さつま汁(薩摩汁)の定番レシピをご紹介します。
さつま汁とは、鹿児島県に伝わる郷土料理のこと。
鹿児島といえば、さつまいもの産地としても有名ですが、さつま汁は、さつまいもを使った汁物という意味ではありません。
名前の由来になっているのは、地名の「薩摩」。
かつて鹿児島県の西半分の場所にあった薩摩国、そしてそこを治めていた薩摩藩が、名前の元になっています。
昔ながらのさつま汁の最大の特徴は、鶏肉が使われることです。
薩摩藩では江戸時代に闘鶏が盛んでしたが、闘鶏で負けた鶏を汁物の具材に使ったのが、さつま汁の始まりと言われています。
現在では豚肉を使って豚汁風に作られることもありますが、やはり主流は鶏肉。
鶏肉のほかに、人参・大根・椎茸といった野菜を何種類も使って具だくさんに仕上げ、九州の麦味噌を使って少し甘めに味付けされるのが一般的です。
さつま汁1杯で栄養を豊富に摂れるため、給食のメニューとしても人気があります。
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記事の後半では、鹿児島の郷土料理店や居酒屋で供されているさつま汁も写真で紹介しますので、参考にしてください。
材料
鶏もも肉 | 150g |
ごぼう | 50g(1/3本) |
こんにゃく | 100g(1/3枚) |
人参 | 100g(2/3本) |
大根 | 150g(1/6本) |
椎茸 | 40g(3個) |
だし汁 | 800ml |
麦味噌※ | 大さじ3程度 |
ねぎ | 適量 |
生姜 | 好みで適量 |
- 他の種類の味噌でも代用できます。
レシピ・作り方
まず、ごぼう(50g:1/3本)をきれいに洗い、皮付きのまま太めのささがきにして、使うまで水にさらしてアク抜きをします。
ごぼうは皮ごと使う方が風味がよく出て美味しいと私は思いますが、ごぼうのクセが苦手な場合は、包丁の背などでごぼうの皮をこそげて使ってもいいです。
こんにゃく(100g:1/3枚)は、少し多めの塩(大さじ1程度)で揉み、きれいに水洗いして、手で小さめの一口大にちぎります。
塩をしっかり揉み込んで水洗いすると、こんにゃくの臭みが取れます。
人参(100g:2/3本)と大根(150g:1/6本)は、8ミリ厚のいちょう切りにします。
椎茸は、軸を取り除いたものを40g(3個程度)用意して、6等分くらいに切り、鶏もも肉(150g)は2〜3センチ角に切ります。
なお、大根は、皮をむいたものを使ってください。
また、人参は、皮をむいてもむかなくても、どちらでもOKです。
薬味にするねぎ(適量)は小口切りにして、生姜(好みで適量)は千切りにします。
右の写真は、さつま汁の具材がすべて揃ったところです。
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次に、だし汁(800ml)を鍋に入れ、ごぼう・こんにゃく・人参・大根・しいたけを加えて、火にかけます。

沸騰したらアクを取ります。
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
10分経ったら鶏肉を加えます。
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鶏肉を柔らかくするコツ
ここでのポイントは、鶏肉を他の具材とは別にあとから加え、弱火でさっと火を通すことです。
そうすると、加熱しすぎにならないので、鶏肉が柔らかい食感に仕上がります。
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続いて、麦味噌(大さじ3程度)を溶かし入れて火を止めます。
さつま汁で使われる味噌の種類は、九州の麦味噌が人気がありますが、お好みで他のお味噌を使ってももちろんOKです。
使用するお味噌によって塩気が若干変わってくるので、量は微調整してください。
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具だくさんのさつま汁ができました。
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お椀に注ぎ、ねぎを散らし、お好みで生姜を添えたら完成です。
さつま汁は、たくさんの具材を一つの鍋で煮込むので、それぞれの具材の旨味がおつゆに溶け出して、とても味わい深く仕上がります。
味噌汁の一種とも言えますが、使っている具材の種類が多いので、ちょっとした特別感を味わえます。
切って煮るだけなので、調理も簡単ですよ。
薩摩(鹿児島)のさつま汁
ここからは、鹿児島県で実際に食べられているさつま汁を写真とともにご紹介します。
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こちらは、鹿児島市内の郷土料理店のコース料理のしめに出てきた「さつま汁」です。
具材は、人参・大根・油揚げ・里芋・こんにゃく・ねぎ。
麦味噌仕立てになっていて、ほんのりとした生姜の風味がアクセントになっています。
肉なしのさつま汁ですが、お店の方のおはなしによると、鶏肉のだしが使われているそうです。
人気郷土料理店「熊襲亭」のさつま汁
@鹿児島

こちらは、鹿児島のホテルの朝食ででてきた「さつま汁」です。
使われている具材は、鶏肉・椎茸・人参・大根・ごぼう。
白味噌で味付けされていて、薬味にねぎを添えていただきます。
食事としてがっつり食べるなら、さつま汁はこれくらい具沢山にした方が美味しいと思います。
ホテル「ドーミーイン」のさつま汁
@鹿児島
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こちらは、地元の方で賑わう居酒屋の「さつま汁」です。
具材は、定番の鶏肉・ごぼう・人参・椎茸・大根・こんにゃく。
生姜の風味が少しきいていて、小ねぎを散らしていただきます。
どこかホッとする味なので、お酒を飲んだあとにぴったりの一品です。
人気居酒屋「吾愛人」のさつま汁
@鹿児島
以上、鹿児島県の人気の郷土料理、「さつま汁」についてお伝えしました。
さつま汁は、お肉と野菜をたっぷりと使っているので、ボリューミーで栄養満点。
そのうえ、味も美味しいです。
いつもの味噌汁の代わりにさつま汁を食卓に出せば、献立のグレードがワンランクアップしますよ。
おすすめの献立
今回ご紹介したお料理には、たとえば次の献立が良く合います。ところで当サイトでは、鹿児島の郷土料理について、別記事で詳しく解説しています。
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