ポークビーンズは、アメリカの家庭料理として親しまれてきた伝統的な煮込み料理です。
白いんげん豆と塩漬け豚肉をじっくり煮込んだ、コク深く、旨みの詰まった一皿です。
ポークビーンズといえば日本の給食でもおなじみですが、この記事では本場アメリカの味わいをベースに、よりコクと奥行きのある仕上がりを目指しました。
材料や工程は、日本でも作りやすいように工夫しています。
白いんげん豆や塩漬け豚肉の扱いもていねいに解説しているので、初めてでも安心。
コクと甘みが調和した本格ポークビーンズを、ぜひご家庭で味わってみてください。
材料
白いんげん豆(茹でたものまたは水煮) | 550〜600g(乾燥豆200g分) |
塩漬け豚バラ肉(塩分5%・5日漬け) | 150g |
玉ねぎ | 1と1/4個(250g) |
オリーブオイル | 大さじ1 |
モラセス(フルフレーバー) | 大さじ2(42g) |
粒マスタード | 小さじ2 |
ケチャップ | 大さじ2(36g) |
ブラウンシュガー(または三温糖) | 大さじ1 |
りんご酢 | 小さじ1 |
水 | 400ml |
黒こしょう | 少々 |
ポークビーンズのレシピ・作り方
白いんげん豆の準備をする
- ① 白いんげん豆(550〜600g)を用意します。
市販の水煮でも、乾燥豆(200g)を茹でたものでも、どちらでも使えます。
※ 乾燥豆200gを茹でると、だいたい550〜600gになります。
- 乾燥豆(200g)をたっぷりの水に一晩浸けます。
- 翌日、30〜70分ほど下茹でし、指で軽くつぶせるくらいまで柔らかくします(豆の種類や大きさにより茹で時間は異なります)。
- 粗熱をとったら、煮汁ごと冷蔵保存し、使うときに煮汁を切ります。
より詳しく:いんげん豆の茹で方
塩漬け肉の下ごしらえをする
- ② 塩漬け豚バラ肉(150g)を用意します。
やさしい塩味と自然な旨味があり、煮込み料理によく合います。
- 豚バラブロック肉(150g)に重量の5%の塩(7.5g)をまぶし、ラップで包みます。
- 冷蔵庫で5日寝かせます。
- 水(1リットル)に塩(小さじ1)を溶かしたものに2時間ほど浸し、塩抜きします。
- 水気を拭き取って使います。
より詳しく:塩漬け肉の作り方
塩漬け肉と玉ねぎを切る

- ③ 塩抜きした塩漬け豚バラ肉は、1.5センチ角のサイコロ状に切ります。
玉ねぎ(1と1/4個:250g)は、みじん切りにします。
塩漬け肉を炒める

- ④ 大きめのフライパンにオリーブオイル(大さじ1)を熱し、塩漬け肉を中火で炒めます。
脂がにじみ出て、表面にほんのり焼き色がつく程度まで火を通します。
玉ねぎを加えてさらに炒める

- ⑤ 玉ねぎを加え、しんなりするまで炒めます。
白いんげん豆と水と調味料を加える

- ⑥ 白いんげん豆と水(400ml)を加え、さらにモラセス(大さじ2:42g)・粒マスタード(小さじ2)・ケチャップ(大さじ2:36g)・ブラウンシュガー(大さじ1)・りんご酢(小さじ1)を加えて、よく混ぜ合わせます。
フタをして煮込む
- ⑦ 煮汁が沸騰してアクが出てきたら、ていねいに取り除きます。
フタをして、中火で10分ほど煮込みます。
本場アメリカ風ポークビーンズの完成!

