少ない煮汁で旨味を凝縮し、しっとり柔らかく仕上げる「煮豚」の基本レシピです。
鍋のサイズや火加減を工夫することで、脂はとろけるように仕上がり、全体は軽い口当たりに。
下ゆでで臭みを取り、じっくり煮込む工程も写真付きで丁寧に紹介しています。
作り方はシンプルなのに、お店のような深い味わい。
そのままメインおかずとして食べるのはもちろん、ラーメンのトッピングや丼、お弁当のおかずにもぴったりです。
材料
| 豚バラブロック | 2本(合計600〜750g) |
| 長ねぎ(青い部分) | 1本分(40g) |
| 生姜(薄切り) | 1かけ(15g) |
| にんにく(包丁の腹で軽くつぶす) | 1かけ(8g) |
| 水(下ゆで用/煮汁用) | 400ml + 400ml |
| 酒 | 100ml |
| 砂糖 | 大さじ1と1/2 |
| みりん | 大さじ3 |
| 醤油 | 大さじ4 |
- 豚肉は2本に分けて煮るのが基本ですが、1本でも作れます。詳しくはこちら。
煮豚のレシピ・作り方
豚バラ肉を常温に戻し、形を整える
- ① 豚バラ肉(2本:合計600〜750g)は冷蔵庫から出して20〜30分ほど常温に戻します。
全体の形を整え、煮崩れを防ぐためにタコ糸で軽く縛ります。
タコ糸の縛り方は、冒頭の動画かリンク先で詳しく解説しています。
フライパンで焼き色をつける
- ② フライパンを中火で熱し、油は引かずに豚肉を並べます(脂が十分に出るため不要)。
各面を2分ほどずつ、合計8〜9分ほどかけて全体に焼き色をつけます。
トングなどで肉を立てるようにして、両サイドの狭い面も軽く押さえながら焼くと、均一に焼き色がつきます。 - ③ 焼き終えたら脂を軽く切り、豚肉を取り出します。
乾燥を防ぐために、上からふんわりとラップをかけておきます。
香味野菜と一緒に下ゆでし始める
- ④ 鍋に水(400ml)と酒(100ml)を入れ、長ねぎ(1本分:40g)・生姜(1かけ:15g)・にんにく(1かけ:8g)を加えて中火にかけます。
沸騰してきたら、焼き色をつけた豚肉を加えます。
煮汁の深さがちょうどよく、肉の下2/3〜半分ほどが湯に浸かる程度になります。
完全に浸らなくても、蒸気の熱で全体にしっかり火が通るので心配いりません。
24cmの鍋でも作れますが、煮汁が浅くなるため「内径24cmの鍋を使う場合の注意点」をご覧ください。
弱火で30分下ゆでし、途中で返す
- ⑤ フタを少しずらしてのせ(完全には閉めずに)、弱火にして鍋の縁がポコポコと静かに沸く程度を保ちながら、30分ほど下ゆでします。
途中、15分ほど経過したら肉の上下を返し、香味野菜の香りが全体に行き渡るようにします。
フタを少しずらしておくと蒸気がこもりすぎず、肉の上部までやさしく熱が伝わります。
下ゆで後に煮汁を作る
- ⑥ 下ゆでが終わったら豚肉をいったん取り出し、乾燥しないようにラップをかけておきます。
下ゆでのゆで汁は捨て、鍋を軽く洗って水気をふき取ります。 - ⑦ 砂糖(大さじ1と1/2)・みりん(大さじ3)・醤油(大さじ4)・水(400ml)を入れ、中火でひと煮立ちさせて煮汁を作ります。
煮立ったら火を弱め、豚肉を戻し入れます。
弱火で1時間煮込み、途中で返す
- ⑧ アルミホイルの落としぶたをして、煮汁と肉の表面にぴったり密着させます。
その上から鍋のフタを少しずらしてのせます(完全には閉めずに)。
火加減を弱火にし、鍋の縁が静かにポコポコと沸く程度の火力を保ちながら、1時間ほど煮ます。
途中30分ほど経過したら、トングで肉の上下を返し、煮汁を全体になじませます。
煮汁をやや少なめにすることで味がほどよく濃くまとまり、肉の上部は蒸気の熱でふっくら仕上がります。
上下を返すことで、煮汁のうま味が全体に均一に染み込みます。
アルミホイルの落とし蓋の作り方や効果はこちら
自然に冷まして味を含ませる

- ⑨ 1時間ほど煮たら火を止め、アルミホイルとフタはそのままの状態で、30分ほど自然に冷まします。
この間に肉の内部まで味が均一に染み込み、表面に照りが出ます。
煮汁を煮詰めてタレを作る
- ⑩ 豚肉を取り出し、冷めたり乾燥したりしないように、上からラップをかぶせておきます。
- ⑪ 煮汁を中火にかけ、沸騰してから5〜6分ほど煮詰めて、照りのあるタレに仕上げます。
火を止める目安は、おたまですくったときに軽くとろみを感じる程度。
冷めるとさらにとろみが増すので、少しゆるいくらいで火を止めるのがちょうど良いです。
煮豚の完成!

