生姜を使った味噌汁の具のバリエーションを4品ご紹介します。
ダイエットや冷え対策には、生姜がぴったりです。
ただし、生ではなく、加熱した生姜。
というのも、生と加熱済みとでは、期待できる効果がまったく異なるからです。
加熱した生姜には、脂肪を燃焼させて体の芯からポカポカと温める効果がありますが、生の生姜にはそういう効果は期待できません。
ダイエットや冷え性対策が目的なら加熱した生姜がおすすめです。
今回紹介する味噌汁はすべて、生姜を加熱するレシピになっています。
特に、1番めの味噌汁は生姜をたっぷり使っていて美味しいです。
生姜の効果については、この記事の冒頭で手短に説明しています。
そちらも合わせてご覧ください。
生姜の味噌汁の効果
生のしょうがと加熱したしょうがには、次のような違いがあります。
ざっくり言うと、殺菌作用を目的に食べるなら生のしょうが、ダイエットや冷え性対策が目的なら加熱したしょうがです。
生のしょうが
生のしょうがに多く含まれているのは、ジンゲロールという成分です。
このジンゲロールには殺菌作用のほかに血流を良くする効果があるのですが、血行が一時的に良くなるため、汗が出て逆に体を冷やしてしまうこともあるようです。
加熱したしょうが
一方で、加熱したしょうがに多く含まれているのは、ショーガオールという成分です。
ショーガオールは、しょうがを加熱することによりジンゲロールが変化して生まれる成分で、この成分には、糖質や脂肪を燃焼させて内側から熱を作る効果があるんです。
「しょうがを食べると体がポカポカする」というのは、このショーガオールの働きによるもの。ダイエット効果も期待できます。
ショウガオールの効果は次のとおりです。
- ダイエット・冷え対策
- 血行促進
- 免疫力アップ
- 抗酸化作用
- 解毒作用など
また、最も効果が出るのは、しょうがを80度くらいで調理したときなんだそうです。
100度を超えると効果が弱くなるそうなので、注意してください。
【しょうがの効果の情報元】
料理研究家・浜内千波 著「調理の新常識」
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 監修「その調理、9割の栄養捨ててます!」
生姜たっぷり味噌汁ダイエット・冷え対策におすすめ
それでは、最初にご紹介するレシピは「炒めしょうがの白みそ汁」です。
このレシピはしょうがをたっぷりと使っているので、ダイエットや冷え対策に特におすすめです。
しかも美味しい。
料理家の栗原心平さんのレシピです。
全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
しょうが | 2片 |
絹豆腐 | 1/2丁 |
万能ねぎ | 適量 |
ごま油 | 小さじ1 |
かつおだし汁 | 600cc |
白味噌 | 大さじ4 |
薄口醤油 | 大さじ1 |
- しょうがは皮付きのまま薄切りにする。
- 熱した鍋にごま油を引き、しょうがを強火で炒める。
しょうががクタッとしたら、かつおだし汁を加え、ひと煮立ちさせる。 - 沸騰したら白味噌を溶き入れ、薄口醤油を加える。さらに絹豆腐を手で一口大にちぎりながら加える。
- 器に盛り、小口切りにした万能ねぎを散らしたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
【工程1】
まず、しょうが(2かけ)を皮付きのまま薄切りにします。
ちなみにしょうが(1かけ)は、だいたい15gくらい。2かけだと30g。たっぷり使います。
しょうがのぽかぽかのもとになる「ジンゲロール」は、皮付近に多く含まれるので、できるだけ皮をむかずにそのまま使う方が良いようです。
【工程2】
次に、熱した鍋にごま油(小さじ1)を引き、しょうがを強火で炒めます。(上の写真)
しょうががクタッとしたら、かつおだし汁(600cc)を加えます。
しょうがをあらかじめ油で炒めると、刺激的な辛味が和らぐとともに、油のコクが加わって美味しくなります。
しょうがを生のまま味噌汁に添えると、しっかりと香りが立って辛味が際立ちますが、加熱すると、優しい風味に変わるので食べやすくなります。
そしてひと煮立ちさせます。
【工程3】
沸騰したら白味噌(大さじ4)を溶き入れます。
ちなみに白味噌とは、西京味噌を代表とする白っぽい味噌のことです。
熟成期間が短く、甘みがあり、塩気が弱いのが特徴です。
続いて薄口醤油(大さじ1)を加えます。
薄口醤油を少し加えると、味が引き締まり、ご飯と良く合う味噌汁ができます。
