山椒の実を使ったシロップの作り方をご紹介します。
旬の爽やかな香りを閉じ込めた、実山椒のはちみつ漬けのレシピです。
山椒の実は、茹でたり水にさらしたりしてから使うのが基本ですが、このレシピでは、そうした下処理なしで、生のまま使います。
実を食べるわけではないので、アク抜きしない方が、独特の風味を最大限活かせます。
なお、山椒の実は、収穫時期が2週間程度ととても短く、そのタイミングを逃してしまうと、いくらアクを抜いても辛くて硬いままのことがあります。
もし、運悪くそうした山椒の実を入手してしまったら、ぜひ、この山椒シロップを作ってみてください。
良質な山椒の実はもちろんのこと、からいものでも、かたいものでも、問題なく美味しく作れます。
水やソーダで割って飲んでもいいですし、パンに塗ったり、肉料理の味付けに使っても合います。
冷蔵庫で1年日持ちするので、とても便利ですよ。
材料
実山椒 | 200g |
はちみつ | 300g |
- 実山椒の量を変える場合は、実山椒の重量の1.5倍のはちみつを使用する。
作り方
まず、実山椒の太い茎を取り除きます。
細い軸の部分に関しては、付いたままでも構いません。
太い茎だけを外して、細い枝に実が数粒ずつ付いているくらいの状態にすればOKです。
そして、実山椒をボールに入れ、水をためて洗います。
何回か水を替えてきれいになったら、ザルに上げて水気を切ります。
洗い終えたら、水気をしっかりと取り除きます。
時間がある場合は、ザルに広げたまましばらく置いて乾燥させてもいいですし、時間がない場合は、布巾やキッチンペーパーなどで水気を拭き取ってもいいです。
次に、実山椒を保存袋に入れ、はちみつを注ぎます。
山椒の1.5倍のはちみつを使う
はちみつの量は、実山椒の重量の1.5倍くらいがおすすめです。
はちみつがあまり多すぎると、山椒の風味が弱くなります。
生の実山椒をはちみつに漬ける
また、実山椒は、茹でて水にさらした下処理済みのものではなく、生のまま使うのも大事なポイントです。
下処理なしで生のまま漬けた方が、風味がしっかり感じられて美味しいです。
保存袋の中の空気をしっかりと抜き、冷蔵庫に入れて1ヶ月ほど置いたら完成です。
保存袋で漬ける
実山椒のはちみつ漬けは、ビンなどの保存容器ではなく、保存袋で漬けるのがおすすめです。
そのため、ビンなどに漬けると、その分、混ぜるなどの手間がかかります。
保存袋を使えば、冷蔵庫に放置しておくだけで完成しますし、スペースも取りません。
こちらが、1ヶ月経ったはちみつ漬けです。
山椒の実が少し黒っぽくなり、はちみつは、山椒の風味が移って琥珀色の「山椒シロップ」に変わります。
山椒シロップの日持ち
なお、このシロップは、保存袋に入れたままの状態で、冷蔵保存で1年ほど日持ちします。
漬けてから1ヶ月経った後は、お好みで、ビンなどの保存容器に移し替えてもOKです。
実山椒とシロップを分ける方法
実山椒をはちみつに漬けたら、実山椒を取り除いてシロップだけにすると使いやすいです。
- 袋の端を切る
- 蜂蜜を押し出す
実山椒とシロップを分けるには、まず、シロップを保存する容器を用意して、その上に茶こし(もしくはザル)をのせます。
そして、キッチンばさみを使って、保存袋の下の端を、実山椒が出ない程度に少しだけ切り落とします。
あとは、保存袋を手でぎゅっと握って、はちみつを押し出せばOKです。
こうすると、シロップだけを簡単に取り出せます。
山椒ジュースの作り方
保存袋に残った実山椒は食べられませんが、実の表面にはシロップが残っています。
そのため、最後にひと手間かけて、残ったシロップを水や炭酸水で洗い流すと、ムダなく使えます。
- ① 水をかける
- ② 混ぜる
- ③ ザルでこす
- ④ ジュースの完成
まず、はちみつを出し切った保存袋をボールの上のザルにのせ、水(もしくは炭酸水)を実山椒に回しかけ、保存袋に残ったはちみつを洗い流します。(①)
次に、袋の底にハサミで切れ目を入れて、袋の中の実山椒をボールの中に入れ、スプーンなどでよく混ぜます。(②)
そして、別のボールの上にのせたザルでこします。(③)
グラスに注ぎ、味が薄い場合は、原液シロップを少し足して濃さを調整したら完成です。(④)
お好みで、氷を加え冷たくしてもいいです。
水の代わりに炭酸を加えて山椒ソーダにしてもいいですし、水の代わりにお湯を使って山椒茶にしても美味しいです。
なお、ここでは、残った山椒の実を無駄なく活用してジュースを作っていますが、原液シロップを薄めて作ってももちろんOKです。
山椒シロップの使い道
山椒シロップの使い道は、ドリンクだけではありません。
他におすすめなのは、パンにたっぷりのバターを塗って、はちみつの代わりに山椒シロップを付けていただくこと。
山椒シロップは、ごく普通のはちみつとくらべて粘度が低く、さらさらとしていますが、パンに付ける分にはまったく問題ありません。
山椒のすっきりとした風味が加わって、いつものトーストに特別感が出ます。
また、わが家では、朝食のヨーグルトの風味付けにもよく使います。
ピリッとした優しい刺激がアクセントになって、ヨーグルトがより爽やかに感じられます。
そして、山椒シロップをお肉の風味漬けに使うのもおすすめです。
「鶏肉の山椒はちみつ漬け焼き」の作り方は、こちらを参考にしてください。
材料
鶏もも肉 | 350g(大1枚) |
山椒シロップ | 大さじ1と1/2 |
醤油 | 大さじ1と1/2 |
残った山椒の実 | 大さじ2 |
サラダ油 | 適量 |
作り方
- 鶏肉を一口大に切り、ビニール袋に入れる。
- 山椒シロップ・醤油・残った山椒の実を加え、よく馴染ませて、袋の中の空気をしっかり抜いて、冷蔵庫に一晩置く。
- フライパンにサラダ油を引き、鶏肉に付いた山椒の実を軽く取って並べ、弱めの中火〜弱火で8〜10分焼く。焼いている間に取れた山椒の実は、フライパンから取り出す。
- お皿に盛り付けたらできあがり。鶏肉に付いた山椒の実を取りながらいただく。
山椒の風味に関しては、使うシロップの量がそれほど多くないため、あまり強くは感じられません。
ただ、食べる際に山椒の実をすべて取り除かず、あえて少し残すようにすると、ところどころに爽やかな風味が感じられて、より美味しくいただけます。
残った山椒の実をムダなく使えるおすすめレシピです。
普段のおかずとしてだけでなく、お弁当にもぴったりですよ。
このお料理についてのご感想などをお寄せください。
サイト運営の参考にさせていただきます。
頂いたコメントには、2〜3日以内にメールアドレス宛に回答いたします。(詳細)
メールアドレスの入力ミスにご注意ください。
なお、頂いたコメント及びその後のメール等でのやり取りは、この欄でご紹介させていただく場合がございます。