昆布の保存。常温でもOKだが冷凍なら更に安心。表面の白い粉は旨味の元

昆布の保存・冷凍・賞味期限


昆布の保存方法について解説します。

昆布を保存する際のポイントは、次の3点です。

  • 乾燥状態の昆布は常温で保存できるが、冷蔵・冷凍ならさらに安心。
  • 昆布の表面の白い粉は、カビではなく美味しさの元になっている成分なので、取り除かずに保存する。
  • 戻した昆布や生食用の昆布を長期保存したい場合は、冷凍が便利。

詳しくお伝えします。

昆布の常温保存

乾燥させた昆布は、常温でもかなり日持ちする、便利な食材です。

常温での日持ちは1年ほど。
室内の比較的涼しい場所(冷暗所)を選び、しっかりと密閉して乾燥状態をキープすれば、カビが生えることもありませんし、腐る事もありません。

また、袋に記載された賞味期限までに食べきるのが基本ですが、仮に賞味期限が切れたとしても、すぐに食べられなくなるわけでもありません。

高温多湿は避ける

ただ、その反面、高温多湿にはとても弱いです。
気温の高い場所や日の当たるところに放置したり、あるいは十分に密閉されないまま湿気させてしまうと、風味がガタッと落ちてしまいます。

そのため、昆布を保存する際には、気温の低い場所を選びつつ、湿気対策を怠らないことが大切です。

昆布の保存の仕方
昆布をしっかり密閉できるのなら、買ってきた袋のままでもいいですし、ビンなどの保存容器に入れ替えてもOK。

長期保存したい場合は、乾燥剤を一緒に入れておくとより安心です。


昆布の冷蔵・冷凍保存

このように、昆布は、常温保存が可能な食材です。
とは言え、冷蔵や冷凍するメリットも実は十分にあって、常温よりもさらに安心して保存することができます。

室内の温度や湿気に左右されない

冷蔵庫や冷凍庫に入れると、低温で安定的に保存できるので、気温が上がりやすい夏季でも昆布の劣化が抑えられます。

また、冷蔵庫の庫内は常に乾燥した状態になっています。
そのため、昆布が湿気にくいという良さもあります。

こうしたことから、庫内に隙間があるのなら、通年を通して、冷蔵もしくは冷凍しておくのがおすすめです。
その際には、昆布を袋や容器などに入れてしっかり密閉したうえで保存してください。

冷蔵と冷凍の違い

なお、使い勝手の面では、冷蔵した昆布も冷凍した昆布も同じです。
乾燥状態の昆布は冷凍庫に入れてもカチコチに凍るわけではないので、冷蔵した場合と同様にすぐに料理に使えます。

ただ、保存性の面では、冷凍庫の方がやや優れています。
冷凍庫の方が低温で保存できる分、昆布の質をより保ちやすくなります。

昆布の白い粉

カビのように見える昆布の白い粉

ところで、昆布の表面に白い粉がたくさん付いていることがありますが、これはカビではありません。
「マンニット」と呼ばれる糖類で、昆布の旨味の元となっている成分の1つです。
これをカビだと勘違いして取り除くと、せっかくの昆布の風味が薄まってしまうので、注意が必要です。

本物のカビとマンニットの違い

なお、本物のカビの場合は、少し黒っぽかったり青っぽかったり緑っぽかったりする部分が混ざっていて、こんなに綺麗な白色ではないので、容易に区別できると思います。

また、本物のカビである場合は、昆布が湿気っていて、カビが生えやすい条件が整っている場合が多いです。


戻した昆布の保存

水で戻して柔らかくした昆布の保存・冷凍

最後に、戻した昆布の保存方法についてお伝えします。

出汁を取るなどして戻した昆布は、常温では保存できません。
また、ラップや保存袋で密閉して冷蔵庫に入れたとしても、日持ちはせいぜい3〜4日です。

戻した昆布を長期で保存したい場合は、ラップで包んだうえで保存袋に入れて、冷凍するのがおすすめです。
そうすると、1ヶ月ほど日持ちするようになります。

だし用の板状昆布にかぎらず、乾燥刻み昆布を戻したものや、生食用として売られている切り昆布の場合も、まったく同じです。

水で戻した乾燥刻み昆布
戻した乾燥刻み昆布
切り昆布(生)
生食用切り昆布

柔らかい昆布だったらどのような形状でも、使いやすいように小分けにしたうえで密閉して冷凍すれば、1ヶ月間いつでもすぐに使えます。

冷凍した昆布を加熱調理する場合は、解凍は不要。
凍ったままの状態で鍋に入れて、調理することができます。

昆布佃煮
たとえば、冷凍した昆布を使うと、「昆布の佃煮」も簡単に作れます。

あらかじめ調理しやすく刻んでから冷凍しておけば、わざわざ解凍してから切る必要がないため、大変便利です。


昆布の佃煮の味付けなどについては、リンク先を参考にしてください。
リンク先のレシピでは冷凍していない生の昆布を使っていますが、冷凍した昆布でもまったく同じように作れます。


以上、昆布の保存方法についてお伝えしました。

  • 乾燥状態の昆布は常温で保存できるが、冷蔵・冷凍ならさらに安心。
  • 昆布の表面の白い粉は、カビではなく美味しさの元になっている成分なので、取り除かずに保存する。
  • 戻した昆布や生食用の昆布を長期保存したい場合は、冷凍が便利。

昆布を保存するにあたっては、この3点を押さえておくといいですよ。

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