レーズン酵母を使った元種の作り方と、その元種を使ったパンのレシピをご紹介します。
レーズンを使って少し時間をかけて天然酵母を起こし、それを使ってパンを焼くと、市販のドライイーストでは出せない深みのある味に仕上がります。
完成するまでの時間は、季節(主に気温)によって若干変わってきますが、手をかける価値がありますよ。
材料
好みのレーズン | 適量 |
はちみつ又は砂糖 | ティースプーン2〜3杯 |
広口ビン | 容量600ml程度1個 |
レーズン酵母元種 | 150ml |
強力粉 | 200g |
全粒粉 | 100g |
ブラウンシュガー | 小さじ1 |
塩 | 小さじ7/8 |
水 | 少々 |
レシピ・作り方
- ① 広口ビン(容量600ml程度)を熱湯消毒して、冷まして乾燥させます。
- ② レーズンをビンの容量の半分以上入れ、はちみつ又は砂糖(ティースプーン1杯)を加えます。
水を口ぎりぎりまで注ぎ、フタをきっちり閉めて、冷蔵庫(野菜室)に2日入れます。
乳酸菌の増殖を促し、他の微生物の増殖を抑える目的があります。
- ③ 2日後、フタを開けてスプーンで軽く混ぜ、再びフタをきっちり閉めて、室内の暖かいところに置きます。
この日から毎日1回、この作業を繰り返します。 - ④ 酵母が増殖し、働きが活発になると、プチプチと泡が出てきます。(上の写真)
この泡の出方に活気がなくなったら、酵母のエサになるはちみつ又は砂糖(ティースプーン1杯)を加え、軽く混ぜます。 - ⑤ 泡の出方に活気がなくなったら、はちみつ又は砂糖(ティースプーン1杯)を加える作業を1〜2回繰り返して、泡の出方を活発にしていきます。
- ⑥ 7日ほど経ち、泡が盛んに出ている状態になったら、酵母の活動が非常に活発になった証拠です。
ビンの中身をザルに上げ、液体だけにしたら、レーズン酵母の元種の完成です。
- ⑦ レーズン酵母元種(150ml)・強力粉(200g)・全粒粉(100g)・ブラウンシュガー(小さじ1)・塩(小さじ7/8)をボールに入れ、ざっくりとまとめます。
生地がまとまりそうにない場合は、水(少々)を加えます。 - ⑧ 生地がまとまったら、なめらかになるまで3分ほどこねます。
- ⑨ ボールにラップをかぶせて、生地が約2倍に膨らむまで常温に置きます。
(5月末の少し寒い日で、12時間くらいかかりました。)
- ⑩ オーブンの天板の上にクッキングシートを敷き、丸く成形した生地をのせます。
この時、生地のガス抜きはしません。 - ⑪ オーブンの中に入れ、常温で、生地が1.5倍くらいに膨らむまで置きます。
(5月末の少し寒い日で、1時間半くらいかかりました。) - ⑫ 天板をオーブンから取り出し、オーブンを200度に温めます。
天板ごと入れ、200度で10分焼き、170度で25分焼いたら完成です。
レーズンに付着していた酵母のおかげで、味わい深いパンができました。
市販のイーストを使ったパンと比べたら、やはりダンゼン奥行きのある豊かな味がします。
外はパリッとしていて中はもっちりとした、ほんのりとレーズンの味がするパンです。
レシピの補足説明
天然酵母とドライイーストのパンの違い
自然界には、様々な特徴を持った天然酵母(野生酵母)が存在しています。
ですから、今回のようにそうした酵母を起こして使うと、その分、豊かな風味に仕上がります。
一方の市販のイーストは、パンを膨らませる力が強い酵母だけを人工培養しています。
そのためどうしても、酵母の特徴が偏ります。
しかも短時間でパンを発酵させるので、身近な自然酵母を、パン生地に呼び寄せる時間の余裕もありません。
だからどうしても味に、奥行きがなくなってしまいます。
とはいえ、ドライイーストは便利ですから、天然酵母とドライイーストはケースバイケースで使い分けると良いと思います。
グリーンレーズンについて
なお、今回、レーズン酵母を作るために使用したのは、中国の新疆ウイグル自治区で採れたグリーンレーズンです。
新疆ウイグルを旅行した際に、現地で買ってきました。
新疆ウィグルの砂漠地帯は、良質なブドウの産地です。
その中でもとりわけ「トルファン」という街は、メインストリートの上部がブドウ棚になっているほど、ブドウが有名です。
色とりどりの干しブドウは、まるで翡翠やルビー・ガーネットといった宝石のように、とても美しく見えました。
さて、そんなトルファンのレーズンの中でもとりわけ有名なのは、グリーンレーズンです。
グリーンレーズンは、日本のスーパーなどではなかなか買えませんが、とても美味しい干しブドウです。
ヨーグルトのようなまろやかな風味があります。馴染みのある紫色の干しブドウに、ヨーグルトを加えて混ぜあわせたような味がします。
私は、グリーンレーズンがとても好きです。