ソーダブレッドは、発酵をさせずに重曹で膨らませるアイルランドの伝統的なパンです。
本場では小麦粉にバターミルクを混ぜますが、日本ではバターミルクが手に入りにくいため、今回はヨーグルトを使って本場風の味わいに近づけたレシピをご紹介します。
このレシピではレーズンとくるみを加えるのがポイント。甘みと香ばしさが広がり、シンプルな生地がぐっと豊かな味わいに仕上がります。我が家でも定番になっている組み合わせです。
焼き上がったソーダブレッドは、表面がカリッと香ばしく、中はしっとり。ひと口かじると、ドライフルーツの優しい甘みとナッツの風味が口いっぱいに広がります。
さらに表面に大きな十字の切れ込みを入れて焼くのは、本場アイルランドの伝統的なスタイル。火の通りをよくするだけでなく、魔除けや祝福の意味も込められており、素朴なパンに文化的な魅力が加わります。
材料
薄力粉 | 150g |
砂糖 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/6 |
ベーキングパウダー | 小さじ1 |
重曹 | 小さじ1/4 |
プレーンヨーグルト | 50g |
卵 | 1個 |
レーズン | 30g |
くるみ(ロースト) | 25g |
ソーダブレッドの作り方
くるみをきざむ

- ① くるみ(ロースト:25g)を包丁で粗めにきざみます。
粉類を振るってボウルに入れる

- ② 薄力粉(150g)・砂糖(大さじ1)・塩(小さじ1/6)・ベーキングパウダー(小さじ1)・重曹(小さじ1/4)をふるい、ボウルに入れます。
どちらか一方でも作れますが、併用するのがおすすめです。
重曹には独特の風味があるので、重曹だけで作ると、クセがやや際立ちます。
ベーキングパウダーを加えることで、バランスが取れ、適度に風味がありつつも、食べやすい味に仕上がります。
ヨーグルトと卵を混ぜる

- ③ 別のボウルにプレーンヨーグルト(50g)と卵(1個)を入れ、よく混ぜます。
粉類にヨーグルト&卵を加える

- ④ ふるった粉類に、混ぜておいたヨーグルトと卵を加えます。
ヘラでざっくり混ぜる

- ⑤ ヘラを使って、練らないように手早くざっくり混ぜます。
レーズンとくるみを加える

- ⑥ 粉類と水分がある程度馴染んできたら、レーズン(30g)とくるみを加えます。
今回のレシピなら、レーズンかくるみのどちらか一方にしてもいいですし、レーズンにキャラウェイシードを合わせても美味しく仕上がります。
生地をまとめる

- ⑦ 練らないように手で生地をまとめ、直径13センチ程度の円形に整えます。
表面に薄力粉をふる

- ⑧ 生地をクッキングシートを敷いた天板にのせ、茶こしなどを使って、薄力粉(分量外:少々)を表面にふります。
茶こしがない場合は、手で薄力粉を付けても良いです。
十字の切れ目を入れて焼いたら完成!

- ⑨ 包丁で表面に十字の切れ目を入れ、180度に温めたオーブンで20分焼いたら完成です。

発酵の手間がいらず、思い立ったときにすぐ作れるのもソーダブレッドの嬉しいところです。
そのまま食べても、バターを塗っても美味しく、焼き立てをスープやシチューに添えればシンプルなのに食卓の主役として楽しめます。
よくある質問(FAQ)
ヨーグルトを使ったソーダブレッドはプレーンタイプでも美味しいですか?
ヨーグルトを使ったプレーンタイプは、手軽に作れるぶんかなり素朴な味わいになります。そのため、人によっては少し物足りなく感じることもあります。
レーズンやくるみを加えると甘みと香ばしさがプラスされ、満足度の高い仕上がりになるのでおすすめです。わが家では、このレーズンとくるみを入れたソーダブレッドが定番になっています。
ソーダブレッドはどのように保存し、温め直せばいいですか?
ソーダブレッドは常温なら当日中に食べ切るのがベストです。
翌日以降に残った場合はスライスして密閉し、冷凍保存するのがおすすめです。食べるときはトースターで3〜4分温め直すと、表面が再びカリッとし、美味しくいただけます。
アイルランドの伝統的なソーダブレッドは円形なのですか?
はい、伝統的なソーダブレッドは基本的に丸い形をしています。
表面には深く大きな十字の切り込みが入っており、これは火の通りをよくする実用性のほか、悪霊を払う・祝福を願う意味も込められています。
近年では、大量生産に向く四角いローフ型のものも広く出回っています。
私が2025年の夏にアイルランドを旅行した際、ダブリンのような都会では円形の伝統的なソーダブレッドはほとんど見られませんでした。
一方で、田舎では市場やベーカリーに今も円形のものが豊かに並んでおり、地域による違いを実感しました。
アイルランドのソーダブレッドは小麦粉で作られていますか?
はい、基本的に小麦粉で作られます。
現在は白い精製小麦粉を使ったホワイトタイプも広く親しまれていますが、もともとは、全粒粉や外皮を多く残したブラウンフラワーを使った茶色いタイプが一般的でした。
地域や家庭によっては、さらにオートミールを加えて食べ応えや風味を豊かにする工夫も見られます。
ソーダブレッドはなぜ重曹を使って膨らませるのですか?
アイルランドでとれる小麦粉はもともとグルテンが少なく、イーストを使った発酵では十分に膨らみにくい性質がありました。
そこで、19世紀に重曹(ベーキングソーダ)が広まると、イーストを使わなくても小麦粉の生地をふくらませられる方法として取り入れられたのです。
さらに重曹だけでなく酸を含むバターミルクを加えることで、化学反応によってガスが発生し、よりふんわりと仕上がるようになりました。
このシンプルで確実な膨らませ方が家庭のパン作りに定着し、ソーダブレッドというアイルランド独自のパン文化につながっていきました。
アイルランドではどのようなアレンジが人気がありますか?
アイルランドを旅行した際には、レーズンやくるみなどのナッツを加えたものや、スペルト小麦を使ったものをよく見かけました。
ほかにも、カランツ(小粒のレーズン)、クランベリーやアプリコットなどのドライフルーツを練り込んだ甘めのタイプや、かぼちゃの種やひまわりの種を散らした香ばしいタイプも人気があります。
地域やベーカリーごとに工夫があり、素朴さの中に多彩なバリエーションが楽しめるのが魅力です。
関連レシピはこちら
ソーダブレッドとあわせて作りたい、発酵なしのパンや全粒粉を使ったレシピ、くるみ入りのお菓子をご紹介します。
発酵なしで作れるスコーンのレシピ:基本のスコーン・くるみスコーン・かぼちゃスコーン・ホットケーキミックススコーン
全粒粉を使ったパンレシピ:チャパティ・よもぎパン
くるみを使ったお菓子レシピ:キャロットケーキ・チョコクランチ・ハニートースト・五平餅
とても丁寧で親切なレシピのおかげで無事に膨らんで焼けてくれました!嬉しかったです!
歯にやさしいアレンジということで
胡桃は甘納豆に変えさせていただきました。
アイスを添えて家族で美味しくいただきました。
ありがとうございます!また作ってねという言葉ももらったので、またアレンジして作りたいと思います!やまでらさん、素敵なレシピをありがとうございました!
このソーダブレッドは、わが家でも人気の定番レシピなので、気に入っていただけてとても嬉しいです。
甘納豆を加えるアレンジも美味しそうですね!