
世界の蕎麦料理を調べていたら、「ピッツォッケリ」という珍しいパスタに出会いました。
「ピッツォッケリ」は、イタリア北部の山岳地帯の名物パスタ。
ごく一般的なパスタと比べると、蕎麦粉で作られており、太くて短い形状をしているのが特徴です。
手元の資料によるとこのパスタは、幅が5ミリ~1センチ・厚さは1.5ミリとかなり太め。また長さは、7~10センチほどしかありません。
大変興味深いので、資料に記された情報をもとに、ピッツォッケリを作ってみました。
ピッツォッケリのレシピ

ところで私は、ピッツォッケリくらい太くて短いパスタを、日本の古い写真で見たことがあります。
それは、自宅で手打ちをするのが当たり前だった頃の日本の蕎麦。
生活の中の手仕事によって生み出された蕎麦の形状を初めて見た時、私は、何ておおらかなのだろうと思い、嬉しくなりました。
お店で変えるごく普通の蕎麦は、細い上にぴったりと形がそろっていて、それはそれでスゴイことですが、日本のむかしの蕎麦のように感情移入はできません。
さて、イタリアで作られているピッツォッケリには、縮緬キャベツ・ジャガイモ・ニンニクバター・チーズなどの具材が使われるそうです。
私はそれをちょっとマネて、きゃべつとベーコンを加えて作ってみました。
ジャガイモ | 中1個 |
キャベツ | 大きめの葉3枚(225g程度) |
ベーコン | 75g |
ニンニク | 2かけ |
発酵バター(※1) | 40g |
塩 | 小さじ1と1/4 |
コショウ | 少々 |
シュレッドチーズ | 55g |
パセリ | 8g |
蕎麦粉 | 160g |
中力粉(※2) | 40g |
卵 | 1個 |
塩 | 小さじ1/2 |
水 | 30cc |
※1 無塩バターでもOK。
※2 薄力粉20gと強力粉20gを混ぜたものでもOK。
- ジャガイモは1センチのさいの目切りにする。キャベツとベーコンは食べやすい大きさに切る。ニンニクは薄切りにする。パセリはみじん切りにする。
- ジャガイモを蒸す。キャベツもさっと蒸す。
- Aの水以外の材料すべてをボールに入れ、手でよく混ぜる。水を少しずつ加えながら生地をまとめる。(水分が蕎麦粉に浸透するのに時間がかかるので、一度にたくさんの水を加えない。)滑らかな生地になるまでこねる。
- 打ち粉をした台の上に3をのせ、これを厚さ2~3ミリ・長辺が40センチの長方形にのばす。
生地の上の面にも打ち粉をし、長辺を4等分する。この生地を2枚ずつ重ねて、幅1センチに切る。
できあがったパスタを茹でるために、大きめの鍋に湯を沸かす。 - 温めたフライパンにバターを落とし、うっすらと茶色く色づくまで火を入れたら、ニンニクを加えて香りを出す。そこにベーコンを加えてよく炒める。さらにジャガイモ・キャベツ・パセリ(2/3の分量)も加えてさっと炒める。塩・コショウで調味し、いったん火を止める。
- 4の鍋の湯が沸騰したら、パスタを入れて5分ほど茹でる。ザルに上げて水気を切る。
- 5のフライパンを火にかる。ここに6とチーズを加え、よく混ぜる。チーズが溶けたら、火を止めて皿に盛る。残りのパセリを散らしたらできあがり。
蕎麦粉と小麦粉は、二八蕎麦と同じ比率で使用しました。
普通の小麦粉のパスタとくらべると、ピッツォッケリは、かなり歯ごたえがあります。
そのため少々食べにくいかもしれませんが、私は、このような野性味溢れるパスタも新鮮でいいと思います。
もしかしたら、遠い昔に各家庭で手作りされていた日本の蕎麦も、けっこうな食べごたえがあったのかもしれません。
また作りたいです。