五平餅のレシピ・作り方。たれで美味しく!岐阜の郷土料理

五平餅
レシピ動画
くるみだれで美味しく!五平餅

五平餅のレシピをご紹介します。

五平餅とは、ご飯をつぶして串に刺し、甘辛いたれをつけて香ばしく焼いたお料理のこと。
江戸時代から食べられてきた郷土料理のひとつで、岐阜・長野・愛知の山間部が発祥と言われています。

五平餅には地域やお店によって様々なバリエーションがありますが、形はわらじ型とだんご型が主流で、たれは、味噌や醤油をベースにしたものが定番です。

この記事では、そんな五平餅を家庭でも美味しく作れるレシピをご紹介します。
また、記事の後半では、本場の人気店の五平餅についても合わせて解説します。

材料

2人分:調理時間20分
温かいご飯 250g
たれ
くるみ 10g
すりごま 大さじ1/2
醤油 小さじ1
味噌 小さじ2
みりん 大さじ2
砂糖 小さじ1と1/2


たれの作り方

くるみをすり鉢ですりつぶす
すりつぶしたくるみに味噌や醤油やすりごまを混ぜる
  1. ① くるみ(ロースト:10g)をすり鉢に入れ、よくすりつぶします。
  2. ② くるみを器に移し、すりごま(大さじ1/2)・醤油(小さじ1)・味噌(小さじ2)・みりん(大さじ2)・砂糖(小さじ1と1/2)を加え、よく混ぜます。

すり鉢なしの場合

すり鉢がない場合は、くるみをビニール袋に入れ、袋の上から叩いてすりつぶしてもいいです。

くるみをビニール袋の上からすりつぶす
その場合も、くるみの塊がなるべく残らないように、きれいにすりつぶしてください。

そうすると、味噌との一体感が出てとても美味しいです。

五平餅の焼き方・作り方

ご飯をすり鉢でつぶす
つぶしたご飯につぶしていないご飯を混ぜる
  1. ③ ご飯の8割(200gくらい)をすり鉢に入れ、水に濡らしたすりこぎで団子状にまとまる程度につぶします。
  2. ④ 残りの2割(50gくらい)を混ぜます。

ごはん粒の食感を残す

五平餅は、ご飯をあまりしっかりとつぶさずに、粒がそこそこ残っていた方が美味しいです。
そのため、このレシピでは、ご飯の2割程度をつぶさずに取り置いておき、あとから混ぜています。

袋で潰しても良い

すり鉢がない場合は、ご飯をビニール袋に入れ、上に布巾をかぶせて、手でつぶしてもいいです。

ご飯を袋に入れて手でつぶす
その際には、袋の端の方にご飯を詰めるのは避けて、中心あたりでつぶしてください。
そうすると袋が破れにくくなります。



ご飯をラップの上にのせる
ご飯の上に割り箸をのせる
  1. ⑤ ご飯を2等分して、ラップの上に縦長にしてのせます。
  2. ⑥ 割り箸の太い方を上にして埋め込みます。

割り箸は、太い方をご飯の上の端ぎりぎりくらいにして埋め込むと、ご飯にくっつきやすくなります。


ご飯を棒状に整える
ご飯を上から押し付けてわらじ型にする
  1. ⑦ ラップでご飯を包み、棒状に形を整えます。
  2. ⑧ ラップを開き、もう1枚のラップをかぶせます。
    上から手で押し付けて、厚さ1センチくらいのわらじ型に整えます。

形が整ったら、ラップを開いて、使うまでそのまま置きます。


五平餅をフライパンで焼く
ひっくり返して焼く
  1. ⑨ フライパンをしっかりと温め、五平餅を並べてそのまま動かさずに、強めの中火〜強火で3分焼きます。
  2. ⑩ ひっくり返して、もう片面も3分焼きます。