白味噌は塩気が控えめなので、薄口醤油の塩分を補って味を整えます。
そして絹豆腐(1/2丁)を手で一口大にちぎって加えます。
これで完成です。
器に盛り、小口切りにした万能ねぎを散らしていただきます。
しょうがのシャキシャキ感とピリッとした辛さがアクセントになった、輪郭のはっきりした味の味噌汁ができます。
ごま油のコクと白味噌のまろやかな味が、しょうがの風味とすごく良く合います。
しょうがはたっぷり使いますが、その割に辛さは優しいです。
栗原さんもおっしゃっていたことですが、子供でも飲みやすい味噌汁ですよ。
(レシピ情報元:テレビ東京「男子ごはん」2018年9月16日放映)
生姜と豚肉の味噌汁生姜チューブで手軽に
ところで、生姜の味噌汁は、生姜チューブでも作れます。
栄養効果は生の生姜の方が上だと思いますが、面倒な場合は、チューブを利用するのもアリですよ。
次に生姜チューブを使った「生姜と豚肉の味噌汁」のレシピをご紹介します。
豚こま切れ肉 | 60g |
大根 | 80g |
長ねぎ | 20g |
生姜チューブ | 適量 |
和風だし汁※ | 400ml |
味噌 | 大さじ1と1/3 |
※和風顆粒だしを湯に溶いてもOK。
- 豚こま切れ肉を食べやすい大きさに切る。大根を細切りにし、長ねぎを斜め薄切りにする。
- 1・生姜チューブ・和風だし汁を鍋に入れ、火にかける。
- 沸騰したらアクを取って火を弱め、全体に火が通るまで1〜2分加熱する。
火を止めて味噌を溶き入れたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
【工程1】
まず、豚こま切れ肉(60g)を食べやすい大きさに切ります。
そして大根(80g)を細切りにし、長ねぎ(20g)を斜め薄切りにします。
【工程2】
豚こま切れ肉・大根・長ねぎ・生姜チューブ(適量)・和風だし汁(400ml)を鍋に入れ、火にかけます。
生姜チューブはお好みの量を使ってください。
生姜の辛さが苦手な方には、2センチくらいがおすすめです。
【工程3】
沸騰したらアクを取って火を弱め、全体に火が通るまで1〜2分加熱します。
最後に火を止めて、味噌(大さじ1と1/3)を溶き入れたら完成です。
味噌の量はやや控えめになっていますので、お好みで調整してください。
生姜のほんのりとした風味で、さっぱり美味しくいただけます。
最後に生姜を使った味噌汁のレシピをあともう2品ご紹介します。
生姜を味噌汁に入れるのなら、肉や魚と合わせると相性がいいですよ。
生姜とニラとベーコンの味噌汁
「ニラとベーコンのみそ汁」は、ほんのりと生姜が香る、超具だくさんの味噌汁です。
ニラをたっぷり使います。
ベーコン | 1枚 |
にんじん | 1/3本 |
しょうが | 1かけ |
ニラ | 80g |
和風だし汁※ | 300ml |
味噌 | 大さじ1 |
※和風顆粒だしを湯に溶いてもOK。
- ベーコンは短冊切りにする。にんじんは細切りにし、しょうがはせん切りにする。にらは4cmの長さに切る。
- ベーコン・にんじん・しょうが・だし汁を鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。1分ほど加熱して、具材に火を通す。
- ニラを加えて火を止め、味噌を溶かしたらできあがり。
この味噌汁は、2人分でニラを4/5束も使います。
食べ応えがありますよ。
生姜とマグロの味噌汁
生姜は魚を使った味噌汁にもぴったりです。
最後に「まぐろの味噌汁」のレシピをご紹介します。
まぐろの刺身のあら | 100g |
玉ねぎ | 1/2個 |
しょうが | 1かけ |
酒 | 大さじ1 |
和風だし汁※ | 300ml |
味噌 | 大さじ1 |
※和風顆粒だしを湯に溶いてもOK。
- まぐろを一口大に切る。玉ねぎは一口大に切り、しょうがはせん切りにする。
- 玉ねぎ・しょうが・酒・だし汁を鍋に入れ、フタをしてひと煮立ちさせる。
まぐろを加え、アクを取り除きながら、玉ねぎがやわらかくなるまで4〜5分加熱する。 - 火を止めて味噌を溶かす。好みで小ねぎの小口切りを散らしたらできあがり。
マグロがたっぷり入った、おかず感覚で食べられる味噌汁です。
ちなみに、最後に紹介した2品は、テレビで話題になった味噌汁をアレンジしたレシピです。
それぞれのもとになっているレシピは、「ニラとベーコンの味噌汁」と「まぐろの味噌汁」です。
長生きしたい方におすすめのおいしい味噌汁です。
リンク先もぜひご覧ください。