ぬか漬けは、米ぬかを使ったぬか床に野菜を漬けて作る、昔ながらの発酵食品です。
きゅうり、なす、人参などの定番野菜をはじめ、大根、かぶ、キャベツ、みょうがなど、いろいろな野菜を漬けられるのが魅力です。
はじめて作ると「ぬか床は難しそう」「毎日混ぜないといけないの?」「カビが生えないか心配」と感じるかもしれませんが、基本の材料と手順を押さえれば、家庭でも作りやすくなります。
この記事では、いりぬかを使ったぬか床の作り方、捨て漬けの方法、野菜の漬け時間、ぬか床の手入れ、酸っぱい・しょっぱいときの対処法まで、初心者にも分かりやすく紹介します。
ぬか漬けの作り方の流れ
ぬか漬けは、ぬか床を作り、捨て漬けでぬか床を育ててから、野菜を漬ける流れで作ります。
はじめての場合は工程が多く感じるかもしれませんが、基本の流れはシンプルです。
- いりぬか・塩水・昆布・赤唐辛子を合わせて、ぬか床を作る
- 野菜くずなどを入れて捨て漬けし、数日かけてぬか床を育てる
- きゅうり・なす・人参などの野菜をぬか床に漬ける
- 漬かった野菜を取り出し、ぬかを洗い流して食べやすく切る
- 野菜を取り出した後のぬか床を混ぜ、次に使いやすい状態に整える
最初の数日は、ぬか床を育てるための期間です。
すぐに本漬けを始めるより、捨て漬けをしてから野菜を漬けると、ぬか床の香りとうま味が出やすくなります。
材料
| いりぬか | 500g |
| 水 | 500ml |
| 塩 | 70g |
| 昆布 | 5cm角1枚(約5g) |
| 赤唐辛子 | 1本 |
| 捨て漬け用の野菜くず | 両手1杯分(きゅうりやなすの切れ端、人参の皮、キャベツの芯など) |
| きゅうり | 2本 |
| なす | 2本 |
| にんじん | 1本 |
ぬか漬けのレシピ・作り方
ここでは、きゅうり・なす・人参を例に、ぬか漬けの作り方を紹介します。
下記の野菜の分量は、1種類ずつ漬ける場合の目安です。
すべてを同時に漬ける必要はなく、きゅうりなら2本、なすなら2本、にんじんなら1本を目安にしてください。
ぬか漬け用の塩水を作って冷ます
- ① 鍋に水(500ml)を入れて火にかけ、沸騰したら塩(70g)を加えてよく溶かします。
- ② 塩水を火からおろし、完全に冷まします。
熱いまま加えるとぬか床の風味が悪くなりやすいので、必ず冷ましてから使います。
いりぬかに昆布と赤唐辛子を加える
- ③ 大きめのボウルにいりぬか(500g)を入れ、冷ました塩水を少しずつ加えながら清潔な手でよく混ぜ、味噌くらいのやわらかさにします。
手で握るとまとまり、指で押すと少しへこむ程度が目安です。 - ④ 清潔な保存容器に移し、昆布(5cm角1枚:約5g)と、種を取り除いた赤唐辛子(1本)をぬか床に埋めます。
野菜くずを捨て漬けする
- ⑤ 捨て漬け用の野菜くず(両手1杯分:きゅうりやなすの切れ端、人参の皮、キャベツの芯など)をぬか床に埋め、表面を平らにならして空気を抜きます。
容器の内側についたぬかを清潔なキッチンペーパーでふき取り、ふたをします。
直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。
ぬか床を育てる
- ⑥ 捨て漬け中は1日1〜2回、底から返すように混ぜます。
野菜くずは1〜2日ごとに取り替え、3〜7日ほど続けます。
ぬか床にほんのり酸味とうま味のある香りが出てきたら本漬けを始めます。(夏場など室温が高いときは発酵が進みやすいので、においや酸味が強くなりすぎる前に冷蔵庫の野菜室に移してもよいです。)
ぬか漬け用の野菜を準備する



- ⑦ きゅうり(2本)は洗って水気をふき取り、塩(小さじ1/4〜1/2:分量外)をまぶして表面に軽くなじませます。
なす(2本)はヘタを切り落として縦半分に切り、塩(小さじ1/2程度:分量外)をまぶします。
にんじん(1本)は好みで皮をむき、縦半分または四つ割りにします。にんじんは、そのまま漬けられるので、塩をまぶさなくて大丈夫です。
野菜をぬか床に漬ける



- ⑧ 漬ける野菜をぬか床に入れ、全体をぬかで包むようにしてしっかり埋めます。
漬け時間は、きゅうりは常温6〜12時間、冷蔵庫なら12〜24時間が目安です。
なすは常温8〜14時間、冷蔵庫なら1日〜1日半。
にんじんは常温12〜24時間、冷蔵庫なら1〜2日を目安にします。
漬かった野菜を切る
- ⑨ 漬かった野菜を取り出し、表面のぬかを水でさっと洗い流します。
水気をふき取り、食べやすい大きさに切ります。
ぬか漬けの完成!