フライパンを熱々にしてのせる

ご飯に少し焦げ目を付けるために、少し強めの火力で、フライパンに直にのせて焼きます。

なお、フライパンをあらかじめ十分に温めたうえで、そのまま動かさずに焼くと、ご飯がフライパンにくっつきません。


五平餅にたれを塗る
ひっくり返してもう片面にも塗る
  1. ⑪ 火を止めて、フライパンを少し冷まします。
    そして、五平餅の上面にスプーンやヘラなどでたれを薄く塗ります。
  2. ⑫ ひっくり返して、もう片面にも同じようにたれを薄く塗ります。

フライパンを少し冷ます

たれを塗る前に火を止めて、フライパンを少し冷ましてください。
フライパンの材質にもよりますが、30秒〜3分くらいが目安です。

あまり熱すぎると、フライパンにたれが垂れた時や、五平餅をひっくり返した時に、焦げやすくなってしまいます。
フライパンを手でぎりぎり触れるくらいまで冷ましておくと、慌てずにゆっくりとたれを塗ることができます。

たれは薄くぬる

また、たれは、ご飯から垂れないくらいに薄く塗るのがおすすめです。
薄く塗った方が、きれいな焦げ目が付きやすくなります。

なお、上の写真では五平餅の側面にもたれを塗っていますが、ムリして側面まで塗らなくても、美味しく仕上ります。


たれを塗った面を焼く
ひっくり返してもう片面も焼く
  1. ⑬ たれを塗ったら、フライパンを中火にかけ、30秒ほど焼いて焦げ目を付けます。
  2. ⑭ ひっくり返して、もう片面も30秒ほど焼いて焦げ目を付け、皿に取り出します。

なお、ひっくり返す際には、五平餅をフライパンに密着させながら左右に少し動かしてから上げると、たれがご飯から剥がれにくくなります。


フライパンをキッチンペーパーで拭き取る
たれを軽く煮詰める
  1. ⑮ 火を止めて、フライパンをキッチンペーパーで拭き取ります。
  2. ⑯ フライパンの一部にたれを入れ、余熱で軽く火を入れます。

たれを五平餅にかけたら完成です。



五平餅

こんがりと焼けた五平餅は香ばしく、味噌だれの甘辛い味に包まれて、とても美味しくいただけます。

五平餅は昔ながらの伝統食ですが、けして地味なものではありません。
風味が良くて味が濃厚で、現代人の感覚から言っても、かなり満足度の高いお料理です。

小腹が空いたときの軽食におすすめなので、ぜひ手作りしてみてください。

なお、上のレシピでは書ききれませんでしたが、五平餅を作る際には、次の4点もポイントになります。
参考にしてください。

  • 時間がある場合は、ご飯を少し硬めに炊いて使うと、ごはん粒の食感がよりしっかりと感じられて美味しいです。
  • すり鉢ですりつぶしたくるみを容器に移す際には、楊枝3本くらいをまとめて持ち、溝に入り込んだくるみを掻き出すと簡単です。
  • 五平餅はフライパンで焼くのがおすすめです。
    グリルやトースターを使うと、串が焼けやすく、また、ご飯がくっつきやすいです。
  • たれに使用する味噌の種類は、基本的には何でもいいです。
    ただ、塩分がとても少なくてかなり甘い西京味噌のような味噌はおすすめしません。

岐阜とその周辺の五平餅

最後に、五平餅の由来や、発祥の地である中部地方の五平餅について解説します。

五平餅の由来

五平餅という名前の由来には諸説あります。
お金(御幣)に形が似ていることから名付けられたという説や、農家の五平(五兵衛)さんの名前がもとになっているという説などが知られています。

五平さんの話はとてもユニークで、「ある時、五平さんがお弁当のご飯を落として汚してしまった。仕方がないからそれをあぶって醤油や味噌を付けて食べてみたところとても美味しかったため、人々に広まった」というものです。
また、いくら食べても食べ飽きず、ついついたくさん食べてしまうことから、「五平五合」という言葉もあるそうです。