- ⑧ ふたを外して弱火にし、水分がほぼなくなるまで15〜20分ほど煮詰めます。
煮詰めている間は、時々混ぜて焦げつきに注意しましょう。
15分経つ前に水分がなくなりそうな場合は、水を少量足して調整します。
仕上げは、なるべく水分がない状態に煮詰めると、素材の旨味が凝縮されて美味しくなります。 - ⑨ 最後に黒こしょう(少々)を加え、好みで塩(分量外:少々)を足して味を調えたら完成です。
白いんげん豆のやさしい風味と、塩漬け豚肉のコクが溶け合った、満足感たっぷりの一皿です。
いつもとは一味違うポークビーンズを、ぜひ楽しんでみてください。
よくある質問(FAQ)
塩漬け豚肉はベーコンで代用できますか?
はい、代用できます。
ベーコンは手軽に手に入り、下ごしらえも不要なため、忙しいときや初めて作る方にも便利です。
しっかり炒めて香ばしさを引き出せば、コクのある美味しいポークビーンズに仕上がります。
ただし、白いんげん豆のやさしい風味を生かしつつ、具材と豆が一体感のある味にまとまるのは、塩漬け豚肉ならではです。
塩味や脂の出方も穏やかで、煮込むことで旨味がじんわりと広がるため、より本格的で奥行きのある仕上がりになります。
そのため、時間に余裕がある場合や本場の味を楽しみたい方には、塩漬け豚肉の使用をおすすめします。
モラセスはどのタイプのものを使うのがおすすめですか?
ポークビーンズには、「フルフレーバー(Full Flavor)」タイプのモラセスを使うのがおすすめです。
甘さだけでなく、コクや香ばしさ、ほのかな苦味も加わるため、煮込み料理に深みが出ます。
アメリカでも、ポークビーンズやベイクドビーンズにはこのフルフレーバータイプがよく使われており、「Brer Rabbit」や「Grandma’s」などの定番ブランドにも “Full Flavor” の表記があります。
モラセスは黒蜜で代用できますか?
黒蜜でも代用は可能ですが、本格的なポークビーンズを目指すなら、モラセスの使用を強くおすすめします。
黒蜜はしっかりとした甘みがあり、和風のやさしい味わいに仕上がります。
一方、モラセスは甘さが控えめで、香ばしさやほのかな苦味が加わるため、全体に深みのあるコクが出ます。
特にフルフレーバーのモラセスは、アメリカの伝統的なポークビーンズでも広く使われており、味の決め手になる存在です。
そのため、黒蜜での代用は、手元にない場合の一時的な選択肢と考えるとよいでしょう。
粒マスタードは他のマスタードでも代用できますか?
はい、同じ分量(小さじ2)で代用できます。
ポークビーンズには、次のようなマスタードが使えます。
- 粉マスタード(ドライマスタード):
アメリカの伝統的なレシピによく使われるタイプで、シャープな辛味が特徴です。 - イエローマスタードやディジョンマスタード:
ペースト状で、酸味がやや強く、なめらかに仕上がります。
このレシピでは、あえて粒マスタード(ホールグレインマスタード)を使用しています。
粒マスタードは、酸味や辛味がまろやかで、全体の味をやさしくまとめてくれます。
さらに、粒のプチプチとした食感がアクセントになり、食感や見た目にも楽しい仕上がりになります。
本場の味にこだわる場合は粉マスタードでも構いませんが、日本の家庭料理として親しみやすく仕上げたい方には、粒マスタードがおすすめです。
フライパンと鍋では仕上がりに違いがありますか?どちらがおすすめですか?
このレシピでは、28cmほどの大きめのフライパンを使うのがおすすめです。
フライパンは底面が広くて蒸発しやすいため、煮詰めが早く進み、水分を効率よく飛ばせるのが特徴です。
そのため、レシピでも煮る時間をやや短めに設定し、フライパンで作りやすい工程に調整しています。
一方、鍋で作る場合は、蒸発がゆるやかになるため、同じ時間でも水分が残りやすく、全体がややしっとり仕上がります。
鍋を使うときは、煮詰め時間を少し長めにとるか、ふたを早めに外して水分の飛び具合を調整してください。
どちらの調理器具でも美味しく作れますが、水分の減り方と焦げつきに注意して、火加減や時間を調整するのがポイントです。
ポークビーンズは冷凍保存できますか? 作り置きに向いていますか?
はい、冷凍保存も可能で、作り置きにも向いています。
冷蔵なら3〜4日、冷凍なら2〜3週間を目安に保存できます。
保存する際は、できるだけ水分を飛ばして煮詰めた状態で、保存容器に入れましょう。
水っぽい状態だと、解凍後に味がぼやけやすくなります。
解凍は冷蔵庫で自然解凍したあと、鍋または電子レンジで再加熱してください。
再加熱時に少量の水やケチャップを加えると、風味が戻りやすくなります。
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