トルティーヤ生地の基本レシピをご紹介します。
マサ粉(とうもろこしの粉)を使った、本場メキシコ風のトルティーヤの作り方です。
小麦粉で作るフラワートルティーヤに比べて、香ばしいとうもろこしの風味と、もっちり・ほろほろとした独特の食感が魅力で、シンプルな具材でも素材の味が引き立ちます。
タコスやメキシコ料理を本格的に楽しみたい方にぴったりの、風味豊かなコーントルティーヤ。
生地のこね方や焼き方のコツまで詳しく解説しているので、初めての方でも安心です。
材料
マサ粉(Masa Harina) | 240g |
塩 | 小さじ1/4 |
ラード(またはサラダ油) | 好みで小さじ2(8g) |
ぬるま湯 | 360ml |
トルティーヤ生地(皮)の作り方
- ① ボウルにマサ粉(240g)と塩(小さじ1/4)を入れ、ラードまたはサラダ油(好みで小さじ2)を加えます。
- ② ぬるま湯(40〜45度程度:360ml)を少しずつ加えながら、手で全体を混ぜ合わせていきます。
ぬるま湯は、手を入れて熱くないくらい、お風呂の温度程度が目安です。
水分が行き渡って生地がまとまってきたら、3〜5分ほどかけてしっかりとこねます。
マサ粉の生地は、たっぷりの水分で柔らかくこねることが大切です。
小麦粉の生地よりもかなり柔らかく、手に軽くつく程度のべたつきがありますが、気にせずそのままで大丈夫です。(水分量が多い理由)
ラードがない場合はサラダ油で代用しても構いませんが、ラードを加えるとコクやしっとり感が出て、生地のまとまりもよくなります。(ラードのメリット)
- ③ 生地をこね終えたら、ヘラを使ってボウルの中で丸くまとめます。
こね上がった生地は柔らかく手に付きやすいため、手よりもヘラを使うと扱いやすいです。 - ④ ボウルにラップをかぶせ、常温で15〜30分ほど休ませます。
- ⑤ 生地を手で12等分にして、丸めます。
これでトルティーヤ生地ができました。
続いて、生地を焼いていきます。
トルティーヤ生地の焼き方
マサ粉のトルティーヤは生地が柔らかいため、薄くのばしたものをフライパンに移すのがとても難しいです。
そこでここでは、その問題を解消する2つの方法をご紹介します。
- 焼き方①
冷たいフライパンの上で直接生地をのばします。
その都度フライパンを冷ます手間はありますが、初めての方でも扱いやすいのが魅力です。 - 焼き方②
クッキングシートの上で生地をのばし、そのままフライパンにかぶせてから、上のシートをそっとはがします。
こちらは、続けて何枚も手早く焼けるのが利点です。
1つ目の方法は、一番簡単で、きれいに焼きやすいのが特長です。
初めての方は、まずはこちらから試してみるのがおすすめです。
焼き方①(初心者でも簡単!)
- ⑥ 丸めた生地1個を手のひらで少し平たくして、冷たいフライパンの中央にのせます。
ラップをかぶせて、手を使って生地を直径15センチくらいの円形にのばします。
ラップをそっとはがします。
この方法では、生地を焼くたびにフライパンを冷ましておく必要があります。
熱いままだとラップがくっついたり、生地が扱いにくくなるため、冷ました状態からのスタートがポイントです。(フライパンの冷まし方)
- ⑦ フライパンを中火にかけます。
フライパンが温まってから、両面を1分くらいずつ焼きます。
焼き目はなくても構いませんが、付けたい場合は片面にうっすらと付く程度にとどめ、焼きすぎには注意しましょう。
焼き方②(続けてどんどん焼ける!)
- ⑧ 丸めた生地1個を手のひらで少し平たくして、クッキングシートの中央にのせます。
もう1枚のシートで挟み、その上から麺棒や手で直径15センチほどの円形にのばします。
上のクッキングシートをそっとはがします。
- ⑨ フライパンを中火で熱します。
生地を下にしてフライパンにのせ、残ったクッキングシートをそっとはがします。
両面1分くらいずつ焼きます。
また、あらかじめ複数枚をのばしておけるので、サイズや厚みを揃えやすいのもメリットです。
なお、焼き上がりは、こちらも、生地が少しふっくらとして弾力が出るくらいを目安にしてください。
マサ粉のトルティーヤの完成!

