
たけのこ(筍)の保存についてお伝えします。
たけのこは、掘ってから時間が経過すればするほど、アクがどんどん強くなります。
そのため、たけのこを美味しく食べたいのなら、早めに食べ切るのが一番です。
掘りたてであれば、放置せずにすぐに調理。
スーパーに並んでいたものであれば、入手後すぐに下茹でをして、アクを抜いてから使うのが基本です。
反対に、茹でずに生のまま長く冷蔵庫に入れたり、生のまま冷凍するのはNGです。
もし、たけのこを保存する場合は、下茹でしてから保存します。

生の冷蔵は1〜2日が限界
とは言え、生たけのこをすぐに調理できない場合もあると思います。

そして、その状態でビニール袋に入れて、穂先を上に向けて冷蔵庫の野菜室に入れると、少し日持ちしやすくなります。
ただし、アクが強くなることに変わりはないので、遅くとも1〜2日以内には使うようにしてください。
ちなみに、常温保存は、傷みやすいので、おすすめしません。
冷凍は食感が柔らかく変化
茹でたけのこを長期保存したい場合は、冷凍することもできなくはありません。
ですが、たけのこを冷凍すると食感が柔らかく筋っぽく変化してスカスカになってしまうため、美味しく食べたいのなら、冷凍しないで冷蔵までで食べ切るのがおすすめです。
それでも、たけのこを長持ちさせるためにあえて冷凍したいという場合は、砂糖をまぶして冷凍したり、だし汁に浸して冷凍したりすると、食感の変化を少し感じにくくなります。
この記事では、たけのこの保存方法について、「冷凍」「冷蔵」「たけのこご飯の保存」の順に詳しく解説します。
たけのこの冷凍保存
- 砂糖をまぶす
- だし醤油につける
まず最初に、たけのこの冷凍保存についてお伝えします。
たけのこは、すでにお伝えした通り、あらかじめ砂糖をまぶしたり、だし醤油にひたしたりして冷凍すると、食感の変化を感じにくくなります。
一番おすすめの冷凍方法
中でも、冷凍による食感の変化を一番感じにくくなるのは、砂糖をまぶす方法です。
砂糖をまぶす理由
冷凍&解凍したたけのこの食感がスカスカに感じられるのは、細胞の中に氷の塊ができて、それが溶けることで空洞になるためです。
そこで、砂糖の出番。
砂糖には高い保水効果があるため、たけのこにまぶしてから冷凍すると、たけのこに含まれる水分を砂糖がしっかりと抱え込んでくれます。
そのため、解凍した時に水分が流出しにくくなり、細胞の中に空洞ができるのを抑えられるので、食感の劣化を感じにくくなるというわけです。
なお、たけのこを小さく薄く切ることも、とても大事です。
厚めに大きく切ると、たとえ砂糖をまぶして冷凍したとしても、食感の変化を感じやすくなります。
- 砂糖をまぶす
- 保存袋に入れる
砂糖をまぶして冷凍保存する手順は、次の通りです。
材料
ゆでたけのこ※ | 好みの量 |
砂糖 | たけのこ20gに対して小さじ1/3 |
※市販の水煮でもOK。
手順
- たけのこを小さめ(薄め)に切り、砂糖を万遍なくまぶす。
- 保存袋に入れ、袋の中の空気を抜いて、冷凍庫で保存する。保存期間は1ヶ月ほど。
- 凍ったまま加熱料理に使うか、冷蔵庫や常温に移したりレンジを使うなどして解凍してから使う。
砂糖の量は、甘味がほんのりと感じられるくらいは必要です。
ですから、この方法で冷凍したたけのこは、炒めものや煮物など、砂糖の甘味がしっくりくるようなお料理に使うといいです。
二番目におすすめの冷凍方法
たけのこに砂糖をまぶすことに抵抗がある場合は、こちらの方法を試してみてください。
砂糖を使う方法とくらべると、食感の変化がやや分かりやすくなりますが、何もしないでそのまま冷凍するよりはいいです。
- 小さく切る
- だし醤油につける
手順は次の通りです。
材料
ゆでたけのこ※ | 好みの量 |
だし醤油(もしくはめんつゆ) | 適量 |
※市販の水煮でもOK。
手順
- ゆでたけのこを小さめ(薄め)に切り、保存袋に入れる。
- だし醤油(もしくはめんつゆ)を好みの濃度にして、保存袋に入れ、袋の中の空気を抜いて冷凍庫に入れる。保存期間は1ヶ月ほど。
- 凍ったまま加熱料理に使うか、冷蔵庫や常温に移したりレンジを使うなどして解凍してから使う。
だし醤油は、食感の変化を抑える効果については、砂糖には及びません。
でも、たけのこは和風の味ととても相性が良いので、だし醤油の味が加わっても、まったく違和感なく料理に使えます。
そのまま加熱調理して煮物にしてもいいですし、炒め物や和え物などにも加工しやすいです。
なお、ここでご紹介した方法では、ゆでたけのこにだし醤油を加えた状態で冷凍していますが、お好みで、たけのこの煮物を作り、それを煮汁ごと冷凍してもOKです。
たけのこの冷蔵保存
続いて、たけのこの冷蔵保存についてお伝えします。
たけのこは、常温で保存すると傷みやすいので、買ってきたら、まずは冷蔵庫に入れるのが基本です。
ただ、冒頭でもお伝えした通り、生のたけのこは時間が経つとアク(えぐみや苦味)が強く感じられるようになるため、なるべく早めに茹でてアク抜きしてから保存するのが理想的です。

