ピーマンの栄養についてお伝えします。
ピーマンに含まれる栄養成分の効果と、おすすめの食べ方についてです。
そもそもピーマンとは
ピーマンは、唐辛子を人工的に品種改良して作られた野菜です。
唐辛子の原産地は中南米ですが、15世紀に香辛料としてヨーロッパに伝来。
その後、辛味がなくなるように改良され、新しい品種としてピーマンが誕生しました。
ちなみに、パプリカも、ピーマンと同じく、唐辛子をルーツに持つ野菜です。
独特の苦みと香りを残すように作られたのがピーマンで、少し甘みを持たせるように作られたのがパプリカ。
どちらも、ナス科目トウガラシ属に属しています。
ピーマンの栄養と効果効能
そんな歴史を持つピーマンですが、かなり栄養価の高い野菜です。
ビタミンCが豊富なほか、ニオイ成分である「ピラジン」や、ポリフェノールの一種である「クエルシトリン」なども含まれています。
それぞれの成分には次のような特徴があります。
ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫力の向上に役立つほか、老化の抑制やガン予防などの効果も期待でます。
ピラジンは、ピーマンの苦味と青臭いニオイのもとになっている成分。
ピーマンの特徴を形作っている主要な成分と言えますが、このピラジンには血液をサラサラにする働きがあります。
脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立つほか、血行が良くなることで薄毛対策にも効果が期待できると言われています。
クエルシトリンもピーマンの苦味のもとになっている成分です。
ドクダミなどにも含まれる成分で、血流を改善する働きがあるため、高血圧予防などの効果が期待できます。
緑ピーマンと赤ピーマンの栄養の違い
緑ピーマンが完熟すると赤ピーマンになりますが、両者をくらべると、赤ピーマンの方が、基本的には栄養が豊富。
赤く熟すことで、ビタミンCは約2.3倍に増え、βカロテンは約2.8倍に増えます。
また、赤の色素であるカプサンチンも増加します。
βカロテンとカプサンチンには、どちらも抗酸化作用があり、老化の抑制や生活習慣病の予防に効果が期待できます。
一方で、赤く熟すことで、減少する成分もあります。
代表的なのは、先ほどお伝えしたピラジンという成分。
苦味とニオイのもとになっている成分ですが、熟す過程で大幅に減少します。
この成分が減ることでピーマンの食べやすさはアップしますが、それと同時に、この成分が持つ血行を良くする働きも失われます。
栄養がアップするピーマンの食べ方
ピーマンの食べ方として最もおすすめなのは、ワタと種とヘタを取らず、丸ごと食べる方法です。
ワタ・種・ヘタには外側の皮よりも栄養が豊富に含まれていますし、また、ピーマンを傷付けずに調理することで、栄養の流出を防ぐこともできます。
ピーマンの丸ごと炒め
例えば、ピーマンを丸ごと炒めて、醤油やみりんなどで味付けするだけで、美味しいピーマン炒めのできあがり。
ピーマンをまったく切らずに調理するので、苦味成分が細胞の外に溶け出さず、とても食べやすい味に仕上がります。
ピーマンに含まれるβカロテンは、油で炒めると吸収率が大幅にアップするという性質があるので、そうした点でもおすすめできます。
ピーマンの丸ごと煮浸し
また、炒め物ではありませんが、ピーマンを丸ごと煮浸しにするという手もあります。
めんつゆやゴマ油などで味付けしたシンプルな煮浸しレシピ。
ほんのりとした甘みがあり、とても美味しくいただけます。
栄養を逃さないピーマンの切り方
- 縦切り
- 横切り
そうは言っても、作る料理によっては、丸ごとだと使いにくい場合も多いと思います。
そういう場合には、ピーマンを縦方向に切ることで、栄養の流出をある程度抑えることができます。
ピーマンには縦方向に繊維が入っており、それに逆らわずに切ることで、細胞に傷がつきにくくなります。
そのため、細胞の中から苦味成分が排出されるのを防げるというわけです。
また、縦方向に切ることで繊維が断ち切れにくくなるので、ピーマンのシャキシャキした食感が残りやすいというメリットもあります。
ピーマンを切ってから調理に使う場合は、ぜひこの方法をお試しください。