- ⑩ 焼き上がったら、清潔な布巾などに包んで乾燥しにくい状態で保温します。
その間に、残りの生地も同様に焼いていきます。
焼いてから少し長く置く場合は、ビニール袋に入れて密閉しておくと、乾燥を防ぎ、やわらかさをしっかりキープできます。
日本では小麦粉を使ったフラワートルティーヤの方がポピュラーですが、本場メキシコでは、マサ粉を使ったトルティーヤが主流。
とうもろこしの香ばしい風味が、具材の味をやさしく引き立ててくれます。
素朴で風味豊かな味わいを、ぜひご家庭でも楽しんでみてください。
レシピの補足説明
トルティーヤの食べ方・使い方
焼きたてのトルティーヤは、炒めた肉や野菜、チーズなどをのせて「タコス」として楽しむのが定番です。
本場のタコスはくるくる巻かず、具材をのせたら、ふわっと半分に折るだけ。
両手で持って、こぼれないようにそっとかじるように食べるのが基本のスタイルです。
朝食には卵やアボカド、昼食や夕食には肉や豆の煮込みを包んでどうぞ。
余ったトルティーヤは、フライパンで軽く温めて再利用できます。
マサ粉の生地をたっぷりの水分でこねる理由
マサ粉を使った生地は、水分をたっぷり加えてこねる必要があり、小麦粉の生地よりもかなり柔らかくなります。
こね終わっても手に軽くつく程度のべたつきがありますが、これはしっとりとした美味しいトルティーヤを作るために欠かせない状態です。
水分が多いからこそ、焼いた後にパサつかず、ひび割れにくく、具材を包みやすい柔らかさに仕上がります。
一方で、水分が足りないと成形時にひび割れたり、焼き上がりが乾燥しやすくなるため注意が必要です。
生地はこねた後にしばらく休ませることで水分が行き渡り、扱いやすくなります。
ラードを加えるメリット
ラードを加えると生地にほんのりとしたコクと香ばしさが加わり、しっとり感も保ちやすくなります。
生地のまとまりも良くなるため、扱いやすさの面でもメリットがあります。
本場メキシコでも家庭や屋台でラードを使う例は多く、伝統的かつ実用的な工夫です。
ラードがない場合はサラダ油で代用しても構いませんし、油を加えずに作ることも可能ですが、ラード入りの方がより本格的な味わいになります。
フライパンを効率よく冷ます方法
テフロン加工のフライパンは急激な温度変化に弱いため、冷まし方に注意が必要です。
今回のように急いで冷ましたい場合は、濡らした厚手の布巾の上にフライパンの底面だけをそっと当てる方法が効果的です。
このとき注意したいのは、布巾が十分に濡れていることと、テフロン加工の面(フライパンの上面)に布巾が直接触れないことです。
布巾は綿などの耐熱性のある素材を使い、化繊の布は避けましょう。
フライパンがある程度冷めたら、底面に流水を当てると、速やかに十分に冷ますことができます。
さらに、効率よく作業を進めたいときは、予備のフライパンをもう1枚用意して、交互に使うのもおすすめです。
よくある質問(FAQ)
トルティーヤには焼き色をつけた方がいいですか?
焼き色は必須ではありません。
本場メキシコでも、トルティーヤに焼き色をつけるかどうかは家庭や用途によって異なり、必ずしも決まっていません。
それよりも、乾燥しすぎず、中がもっちりと柔らかく仕上がっていることが、美味しさの基準とされています。
焼き色をつけすぎると、焼きすぎになってしまい、生地が硬くなりやすいので注意が必要です。
香ばしさを出したいときは、片面にごく軽く焼き目をつける程度がちょうど良いでしょう。
お好みに合わせて調整してみてください。
トルティーヤ生地は作り置きできますか?生地の保存方法は?
トルティーヤの生地は、こねた後にラップでしっかり包み、密閉容器やポリ袋に入れて冷蔵庫で保存すれば、2日程度は保存可能です。
使う前に常温にしばらく置き、必要があれば軽くこね直すと、柔らかさや扱いやすさが戻ります。
ただし、時間が経つほど風味や食感が落ちやすくなるため、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
なお、冷凍保存にはあまり向いておらず、解凍時に水分が抜けて扱いにくくなることがあるため避けた方がよいです。
トルティーヤを作るとき、ぬるま湯と一緒にラード(または油)も最初に加えてしまっていいのですか?
はい、マサ粉を使ったトルティーヤの場合は、ぬるま湯とラード(またはサラダ油などの油脂)を同じタイミングで加えて構いません。
これは、小麦粉を使ったパン生地のようにグルテンを形成させる必要がないためです。
パンの場合は、油脂を早い段階で加えるとグルテンの形成を妨げてしまうため、水分でこねたあとに油を加えるのが一般的です。
一方、マサ粉はグルテンを含まないため、こねの順番にこだわる必要はありません。
むしろ、ラードなどの油脂を最初から加えることで、全体に水分が均一に行き渡りやすくなり、生地のまとまりやすさや、焼き上がりのしっとり感が向上します。
マサ粉は開封後どのように保存すれば良い?

常温でも湿気が少なく直射日光の当たらない場所なら保管できますが、日本の夏場など高温多湿な時期は、冷蔵保存を推奨します。
また、空気に触れると風味が落ちやすいため、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
目安としては開封後1〜2か月以内がおすすめです。
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