わらびのアク抜き|美味しく食べる基本の下処理

わらびのアク抜き
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春になると店頭に並ぶ「わらび」は、独特のぬめりと風味が魅力の山菜ですが、アクが強いため、しっかりとしたアク抜きが欠かせません。
この記事では、重曹や木灰を使った基本のアク抜きや下処理(下ごしらえ)の方法を、写真付きで丁寧にご紹介します。

失敗しにくく、食感よく仕上げるコツも解説しているので、初めての方でも安心して取り組めます。
アク抜きしたわらびは、おひたし、混ぜご飯、炊き込みご飯など、色々な料理に使えます。
ぜひ、この記事を参考に、わらびのアク抜きを試してみてください。


材料

調理時間:60分超
わらび 100〜150g(市販の1袋程度)
食用の重曹 小さじ1(4g)
(または木灰) 木灰の場合はわらび100gにつき大さじ1
沸騰したお湯 1リットル

わらびのアク抜きの基本(重曹・灰など)

わらびの下処理をする

わらびを流水で洗う
わらびの根元のかたい部分を切り落とす
  1. ① わらびを軽く水洗いして、土やごみを洗い流します。
    産毛や白っぽい粉(胞子)も落とせる範囲で洗っておきましょう。
    洗い終えたら、水気を切っておきます。
  2. ② 根元のかたい部分を1〜2センチほど切り落とします。
わらびに付着した胞子や産毛は、きれいに洗い流さなくても大丈夫です。
熱湯とアルカリ(重曹や灰)でアク抜きをすると、自然にやわらかくなり、流れ落ちることが多いです。
さらに水にさらす工程で、ほとんどの胞子や産毛は落ちるため、アク抜き前に神経質に洗う必要はありません。
白い粉の正体は「胞子」で、食べても害はなく、風味にもほとんど影響しません。
ただ、アク抜きの水が濁りやすくなり、わらびがより清潔に仕上がるので、落とせる範囲で洗っておくのがおすすめです。


バットにわらびを並べ、重曹をふる

わらびをタッパーに重ならないように並べる
タッパーに並べたわらびに重曹を振りかける
  1. ③ 熱に強くて底が平たいバットかタッパーなどの容器を用意します。
    わらびを半量ずつ分け、穂先の向きを互い違いにしながら容器に重ならないように並べます。
    使用する容器は、わらびをなるべくきっちりと並べられるくらいの大きさが良いです。
  2. ④ 重曹(または木灰きばい)をまんべんなくふりかけます。
このとき、重曹(または木灰きばい)を水に溶かさず、乾いた状態でふりかけるのがポイントです。
わらびに直接ふりかけることで、お湯をかけた瞬間に重曹がすぐ反応し、アク抜き効果を逃しにくくなります。
また、わらびを重ならないように1層に並べることも大切です。
お湯と重曹が全体に均一に行き渡り、ムラなく美しい仕上がりになります。
ボウルでもできますが、広く平らなバットなどの容器を使うとわらびが並べやすいので、できればバットなどを使うのがおすすめです。

沸騰したお湯を一気に回しかける

重曹を振りかけたわらびに熱湯を回しかける

  1. ⑤ すぐに、沸かしたての熱湯をわらび全体がしっかり浸るように回しかけます。


そのまま一晩おく(左:木灰使用、右:重曹使用)

熱湯をまわしかけたわらびの比較(左は木灰使用、右は重曹使用)

  1. ⑥ フタをせず、常温で6〜8時間(一晩)ほど放置します。
    放置している間は、わらび全体が十分に浸った状態をキープしましょう。
    数時間経つと、重曹や灰に反応して水が黒っぽく濁ってきます。
    これがアクが出ているサインです。

アク抜きの時間は、6〜8時間が目安ですが、わらびの太さなどによっても異なります。

  • 市販の細めのわらび(ややアク弱)
    約6時間〜
  • 自然採取の太いわらび(アク強め)
    10〜12時間しっかり必要

洗って水にさらして保存(左:木灰使用、右:重曹使用)

アク抜きしたわらびの比較(左は木灰使用、右は重曹使用)

  1. ⑦ わらびを取り出してやさしく水洗いし、清潔な水に10〜15分ほどさらします。
    これを水を替えながら2〜3回繰り返します。
    ぬめりや苦みがなくなれば完了です。
  2. ⑧ アク抜き後のわらびは、水を張った保存容器に入れて冷蔵庫で2〜3日保存可能です。
    毎日水を替えると、より日持ちしやすくなります。
アクがしっかり抜けた後も重曹水につけっぱなしにしておくと、わらびが柔らかくなりすぎたり、ぬめりや苦味が出ることがあります。
一晩おいたら、できるだけ早めに清潔な水に移し替えましょう。

