私(やまでら)が自宅で味噌を仕込むようになってから、今年でちょうど10年になります。
この10年を振り返ると、わが家は自家製味噌にどっぷり浸った生活を送っていました。
なにしろ、手作りが難しい西京味噌と八丁味噌をごくたまに買う以外は、うちでは手作り味噌しか食べていなかったんです。
10年間で作った味噌の量
先日私は、これまでの味噌作りの記録をあらためて確認してみました。
10年間の大豆の使用量を計算したところ、毎年平均で3~4キロを味噌のために消費していたことが分かりました。
ちなみにこの量の大豆を使うと、12~16キロの味噌ができます。
また常時どれくらいの手作り味噌を自宅にストックしていたのかも、確かめてみました。
私はいつも2~3年くらいの仕込み期間を設けて味噌を作っています。ですから仕込んで間もない味噌から、かなり熟成された味噌まで、わが家にはいろいろな味噌があるのですが、常時24~48キロもの味噌を家に置いていたことが分かりました。
どうりで家が狭いと思いました。味噌に占領されていたんですね。
これまでよく作ったものです。呆れずに付き合ってくれた家族に感謝です。
でも、味噌を買うのも悪くない
さてそんな味噌好きの私ですが、実はここ数年で、味噌に対する考えがちょっと変わってきました。味噌を買うのも悪くないと思うようになったんです。
最近はネット通販などで、日本全国のこだわりの味噌が簡単に手に入ります。
それらを味合わずしてこのまま死んでしまったら、それこそモッタイナイ。
味噌の自作は、生活者としての自信にも繋がるし、家族に自らの手で何かしてあげられているという充実感もあり、大変大切なことだと思っています。
でも日本全国にはスゴ腕の味噌職人さんがたくさんいらっしゃるんだから、私のような素人が、片手間の味噌づくりに執着するのは、ナンセンスです。
そんなわけで、すでに昨年から味噌の仕込み量を減らしています。
昨年仕込んだ味噌は、上の写真の容器2つ分だけ。
今日は、ついでに昨年仕込んだ2種類の味噌のレシピと味もお伝えします。
2種類の味噌のレシピを比較
ここからは、私が昨年作った味噌のレシピと味見した感想をお伝えします。
昨年仕込んだ味噌は、上の写真の容器2つ分だけです。
ちなみに下の写真は、それぞれの味噌を出して撮った写真。
右の容器の味噌は右に、左の容器の味噌は左に、分かりやすく置いて撮影しました。
(左:慣行栽培大豆&米麹を使用 右:有機栽培大豆&玄米麹を使用)
今回あえて2種類の味噌を仕込んだ理由は、使用する材料の違いで、味噌にどの程度の味の差が出るのか試してみたかったからです。
慣行栽培(ごく普通の栽培法)の大豆と、有機栽培の大豆。そして米麹と玄米麹。これらの違いがどれくらい味噌の出来に影響するものなのか、確認してみました。
ちなみに塩はどちらも同じものを使用しました。
またちゃんとした比較ができるように、2種類の大豆は同じ条件で茹でて潰しました。
材料をまとめると次のようになります。
なお配合比は、最もスタンダードなものを使用しました。
北海道産慣行栽培大豆 | 1kg |
米麹(生) | 1kg |
塩 | 500g |
北海道産有機栽培大豆 | 1kg |
玄米麹(乾燥) | 1kg |
塩 | 500g |
味見をした結果は、有機栽培大豆&玄米麹を使った「右の味噌」の方が、ダンゼン美味しかったです。
右の味噌は少々固めでしっかりとした歯ごたえがあり、コクが感じられました。
一方の左の味噌は、少々水っぽく、旨みにも乏しいと思いました。
味噌の固さの違いは単に、使用した麹の差が出たものと思われます。
乾燥した玄米麹を使った味噌は、生の白米麹とくらべて、玄米らしい歯ごたえがある上に、麹が水分を吸ったため、ちょっと固めに仕上がったのでしょう。
また味噌の味については、玄米麹が良い影響を及ぼしていると感じました。出来上がった味噌にも、玄米と白米の風味の違いが見事にあらわれていました。
そしてここからはあくまでも推測ですが、栽培の仕方による大豆の味の差も、出ているのかもしれません。
慣行栽培よりも有機栽培の大豆の方が絶対に美味しいとは言えませんが、今回私が使った2種類の大豆は、味噌にする前にすでに美味しさに違いがあり、それがそのまま味噌の味に反映しました。
せっかく時間をかけて仕込む味噌ですから、やはり丁寧に作られた美味しい大豆を使った方が良さそうですね。
というわけで次回味噌をつくる時には、思い切り上質な大豆と玄米麹を使って味噌を作ろうと思います。