久しぶりに訪れた山で、母と野ぶき採りをしました。
今日は、野ぶきを使った「きゃらぶき」のレシピをご紹介します。
野ぶきを山で採取
神奈川県の「大山」にほど近いその小高い山は、母が幼少の頃遊んだところ。
母は、野ぶきが生えている場所を良く知っています。
ただ、母が教えてくれる場所は、どこも急な斜面ばかり。
運動不足ぎみの私には、ついて行くのがやっとです。
60度ほどの傾斜がついた道なき斜面を、母はぴょんぴょんと登っていきます。
この辺りには野猿が出るようですが、遠くから眺める母の姿は、この山で育った野猿のようにも見えました。
一方の私の方は、急斜面で踏ん張っているのも正直シンドイ。
でも「あぁツライ。疲れた。」などと言っても、ただの独り言。
母は、ただひたすら山の斜面を進み、野ぶきを採取し続けています。
いったい何が彼女をこんなに夢中にさせるのか。
良さそうな野ぶきがあると、母は殆ど反射的に、体が動いています。
私は、終いには、野ぶき採りを放り投げ、斜面の上から母をカメラで撮影し始めました。
野ぶきを探しているより、母を見ていた方が楽しいと思いました。
ところで、先日、近所の市場で購入した愛知ぶきでふきの煮物をつくりました。
愛知ぶきは、ふきの代表的な栽培種。
アクが少なくて食べやすいので、煮物にする場合も、上品な薄味が合います。
でも、野生のふきの場合は、アクが強めでワイルドな味なので、赤砂糖と醤油で田舎風にこってりと味付けして、きゃらぶきにするのが一番です。
今回母と採取した野ぶきも、きゃらぶきにして美味しくいただきました。
レシピをご紹介します。
野ぶきを使った、きゃらぶきの作り方
きゃらぶきのレシピです。
材料
野ブキ | 適量 |
塩 | 適量 |
だし汁 | 1カップ |
酒 | 50cc |
みりん | 75cc |
赤砂糖(※) | 大さじ2と1/2 |
醤油 | 大さじ3 |
※精製していない赤茶色の砂糖
作り方
- フキの茎を切らずに湯がけるくらいの、大きい鍋を用意する。(※1)
鍋に湯を沸かす。 - フキの葉を取り除く。
茎に少し多めの塩をまぶし、板ずりする。(※2) - 沸騰した湯に茎を入れ、さっと湯がく。
- 茎を冷水に浸け、そのまま一晩置く。
- 茎のまわりの皮をむく。
- 鍋に5・だし汁・酒・みりん・赤砂糖を入れ、5分煮る。
醤油(大さじ2と1/2)を加え、さらに10分煮る。最後に醤油の残りを加えて火を止めたら、できあがり。
※1 細い野ぶきの皮をむくのは、かなり大変です。茎は切らずに茹でた方が、皮をむく本数が少なくて済むのでラクです。大きい鍋を用意することをおすすめします。
※2 まな板の上にふきの茎を置き、手の平で転がしながら塩をなじませることを「板ずり」と言います。
板ずりすると、皮がむきやすくなり、色鮮やかに茹でることができます。
野ぶきは栽培種と比べてアクが強いので、さっと湯がいたら、一晩水に浸けておきます。
野ぶきは細いうえにアクが強いため、調理にかなり手間がかかりますが、野ぶきの方が味がしっかりとしていて美味しいと私は思います。
採取してすぐに料理したこともあり、できあがりは感動的な美味しさでした。
ちなみに、ふきは、茎の部分だけでなく葉の部分も、美味しくいただくことができます。
葉の調理も少々手間がかかりますが、捨ててしまうのはモッタイナイくらい美味しいので、是非お試しください。
茎と同じ方法で水につけてアクを抜き、水気をしっかりと絞って細かく刻みます。
そして、油で炒めて甘辛く調味します。
箸休めが欲しい時にぴったりですよ。
こちらは、野ぶきが群生している様子。
柔らかそうな黄緑が、和やかな気分にさせてくれます。
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