生の時よりもすんなり取れます。

水気を取ると枝を取るのが簡単

枝を取る際には、布巾やキッチンペーパーであらかじめ水気をきっちり取っておくと、手に枝がくっつきにくくなるので、スムーズに作業することができます。

山椒の実の軸
なお、実の先に付いている「細い軸の部分」(写真左)は、見た目が気にならなければ、それほど神経質に取り除かなくても大丈夫です。

太い枝の部分は取り除くべきですが、この軸の部分は、少しくらい残っていても食べられます。
実際に、市販の「山椒の佃煮」や「ちりめん山椒」には、この軸の部分が残っていることが結構あります。

実山椒の保存方法と保存食

山椒の実の冷蔵と冷凍のやり方
山椒の実の醤油漬け

以上の方法でアク抜きした山椒の実は、冷蔵で1週間、冷凍で1年ほど日持ちします。

冷蔵する際には、タッパーや保存袋に入れて密閉。
冷凍する際には、キッチンペーパーで水気をしっかり取り除いたうえで、小分けにしてラップでぴったりと包み、保存袋に入れて冷凍庫に仕舞います。
調理する際には、凍ったまま使えます。

1年中食べられる保存食

また、山椒の実を使って保存食をつくるのもおすすめです。
ひたひたくらいの醤油を注いで「山椒の実の醤油漬け」にしたり、実の重量の10%程度の塩をして「塩漬け」にしておくと、そのままご飯のお供として食べられますし、料理にも幅広く使えます。

どちらも仕込んでから2週間〜1ヶ月くらい経つと食べられ、冷蔵庫に入れると1年くらい日持ちします。
山椒の実の収穫時期は、5月の中頃から6月上旬にかけてですが、保存食に加工しておくことで、山椒の味を一年中楽しめますよ。


山椒の実の食べ方・使い方

ここからは、山椒の実を使ったおすすめレシピを3品ご紹介します。

まずお伝えするのは、山椒の定番料理、「ちりめん山椒」と「山椒の佃煮」です。
この2品は、冒頭で紹介した下処理をした山椒の実を使って作ります。

3品めの「山椒シロップ」は、下処理なしでも作れる超簡単レシピになっています。

山椒の実のレシピ(ちりめん山椒)

ふんわり風味良し!ちりめん山椒

こちらは、山椒料理の超定番、ちりめん山椒のレシピです。

実山椒の爽やかな香りが食欲をそそる、上品な味の一品。
調味料をやや控えめにした優しい味付けなので、山椒の実の風味がしっかりと感じられます。

このレシピを出すにあたり、京都の人気老舗店の味とも食べくらべてみましたが、個人的には、今回のレシピの方が美味しいと思います。
わが家でも好評です。

10分
ちりめんじゃこ山椒の実 砂糖みりん醤油
山椒の実のレシピ(佃煮)

山椒の実の佃煮

山椒の佃煮は市販品もありますが、手作りすると、風味豊かで格別な味に仕上がります。

作り方のコツは、実山椒の辛味をほど良く抜いたうえで、30分ほどかけてじっくりと煮ることです。
そうすると、ふっくらとした食感の、風味の良い佃煮が作れます。

32分
山椒の実 醤油みりん砂糖
山椒の実のレシピ(山椒シロップ)

風味抜群!山椒はちみつシロップ

こちらは、山椒シロップ(はちみつ漬け)のレシピです。

実山椒の下処理をしないで生のまま使うレシピ。
実を食べるわけではないので、アク抜きしない方が、独特の風味を最大限活かせます。

また、このレシピだったら、収穫時期が外れた硬くて辛い山椒の実でも美味しく作れます。

水やソーダで割って飲んでもいいですし、パンに塗ったり、肉料理の味付けに使っても合います。
冷蔵庫で1年日持ちするので、作り置きしておくととても便利です。

15分
実山椒はちみつ

以上、山椒の実の下処理の方法と、山椒の実の食べ方・使い方についてお伝えしました。

山椒の実の下処理のやり方は、とてもシンプル。
茹でて、枝を取り除いて、水にさらせばOKです。

冷凍したり保存食に加工したりすれば長く保存できるので、スーパーで山椒の実を見かけたら、ぜひ試してみてください。

コメント

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  • 中野久美子様(2023年6月08日)

    いつも拝見しています。ちりめん山椒が好きなのでレシピを見て狂喜し、知人の庭の山椒の実を大量にもらいました。しかし!茹でても固い。種がでかい。収穫時期を過ぎていたようです。蜂蜜漬けの他に何かレシピあったら教えてください。香りは最高にいいんですが、ほんとざんねん。

    • やまでら くみこ(2023年6月09日)

      収穫時期を過ぎた硬い山椒の実は、はちみつ漬け以外だったら、醤油漬けにするのも良いと思います。
      醤油漬けにしても実は硬いままですが、山椒の風味が醤油に移るので、調味料として便利に使えます。

      ちなみに、山椒の実は、茹でたり水にさらしたりしてから使うのが基本ですが、はちみつ漬けは、そうした下処理なしで、生のまま使います。
      実を食べるわけではないので、アク抜きしない方が独特の風味を最大限活かせるためです。

      当サイトでご紹介している醤油漬けは下処理後に醤油に漬けるレシピになっていますが、山椒の実を食べないのであれば、はちみつ漬けと同じように生のまま使うのも良いのではないかと思います。
      ここ最近、硬い山椒の実の使い道についてのご質問が多いので、私もちょうど、生のまま醤油に漬けたらどうなるか試してみようと思っていたところです。

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