もうだいぶ前になりますが、私は、ある料理本に習って「かるかん」を作りました。
材料は、長芋・上新粉・砂糖・水だけ。
レシピのシンプルさに惹かれて作ったのですが、出来上がりは残念なことになりました。
市販品のような軽い口当たりを期待していましたが、まるで団子のような重たい仕上がりに。「かるかん」とは似ても似つかないものになり、そのままゴミ箱行きとなりました。
その後、かるかんのレシピをいろいろと調べてみると、卵白を加えれば上手に作れることが分かりました。
今日は、卵白を使ったかるかん作りにチャレンジしました。
せっかくですから、冷蔵庫に余っていた小豆餡と桜の塩漬けも活かして、春らしいかるかんにしてみました。
以前つくったものとはまったく違う、軽やかな食感の「かるかん」が出来ました。
桜かるかんの作り方
上新粉 | 100g |
長芋 | 100g |
グラニュー糖 | 75g |
水 | 50g |
卵白 | 1個分 |
桜の花の塩漬け | 適量 |
あんこ | 適量 |
- 桜の花の塩漬けは、水で戻して水気をしっかり拭き取る。長芋は酢水にさらしてすりおろす。
- 長芋・グラニュー糖(60g)・水を加えてよく混ぜる。
- 卵白をハンドミキサーで泡立てる。途中2回に分けてグラニュー糖(15g)を加える。低速から少しずつ高速に切り替え、泡を持ち上げても落ちないくらいに泡立てる。再度低速に戻し、キメを整える。
- 2に上新粉の1/3を入れ、軽く混ぜる。次に3の1/2を加え、軽く混ぜる。さらに上新粉の残りをすべて加え、卵白の泡を潰さないように混ぜる。最後に3の残りを加え、泡を潰さないようにしっかりと混ぜる。
- マフィン型にアルミカップをのせ、4の生地を大さじ1くらい入れる。
- あんこ30gを丸め、少し平たくして5の上にのせる。4の生地を餡の上に被せる。その上に桜の塩漬けを飾る。
- 蒸気の上がった蒸し器で約15分蒸したらできあがり。
生地の色は真っ白で、桜の花のピンク色がよく映えます。
色を美しく仕上げるため、砂糖は、グラニュー糖を使いました。
うちではいつも栄養が豊富なブラウンシュガーを使っていますが、色をきれいにと考えると、ブラウンシュガーは不向きです。
お味の方は、すっきりとした甘さに仕上がりました。
ところで私が抱く「かるかん」のイメージは、当たり前かもしれませんが、私がこれまで食べた「かるかん」がもとになっています。
私はこれまでお店で販売されている「かるかん」しか食べたことがなく、軽い口当たりこそが「かるかん」の身上だと思っていました。
でももしかしたら、昔ながらの「かるかん」は、私が考えているようなふわふわとしたものではないのかもしれません。
というのは、日本に古くから伝わる「かるかん」は、卵白を使わないで作るようなのです。郷土料理について書かれた本で知りました。
私が初めて試して失敗した「かるかん」のレシピは、そんな昔ながらの作り方を活かしたものだったようです。
卵白を使うと市販品のような軽い食感の「かるかん」ができることが分かりましたが、卵白を使わなくても、ふわふわ感がある「かるかん」ができるのでしょうか。
前回失敗した「かるかん」は、私の腕が足りなかっただけかもしれないので、卵白を使わない「かるかん」作りに、再度チャレンジしてみようと思います。
【追記】
その後、卵白を使わない「かるかん」を、粉の種類を変えて2種類作りました。
結果はどちらも、卵白を使った場合ほど軽い食感にはなりませんでした。
ただ、上新粉より小麦粉を使った方が、若干ですが軽さが出ました。
どちらも市販のかるかんらしくはなりませんでしたが、味はけっこう良かったです。
「かるかん」ではなく「まんじゅう」と名前を変えれば、違和感なく美味しくいただくことができました。
昔ながらの「かるかん」は、今食べられている市販の「かるかん」よりも、少し重くて「まんじゅう」っぽかったんじゃないかと私は思います。