
玉ねぎの辛味の抜き方を2パターンご紹介します。
玉ねぎは、加熱することで辛味が抜けて甘みを感じやすくなりますが、生のまま使う場合は、次の2つの方法で辛味抜きをするのがおすすめです。
1つ目の方法は、「玉ねぎをスライスして水にさらす」です。
水にさらすことで特有の辛味成分が抜けて、生でも食べやすくなります。
玉ねぎを水にさらすメリットは3つあります。
- 辛味・エグミ・臭みが抜ける
- 変色が防げる
- シャキッとする
玉ねぎを水にさらす時間は、5〜10分くらいがおすすめです。
あらかじめ塩もみしてから水にさらすと、より辛味が抜けて食べやすくなります。
玉ねぎの辛味をとるもう1つの方法は、「切った玉ねぎをそのまま放置する」です。
水にさらす方法とくらべると辛味はある程度残りますが、この方法のメリットは、玉ねぎの栄養が失われにくいことにあります。
玉ねぎを水にさらすと、辛味と一緒に栄養も流れ出てしまうんです。
ですから、玉ねぎの栄養を逃さず摂りたいという方には、この方法をおすすめします。
それでは、詳しく解説します。
玉ねぎを水にさらす方法
最初に、玉ねぎを水にさらして辛味を取る方法をご紹介します。
この方法は、玉ねぎの辛味が苦手な方にオススメです。

【工程1】
まず、玉ねぎを半分に切り、繊維を断ち切るように横に薄切りにします。
お好みでみじん切りにしてもいいですけど、スライスする場合は、上の写真のように繊維に対して垂直に包丁を入れた方が、辛味を感じにくくなります。
繊維を断ち切る理由
玉ねぎには「硫化アリル」という辛味成分が含まれています。
この成分は、玉ねぎが目にしみる原因にもなっています。
玉ねぎの繊維を断ち切るように包丁を入れると、細胞が壊れて「硫化アリル」が流出し、揮発しやすくなります。
そうすると、玉ねぎの辛味を感じにくくなります。

【工程2】
次に、お好みで塩(少々)を振ります。
この工程は、玉ねぎの辛味がとても苦手な方におすすめします。
この工程を省いて次(工程3)に進んでも、玉ねぎの辛味はけっこう抜けます。

そして、軽く塩揉みして、2〜3分置きます。
玉ねぎは、あらかじめ塩揉みすると、辛味が抜けやすくなります。

【工程3】
続いて、玉ねぎにたっぷりの水を加え、しばらく水にさらします。
水にさらす時間は5分くらい。
玉葱の辛味をしっかり抜きたい場合は、10分くらい置くといいです。

【工程4】
最後に、ザルに上げて水気を切るか、手で軽く絞ったらお終いです。
辛くないオニオンスライス

玉ねぎの辛味を完全に消すことはできませんが、それでもかなり食べやすくなっています。
「オニオンスライスは辛いから苦手!」という方でも、このサラダならイケると思います。
新玉ねぎを使う場合
なお、新玉ねぎを使う場合は、辛味が弱いので、水にさらさずにスライスするだけでも美味しく食べられますよ。
玉ねぎを水にさらすと栄養が失われる理由
ところで、玉ねぎを水にさらすと食べやすくなりますが、その反面、栄養が失われやすいというデメリットもあります。
玉ねぎを水にさらすと、硫化アリルやビタミンが流れ出てしまいます。
「硫化アリル」は、すでにお伝えした通り、玉ねぎの辛味成分です。
でも、それと同時に健康に良い成分でもあるんです。
「硫化アリル」には、血流改善・疲労回復・ビタミンB1の吸収率アップなどの健康効果があると言われています。
せっかくの栄養ですから、無駄なく摂りたいですよね。
そこで最後に、玉ねぎを水にさらさずに辛味を抜く方法をご紹介します。
玉ねぎの辛味は、水にさらした方がしっかり抜けますが、栄養を無駄なく摂りたい方には次の方法がおすすめです。
栄養が損なわれにくい辛味の抜き方
玉ねぎの栄養を無駄なく摂れる、辛味の取り方をご紹介します。

【工程1】
まず、上の写真のように、スライスした玉ねぎを皿の上に広げます。
そして、このまま15分ほど置きます。
玉ねぎは切ってから置くだけで、辛味が少し抜けます。

よりしっかり辛味を抜きたい場合は、ラップをかぶせて冷蔵庫に入れ、1時間半〜2時間置くといいです。
この1時間半〜2時間という時間は、玉ねぎ博士こと、北翔大学名誉教授の西村弘行さんのおすすめです。
玉ねぎスライスをこれくらい置くと、辛味が抜けやすくなるだけでなく、血液をサラサラにする効能がよりアップするそうです。
その理由は、管理栄養士の赤石定典さんによると、玉ねぎの辛味成分(硫化アリル)が空気に触れることによって、血液サラサラ成分(アリシン)に変化するからだそうです。
(情報もと:テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」2018年9月25日放映、TBS「名医のTHE太鼓判!」2018年10月29日放映)
ただ、辛味の抜け具合は、水にさらす方が上です。
辛味がどうしても苦手という方には、水にさらす方をおすすめしますが、辛味もけっこう美味しいと思える方には、この玉ねぎを放置する方法をおすすめします。
加熱すると辛味が抜ける
ところで、玉ねぎを生のまま使うのではなく加熱してしまうのなら、辛味抜きの必要はありません。
玉ねぎの辛味は、加熱することで自然に抜けて、甘みに変わるためです。
加熱方法は、フライパンで炒めて、鍋で煮ても、レンジで加熱しても、何でもOKです。
いずれにしても、長時間じっくり加熱すると、しっかりと辛味が抜けます。