
野ぶき(山蕗)は、山に自生する香りのよい山菜で、スーパーで売られている栽培ふきとは違い、アクが強めなのが特徴です。
栽培ふきは、塩をふって板ずりし、下茹でして筋を取ればそのまま使えます。
一方、野ぶきは下茹で後に一晩水にさらす必要があります。
時間はかかりますが、こうすることでアクがしっかり抜けて、美味しく仕上がります。
この記事では、野ぶき(山蕗)のアク抜きや下処理(下ごしらえ)の方法を、写真つきでやさしく解説します。
材料
野ぶき(生の茎のみ) | 400g |
塩 | 小さじ2 |
- 野ぶきの量を変える場合は、200gにつき塩は小さじ1、湯はたっぷりめに用意します。
野ぶき(山ぶき)のアク抜きと下処理
野ぶきの茎をよく洗う
- ① 野ぶきは葉を切り落とし、茎の部分(400g)をよく洗います。
塩をまぶして板ずりする

- ② ふきの表面が少し濡れた状態のまま、まな板に並べて塩をふります。
手のひらで前後に転がすようにして、塩(小さじ2)を全体になじませましょう(板ずり)。
落ちた塩も残さず使い、全体にしっかりこすりつけるのがポイントです。
なお、板ずりには次の3つの効果があります。
- 表面の繊維をやわらかくし、アクを抜けやすくすると同時に、筋も取りやすくする
- 茹でたときに色よく仕上げる
- 表面の汚れや産毛を落とす
野ぶきを茹でてアクを抜く

- ③ 鍋に湯1.5リットルを沸かし、板ずりした野ぶきを1〜2分ほどさっと茹でます。
野ぶきを水にさらしてアクを抜く

- ④ 茹で上がったらたっぷりの冷水にとって冷まし、そのまま水に一晩(8時間)ほどさらしてアクを抜きます。
アク抜きの際は、雑菌の混入や風味の劣化を防ぐため、容器にラップをかぶせて冷蔵庫に入れておきましょう。
途中でひとかけら味見して、苦味やえぐみがなければ短めでも構いません。
野ぶきの表面の筋を取り除く

- ⑤ アク抜きが終わったら水気を切り、切断面から表皮(筋)をつまんで引っ張るようにしてむきます。
野ぶきは細くて筋が硬いことが多く、筋が残ると食感が悪くなります。
途中で切れたり、むき残しがある場合は、反対側からもむいて丁寧に取り除きましょう。
野ぶきの下処理の完了!
- ⑥ 野ぶきを調理しやすい長さに切り揃えれば、きゃらぶきなどの料理にすぐ使えます。
下処理した野ぶきは、保存袋に入れて密封し、冷蔵庫で保存すれば2〜3日ほど日持ちします。
少し手間はかかりますが、ひとつひとつの工程を丁寧に行うことで、野ぶき(山蕗)本来の香りと味わいを存分に楽しめます。
ぜひ、ご家庭で野ぶきならではの風味を堪能してみてください。
よくある質問(FAQ)
下処理した野ぶきの茎はどう保存すればいい?
下茹でとアク抜きを済ませた野ぶき(山蕗)の茎は、水気をしっかり切ってから、保存袋やビニール袋などに入れ、できるだけ空気を抜いて密封し、冷蔵庫で保存します。
保存期間は2〜3日が目安です。
水に浸したまま保存すると、風味が抜けたり変質しやすくなるため、必ず水気を切ってから保存してください。
すぐに使わずに数日寝かせたい場合は、軽く塩をふってから保存すると、色が変わりにくく、風味も保ちやすくなります。
野ぶきとスーパーで売られているふきはどう違う?
野ぶき(山蕗)は山野に自生する細めのふきで、栽培されたふき(愛知早生など)に比べてアクが強く、香りや風味がしっかりしています。
そのぶん下処理に少し手間はかかりますが、味わい深く、佃煮や煮物にすると濃い味付けがよく合います。
なお、栽培ふきの下処理の方法は、リンク先をご覧ください。
野ぶきはどこで手に入る?
野ぶき(山蕗)は、春から初夏にかけて山間部などに自生しています。
道の駅や産直市場で見かけることもありますが、都市部ではあまり出回らないため、季節や地域によって入手しにくいことがあります。
ふきとよく似ていますが、茎が細く、香りが強いのが特徴です。
野ぶきの葉も食べられる?
はい、野ぶき(山蕗)の葉もアクを抜いてから調理すれば、美味しく食べられます。
細かく刻んで甘辛く炒めたり、佃煮風に仕上げたりすると、箸休めやおにぎりの具としてもぴったりです。
捨てずにぜひ活用してみてください。
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