
フレンチの水島弘史シェフが考案した、弱火調理法で作る「餃子」のレシピをご紹介します。
たった2つのポイントをおさえるだけで、ジューシーな餡ともっちりとした皮が特徴の美味しい餃子が出来るそうです。
(一部情報元:テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」2015年9月8日放映、TBSテレビ「中居正広のキンスマスペシャル」2016年8月19日放映)
弱火調理で作る餃子

水島さんによると、家庭における餃子作りで、おさえておきたいポイントは2つあります。
- 餡は手でこねない。
- 10cc程度の少量の水を使い、弱火で焼く。
上から順番に、調理の手順や理由などを説明します。
(レシピは後ほどご紹介します。)
餡は手でこねない
餃子の餡は、手でこねるのが最も一般的です。
でも水島さんによると、これはNG。
手を使ってしまうと、肉に熱が伝わってしまうため、ジューシーな仕上がりになりません。
実は30度くらいで、肉には早くも、火が通り始めてしまいます。
ところが一方で、肉をこねること自体は、美味しい餃子を作る上で必要不可欠。
餡のジューシーさを出すには、肉をしっかりと結着させることが、とても大切です。
結着していない肉は、肉汁が出てしまい、パサパサになりがちです。
そこで水島さんがすすめるのは、手ではなく、すりこぎ棒を使って肉をこねること。
手で直接肉に触れるわけではないので、肉の温度は上がりません。
具体的には、肉に塩だけを加え、すりこぎ棒で潰すようにして肉に圧力を加えます。
そして、あたかも1枚の肉に戻ったかのように、肉同士をくっつけます。
なお、この肉のこね方は、つくねやハンバーグにも応用が効きます。
10cc程度の少量の水を使い、弱火で焼く
餃子というと、たっぷりの水を加えて一気に蒸し焼きするイメージがあります。
でもこれも、水島さんによるとNG。
家庭のあまり強くない火力で餃子を作る場合、水をたくさん加え過ぎると、皮がベチャベチャになってしまいます。
そこで水は、大さじ1程度に絞ります。
そして水は、まだ冷たい状態のフライパンに、油と一緒に入れます。
フライパンに油と水を入れ、そこに餃子を並べます。この状態で始めて点火。
餃子を蒸し上げてから、焦げ目は最後につけます。
餃子が必要以上に焦げにくいのも、水を先に加えるメリットです。
また餃子を蒸し上げる時の火力は、弱火にします。
強火で火を通すと、肉が急激に縮み、旨味や水分が出てしまいます。
少量の水を加えて弱火で火を通すと、皮はモッチリ、餡はジューシーに仕上がります。
以上のポイントを踏まえて、水島さんの餃子のレシピをまとめると、次のようになります。
水島流餃子の作り方

水島さんが考案した餃子のレシピです。
豚ひき肉 | 80g |
キャベツ | 70g |
ニラ | 10g |
おろしショウガ | 4g |
おろしニンニク | 2g |
塩(肉用) | 0.6g |
塩(野菜用) | 1g |
コショウ | 適量 |
醤油 | 3g |
ゴマ油 | 少々 |
サラダ油 | 適量 |
水 | 10g(10cc) |
餃子の皮 | 10枚 |
- 豚肉と塩(肉用)をボールに入れ、すりこぎ棒で潰すようにして肉をこねる。
- 別のボールに細かく刻んだキャベツとニラ・おろしショウガ・おろしニンニク・塩(野菜用)・コショウ・醤油・ゴマ油を入れ、菜箸でよく混ぜ、1のボールに加えてヘラで混ぜる。最後に手を使って少しだけこねて、全体をまとめる。
- 2を10等分し、餃子の皮で包む。
- 冷たい状態のフライパンに、サラダ油(大さじ1程度)と水を入れ、餃子を並べる。
フライパンにフタをして点火し、弱火で10分ほど加熱する。
最後にサラダ油をフライパンのフチから少量回しかけ、30秒くらい強火にし、焼き色をつけてカリッとさせたらできあがり。
ちなみに塩の量は、肉用と野菜用が分かれていますが、それらを合わせると、材料すべての重量の0.8%になります。
水島さんによると、この塩の量(0.8%)は、人間の体内の塩分濃度(0.8~0.9%)と同じで、人間の脳が本能的に美味しいと感じる塩加減です。
また工程2で野菜を肉に加えたら、最後に手を使って3~4回ほどこねます。
体温をちょっとだけ加えると、肉の結着が強くなります。
上のレシピ通りに作ると、ジューシーな餡ともっちりとした皮が特徴の、美味しい餃子が出来るそうです。