とうもろこしの主成分は、タンパク質や糖質(炭水化物)で、野菜の中ではやや高カロリーです。
また、ビタミンB群やカリウムなどのミネラルも多く、食物繊維も豊富に含まれています。
栄養は鮮度でほぼ決まる
とうもろこしはとても栄養価が高い食材ですが、一方で、時間の経過とともに栄養がどんどん失われていくこともわかっています。
収穫後24時間経つと栄養は半減すると言われています。
栄養とともに甘みも激減してしまうので、とにかく新鮮なうちに食べることが大切です。
まずは、とうもろこしの主要な栄養素の効能を見ていきましょう。
タンパク質は豊富だがバランスに欠く
タンパク質は、体内でエネルギー源となるほか、筋肉・血管・血液・骨・皮膚といった体の組織を作る主要な成分です。
人の身体を作っているタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、これらのアミノ酸は、体内で合成することができない9種類の「必須アミノ酸」と、体内で合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分類されます。
必須アミノ酸は、体内で作ることができないため、食事から摂取しなければなりません。
とうもろこしは、非必須アミノ酸である「アスパラギン酸」や「グルタミン酸」が多く含まれているものの、必須アミノ酸の1つである「リジン」が少なく、ややバランスを欠いているのが特徴です。
- アスパラギン酸
⇒ 疲労回復効果 - グルタミン酸
⇒ 脳の機能を活性化 - リジン
⇒ 疲労回復・集中力アップ
ですから、とうもろこしのタンパク質を期待するのなら、リジンを多く含む肉や魚や卵なども一緒に摂ると、栄養のバランスがよりアップします。
ビタミンB群の疲労回復効果
また、とうもろこしには、ビタミンB1・B2などが豊富に含まれています。
これらの栄養素は、とうもろこしの主要成分である糖質や脂質の代謝をスムーズにし、エネルギー代謝を良くするため、疲労回復に役立ちます。
食物繊維の宝庫
さらには、とうもろこしは、食物繊維も豊富です。
とうもろこしの粒を覆う皮に最も多く含まれており、腸内環境や便秘の改善、大腸がんの予防などの効果が期待できます。
ルティンが目に効く
少し珍しい成分としては、「ルティン」も健康に役立ちます。
ルティンは、天然色素成分カロテノイドの一種で、とうもろこしの黄色のもとになっています。
この成分は、ブロッコリーやほうれん草、卵黄などにも含まれていて、視力や目の健康を維持したり、くすみやシミなどの肌荒れを防ぐ効果があると言われています。
実の付け根が一番栄養豊富
ところで、とうもろこしの部位の中で、一番栄養が豊富なのは、実の付け根の部分です。
実の付け根の部分は、とうもろこしの「胚芽」の部分で、不飽和脂肪酸であるリノール酸をはじめ、ビタミンB1・B2、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維なども一番豊富に含まれています。
意外と食べ残してしまいがちですが、きっちり食べ切るのがおすすめです。
実を外して料理に使う時は、包丁でざっくり削ぐのではなく、粒をつぶさずに根元からきれいに取る方がいいです。
- 【○】根元からキレイに取る
- 【△】ざっくり削ぐと根元が残る
芯とひげの栄養も豊富
また、普段捨ててしまいがちな部位としては、ひげや芯なども挙げられます。
実は、これらの部分もビタミンB1・B2・ビタミンC・カリウムなどの栄養が豊富ですし、旨味もあります。
ひげや芯の栄養を無駄なく摂るレシピとしては、「ひげと芯も使ったトウモロコシの炊き込みご飯」がおすすめです。
ビタミンB1は、すでにお伝えした通りご飯の糖質の代謝をサポートするので、ご飯との相性は特にぴったりです。
ひげはカリウムが豊富で、漢方では「南蛮毛」と呼ばれ、利尿作用や血圧降下作用があると言われています。
「とうもろこしのひげ茶」のレシピも合わせて参考にしてください。
とうもろこしの理想的な加熱法
また、とうもろこしの栄養を手軽に無駄なく摂取したいのなら、レンジで加熱が一番おすすめです。
とうもろこしの主要な栄養素であるビタミンB1やビタミンB2は、水溶性の成分なので、水を使って茹でるよりもレンジで加熱する方が、栄養の損失が少なくおさえられます。
しかも、茹でるより味が濃くて美味しいです。
皮なしなら水で濡らしてふんわりとラップをします。
加熱時間の目安は、とうもろこし1本につき、500〜600wで5分。
詳しくは、「とうもろこしをレンジで加熱する方法」をご覧ください。