
冷凍のプロ、東京海洋大学教授の鈴木徹さんがすすめる、アサリの賢い冷凍保存の方法をご紹介します。
ごく一般的な方法は、アサリを保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れます。
でも鈴木さんの方法は、アサリを水に浸して冷凍保存します。
そして解凍する時は、凍ったまま鍋に入れ、一気に加熱します。
アサリを水に漬けると、空気に触れないので酸化が止まり、3ヶ月ほど日持ちするそうです。(一般的な方法で冷凍すると、アサリは2〜3週間ほどしか持ちません。)

ちなみに鈴木さんは、冷凍庫学の専門家で、「かんたん 節約 すぐできる おいしい! 冷凍保存レシピ」をはじめとする冷凍技術をいかしたレシピ本を執筆しています。
(一部情報元:テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」2016年3月1日放映、日本テレビ「ヒルナンデス」2018年1月24日放映)
あさりの冷凍・解凍法

鈴木さんがすすめる、アサリの賢い冷凍・解凍法です。
あさり | 適量 |
- 【冷凍】アサリは保存容器に入れ、ひたひたの水に浸し、冷凍する。
- 【解凍】凍ったままのアサリを鍋に入れ、一気に加熱する。
以上の2点について、詳しく説明します。
アサリは水に浸して冷凍する
アサリは、砂抜きをした後に、ひたひたの水に浸して冷凍保存します。
(砂抜きの方法はリンク先を参考にしてください。)
水に浸す理由は、アサリの乾燥を防ぐため。
アサリは、殻と身の間に隙間があるので、とても乾燥しやすいようです。
ちなみに水に漬けずに冷凍すると、身がカラカラになってしまので、要注意です。
凍ったままのアサリを一気に加熱して解凍
凍らせたアサリは、そのままの状態で鍋に入れ、一気に加熱して解凍します。
ちなみに、冷蔵庫に入れるなどしてジワジワ解凍するのはNG。
温度変化をゆるやかにすると、貝柱のところにある蝶番(ちょうつがい)のタンパク質が壊れるため、殻が開かなくなってしまいます。
凍ったまま鍋に入れ、一気に温度を上げると、殻がちゃんと開きます。
なおこの冷凍・解凍法は、他の2枚貝にもおすすめです。
ハマグリ・シジミ・ムール貝なども、同様の冷凍・解凍法で美味しくなります。
あさりを冷凍保存するのが良い理由

まずは、アサリを冷凍保存する理由を、鈴木さんのお話をもとに簡単に説明します。
アサリの細胞の中には、旨味エキスが閉じ込められています。
アサリが生の場合は、この旨味エキスが、細胞の中から出て来にくい状態になっています。
でも冷凍すると、エキスが出やすくなります。
アサリの身の中に氷ができ、細胞が壊れるからです。
話をまとめると、アサリを冷凍する理由は、保存出来るだけでなく、ダシが濃く出るようになるため、美味しい料理が作れるからです。
続いて、鈴木さんがすすめる、アサリの冷凍・解凍法をご紹介します。
冷凍あさりのおすすめ料理
最後に、鈴木さんがすすめる、アサリの調理法をご紹介します。
調理のポイントは、解凍して溶けた水も一緒に、料理に活かすこと。
水の中に、アサリの旨味が溶け出しているためです。
アサリの酒蒸しやアサリのパスタなどにすると、溶け出した旨味も一緒に、美味しくいただけるそうですよ。
料理の一例として鈴木さんがすすめる「アサリの酒蒸し」をご紹介します。
冷凍アサリ(※) | 適量 |
にんにく | 適量 |
油 | 適量 |
酒 | 適量 |
醤油 | 適量 |
ねぎ | 適量 |
※冒頭で紹介した水に浸して冷凍したアサリを使用。
- 鍋ににんにく(みじん切り)と油を入れ、にんにくの香りを立たせる。
- アサリを凍ったまま加え、口が開いたら酒・醤油で味を付ける。
- 2を皿に盛り、ねぎ(小口切り)をのせたらできあがり。
調理のポイントは、冷凍庫から出したら、急速に熱をかけることです。
解凍に時間をかけると、貝のタンパク質が劣化して口が開かなくなってしまうので、その前に一気に加熱します。