牛乳を使った生クリームの作り方を解説します。
一番のポイントは、ノンホモ牛乳を使うことです。
ノンホモ牛乳さえあれば、冷蔵庫に数日置いておくだけでも、生クリームは自然にできます。
短時間(1日ほど)で生クリームが作りたい場合は、あらかじめ牛乳を振ってから冷蔵庫に入れるという手もあります。
材料
ノンホモ牛乳 | 1リットル |
作り方
- 牛乳を冷蔵庫に入れ、数日置きます。
- 表面に自然に浮いた脂肪分(生クリーム)をスプーンですくって取り出します。
- 牛乳を少し大きめの容器(空のペットボトルなど)に入れます。
- 容器にフタをして、15分ほど勢いよく振ります。
15分振ると、すり胡麻の粒ほどの白い塊(脂肪球)が浮遊します。 - 容器を冷蔵庫に入れ、1日ほど置きます。
- 表面にたまった白い脂肪の層(生クリーム)を、スプーンですくって取り出します。
補足:②の作り方について
生クリームの固さや味について
①の方法でできる生クリームは、ごく少量で、ティースプーンで軽くすくう程度と考えてください。
また、②の方法でできる生クリームは、①よりは生クリームらしいかたさがありますが、ケーキの上に飾りとして絞るには少々ゆるすぎます。
とは言え、いずれの方法で作った生クリームも、クセのないさっぱりとした味わいで美味しいです。
今朝は、この生クリームを、お気に入りのブルーベリージャムと一緒に、トーストにのせて食べました。
- 牛乳の表面にたまった生クリーム
- 生クリームをパンにのせたところ
作り方の補足説明
②の作り方について
この記事では2パターンの「生クリームの作り方」を紹介していますが、そのうちの②の作り方は、生クリームからバターを作る効率の良い方法としてよく知られています。
牛乳を容器に入れて、15分ほど振ると、すり胡麻の粒ほどの白い塊(脂肪球)が浮遊します。
そのあとに、冷蔵庫に1日ほど置くと、白い塊が大きくなり、生クリームらしくなります。
ノンホモ牛乳とは
ノンホモ牛乳の「ノンホモ」とは、「ノンホモジナイズ(Non-homogenized)」の略です。
つまり、ホモジナイズしていない(牛乳に含まれる脂肪球を圧力をかけて均質化していない)牛乳のことです。
牛乳本来の不均一な脂肪球をそのまま残した、生乳本来の風味を味わえる美味しい牛乳を指します。
牛乳には、本来、大きさの不均一な脂肪球が浮遊しています。
この不均一な脂肪球は、時間が経つと、牛乳の表面に脂肪の層をつくります。
これが生クリームです。
こうしたノンホモ牛乳は、日本ではやや入手しにくくなっています。
品質管理上、このような牛乳の変質があまり好まれないためです。
そのため、ほとんどの牛乳は、圧力をかけてこの脂肪球を均一な状態にしています。そうすると脂肪が表面に固まることがないのです。
ただ、この工程によって、タンパク質が変性し、牛乳の風味が失われてしまうというデメリットもあります。
パスチャライズ牛乳とは
ちなみに、「ノンホモ牛乳」は、「パスチャライズ牛乳(低温殺菌牛乳)」の一種でもあります。
日本でつくられている牛乳の多くは、生産コストを考えて短時間で高温殺菌しています。
だいたい100度で3分程度の時間で、効率よく処理されているようです。
けれども、この殺菌方法だと、タンパク質が熱変性してしまいます。
そのため、牛乳に圧力をかけたときと同様に、牛乳の風味が失われやすくなります。
そこで、牛乳の美味しさを損なわないよう低温で時間をかけて殺菌したのが、低温殺菌牛乳です。
およそ65度で30分の加熱を行います。
この加熱方法は、ヨーロッパでは主流となっています。
ちなみに「パスチュアライズ」という名前は、1800年代に微生物学者パスツールが考案した「パスチャライゼーション」が語源です。
「パスチャライゼーション」は、実はもともとワインの殺菌方法でした。