ちなみに、五平餅の主な材料である米は、今でこそありふれた食材ではありますが、昔は特別な日のご馳走でした。
そのため、五平餅も、もともとは来客の際や祝い事や年中行事などに食べるお料理として親しまれてきたようです。


本場の五平餅を食べてみたいという時には、岐阜県の恵那を訪れることをおすすめします。

恵那市は、五平餅による町おこしに力を入れていて、市内には人気の五平餅店が点在しています。

恵那の五平餅マップ

観光案内所では「五平餅マップ」が配布されているので、その地図を片手に市内を巡るのも楽しいです。



あまからの五平餅
あまからの五平餅を焼いてたれを塗っているところ

こちらは、そんな五平餅の街・恵那にあって、取り分け有名で人気のある「あまから」というお店の五平餅です。

同じ恵那市でも北部はだんご型の五平餅が多く、南部はわらじ型が多いそうですが、こちらはだんご型です。

ご飯は、粒の形が割と残っていて、食感はしっかりめ。
こんがりと香ばしいのが特徴です。

甘さは控えめで、たれはわりとあっさりとしています。
しつこさはなく、何本でも食べられる美味しさです。

人気店「あまから」の五平餅
@岐阜県恵那市


みはらの五平餅
こちらは、恵那のわらじ形の代表、「みはら」の五平餅です。

五平餅の大きさは、15×7センチくらい。
先の「あまから」のように表面に焦げ目がこんがりと付いているわけではありませんが、全体的に食感はしっかりとしています。

中は餅っぽくてねっとりとした食感。
ねぎ味噌(手前)は、ほんのりと唐辛子の辛さが加わっており、胡麻だれ(奥)は、生姜の風味をいかした味付けになっています。

「みはら」の五平餅
@岐阜県恵那市


おぎのの五平餅
こちらの五平餅は、粗めのすりごまに加えて、砕いたピーナッツが使われています。

少し甘めのおやつ感のある一品で、ややこってりめのたれが、半潰しにしたご飯によく馴染んでいます。

「おぎの」の五平餅
@岐阜県恵那市



喜楽の五平餅
こちらは、恵那のお隣の中津川市の人気店の五平餅です。

表面はカリッとしていて、中はふっくら。
ごまとくるみと落花生を使った甘辛ダレがとても美味しいです。

「喜楽」の五平餅
@岐阜県中津川市


しらおぎの五平餅
こちらの五平餅は、八丁味噌を使ったくるみだれが特徴。
岐阜県は愛知県と隣接しているということもあり、こうした赤味噌もよく使われます。

ご飯の食感はねっとりとしていて、濃厚でコク旨な一品です。


「しらおぎ」の五平餅
@岐阜県 白川郷


以上、五平餅についてお伝えしました。

五平餅は、ご飯を主材料にしたシンプルなお料理ですが、適度な甘みがあってとても美味しいです。

近所に五平餅屋さんがある場合はラッキーですが、そうでない場所にお住まいの方でも、自宅で簡単に手作りすることができます。
ぜひ試してみてください。



ところで当サイトでは、岐阜の郷土料理について、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせて参考にしてください。

コメント

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  • 田舎っこ様(2024年1月13日)

    私の祖母の家は、愛知県の旧小原村にあり、祖母の家に行くと五平餅を食べさせてくれました。五平餅は思い出の味ですが、作る人はいなくなってしまいました。また、食べたいとずっと思っていましたが、こちらでレシピを見つけ作ることができました。
    とてもおいしくできました。ありがとうございました。

    • やまでら くみこ(2024年1月18日)

      五平餅の記事は、愛知県をはじめ岐阜県や長野県の山間部を取材して食べ歩きながら執筆したので、コメントを頂けてとても嬉しいです。
      本場の昔ながらの五平餅は、ひと味もふた味も違い、魅力的だと感じました。
      お祖母様の手作りの五平餅の思い出、素敵ですね!

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