- ⑩ 野菜を取り出した後のぬか床は、底から返して混ぜます。
続けて漬ける場合は次の野菜を入れます。
すぐに漬けない場合は表面を平らにならし、容器の内側についたぬかをふき取り、ふたをして冷蔵庫で保存します。
ぬか床は、常温なら毎日1〜2回、冷蔵庫なら2〜3日に1回を目安に混ぜます。
ぬか漬けは、ぬか床の状態や室温によって漬かり方が変わります。
はじめは短めに漬けて味を見ながら、自分好みの漬け時間に調整すると失敗しにくいです。
ぬか漬けを初心者でも作りやすくするコツ
いりぬかを使う理由
このレシピでは、ぬか床作りにいりぬかを使います。
いりぬかは、生ぬかを炒って水分を飛ばしたもので、香ばしさがあり、家庭でも扱いやすいのが特徴です。
スーパーなどで購入しやすく、はじめてぬか床を作る場合にも使いやすいです。
生ぬかでもぬか床は作れますが、保存性や扱いやすさを考えると、初心者はまずいりぬかで始めるのがおすすめです。
ぬか床のかたさの目安
ぬか床は、味噌くらいのやわらかさが目安です。
手で握るとまとまり、指で押すと少しへこむくらいがちょうどよい状態です。
水分が少ないと野菜が漬かりにくく、水分が多すぎるとぬか床がゆるくなり、においや傷みの原因になりやすくなります。
最初は塩水を一度に全部入れず、少しずつ加えながら調整してください。
捨て漬けとは?
捨て漬けは、ぬか床を育てるために野菜を漬ける工程です。
捨て漬け用の野菜は、きゅうりの端、人参の皮、なすの端、キャベツの外葉、大根の皮などでかまいません。
食べられる部分を使ってもよいですが、捨て漬けした野菜は基本的に食べずに取り出します。
捨て漬けをすることで、野菜の水分や成分がぬか床になじみ、ぬか床らしい香りとうま味が出やすくなります。
捨て漬け中の置き場所
捨て漬け中は、直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。
冷暗所のような、なるべく温度変化が少なく、暑くなりにくい室内が向いています。
夏場など室温が高い時期は発酵が進みやすいため、においや酸味が強くなりすぎる前に冷蔵庫の野菜室へ移してもかまいません。
反対に、最初から冷蔵庫に入れると発酵がゆっくりになるため、ぬか床が育つまでに時間がかかります。
ぬか漬けにおすすめの野菜
ぬか漬けは、きゅうり、なす、にんじんのほかにも、いろいろな野菜で作れます。
初心者におすすめなのは、漬かりやすく味の違いが分かりやすい、きゅうり、なす、にんじん、大根、かぶ、キャベツなどです。
きゅうりは短時間で漬かり、なすはやわらかな食感に、にんじんは歯ごたえよく仕上がります。
慣れてきたら、白菜、オクラ、みょうが、ズッキーニなどもおすすめです。
それぞれ風味や食感が違うので、ぬか床に慣れてきたら少しずつ試すと、ぬか漬けの楽しみ方が広がります。
野菜別の漬け時間の目安
| 野菜 | 下ごしらえ | 常温の目安 | 冷蔵庫の目安 |
|---|---|---|---|
| きゅうり | 塩をまぶして表面になじませる | 6〜12時間 | 12〜24時間 |
| なす | 縦半分に切り、塩をまぶす | 8〜14時間 | 1日〜1日半 |
| にんじん | 縦半分または四つ割りにする | 12〜24時間 | 1〜2日 |
漬け時間は、ぬか床の状態、野菜の大きさ、室温によって変わります。
最初は短めに漬けて、味を見ながら好みの時間を探すと失敗しにくいです。
ぬか漬けは洗う?洗わない?
