ゆで卵の殻むきの簡単な方法を動画でご紹介します。
卵の殻がむきにくいと感じている方におすすめの剥き方です。

冷水に浸す方法が効果的な理由は次の2つです。
- 急激な温度変化にさらすことで、殻と中身が収縮してズレる。
- 殻が冷えることで、中身の方から出てきた水蒸気が冷やされて、殻と中身の間に水がたまる。
この2つの理由により、殻と中身が離れやすくなので、殻が剥きやすくなります。
さらに、冷水に浸しながら卵の殻にヒビを入れると、剥きやすさがアップ。
割れ目から水が浸入して、殻と中身の間に染み込み、すべりがよくなるので殻が剥がれやすくなります。
そして、さらなる剥きやすさを追求するのなら、プラスアルファの選択肢がいくつかあります。
- 茹でる前に、殻に軽くヒビを入れる
- 茹でる前に、殻に穴を開ける
- 茹でた後に、タッパーに入れて振る
- 茹でた後に、殻に穴を開けて息を吹き込む
これらの方法は、冷水に浸す方法と併用すると効果が高まります。
中でも一番剥きやすいのは、殻に軽くヒビを入れる方法です。
その理由と、それぞれのやり方について、おすすめ順に詳しくお伝えします。
(一部情報元:TBSテレビ「この差って何ですか?」2019年6月18日・2016年3月20日、日本テレビ「得する人損する人」2015年5月8日、テレビ朝日「家事ヤロウ!」2018年7月6日放映)
卵にヒビを入れるおすすめ!
卵の殻むきを楽にする一番おすすめの方法は、卵にあらかじめヒビを入れる方法です。
もちろん、茹でた後に冷水に浸けるのも忘れずに。
ここでは、ゆで卵の早むき名人、「煮卵屋 松ばや」の石塚貴之さんがすすめる、殻の剥き方をご紹介します。
卵 | 適量 |
- 卵の殻のカーブが緩やかな方にスプーンを使ってヒビを入れ、普通に茹でる。
- 茹で上がったら冷水に浸し、水の中で殻にヒビを入れる。殻をむく。
【工程1】
まず、卵の殻のカーブが緩やかな方に、スプーンを使ってヒビを入れます。
ヒビを入れるところは、卵の尖った方ではなく、カーブがゆるやかな方だけです。
ゆるやかな方には「気室」という空洞があるので、少々のヒビでは、中身が漏れません。

ヒビが少しでも入ったら、もうそれ以上叩く必要はありません。

ですから、軽く叩いて一度ヒビが入ったら、もうそれ以上叩かないのがおすすめです。
叩きすぎなければ、白身が出ることはほぼありません。
殻にあらかじめヒビを入れると、ゆで卵が殻にくっつくのを防ぐことができるので、殻がむきやすくなります。
では、ゆで卵が殻にくっつくのはなぜでしょうか?
その原因は、白身に含まれる二酸化炭素にあります。
二酸化炭素が熱で膨張すると、白身が膨らみ、殻の内側にある薄皮に張り付いてしまいます。
でも、殻にヒビを入れて二酸化炭素の逃げ道を作っておくと、白身と薄皮がくっつくのを防ぐことができるので、殻がむきやすくなるというわけです。
卵にヒビが入ったら、普通に茹でます。
ちなみに、ゆで卵を失敗せずに作るには、湯から茹で始めるのがおすすめです。
沸騰した湯にお玉などを使ってそっと入れ、お好みの固さになるまで茹でます。
できあがりの固さに応じた茹で時間は、下の写真の通りです。
とろとろ
半熟
柔らかめ
普通
普通
固め
固ゆで
しっかり
もし茹で方が分からない場合は、「ゆで卵の作り方」という記事をご覧ください。
【工程2】
卵が茹で上がったら、たっぷりの冷水に浸します。
そして、水の中で卵をボールに押し当てて再びヒビを入れ、殻をむきます。
茹で上がった卵を冷水に浸し、水の中で表面にヒビを入れると、殻がむきやすくなります。
茹でる前に殻に軽くヒビを入れたうえで、茹でた後に冷水の中で更に殻を割る。
この方法が、卵の殻をむく方法の中で一番おすすめです。
生卵にヒビを入れても大丈夫?と疑問に思うかもしれませんが、卵を叩きすぎなければ、白身が出ることはほぼありません。
ただ、ヒビを入れすぎれば白身が少し漏れることもあるので、この点を了解したうえで、試してくださいね。
茹でている間にヒビを入れる方法

