バッテラとは「サバの押し寿司」のこと。
でも使われる魚は、はじめからサバではなかったようです。
言語由来辞典というサイトによると、明治時代に大阪の寿司屋がはじめてつくったバッテラは、コハダの成魚・コノシロを使った押し寿司でした。
でもその後、コノシロが希少な魚になったことから、安価なサバでの代用が定着したそうです。
ちなみにバッテラの語源は、ポルトガル語で小舟を意味する「bateira(バッティラ)」。
寿司飯の上にのったコノシロが小さな舟のように見えたことから、その名がついたということです。
ところで、これからご紹介する「バッテラ」もサバは使いません。
魚はサバよりもさらに安いイワシを使いました。
また、戸棚の奥に仕舞いこんだ押し寿司の型を出すのが面倒だったので、巻きすを使った押し寿司風にアレンジしてみました。
イワシのバッテラの作り方
イワシ | 大きめ4尾 |
昆布 | 7センチ角 |
塩 | 適量 |
米酢 | 適量 |
炊きたてのご飯 | 白米1カップ(200CC)分 |
酢 | 大さじ1と1/3 |
塩 | 小さじ1/2 |
砂糖 | 大さじ1弱 |
昆布 | 3センチ角 |
万能ネギ | 適量 |
おろしショウガ | 適量 |
- 【イワシを酢でしめる】イワシは頭と内臓を取り除き、三枚におろす。腹の小骨をそぎ落とし、水気を拭き取る。皿にならべ多めの塩をふり、1時間冷蔵庫に入れる。出た水分をよく拭き取る。
- タッパーに7センチ角の昆布を敷き、その上に1を並べる。そこにひたひたくらいの酢を注ぐ。イワシの表面にラップをぴったりつけて一晩冷蔵庫に入れる。
酢を切ってイワシの皮をむいておく。 - 【寿司飯をつくる】ご飯以外の寿司飯の材料をすべて混ぜ、昆布が戻るまでしばらく置く。
- 昆布を除いた3を炊きたてのご飯に加え、手早く混ぜて団扇などであおぎ冷ます。
- 【バッテラをつくる】巻きすの上にさらし(またはキッチンペーパー)を敷き、その上にラップを重ねる。巻きすの中央に、イワシを皮側が下になるようにして30×9センチの長方形にならべる。その上にすし飯をのせる。手前から巻きすごとかために巻き、30×5×厚さ2センチ位の棒状に形を整える。切り分けてからラップをはずす。皿に盛り、小口切りにしたネギとおろしショウガをのせたらできあがり。
本物のバッテラは、しめ鯖と一緒に「白板昆布」を寿司飯の上にのせますが、それも省略しました。
もはやバッテラとは言えないかもしれませんが、これはこれでけっこう美味しかったです。
ところで私は青魚をしめる時、酢・昆布・塩だけしか使いません。砂糖は加えません。その方が、魚の味が際だって美味しいと思うから。
その代わり魚は超新鮮なものを、酢は伝統的な手法でつくった旨みの強いものを使っています。
一手間かけてお寿司をつくると、なんでもない素材がちょっとした御馳走に変わりますね。
安いイワシとご飯だけで、満足の夕食になりました。