水(もしくは茹で汁)にひたして冷蔵
さて、茹でたたけのこを上手に冷蔵保存するコツは、水(もしくは茹で汁)に完全にひたして冷蔵庫に入れることです。
ゆでたけのこ(水煮)は、乾燥にとても弱いためです。
- 水 + 保存袋
- 水 + 保存容器
材料
ゆでたけのこ※ | 好みの量 |
水(もしくは、たけのこの茹で汁) | 適量 |
※市販の水煮でもOK。
手順
- たけのこを保存袋に入れ、たけのこが浸かるくらいの量の水(もしくは、たけのこの茹で汁)を加えて、袋の中の空気をしっかり抜いて冷蔵庫に入れる。
- たけのこを保存容器に入れる場合は、かぶるくらいの水(もしくは、たけのこの茹で汁)を注ぎ、フタをして冷蔵庫に入れる。
- 保存期間は10日ほど。
食品を冷蔵保存する方法としては、ラップで包むのが一般的ですが、たけのこ(水煮)に関しては、ラップはおすすめしません。
ラップで包むのはNG

市販の水煮の場合は、自宅で茹でたたけのこよりもずっとマシですけど、乾燥しやすいことに変わりはありません。
水と茹で汁の違い

たけのこは、一般的には、米ぬかや米の研ぎ汁を使って茹でますが、茹で上がったあとにこうした茹で汁に浸しておくと、甘みのあるぬかの風味が適度に加わって、たけのこえぐみや苦味をより感じにくくなります。
ただ、人によっては、ぬか臭いと感じることもあるので、気になる場合は、水に浸す方が無難です。
なお、ゆでたけのこを10日間冷蔵保存している間は、水(もしくは茹で汁)は替えずにそのままでいいです。
水を毎日替えることをすすめるサイトもありますが、あまり替えすぎると、たけのこの味が薄まります。
私が試したところでは、水を替えなくても2週間ほど傷むことはなかったので参考にしてください。
味が薄まらないように、なるべく水を使いたくないという場合は、保存袋を使います。
保存袋だったら、中の空気をしっかりと抜けば、タッパーなどの保存容器に入れる場合とくらべて、水の量をずっと少なく抑えることができます。
たけのこご飯の保存方法
茹でたけのこの冷凍と冷蔵についてお伝えしてきましたが、最後に、「たけのこご飯」の保存方法について解説します。

とは言え、残ってしまった場合は、保存ももちろん可能です。
冷凍よりも冷蔵で食べ切る
具材が一切入っていない「普通のご飯」の場合は、一般的には、冷蔵するよりも早めに冷凍してしまった方が、味も食感も落ちにくいです。
でも、たけのこご飯に関しては、そうとも言い切れません。
それは、冷凍することで、たけのこの食感が、やや柔らかくなってしまうためです。
たけのこご飯に使うたけのこはあらかじめ小さく切っているので、大きく切ったたけのこよりは食感の変化が分かりにくいですけど、それでも、ある程度劣化します。
そのため、残ったたけのこご飯を1〜2日くらいで食べ切るのであれば、冷凍ではなく、冷蔵するのはアリです。
その場合は、ラップで包んだうえで、保存袋に入れ、乾燥をしっかり防いでください。

食べる時には、凍ったままレンジで温めるのがおすすめです。
以上、たけのこの保存についてお伝えしました。
たけのこは早めに食べるのが一番ですけど、保存する場合は、茹でてから冷蔵するのが基本です。
長期保存したい場合は冷凍も一応できますが、食感はある程度劣化します。
砂糖をまぶすかだし醤油に浸した状態で冷凍すると、だいぶマシになります。
ぜひ参考にしてください。