また、アク抜き後のわらびは、2〜3回水を替えて水にさらすと、残ったぬめりや苦味がやわらぎ、より美味しく仕上がります。
水にくぐらせるだけでは効果が薄いため、しっかりと浸しておくことが大切です。

なお、アク抜きしたわらびを水に浸して保存するのは、乾燥や変色を防ぎ、ぬめりや苦味が戻るのを防ぐためです。
水に浸すことで、風味や食感を保ちながら、冷蔵庫で2〜3日ほど保存できます。

重曹と木灰の量について

アク抜きを失敗しないためには、わらびの量に対して適切な重曹や木灰の量を守ることが大切です。
ここでは、なぜこの量なのか、どのくらい使えばいいのかをわかりやすく解説します。

重曹の量は「濃度」で決まる

重曹を使ったアク抜きでは、お湯に溶かした重曹の濃度(割合)がポイントになります。
濃度が高すぎるとわらびが柔らかくなりすぎたり、苦味やぬめりが出やすくなります。
逆に、低すぎるとアクが十分に抜けません。

わらびのアク抜きに適した重曹濃度は、お湯に対して約0.4%です。

これを目安にすると、次の配合がちょうどよいバランスになります。

お湯1リットルに対して重曹小さじ1杯(約4g)

わらびの量が増えると、わらびを浸すために必要なお湯の量も多くなります。
それに合わせて、重曹の量も増やしましょう。
例えば、お湯が2リットル必要なら、重曹は小さじ2杯となります。

木灰は「量」で考える

木灰の場合は、重曹のように濃度ではなく、量で調整するのが一般的です。

わらび100gに対して木灰大さじ1〜1と1/2(約10〜15g)

木灰は、重曹と違って天然素材のため、アルカリの強さや成分が一定ではありません。
また、水に完全に溶けず粒子が残るため、重曹のように正確な濃度(%)で管理するのが難しい特徴があります。

そのため、木灰は昔から、わらびの量に合わせて「ふりかける量」で調整するのが一般的です。
基本はわらび100gに対して木灰大さじ1が目安ですが、太めのわらびやアクが強そうな場合は、大さじ1と1/2まで増やしてもOKです。


アク抜きしたわらびの食べ方

わらびおひたし
おひたし
わらび炊き込みご飯
炊き込みご飯

ここからは、アク抜きしたわらびのおすすめの食べ方をご紹介します。

わらびのおひたし

いちばん手軽なのは、「わらびのおひたし」です。
アク抜きしたわらびにだし醤油やめんつゆをかけるだけで完成。
わらびの風味を堪能するのにぴったりの食べ方です。

わらびの混ぜご飯

わらびの混ぜご飯」も人気があります。
わらびを油揚げや人参と一緒に甘辛く煮て、温かいご飯に混ぜていただきます。
ほっとする優しい味わいを楽しめます。

わらびの炊き込みご飯

「わらびの炊き込みご飯」も外せません。
わらびと油揚げをお米と一緒に炊いて作ります。
わらびの風味がご飯にしみ込んで、ふっくら美味しく仕上がります。

旬のわらびは、ひと手間かけてアク抜きすることで、風味や食感がぐっと引き立ちます。
ぜひ、お好みの食べ方で春の味わいを楽しんでみてください。

よくある質問(FAQ)

わらびのアク抜きでは火を通さなくても大丈夫?

はい、熱湯をかけるだけでOKです。
加熱しすぎると、やわらかくなりすぎてしまうので注意しましょう。
この方法なら、失敗しやすい「ゆがきすぎ」を防げます。

重曹と木灰では仕上がりは違いますか?

仕上がりに大きな違いはありませんが、わずかに違いを感じる場合もあります。
木灰を使うと、山菜らしい自然な風味や色合いが少し残りやすいとされていますが、重曹でも十分きれいにアク抜きできます。
手軽さや安定感を重視するなら重曹、風味にこだわりたい場合は木灰、と使い分けるのもおすすめです。

重曹や木灰を多くするとどうなりますか?

重曹や木灰を多く入れすぎると、わらびが柔らかくなりすぎたり、ぬめりや苦味が出やすくなることがあります。
特に重曹は少量でも強く反応するため、入れすぎはNGです。
苦味や独特のアルカリ臭が残る原因になり、敏感な方だと「薬品っぽさ」や後味の悪さを感じることもあります。

また、重曹の濃度が高いと、わらびの細胞壁が急激にゆるみ、べちゃっとした食感になりがちです。
わらびのシャキッとした歯ごたえを残すためにも、レシピの分量を守るのがおすすめです。
アク抜き後にしっかり水にさらして、アルカリ分を流すことも大切です。

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