米粉を使ったふっくらとしたパンのレシピをご紹介します。
最近は、普通のスーパーでも、製菓用の米粉をよく見かけるようになりました。
米粉を使った洋菓子やパンが、皆に認められている証拠でしょうか。
私は、数年前(2007年頃)に、初めて製菓用米粉を使ったパンづくりに挑戦したのですが、出来上がったパンにがっかりして、その後、パンづくりには米粉を使わなくなりました。
一般的な小麦粉のパンとくらべると、製菓用米粉だけでつくったパンは、あまりふっくらとしなかったためです。
小麦粉にはグルテンというタンパク質が含まれていて、それに水を加えてこねることで粘性が生まれ、さらにそれに酵母が関わることでパンはふっくらと膨らみます。
でも米粉には、このグルテンがないため、一般的なパンのようにふっくらとは膨らまないんです。
グルテン粉を加えて米粉パンをつくったら、ふっくらとした美味しいパンができるかな?そう思いました。
レシピとできあがりの印象をお伝えします。
また、記事の後半では「グルテンの作り方」も合わせてお伝えします。
ふっくらとした「米粉パン」のレシピです。
シトギミックスには、あらかじめグルテン粉が20%配合されています。
材料
製菓用米粉 | 200g |
グルテン粉 | 50g |
塩 | 小さじ5/8 |
ブラウンシュガー | 大さじ1 |
ドライイースト | 小さじ2/3 |
ぬるま湯 | 適量 |
レシピ・作り方
- すべての材料をボールに入れ、耳たぶくらいの柔らかさの滑らかな生地になるまで手でこねます。
- ボールに入れたままラップをかぶせ、オーブンの発酵機能(35~40度)を使って、約40分発酵させます。
- 天板にクッキングシートを敷き、生地の形を整えてのせ、ふんわりとラップをかぶせます。
オーブンの発酵機能(35~40度)を使って、約20分発酵させます。 - オーブンから天板を取リ出し、180度に温めます。
天板ごとオーブンに入れ、35分ほど焼いたら完成です。
相変わらず私のパンづくりはテキトーですが、ちゃんとパンができました。
それはきっと優秀な酵母のおかげでしょう。
ドライイーストの酵母は、天然酵母以上に、パンを膨らませる能力に長けています。
いい加減な私の性格にも対応してくれる、心の広いドライイースト君、本当にありがたいです。
もっちりとしたおいしいパンが出来ました。
出来上がったパンは、米粉100%のパン、つまりグルテンフリーのパンとはまったく違う出来栄えでした。
この小麦グルテン入りの米粉パンだったら、小麦のパンしか食べたことがない方にも、すんなりと受け入れられると思いました。
今回、私は、製菓用の米粉(100%米粉)にグルテン粉を混ぜてパンをつくりました。
でも、先にご紹介した米粉パン用ミックス粉「シトギミックス」を使えば、あらかじめグルテン粉が入っていますから、これだけで美味しい米粉パンがつくれます。
ぜひお試しください。
グルテンの作り方
最後に、小麦グルテンの作り方を解説します。
グルテンは、自宅で簡単に作れます。
ただ、手作りのグルテンをもとに、パウダー状のグルテン粉(上の写真)を作ることはできません。
グルテン粉に水を加えて練った状態のものができます。
材料
強力粉 ※ | 好みの量 |
塩 | 強力粉300gにつき小さじ1程度 |
- 使用する小麦粉は、グルテンの含有量が多い強力粉がおすすめです。
作り方
- 小麦粉と塩をボールに入れ、水を加えてしばらくこねます。水の量は生地がまとまる程度で適当でかまいません。
この工程では、グルテンの形成を助けるために、少量の塩を加えます。塩の量はパンを焼く時に入れるくらいで良いです。 - 生地がまとまったら、水がたっぷりと入ったボールの中に入れて、もみ洗いします。
水が白く濁ったら、ボールの中の水をかえて、さらにもみ洗いします。
パン生地をもみ洗いするって、なかなか新鮮な体験かもしれません。途中で「こんなことして良いのかな?」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。この通りに続けてください。 - 水をかえて生地を揉んでいるうちに、手の中にブヨブヨしたものが残ります。これがグルテンです。
水が白濁しなくなったら、グルテンの抽出完了です。
小麦粉からグルテンを取り出す作業は、ちょっとしたワクワク感があります。
子供ウケがとても良いですよ。
私は以前、「グルテンの抽出」をメインテーマにして、料理教室を催したことがあります。
教室の最後には、このグルテンを使って「コーフーカツ」をつくりました。
「コーフーカツ」とはマクロビオティックでよくつくられるお料理です。
抽出した小麦グルテンを蒸して、蒸し上がったものをさらにだしや醤油などで煮て、それにフライの衣をつけた揚げ物です。
マクロビオティックでは基本的に動物性の食材を使わないので、この「コーフーカツ」はマクロ流のとんかつと言われています。
一般ウケの良いマクロビオティックメニューの1つです。