梅シロップ(梅ジュース)の美味しい作り方を解説します。
青梅を使った梅シロップと、それをベースにした梅ジュースのレシピです。
梅シロップを作るのなら、シンプルに梅と砂糖だけで作るのが一番です。
余計な味を足さない方が、梅自体の風味を最大限に堪能することができます。
美味しく作るコツは、氷砂糖を使ったうえで、梅を少なくとも数ヶ月漬けたままにして、ゆっくりと時間をかけて梅からエキスを引き出すことです。
梅特有の上品な酸味が加わって、深みのある味に仕上がります。
材料
青梅 | 500g |
氷砂糖 | 500g |
レシピ・作り方
- ① 青梅を選別して、傷んでいるものを取り除きます。
青梅(500g)のヘタを、竹串やつまようじなどで取り除きます。
青梅がおすすめ
使用する梅は、完熟した黄梅よりも、青梅を使うのがダンゼンおすすめです。
青梅を使う方が、風味(特に香り)が良くなります。
また、冷凍梅ではなく、生梅を使う方が美味しく仕上がります。
冷凍梅を使うと、梅のエグミや苦味が出やすくなってしまいます。
- ② 梅を優しく水洗いして、布巾やキッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ります。
- ③ 熱湯消毒した保存容器に、梅と氷砂糖(500g)を交互に詰めていきます。
- ④ 少し多めの氷砂糖をかぶせて、フタをして、冷暗所(できれば冷蔵庫の野菜室)に置きます。
冷蔵庫に入れると味が濃くなる
ビンごと冷蔵庫に入れて梅ジュースを作ると、カビがかなり発生しにくくなります。
また、冷蔵庫に入れると、常温(冷暗所)に置いた場合とくらべて、氷砂糖が時間をかけてじわじわと溶けていきます。
そのため、梅のエキスをより抽出しやすくなり、梅の風味が濃く感じられるジュースに仕上げることができます。
なお、ビンごと冷蔵庫にずっと入れっぱなしにすると、氷砂糖は半年経っても溶け残ったままになり、梅の果肉は、かなりしぼんだ状態になります。
これはつまり、梅のエキスがたくさん出て、甘みが溶け残った状態になるということです。
そのため、飲んでみて甘みが足りないと感じたら、ビンを冷蔵庫から出して常温に移動すると良いです。
氷砂糖が溶けやすくなり、しばらくすると全部溶けて、十分な甘みが加わります。
- ⑤ 2日くらい経つと、氷砂糖が溶けて梅のエキスが出てきます。
そうしたら、1日おきくらいに保存ビンを軽くゆすり、なるべく梅全体にエキスをかけて馴染ませます。
ゆすったあとは、清潔なスプーンなどを使って、梅の上に氷砂糖がのっている状態にします。
1〜3週間経ち、梅が頭まで完全にエキスに浸かった状態になれば、もうビンをゆする必要はありません。
経過を見るのが大切
梅シロップを失敗せずに作るコツは、梅を漬けたあとに経過をまめにチェックすることです。
工程⑤の写真は、漬けてから4日経った様子ですが、青梅が空気にさらされているこのような状態が長く続くと、カビが生えたりして失敗しやすくなります。
ですから、ビンを軽くゆすって梅から出てきたエキスをまめに梅に馴染ませるとともに、溶け残っている氷砂糖が梅の上にくるようにしてください。
梅がエキスにどっぷり浸ってしまえば、空気を完全に遮断できるので、傷んで失敗することはなくなります。
- 砂糖が残っている
- 1ヶ月後
- 1ヶ月半後
- ⑥ 1ヶ月半〜2ヶ月経ち、氷砂糖が自然にすべて溶けて消えたら、飲み始めることができます。
発酵してきたら冷蔵庫へ
梅シロップ(梅ジュース)は、気温が高いところに置いておくと、ぶくぶくと泡が出てきて発酵しはじめることがあります。
慣れないと驚くかもしれませんが、発酵しはじめても、飲めなくなるわけではありません。
出てきた泡の正体は、酵母が排出した炭酸ガス。
適度な温度になって酵母の働きが活発になると、酵母は、糖からアルコール(香り成分)と炭酸ガスを生成します。
アルコール発酵することで、風味が増して、むしろ美味しいと感じる方も多いと思います。
発酵して泡が出てきたら、冷蔵庫に入れて冷やすとおさまります。
もし、発酵するのを避けたいのなら、漬けた時点から冷蔵庫に入れると良いです。
- 4ヶ月後
- 半年後
- ⑦ 少なくとも数ヶ月、できれば1年ほど置くと、より美味しくなります。
常温(冷暗所)で3年ほど日持ちします。
時間の経過とともに、シロップの琥珀色が濃くなり、味は濃厚でまろやかになっていきます。
梅シロップの梅を引き上げる時期
シロップの中の梅は、できれば1年ほど、そのまま漬けっぱなしにしておくのがおすすめです。
