酢飯(すし飯)とすし酢の作り方を解説します。
ちらし寿司や手巻き寿司、にぎり寿司や巻き寿司など、お寿司全般に使えるレシピです。
すし酢には市販品もありますが、「酢」「砂糖」「塩」を使って、簡単に手作りすることができます。
酢飯を美味しく作るコツは、とにかく手早く作ることです。
アツアツの炊きたてのご飯にはすし酢がよく染み込むので、熱いうちに効率良く混ぜて、しっかりと味を馴染ませます。
そしてその後に、うちわなどであおいで余分な水分を飛ばすと、つやつやの酢飯ができあがります。
なお、すし酢を作る際の黄金比は、「酢12:砂糖8:塩1」です。
この記事では、米1合・2合・3合・4合・5合の場合のすし酢の配合比と、寿司飯の炊き方と作り方をお伝えします。
米の量を選択
このレシピは、使用する米の量を選べるようになっています。
分量が変わっても、作り方はまったく同じです。
なお、記事の後半では「一人分の簡単な作り方」も紹介しています。
材料
米 | 2合 |
水 | 360ml |
酢 ※ | 大さじ4 |
砂糖 | 大さじ2と2/3 |
塩 | 小さじ1 |
- 米酢がおすすめですが、穀物酢でも作れます。穀物酢を使うと、酸味がやや強くなります。
酢飯とすし酢の作り方
- ① 米を洗ってザルに上げ、炊飯器の内釜に入れます。
分量の水を加え、白米モードで炊き、蒸らす時間をやや短めにして5分蒸らします。
ご飯を少しかために炊く
酢飯を作る場合は、炊き上がったご飯に寿司酢(水分)が染み込む余地を残しておくことがとても大切です。
そのために、水加減をやや控えめにして少し硬めに炊いたうえで、蒸らし時間を短くします。
水加減については、普通にお米を炊くときは炊飯器の目盛りまで水を注ぐ(お米の1.1〜1.2倍の水を使う)のが一般的ですが、酢飯を作るときは、水の量を米と同量程度に抑えます。
参考:米の洗い方(研ぎ方)
- ② 酢・砂糖・塩をボールに入れ、菜箸4本を使ってよく混ぜて、塩と砂糖をしっかり溶かします。
酢と砂糖をきれいに溶かす
酢に調味料を混ぜて「すし酢」を作る際には、菜箸を数本束にしたり、小さい泡立て器を使うと、とても混ぜやすいです。
酢飯は、ご飯とすし酢を短時間で手早く混ぜて作りますが、塩と砂糖をきれいに溶かしておくと、酢飯の味がムラなく均一に仕上がります。
- ③ 飯台に水を張り、水を十分に染み込ませたら、水を捨てて布巾で拭き取ります。
飯台を乾いたままで使うのはNGです。
乾いた状態だと、ご飯を入れるとくっついてしまいますし、酢飯のにおいが飯台に残りやすくなります。
飯台を使う際には、必ず、水で濡らしたうえで水気を拭き取ってから使ってください。
飯台とボールの違い
酢飯は、ボールを使って作ることもできますが、飯台(すし桶)を使うのがおすすめです。
飯台がない場合
とは言え、飯台を持っていない方もいらっしゃると思いますので、そんな場合は、なるべく大きいボールを使ってください。
大きいボールであれば、簡単に混ぜられますし、そのうえ水分も蒸発しやすいので仕上がりが水っぽくなりにくいです。
- ④ ご飯が炊き上がったら、内釜ごとひっくり返して、ご飯を飯台に移します。
ご飯をひっくり返して取り出す
炊き上がったご飯をそのままダイレクトに飯台に入れると、しゃもじで少しづつよそうよりも、ご飯粒がつぶれにくいです。
- ⑤ 飯台に移したら、しゃもじを水平になるように利き手で持って、しゃもじを左右に軽く揺らしながらすし酢を伝わせて、ご飯に万遍なく回しかけます。
アツアツのご飯にすし酢をかける
炊き上がり直後のご飯は、でんぷんが最もアルファー化(糊化)して膨らんでおり、すし酢が一番染みやすい状態です。
この状態のご飯にすし酢を合わせると、味がよく馴染み、一体感のある美味しい酢飯が作れます。
しゃもじを伝わせて万遍なくかける
そのため、すし酢は、アツアツのご飯の上に、短時間のうちに均一に回しかけるのがおすすめです。