こちらは、先に紹介した方法よりもやや効果が低いですけど、悪くありません。
半熟だったら茹で上がる30秒前くらい、固茹でだったら茹で上がる1分前くらいに、スプーンやヘラなどで軽く叩いてヒビを入れます。
ただ、こちらもあまり叩きすぎないように注意してください。
卵に穴をあける

続いては、卵の殻にあらかじめ穴を開ける方法です。
先に紹介したヒビを入れる方法よりも、殻むきにやや時間がかかりますが、ある程度の効果があります。
殻がむきやすくなる理屈は、先に紹介した方法とまったく同じ。
卵に穴を開けることで、卵の中にある二酸化炭素の逃げ道ができるので、卵が殻にくっつきにくくなります。
ただ、殻を破る面積が小さい分、ヒビを入れるよりも効果を感じにくいです。
- 卵の殻のカーブが緩やかな方に、画びょうなどを使って穴をあけ、普通に茹でる。
- 卵を冷水に浸し、殻をむく。(水の中で殻にヒビを入れると、よりむきやすくなる。)

先の尖った方ではなく、ゆるやかにカーブしている方です。
先に紹介したヒビを入れる方法と同じ部分です。
ちなみに、殻に穴を開けるのは、意外と簡単です。
画びょうの先端を卵に押し当ててしばらくグリグリ動かすと、卵を割らずにスンナリと穴を開けることができます。
画びょうが無い場合は、ピンや縫い針でも代用できますし、ダイソーなどの100均やネットで販売されている卵の穴あけグッズ(上の写真)を使ってもいいです。
詳しくは、下のリンク先をご覧ください。
この方法を詳しく解説しています。
タッパーに入れて振る
こちらは、タッパーに入れて振る方法。
この方法は、テレビで「一番簡単な殻のむき方」として話題になったことがあります。
ただ、欠点もあります。

卵をタッパーごとしっかり振る方法なので、ゆるゆるの半熟卵を使うと、こんな悲惨なことにもなります。

ですから、振るときの力加減がとても大事です。
この方法を試すのなら、少し慎重に作業してください。
とは言え、慣れて力加減が分かれば、一度にたくさんの卵の殻がむけることも事実です。
- 卵を普通に茹で、冷水に30秒ほど浸す。
- 卵と少量の水をタッパーに入れ、フタをして、タッパーごと30秒ほど振る。
卵が茹で上がったら、冷水に30秒ほど浸します。
(ゆで卵の作り方はリンク先を参考にしてください。)
次に、卵をタッパーに入れ、少し水を加えます。
そして、この状態でフタをして、タッパーを両手で持ち、30秒ほど振って、卵にヒビを入れます。
ヒビが入っていない卵がある場合は、ヒビが入った卵を除いてから、再びタッパーを振ります。
細かいヒビが入った卵の殻は、5~15秒ほどのほんの一瞬でツルンと簡単に取れます。
コップで代用してもOK
ちなみに、殻をむくのが1個だけの場合は、コップの中に卵と水を入れ、手でコップの口を塞いで振るのが効率的です。
卵に息をふきかける

最後にご紹介するのは、ちょっと変わった殻のむき方。
茹で上がった卵の両端に穴を開け、片側の穴から息を吹きかける方法です。
この方法は、主にテレビのバラエティー番組などでよく取り上げられますが、決して効率の良い殻のむき方ではありません。
むしろ、普通にむくよりも時間がかかります。
でも面白いです。
子供の自由研究などに試してみるのはいいかもしれませんよ。
- 卵を普通に茹で、冷水に30秒浸す。
- 卵の上下(尖った部分2箇所)の殻を割り、それぞれに直径2センチくらいの穴を開ける。
- 卵の一番尖った方の穴に、息を吹き込む。
実際にやってみると、茹で卵の殻に穴を開けるのが意外と面倒です。
穴を開ける作業だけで、時間がけっこうかかります。
でも、穴さえ開けてしまえば、卵がツルンと殻から出てきますよ。
詳しくは下のリンク先をご覧ください。
以上、ゆで卵の殻の簡単なむき方でした。
一番のおすすめは、冒頭で紹介したヒビを入れる方法です。
ぜひ試してみてください。
ところで、当サイトでは、ゆで卵の上手な作り方も紹介しています。
ぜひ参考にしてください。