人参には、カロテン・ビタミンC・カリウム・カルシウムなどの栄養成分が豊富に含まれています。
特に注目すべき栄養素は、βカロテン。
人参に含まれるβカロテンの量は、野菜の中でもトップクラスです。
この記事では、βカロテンをはじめとした人参の栄養の効果と、人参の栄養を無駄なく取る調理法をご紹介します。
βカロテンの効果
人参をたったの1/4本食べるだけで、1日に必要な量のβカロテンをまかなえると言われています。
βカロテンは、体の調子を整えるのにとてもありがたい栄養素。
強い抗酸化作用があり、免疫力アップの効能も高いとされています。
また、粘膜を強くしたり、ガン・心臓病・動脈硬化などを予防する働きもあり、大変注目されている栄養素だと言えます。
吸収率をアップさせる食べ方
ただ、カロテンの吸収率は、食べ方によってかなり変わります。
生のままの人参を食べても、十分なカロテンは得られません。
カロテンは、実は、そのままでは吸収されにくい栄養素。
生の人参のカロテンの吸収率は、10%程度ととても低いです。
カロテンの吸収率をアップさせるには、次の3つの方法があります。
- 油と一緒に食べる
- すりおろす
- 皮ごと食べる
油と一緒に食べる
βカロテンは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に調理すると吸収率がグッと上がります。
油を一切使わずに生のまま食べた場合の吸収率は10%ですが、油と一緒に食べた場合は、70%程度までアップすると言われています。
人参を炒めものにする場合は、カレー粉を味つけに使うと、カロテンの栄養効果をさらにアップさせることができます。
皮ごと食べる
また、人参の栄養をムダなく摂りたいのなら、皮を一緒に食べるのもおすすめです。
というのは、丸ごとの人参のなかで、カロテンが最も含まれているのは、表面の皮と葉の部分だからです。
皮と葉の部分のカロテンの含有量は、通常の可食部分である「根の中心部分」の2倍以上と言われています。
人参は成長するにつれて、根の中心部分から葉へと栄養が送られていきます。
ですから、根の真ん中あたりは、時間が経つほど栄養がスカスカに。
終いには食物繊維ばかりになっていきます。
ちなみに、私は人参を皮ごと食べる習慣があり、当サイトでも、人参を皮ごと食べることをすすめています。
皮をむく手間がかからないので調理の時短になりますし、食費の節約にもなりますのでいいですよ。
また、人参の皮と同様に、人参の葉っぱも、捨てるのはモッタイナイです。
人参の葉には、次のような栄養素が豊富に含まれています。
- ビタミンC
- ビタミンK
- カルシウム
- タンパク質
しかも、ビタミンC・カルシウム・タンパク質の含有量は、根の部分の3〜4倍。
ビタミンKには、血液の凝固を助け、骨を強くする効果があると言われています。
旬の葉付きの人参を見つけたら、是非、葉も捨てずに調理してみてください。
クセがやや強いですけど、炒めものの具材などに使えます。
なお、葉付きの人参をゲットしたら、すぐに葉を切り離すことをおすすめします。
切り離すことで、根の部分の栄養を葉に吸い取られることがなくなるので、実の部分も美味しく食べられます。
すりおろす
人参は、細かく刻んだり摺りおろしたりすることでも、栄養の吸収率を高めることが可能です。
生のまま大きく切ったニンジンの場合、カロテンの吸収率は10%程度ですが、すりおろすことで20%程度にアップ。
すでにお伝えしたとおり、油と一緒に食べるとこの数値が70%程度まで上がるので、すりおろすことにプラスして、オイルを混ぜたり炒め物にしたりするとより効果的です。
ところで、人参を生で食べる場合には、酢やレモン汁を少し加えるのがおすすめです。
生の人参には、「アスコルピナーゼ」という酵素が含まれていて、この酵素は、ビタミンCを酸化させる働きがあると言われています。(研究によって諸説あるようです。)
そして、アスコルピナーゼは、人参を細く切ったり摺ったりすることで活性化するのだとか。
この酵素の働きは、酢やレモンを加えることで抑えられるので、生人参をすりおろして食べる場合は、少し気にかけておくと良いです。
ビタミンCの面でもったいない食べ方としては、例えば、もみじおろしが挙げられます。
生の人参の栄養賢く取りたいのなら「なます」がおすすめです。
ちなみに、人参を加熱して食べるのなら、酵素の問題はありません。
以上、人参に含まれる栄養と、その栄養を賢く摂る方法をお伝えしました。
人参は、免疫力アップなどの効果が期待できる栄養豊富な食材でありながら、1年を通して安く買えます。
ぜひ積極的に食事に取り入れてみてください。