ぬか漬けは、食べる前に表面のぬかを水でさっと洗い流します。
長く水にさらす必要はありません。軽く洗ってぬかを落とし、水気をふき取ってから食べやすい大きさに切ります。
ぬかの風味を少し残したい場合は、手でぬかを軽くぬぐう程度でもかまいません。ただし、表面にぬかが多く残っていると塩気が強く感じやすいので、初めての場合はさっと洗うと食べやすいです。
ぬか漬けに入れてはいけないもの
ぬか漬けには、傷んだ野菜や、土が落ちにくい野菜は入れないようにします。
カビやにおいの原因になりやすいためです。
また、水分が多すぎる野菜や、においの強い食材をたくさん入れると、ぬか床の状態が変わりやすくなります。
初めて作る場合は、きゅうり、なす、にんじんなどの定番野菜から始めるのがおすすめです。
肉や魚などの生ものは、基本の野菜用のぬか床には入れません。
ぬか床を傷める原因になるため、野菜とは分けて考えます。
ぬか床の手入れと風味の整え方
ぬか床の手入れ
ぬか床は、野菜を取り出した後に底から返すように混ぜ、表面を平らにならします。
容器の内側についたぬかは、カビやにおいの原因になりやすいので、清潔な布巾やキッチンペーパーでふき取ります。
常温で置く場合は、1日1〜2回混ぜます。
冷蔵庫で保存する場合は、2〜3日に1回を目安に混ぜれば大丈夫です。
ぬか床が減ってきたとき
ぬか床は、野菜を漬けたり取り出したりするうちに少しずつ減っていきます。
量が少なくなって野菜が埋めにくくなったら、いりぬかと塩を足して調整します。
いりぬかを足すときは、いりぬか100gに対して塩小さじ1〜2程度を目安に加えます。
漬けた野菜の塩気が薄く感じる場合は、塩を少量足して調整してください。
ぬか床がかたい場合は、水を少量ずつ加えて、味噌くらいのやわらかさに整えます。
昆布と赤唐辛子は入れたままでよい?
昆布と赤唐辛子は、基本的にぬか床に埋めたままで大丈夫です。
ぬか床を混ぜるときに出てきたら、また中に埋めます。
昆布はやわらかくなって崩れそうになったら取り出します。
ぬか床にうま味を足したい場合は、新しい昆布を加えてください。
赤唐辛子は、色が抜けたり、崩れそうになったら新しいものに取り替えます。
ぬか床の風味を整え、状態を保ちやすくするためにも、古くなった赤唐辛子はそのままにせず、様子を見て交換するとよいです。
昆布と赤唐辛子は、細かく刻まずにそのまま入れると、ぬか床の中で扱いやすく、取り出すタイミングも分かりやすいです。
ぬか床に加える香味材料
ぬか床には、好みで生姜、にんにく、煮干し、粉唐辛子などを加える作り方もあります。
ただし、はじめて作る場合は、まずはいりぬか・水・塩・昆布・赤唐辛子でシンプルに始めるのがおすすめです。
材料を増やしすぎると、香りや塩分のバランスが分かりにくくなることがあります。
香りやうま味を足したい場合は、ぬか床が安定してから少量ずつ加えると失敗しにくいです。
よくある失敗と対処法
ぬか床が水っぽい
野菜から水分が出ると、ぬか床がゆるくなります。

水っぽさが強い場合は、いりぬかと塩を少量足して調整します。
酸っぱくなりすぎた
発酵が進みすぎている状態です。
底からよく混ぜて空気を入れ、冷蔵庫で保存します。
酸味が強い場合は、いりぬかと塩を少量足して、酸味をやわらげます。
しょっぱくなった
塩分が強い場合は、野菜を漬ける時間を短くします。
漬かりすぎた野菜は、薄く切って水に少しさらすと食べやすくなります。
ぬか漬けの塩分が気になる場合も、漬け時間を短めにし、食べる量を調整するとよいです。
アルコール臭がする
発酵が進みすぎると、ぬか床からアルコールのようなにおいがすることがあります。
底からよく混ぜて空気を入れ、冷蔵庫で保存して発酵を落ち着かせます。
においが強い場合は、いりぬかと塩を少量足して調整します。
まとめ
基本のぬか漬けは、いりぬか、水、塩、昆布、赤唐辛子でぬか床を作り、捨て漬けをしてから野菜を漬けます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、ぬか床のかたさ、漬け時間、手入れの基本を覚えれば、家庭でも続けやすい漬物です。
まずはきゅうり、なす、にんじんなどの定番野菜から始めて、好みの漬け時間や味を見つけてみてください。





















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