- ⑫ 豚肉を1cm厚に切り、温めた煮汁を上からかけたら完成です。
お好みで白髪ねぎを添えるとよく合います。
日持ちは冷蔵で3〜4日。翌日はさらに味がなじんで美味しくなります。
しっかり味が染みた煮豚は、冷めても柔らかく、食卓でもお弁当でもおいしく楽しめます。
残った煮汁は煮卵や炒め物、丼のタレなどにも使えて、最後まで無駄なく活用できます。
少ない煮汁で仕上げることで、旨味が詰まった濃厚な味わいと、しっとり柔らかな口当たりに。
ぜひご家庭で味わってみてください。
煮豚をきれいに仕上げるタコ糸の縛り方
豚バラブロックは煮ている間に形が崩れたり、反っていびつになりやすい肉です。
タコ糸で軽く縛っておくと形が整い、均一に火が通ってきれいな棒状に仕上がります。
特別な技術は不要で、次の3ステップで簡単にできます。
- 縦方向に1周巻いて結ぶ。
肉の端から端まで通すようにして、1本の“背骨”のような軸を作ります。 - 横方向に2〜3cm間隔で巻く。
軽く締めながら、らせん状に進めていきます。 - 最後は縦の糸と結んで固定。
全体が丸く整えば完成です。
「崩れ防止」が目的なので、形を整える程度に軽く縛るのがポイントです。
きつく縛ると火が通りにくくなるため注意し、煮上がったあとにハサミで糸を外します。
内径24cmの鍋を使う場合の注意点
このレシピは内径24cmのやや大きめの鍋でも作れますが、煮汁の深さが浅くなり、肉が十分に浸からなくなるため、20cm鍋で作る場合と比べていくつか気をつけたいポイントがあります。
- 下ゆで・煮込みのどちらも、肉の上下をこまめに返す。
24cmの鍋では肉が半分以上出ている状態になりやすいため、下ゆでも煮込みもそれぞれ3回ほど返して、4面すべてに熱と煮汁を行き渡らせます。
上下だけでなく側面までしっかり火が通り、味が均一に仕上がります。 - 煮込みの際には、落としぶたを丁寧に密着させる。
煮汁が少ない分、アルミホイルの落としぶたを肉の表面にぴったり密着させることが大切です。
蒸気と煮汁の香りが上部まで行き渡り、乾燥を防げます。 - 火加減はやや弱めに。
鍋が広いと蒸発が早く、煮汁が減りやすくなります。
鍋の縁が静かにポコポコと沸く程度の弱火を維持してください。
この火加減を保つことで、煮汁が適度に残り、肉がしっとり柔らかく仕上がります。 - 煮詰めすぎない。
広い鍋では水分の蒸発が早く、最後の煮詰めでタレが濃くなりすぎることがあります。
照りが出たら早めに火を止め、冷めて自然にとろみがつくのを待ちましょう。
よくある質問(FAQ)
アルミホイルの落とし蓋の作り方と、その効果を教えてください
アルミホイルの落とし蓋は、煮汁と肉の表面にぴったり密着させて使うことで、煮汁が少なくても全体に熱と蒸気が行き渡り、味を均一に染み込ませる効果があります。
鍋より少し大きめにアルミホイルを切り、中央を軽くへこませて肉の上に密着させます。
中央に小さく穴を1つ開けておくと、蒸気が抜けて吹きこぼれを防げます。
肉の上部が乾かず、しっとりとした仕上がりになります。
豚バラブロックを1本で作ることはできますか?
はい、1本(600〜750g)でも作れます。
同じ調味料の分量で問題ありませんが、肉が厚くなるため中心まで火が通りにくくなります。
煮込み時間を10分ほど長めにし、返すときに肉の向きを変えて、全体に均一に火を通してください。
煮豚の保存方法と温め方を教えてください
煮豚は、粗熱を取ってから保存容器に入れ、冷蔵で3〜4日ほど保存できます。
なるべく切らずに丸ごとの状態で、ラップでぴったり包んでから保存袋に入れると乾燥を防げます。
タレは別容器に分けて保存してください。
温めるときは、電子レンジの温めモードを使うと柔らかさを保ったままおいしく再加熱できます。
タレもレンジで軽く温めると、作りたてに近いとろみと香りが戻ります。























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