「かるかん」は、ふわふわっとした軽い食感が特徴のお菓子。すりおろした長芋に、泡立てた卵白や上新粉などを加えて作ります。
でも今回は、卵白を使わず、しかも上新粉を小麦粉で代用して作ってみました。
なぜ卵白を使わずに「かるかん」を作ってみたくなったかというと、ある郷土料理の本を読んだことがきっかけで、昔ながらの「かるかん」には卵白が使われていなかったことが分かったから。
その当時の「かるかん」がどのようなものだったのか、知りたくなったんです。
ちなみに前回、卵白を使わず上新粉でかるかんを作ってみたところ、生地がふっくらとせず、団子のように重くなってしまいました。(詳しくはコチラをご覧ください。)
もしかしたら、古くから作られていた「かるかん」は、団子のような食べ物だったのかもしれません。
でももう少し色々な素材で試してみようと思い、今回は上新粉を小麦粉に変えてみたところ、生地に若干の軽さが出ました。
ちなみに上の写真が、出来上がった「かるかん」。前回のよりも、食感はよっぽど「かるかん」らしく仕上がりました。
ただ残念な点もありました。それは、小麦粉にすることで、かるかんの身上である真っ白い色が失われてしまうことです。
淡いベージュも落ち着いた雰囲気でよいのですが、特別なお菓子という印象は無くなってしまいます。
今回作った「卵白を使用せず、小麦粉を用いて作ったかるかん」のレシピと、その出来栄えをお伝えします。
卵フリーの「かるかん」レシピ
上の写真のに写っている「かるかん」は、どちらも卵白を加えずに作りました。
でも2つの「かるかん」は、使用した粉が違います。
左は、前回作った上新粉の「かるかん」。右は、今回作った小麦粉の「かるかん」です。
上新粉を使った方が、ダンゼン美しい色に仕上がりますが、残念なことに生地が団子のように重くなってしまいました。
一方の小麦粉を使った方は、色はイマイチですが、若干軽い仕上がりになりました。
卵白を使わなくても、上新粉の代わりに小麦粉を使えば、軽さが出ることが分かりましたが、やはり卵白と上新粉で作ったごく普通の「かるかん」の軽さにはかないません。
(ちなみに一般的なレシピで作った「かるかん」は、コチラの記事をご覧ください。)
でも私は、今回作った「かるかん」もけっこう好きになりました。なぜなら卵白を使った「かるかん」よりも、味わい深いと感じたからです。
生地の軽やかさには欠けるけど、味わい深い。そんな今回作った「かるかん」のレシピをご紹介します。
「かるかん」のレシピ
卵白フリーの小麦粉を使った「かるかん」のレシピです。
中にあんこを入れてみました。
小麦粉 | 100g |
長芋 | 100g |
グラニュー糖 | 75g |
水 | 130cc |
桜の花の塩漬け | 適量 |
あんこ | 180g |
- 桜の花の塩漬けは、水で戻して水気をしっかりと拭き取る。長芋は酢水にさらし、すりおろす。
- 長いも・グラニュー糖・水をよく混ぜ、小麦粉をふるい入れる。切るようにしてよく混ぜる。
- マフィン型6個にアルミカップをのせ、2を大さじ1位ずつ入れる。
- あんこを6等分して30gの少し平たい円形にし、3の上にのせる。2をさらにその上にかぶせる。一番上に、桜の花を飾る。
- 蒸気の上がった蒸し器で15分蒸したらできあがり。
卵白フリーの小麦粉を使った「かるかん」。
出来上がりの断面は、こんな感じです。
卵白入りのかるかんと比べると、見た目も生地の軽やかさもイマイチですが、長芋や小麦粉などの素朴な味わいがより強く感じられるところは、むしろ卵白入りよりも魅力的だと思いました。
日本で昔食べられていた「かるかん」は、もしかしたら、こんな風に作られていたのかもしれません。