時間が経つにつれて、梅の風味がだんだん濃くなって美味しくなるからです。
1年経った後は、いつ引き上げても良いです。
自分好みの濃さになった時点で引き上げてください。
なお、梅がシロップに完全に浸かった状態であれば、最後まで漬けっぱなしにしても特に問題はありません。
梅シロップの賞味期限
この梅シロップは、常温で3年ほど日持ちします。
保存方法については、日光が当たらない冷暗所に置くのが基本で、気温が高い季節には冷蔵庫に入れておくと安心です。
また、発酵し始めた場合には、冷蔵庫に入れて発酵を抑えたうえで保存してください。
なお、残った梅は、そのまま美味しく食べることもできますし、刻んで煮て梅ジャムに加工することもできます。
- 2年経ったシロップ
- 取り出した梅
梅シロップの使い方
梅シロップの使い方といえば、やはり梅ジュースにするのが人気です。
割り方や飲み方は自由ですけど、梅シロップと水(もしくは炭酸水など)を2:3くらいの割合で混ぜ合わせると、ちょうど良い濃さに仕上がります。
さっぱりとした爽やかな味で、ごくごくと美味しく飲め干せます。
また、ジュース以外にも幅広い用途で使えます。
たとえば、ヨーグルトにかけたり、ゼリーやケーキなどのお菓子作りに活用してもいいですし、煮込み料理の風味付けや肉料理のソースとしても便利です。
長く日持ちするので、まとめて作ってストックしておくと重宝しますよ。
レシピの補足説明
最後に、材料や作り方に関してお伝えしきれなかったことを追記します。
少し多めの氷砂糖をかぶせる
ビンに入れた梅は、砂糖が溶けはじめて梅のエキスが上がってくるまで、3〜4日ほど空気にさらされた状態になります。
溶けた砂糖は、下に向かって落ちていくので、梅全体がなるべく氷砂糖に触れている状態にするとともに、梅の上部には少し多めの氷砂糖をのせてください。
そうすると、梅のエキスが効率よく抽出できるので、梅が傷みにくくなります。
梅シロップに適した砂糖の種類
梅シロップを作る砂糖は、氷砂糖にするのがおすすめです。
氷砂糖を使うと、じわじわと時間をかけて砂糖が溶けるので、梅のエキスを抽出しやすくなります。
実際、パウダー状の砂糖(白砂糖・きび砂糖・黒糖など)を使ったものと飲み比べてみると、氷砂糖を使った方が、味に深みがありますし、香りもいいです。
そのうえ、氷砂糖はすっきりとした甘さなので、梅の風味が引き立ちます。
ちなみに、漬けてから2年経過した梅シロップをくらべても、白砂糖を使うより氷砂糖を使った方が、味に深みがあって美味しいです。
熱湯消毒について
保存瓶は、あらかじめ内部に熱湯をまわしかけるか、鍋で煮沸消毒したうえで、しっかり乾燥させてから使ってください。
梅シロップは長期保存が可能なので、清潔にしておくことが大切です。
熱湯消毒の手順は、容器の内側に熱湯をまんべんなく回しかけます。
すぐに熱湯を捨てて、自然乾燥させたら完了です。
冷暗所について
梅シロップを漬けたら、直射日光の当たらないところで、なおかつ、なるべく涼しい場所(冷暗所)に置いてください。
たとえば、シンクの下とか食品を収納している戸棚などです。
なお、梅エキスが出て、梅の頭まで完全に浸かった状態になれば、野菜室から出して冷暗所に移しても構いません。
発酵した梅シロップの活用法
発酵した梅シロップは、パン作りに活用することもできます。
発酵させた梅シロップには酵母菌が含まれているので、市販のイーストなしでも、パンがふっくら膨らみます。
ただし、梅シロップの中の野生酵母を起こす作業は、慣れないと少し難しいと思います。
野生酵母を使ってパンを作りたい場合は、下のページをご覧ください。
リンク先では、レーズン酵母を使ったやり方を紹介しています。
梅シロップが少なくなったら容器を移す
なお、梅シロップが少なくなってきたら、たまに清潔な別容器に移し替えると、より安心して長期保存できます。
ところで、当サイトでは、梅を使ったレシピを他にもご紹介しています。
下のリンク先もぜひご覧ください。
毎年参考にさせていただいております❣️
今年は赤紫蘇が余っても、去年ジュースにすればいいんだ、と教えていただきましたので、安心ですめちゃ美味しくて好評でした❣️
ジャムも好評でしたので、もう少し待って、ジャムも作りたい❣️と思ってます٩( ᐛ )و
赤紫蘇ジュースと梅ジャムを作ってくださってありがとうございます。
梅雨時から夏にかけてのこの時期は、梅や赤紫蘇で色々な保存食を作るのが楽しいものですよね。
私もちょうど今、梅ジュースを仕込んでいるところです。