しゃもじを水平に持ち、すし酢を伝わせながらご飯の上を手早く移動させると、ダイレクトに回しかけるよりもすし酢が細かく流れ落ちるので、ご飯全体にかかりやすくなります。
- ⑥ すし酢を回しかけたら、すぐに、しゃもじを使って、ご飯を切るように手早く混ぜます。
ねばりが出ないように、ご飯を切るようにさっくりと混ぜます。
- ⑦ 飯台全体にご飯を広げ、うちわであおいで軽く冷まします。
酢飯を冷ますとベチャッとなりにくい
酢飯を冷ます理由は、水気を飛ばすことで、仕上がりがべちゃっとしないようにするためです。
うちわがない場合は、他の代用できるものであおいで風を当てて冷ましてください。
- ⑧ 湯気が出ない程度に冷めたら、ご飯をひっくり返すように大きく混ぜます。
- ⑨ ご飯を広げ、しゃもじに付いたご飯を菜箸などできれいに取って、飯台に戻します。
- ⑩ 最後に、もう一度うちわであおいで、人肌くらいになるまで冷ましたら完成です。
- ⑪ すぐに食べない場合は、酢飯が乾燥しないように、飯台の端に寄せます。
- ⑫ そして、乾いた布巾をかぶせて、さらにその上にラップをかぶせておきます。
布巾とラップで二重に覆う
酢飯をしばらく置く場合は、乾いた布巾を全体にかぶせたうえで、さらにラップで覆っておくと、乾燥と湿気を適度に防ぐことができます。
酢飯の作り置き
できあがった酢飯は、常温に置くまでにとどめ、半日くらいを目安にして、できるだけ早めに食べ切るのがおすすめです。
とは言え、もし酢飯が余った場合は、一応保存することも可能です。
酢飯の残りを小分けにしたうえでラップで包み、さらに保存袋に入れれば、冷蔵庫で2日、冷凍庫で1ヶ月ほど日持ちします。
ただ、風味も食感も落ちてしまうので、それを踏まえてお試しください。
酢飯の味の濃さには人それぞれ好みがあると思いますが、淡くしすぎるのはあまりおすすめしません。
酢飯は白米と違って単体で食べることはほとんどなく、ほかの具材を乗せたり混ぜたりして食べるケースがほとんどです。
そうした時に、酢飯の味を控えめにしすぎると、なんだか締まりのない味になりがちです。
そこでおすすめなのが、今回のレシピ。
酢飯にも存在感をある程度持たせているので、ほかの具材と合わせたときに、バランスのよい味に仕上がります。
完成した酢飯は、ちらし寿司や手巻き寿司をはじめとしたお寿司類に幅広く使えます。
ぜひお試しください。
レシピの補足説明
一人分の簡単な作り方
最後に、酢飯一人分の超簡単レシピをご紹介します。
私が仕事でよく使う、めちゃめちゃ簡単な作り方。
お寿司のレシピを考案する際にとても便利で愛用しています。
酢飯は、先に紹介した王道レシピで作るのが一番美味しいですけど、時間をかけずにすぐに欲しい時には、こんな作り方もアリです。
- ① レトルトのご飯(1パック:200g)をレンジで温めます。
- ② ご飯を大きいボールに移し、酢(大さじ1と1/4)・砂糖(小さじ2と1/2)・塩(小さじ1/3)をよく混ぜたものを回しかけます。
- ③ しゃもじでさっくりと混ぜて、粗熱を取ります。
なお、ご飯を倍量(400g)にする場合は、単純にすべての量を倍量にします。
ご飯400gの場合の甘酢の量は、酢(大さじ2と1/2)・砂糖(大さじ1と2/3)・塩(小さじ2/3)になります。
酢飯を作りたくてレシピを探していて辿り着きました。酸味甘味がちょうどよく家族にもお店みたいだと大好評でした。今まで市販の寿司酢を使っていましたがもう必要ありません!
ご飯の量で対応した分量が出るのもありがたかったです。
くまのこ様のご家族にわが家の酢飯の味を気に入っていただけて、とても嬉しいです!
ご飯の量に応じての分量切り替えは、私も実際に使いたいと思って作った機能です。
わずか一合分やたっぷり5合分といった分量は、あまりニーズがないかもしれませんが、私自身が酢飯料理の試作をする際によく使っています😀