家庭にある一般的な卵焼き器を使って、伊達巻らしい甘みとなめらかな食感に仕上がる、基本の伊達巻レシピです。
卵を泡立てない混ぜ方、生地をなめらかにするこし方、蒸し焼きの焼き加減と巻き方まで、失敗しにくい手順に整理しました。
冷めても食感が変わりにくく、作り置きにも向いたレシピです。
味がなじむ翌日以降が食べ頃になります。
材料
| 卵 | 4個 |
| タラのすり身 | 80g |
| だし汁 | 大さじ1と1/3 |
| 砂糖 | 大さじ2と1/3 |
| みりん | 小さじ2 |
| 塩 | 小さじ1/8 |
| 生姜(絞り汁) | 小さじ1/8 |
| サラダ油 | 適量 |
※この伊達巻は、ごく一般的なサイズの卵焼き器(内径18cm×13cm)で作れます。卵焼き器のサイズを変えたい場合は、下のFAQを参考に材料の分量を変更してください。作り方はまったく同じです。
伊達巻のレシピ・作り方
巻きすを用意する
- ① 焼き上がったらすぐ巻けるよう、巻きす(伊達巻用でも普通の巻きすでも可)をあらかじめ用意します。
山(盛り上がっている側)を上にして、作業台の上に広げて待機させておきます。
すり身にだしを加えて練る

- ② タラのすり身(80g)は、必ず冷えた状態でボウルに入れます。
だし汁(大さじ1と1/3)を少しずつ加え、その都度ヘラでよく練って均一にします。
だしを一気に入れるとダマになりやすいので、少量ずつ加えてなじませてください。
冷えた状態で使うことで粘りを保ったまま練ることができ、焼いたときにしっとりした食感に仕上がります。
卵を泡立てずに混ぜる

- ③ 別のボウルに卵(4個)を割り入れます。
ボウルの底に菜箸を付け、「一の字」を描くように白身を切る意識で混ぜ、泡立てずに全体を均一にします。
泡を立てないように混ぜることで、なめらかな焼き上がりになります。
卵液に調味料を加える
- ④ 卵液に砂糖(大さじ2と1/3)・みりん(小さじ2)・塩(小さじ1/8)・生姜の絞り汁(小さじ1/8)を加えます。
調味料がしっかり溶けるまで、泡立てないよう切るように混ぜます。
生姜の風味が前に出ないよう、ほんのり感じる量にします。
卵液とすり身を合わせる
- ⑤ 卵液をすり身の入ったボウルに少しずつ加え、その都度ヘラで底から返すように混ぜてなじませます。
少しずつ加え、泡をできるだけ作らないように混ぜることで、なめらかな生地に仕上がります。
生地をこして休ませる
- ⑥ 生地を目の細かいザル(もしくは濾し器)で一度こします。
こした生地は軽く2〜3回混ぜてなじませ、5分ほど置いて落ち着かせます。
表面に大きな気泡があれば、スプーンで取り除きます。
また、少し休ませることで生地が落ち着き、焼いたときに気泡が出にくくなります。
卵焼き器を温める

- ⑦ 卵焼き器(内径18cm×13cm)を弱めの中火で温めます。
温まったら、ペーパーでサラダ油(適量)を薄く塗り広げ、余分はきれいに拭き取ります。
生地を流して蒸し焼きにする
- ⑧ 生地を一気に流し入れ、四隅まで均一に広げます。
すぐに火を弱火に落とし、フタをして7〜9分ほど蒸し焼きにします。
フタがない場合はアルミホイルでぴったり覆ってください。
火通りを見極める

工程⑧の焼き上がりの目安は、この写真くらいです。
縁がしっかり固まり、中央が「半熟の膜が張って揺れる」程度になったら、次の工程に進みます。
裏返して焼く
- ⑨ フタを外し、フライ返しを生地の下に差し込み、底面がきれいに固まっていることを確認します。
平らな皿にスライドさせて取り出し、皿ごと手早くひっくり返して卵焼き器に戻します。
中まで火を通す
- ⑩ ひっくり返したらすぐに弱火でフタをし、2〜3分ほど蒸し焼きにして中まで火を通します。
竹串を中心に刺し、さらっとした汁が出なければ焼き上がりです。
ここで付ける焼き色は薄めで、濃く付けないようにします。
巻きすで巻く
- ⑪ 焼き上がったらすぐに巻きすの上に取り出し、焼き色の付いた面(最初に焼いた面)を内側にして縦方向(短辺側から)に巻きます。
巻き始めは少し強めに締めて芯を作り、その後は均一な力で転がすように巻いてください。
形を固定して冷やす
- ⑫ 巻き終わりを下にして置き、巻きすの上から輪ゴムを2〜3本かけて形を固定します。
粗熱が取れたら、そのまま冷蔵庫でしっかり冷やします。
冷める間に形と渦が安定します。
食べ頃は、味がよく馴染んだ翌日以降です。
伊達巻の完成!

- ⑬ 好みの厚さに切り、器に盛り付けたら完成です。
切る直前に包丁を水でぬらし、切るたびに刃を軽くふきながら切ると、断面がきれいに出ます。
伊達巻は一見むずかしそうに見えますが、ポイントを押さえれば家庭でも安定して作れます。
おせちにはもちろん、少し丁寧に作りたい日の一品としても使いやすい伊達巻です。
よくある質問(FAQ)
卵焼き器のサイズが違っても作れますか?
このレシピは一般的な家庭用サイズ(13cm×18cm)を基準にしていますが、卵の個数を調整すれば、他のサイズの卵焼き器でも作れます。
15cm×18cmの卵焼き器を使う場合は、卵を5個分にします。
その場合、卵の増加分(約1.25倍)に合わせて、タラのすり身やだし、砂糖、みりん、塩、生姜など他の材料もすべて同じ比率で増やしてください。
18cm×18cmの正方形の卵焼き器を使う場合は、卵6個分が目安になります。
この場合も、卵を1.5倍にした分、他の材料もすべて1.5倍にします。
卵焼き器の大きさに合った分量で作ることで、火通りや食感のバランスがよく仕上がります。
伊達巻は何日くらい日持ちしますか?保存方法も教えてください。
この伊達巻は、冷蔵保存で3〜4日ほど日持ちします。
粗熱をしっかり取ってからラップで包み、さらに保存容器に入れて冷蔵庫で保存してください。
作った翌日以降のほうが味がなじみ、しっとりした食感になります。
切るのは、食べる直前がおすすめです。
冷凍保存も可能ですが、解凍時に水分が出やすく、食感がやや変わります。
伊達巻らしいなめらかな食感を保ちたい場合は、冷蔵保存がおすすめです。
伊達巻は、はんぺんではなくタラのすり身で作る理由は何ですか?
はんぺんでも伊達巻は作れますが、仕上がりの風味や食感は、すり身を使った場合とは異なります。
はんぺんを使うと、魚の風味がやや控えめになり、食感はつるんとした印象になります。
その分、卵の風味が前に出やすく、伊達巻というより卵料理に近い仕上がりになります。
タラのすり身を使うと、魚の旨みと適度な弾力が加わり、伊達巻らしい味と食感に仕上がります。
このレシピでは、伝統的な伊達巻の風味を重視して、すり身を使用しています。
なお、タラのすり身の作り方は、リンク先で詳しく解説しています。



























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