
「いんげん豆」は、煮物やサラダ、スープなど、家庭料理でも出番の多い食材です。
ただし、いんげん豆にはさまざまな種類があり、それぞれ戻し時間や茹で時間が異なります。
加熱しすぎて崩れたり、芯が残ってしまったりと、意外に調理が難しいこともあります。
この記事では、それぞれに適した戻し方・加熱時間・茹で加減の見極めポイントをまとめました。
金時豆・白いんげん豆・うずら豆といった定番から、レッドキドニービーンズ・白花豆・手亡豆・パンダ豆まで、洋風・和風の豆を幅広くカバーしています。
豆料理を美味しく仕上げるための基本を、じっくり解説していきます。
材料
乾燥いんげん豆 (白いんげん豆・金時豆・うずら豆・レッドキドニービーンズ・白花豆・手亡豆・パンダ豆など) |
200g(1袋) |
水 | 800〜1000ml |
いんげん豆(白いんげん豆・金時豆・うずら豆)の茹で方
いんげん豆を浸水させて戻す
- ① 乾燥いんげん豆(200g:1袋)をボウルに入れて、さっと洗います。
豆の4〜5倍の水(800〜1000ml)に浸し、ラップをかぶせて冷蔵庫で一晩(8〜12時間)置きます。
いんげん豆を加熱してアクを取る
- ② 浸しておいた豆とその浸し汁を鍋に入れ、中火にかけます。
沸騰してアクが浮いてきたら、火を弱め、表面のアクを軽くすくい取ります。
強火のままだと豆の皮が急に膨らみ、破れてしまう原因になります。
いんげん豆をコトコト茹でる

- ③ アクを取ったらフタをせずに弱火にして、30〜70分を目安に、豆が指で軽くつぶせるくらい柔らかくなるまでコトコト茹でます。
途中で水が減って豆のアタマが出そうになったら、差し水をしてください。
火が強すぎたり、水が少なくなりすぎると、皮が破れたり、豆の形が崩れやすくなるので注意しましょう。
なお、茹で時間の目安は豆の種類によって変わります。
詳しくは下の表(豆の種類別の茹で時間一覧)をご覧ください。
茹でいんげん豆の完成!

- ④ 豆が柔らかくなったら火を止め、茹で汁の中でそのまま冷ませば完成です。
煮終えたいんげん豆は、スープやサラダ、煮込み料理などに活用できます。
急に冷やすと皮が縮んで裂けやすくなるため、温度はゆっくり下げるのがポイントです。
茹でた豆は、茹で汁ごと清潔な保存容器に入れて冷蔵保存します。
保存の目安は3日ほどですが、においやぬめりが出たら、早めに使い切りましょう。
水気を切って保存すると表面が乾きやすく、風味が落ちやすくなります。
茹で汁に浸したまま保存するのがおすすめです。
豆の種類別の茹で時間一覧(表)
白いんげん豆・金時豆・うずら豆など、いんげん豆は種類によって戻し時間や茹で時間が大きく異なります。
下の表では、代表的ないんげん豆の基本情報(戻し時間・加熱時間)を一覧で確認できます。
金時豆
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
8時間 | 60~70分 | 10~12分 |
- 火を弱めてコトコト煮ると、皮が破れにくく仕上がる。急冷は避け、ゆっくり冷ますのがポイント。
- 甘煮や五目豆に向いており、ふっくら仕上がる。
白いんげん豆(大粒)
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
8時間 | 60~80分 | 12~15分 |
- 茹で時間はやや長めだが、柔らかく炊いても形が崩れにくい。
- サラダやスープ、ポークビーンズなどの煮込み料理に向いている。
手亡豆(小粒の白いんげん豆)
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
8時間 | 30~40分 | 8~10分 |
- 白あんや甘煮に向いており、やさしい甘さと上品な風味に仕上がる。
- やわらかくなると崩れやすいため、普通の鍋で煮る場合は、表面にシワが出てきたら火を止めるのが目安。
うずら豆
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
6~8時間 | 40~50分 | 8~10分 |
- 火が通りやすく、柔らかくなりやすい。
- 焦げつきやすいため、普通の鍋で煮る場合は、途中で水を足しながら加熱するのがポイント。
レッドキドニービーンズ
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
8時間 | 60~70分 | 10~12分 |
- 洋風のチリビーンズやサラダにぴったりで、彩りもよい。
- 食感を残したい場合は、茹で加減をやや固めに調整するとよい。
白花豆
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
10時間 | 90分以上 | 18~20分 |
- 大粒のため、戻し時間・茹で時間ともに長め。
- 甘煮などに使う場合は、やや固めに茹でてから味を含ませると風味がなじみやすい。
パンダ豆
戻し時間 | 茹で時間 | |
---|---|---|
鍋 | 圧力鍋 | |
6~8時間 | 40~50分 | 8~10分 |
- 加熱しても模様が残りやすく、見た目にも楽しい豆。
- 煮崩れしやすいため、火加減を調整しながら丁寧に加熱するとよい。
一方で、茹で加減を細かく調整したい場合や、豆の皮をできるだけ破らずにやさしく煮たいときは、普通の鍋のほうが向いています。
迷ったら?
皮をきれいに仕上げたいなら「普通の鍋」、
とにかく時短したいなら「圧力鍋」がおすすめです。
乾燥豆をしっかり戻し、丁寧に茹でることで、驚くほどふっくら美味しく仕上がります。
手間はかかりますが、一度覚えれば料理の幅が広がること間違いなし。
お好みの豆で、ぜひ試してみてください。
よくある質問(FAQ)
豆は一晩以上つけても大丈夫ですか?
冷蔵庫で8〜12時間の浸水が目安です。
長時間(水につけたまま2日以上など)浸けてしまうと、豆が過吸水して風味や食感が損なわれたり、表面に泡が立つ・ぬめりが出るなどの劣化が起きることがあります。
安全のためにも、浸水は長くても12時間程度を目安にしてください。
豆の戻し水はそのまま茹でても大丈夫?
はい、戻し水ごと茹でることで旨味が残ります。
ただし、濁りや臭いが気になる場合は、新しい水に替えても構いません。
時間がないときはどうすればいい?
熱湯に1〜2時間浸けて時短する「熱湯戻し」や、圧力鍋を活用すると時間を大幅に短縮できます。
ただし、皮割れのリスクが上がるため、用途に応じて使い分けを。
豆が固いままで柔らかくならない原因は?
浸水不足、古い豆の使用、塩や糖を早く入れすぎた、火力が強すぎて芯が加熱されていないなどが考えられます。
途中で味付けせず、芯までやわらかくなるまでしっかり加熱しましょう。
豆を茹でるときに塩はいつ入れるべき?
基本的に、塩は茹で終わったあとに加えるのがおすすめです。
塩を早い段階で入れると、豆の内部まで火が通りにくくなり、表面が固くなる原因になります。
甘煮などの味付けも、必ず柔らかくなってから行いましょう。
茹でた豆は冷凍保存できる?
はい、水気を切って小分けにし、密閉して冷凍すれば1ヶ月程度保存可能です。
解凍後はサラダやスープなどに活用できます。
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